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MONO代表・土田英生のブログです

2016年11月28日

ハテノウタ

 用事があったので、朝、ぶらぶら雨の嵐山を抜け、京福電車の嵐山駅に向かった。
 嵐電と呼ばれている路面電車だ。
 
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 四条大宮行きに乗る。
 熊本の震災に関する支援を訴える仕様になっていた。
 嵐山を発車すると、懐かしい景色が広がる。

 大学を中退し、東京へ行った。
 1年で挫折して戻って来た。
 そしてMONOをつくった。
 その時から長く住んでいたのがこの沿線なのだ。
 住んでいた「有栖川」のあたりは景色がすっかり変わっていた。
 けれど、やはり面影はところどころにあって、色んなことを想い出す。

 「帷子の辻」で北野線に乗り換える。
 隣に「撮影所前」という新しい駅ができていたりして驚いたが、次の駅である「常盤」は大学の1、2年の時に住んでいた街だ。
 モダンのトンカツ定食とか、王将とか、ファミリアとか……様々なワードが意味なく頭を駆け巡る。
 夜中に線路を歩いて帰ったこととか。
 スタンドバイミーじゃあるまいし、なんで線路を歩いたんだろうね。
 お金がなかったんだと思うけど。
 終点の「北野白梅町」に着く。
 改札を出てみると、ここは全然変わってない。
 串八の本店を見てなんだかホッとする。
 
 西大路通りを歩いて大学の方へ。
 Harbor cafeという24時間営業の店はまだある。
 昔はHoliday Houseという名前だった。
 犬飼君が劇団を抜けるという話し合いをしたのもここだったよね。
 
 少し早く着いたので北野天満宮を歩いた。
 
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 ……今日の用事は嬉しく思えば思うほど辛くなるという……不思議な状況だった。
 感傷的になってしまった。
 自分のこれからを考えざるを得ない日になった。

 書き出したわりに、なんの内容もなく終わってしまった。

 「懐かしさ」ということをつながりに作品のことを書こう。
 今からコツコツと宣伝をしておかないとね。

 MONOの次回公演は『ハテノウタ』だ。
 大人が出演する青春群像劇。
 高校時代の甘酸っぱさと、終末の切なさを同時に描く。

 そんなジャンルがあるのかどうかわからないけど、一言で表すなら「同窓会モノ」だ。
 しかしただの同窓会モノではない。
 バラバラな年齢の役者たちだが、全員が基本的に同い年という設定になっている。
 かといって、無理やり高校生の役をやるというようなことはしない。
 ある事情によって見かけは違ってしまっているけど、同じ年齢なのだ。

 それを同窓会の二次会的な場所を舞台に描く。
 歌もうたう……つもりだ。
 「ハテノウタ」は漢字にすれば「涯の歌」だ。

 ネタバレしているんじゃないかと思うかもしれないが、承知の上だ。
 制作とも相談した。
 こうした情報はチラシにも掲載する予定だ。
 で、この設定の中で、どれだけ普遍的な物語を編めるのか、そこに力点を置いて創ろうと思っている。

 出演はMONOの男性5人。
 ゲストには「のぞき穴、哀愁」以来2回目の出演になる松永渚さん、4回連続の出演になる高橋明日香さん、「ぶた草の庭」から3回連続になる松原由希子さんというMONOにも馴染み深い若い女優3人。

 そして……浦嶋りんこさんが出てくれる。
 
 彼女と知り合ったのは随分と前だ。
 「トリツカレ男」という作品の演出をした時、彼女は出演していた。音楽劇だったので、クラムボンの原田郁子さんや尾藤イサオさんと共に歌ってもらったりした。
 その時、ストレートプレイもやりたいという話を聞いたので、その後、一度一緒にやっている。
 けれど、できればMONOに出てもらいたいなあと思っていた。

 で、今回、歌もあるということで彼女にお願いした。

 懐かしさ、愉快さ、切なさ、間抜けさ……全てを取り込んだ作品にするつもりだ。
 皆様、チェックしておいてくださいね。

 と、宣伝していたら……少しだけ気分が上向いた気がする。
posted by 土田英生 at 02:41| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月26日

耳を塞ぐ

 自分と考えの違う人と話すのには労力がいる。

 話した結果、どちらかの考えが改められることももちろんある。
 お互い誤解していたねと、結果、同じ考えだったと分かって喜ぶこともある。
 また、最後まで違っていても、お互いの言い分を理解し合い、少しずつ譲って、『この辺りだったら双方が合意できるね』と、妥協点を見つけられることもある。

 けれど、いずれにしても……冷静に話し、お互いが理解し合おうという態度が前提になければどうにもならない。

 相手をやっつけるだけでは相互理解には到達しない。
 また、人は自分が正しいと思ってしまう生き物であり、攻撃されるとそれを守ることに執着してしまうのだということも分かって自分をコントロールしないと、自分に都合の悪い言葉は耳に入らない。

