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MONO代表・土田英生のブログです

2017年07月18日

稽古は順調

 随分と更新を怠けた。

 「きゅうりの花」の稽古は着々と進んでいる。
 毎日三鷹に通っている。

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 芝居が本当にいい感じになってきた。すると宣伝したくなる。なので久しぶりに書こうと思った。
 ……なんだこれ?
 「着物をもらった。これは夏に着るものであろう。夏まで生きてみようと思った」みたいな感じだ。
 正確じゃないけど、太宰治の小説にこんなのあったよね。
 
 とにかく稽古はいい感じになって来た。

 私の創る芝居は、どうも役者さんを不自由にさせる。
 そのことは前々から分かっていたことだ。

 役者さんは誰だって自由に伸び伸び演技したいんだと思う。
 けれど、私が書く台詞はあるリズムを共有することで成り立つようにできている。意図的ではないけど、そういう風にしか書けないのだ。

 だから、面白くする為には全員でリズムを作らないといけない。
 当然、制限がかかる。不自由になる。
 一人でもそこで自由自在に演技してしまうと壊れてしまうのだ。
 これは自分の台本の弱点だとも思っている。
 
 MONOでやるときはその文法を皆が共有しているので問題はない。
 しかし、プロデュース公演などをすると、どうしてもそのすり合わせに時間がかかる。
 いくら素晴らしい役者さんたちが揃っても、シーンが成立しなかったりすることがある。

 で、とにかく最初はリズムを揃えることを求めた。
 それが出来上がってから、役者個々の魅力を引き出そうと思ったのだ。
 なので無理を承知で、形を作ることを急いだ。
 
 今回のメンバーはそれに付き合ってくれた。
 と……一昨日くらいから突然芝居が動き出した。
 リズムが出来てきただけではなく、個々の役者も光り出した。

 今日の通し稽古も良かった。

 神田くんはほぼ初舞台なので新鮮なのは当たり前だけど、諏訪雅くんも加藤啓くんも千葉雅子さんも内田淳子さんも……普段の演技と少し違って見える。
 まあ、金替と私は……どうしても新鮮さには欠けるけど、それは仕方ない。

 とにかく今、ここまで行けてたら大丈夫だ。
 あとは精度を高めながら、新しい工夫を入れて行こう。
 幸いにも全部で10回以上通し稽古ができる。
 15年ぶりに上演する「きゅうりの花」だが、うん、いい作品になると思う。
 
 みなさん、お待ちしています、心から。

 「きゅうりの花」特設サイト

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 あ、明日(19日)はトークイベントもします!
 こじんまりした会場(お店)で、のんびりとトークする予定ですので、お時間のある方はぜひ。
 フラッと来てくださっても大丈夫だと思います。諏訪くんと私で喋りますが、もしかしたら他の出演者も顔を出してくれるかも知れません。
 
 詳細はコチラから!

 やっぱり稽古が楽しいと自分自身も落ち着いてくるね。
 
 TwitterやFaceBookなどをスマホから抜いていた。
 少しだけネット上の社会生活に疲れを感じていたからだ。
 けれど、やっぱり不便だね。
 頑張って発信していかないとね。
posted by 土田英生 at 