 そのコントロールする能力こそが理性であり知性だ。
 
 人間は動物のようには自然に生きられない。
 だからこそ、皆で、色々な『常識』を作り上げ、それを社会化することで共存しようとしてきた。
 そうした理性なんてどうでもいいと開き直った人には何を言っても通らない。
 どんなに正しい『事実』を告げようが、耳を塞いでいるので聞こえないし、別のことで粗探しをして反撃してくるだけだ。
 これは、どんな思想を持っていようが、こうなってしまったら『他者』と理解し合うことなどできない。
 そこにあるのは罵り合いだ。
 敵か味方か。
 問題はそれだけだ。
 もう内容は関係ない。
 
 日本全体がそうなってしまった。
 いや、世界がそうなっている。

 皆、自分の考えを補強して気持ち良くさせてくれる意見だけを取り入れ、自分と相容れない考えの人たちを罵る。もう事実なんかはどうでもいい。解釈次第でどうにでもなるからだ。

 そして、話はどんどん簡単になり、極端になっていく。
 原理主義というか、いや、ただ単純化して争っているだけだね。
 
 どう考えても明るい未来が待っているとは思えない。
 せいぜい出来ることは、冷静になろうと呼びかけ続けることくらいだ。

 大事なことは、ここはこうだけど、あそこは違うよね、と、しっかりと物事を見つめることなんだけどね。
 だって、100パーセント正しいなんてことはないのに。

 最近、日本人は素晴らしいなどというエピソードをやたら見せられるけど、実際には嫌なやつだっていっぱいるし。そんなに素晴らしいなら、国内で事件や揉め事なんて起きないはずなのにね。
 そうすると、今度は、そういう都合の悪い奴は外国人に違いないとか言い出すし。

 私はロンドンに留学していた時、いい人にたくさん出会った。
 けど、嫌な奴もいた。
 韓国で仕事をしていた時、いい人にたくさん出会ったし、いい思いもした。
 けど嫌な目にも遭った。
 中国でもそうだったし、アメリカでもそうだったし、高校の頃の姉妹校交換なんとかで行ったオーストラリアでもそうだったし、そんなこといったら、育った愛知県でもそうだったし、大学で京都に来てからもそうだっし、東京でもそうだし。
 時々嫌な目に遭うけど、幸せな体験の方が勝っているというか、どこでだってほとんどの人はいい人だった。
 文化や習慣に差はあっても、本質的な差異はない。
 
 自分と属性の近い人に味方したくなる気持ちはわかる。
 家族であるとか、出身地が一緒とかね。
 自分のアイデンティティーをそこに求めているから、きっと自分の一部なんだよね。
 
 けど、そんなこといっていたら世界は閉じるばかりだ。
 
 脚本を書いていて、そういうことばかり考えている。
 別に考えを披瀝しようとして作品を創っている訳じゃないし、エンターティメントとして楽しんでもらおうというのが最も大事なんだけど、どうしたって表現は社会に対するリアクションになるし。

 考えの違う人達に、どうしたら耳を塞がずにいてもらえるのか……。
posted by 土田英生 at 04:31| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月24日

刺激

 今日は劇作家協会関西支部のイベント『劇作バトル!』。
 会場は大阪だ。
 朝、下北沢から移動。

 それにしても先月あたりからかなりウロウロしているな。
 東京→大阪→東京→群馬→東京→坂出→東京→広島→東京→京都→奈良→宮崎→東京→姫路→東京→大阪→京都……今はここだ。

 あまりに不規則なせいか、なんだか食欲などがおかしい。
 この前、姫路から東京に移動した時もそうだった。
 一睡もせずに6時代の新幹線に乗り、妙にお腹が空いていた私は但馬牛の牛めし弁当を買った。そして食べたら思いの外美味しかった。
 ちょうと食べ終わった時だ。
 前に座っていた女性が、立ち上がって伸びをした。
 そして振り向いた。
 どういう訳だか長い間目が合った。
 と、私は無意識に「ああ、美味しかった」と彼女に向かって言ってしまった。
 そういえば、今日も朝から焼肉弁当を食べた。
 
 このイベントは去年が最初で、前回はイキウメの前川知大君の『語る室』だった。
 今年はヨーロッパ企画の上田誠君。
 取り上げさせてもらった戯曲は『月とスイートスポット』だ。
 これは上演も私は観ている。

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 最初に前半30分くらいのリーディング。
 横山拓也君が演出して、関西で活躍している役者さんたちが読んだ。
 それから……私と上田君でトークだ。
 彼のことはわかっているつもりになっていたが、話せば話すほど、自分との違いが明確になっていく。
 しかし、そういう書き方もあるのかと勉強になった。
 
 こういう企画は何より私にとって刺激になる。
 他人の書いたものを何回も読むし、そして話して理解も深まり、私の視野は広がる。
 お得だ。
 随分と前のことになるが、『劇作解体新書』というイベントをやらせてもらった時もそうだった。
 あの時も大変なメンバーだったしね。敬称略するが、小林賢太郎、長塚圭史、倉持裕、ケラリーノ・サンドロヴィッチ。
 
 まあ、そうした刺激を自作に生かさないとね。
 情報公開されたので一応宣伝。
 
 MONO公演『ハテノウタ』……これについては改めて。
 
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posted by 土田英生 at 03:32| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする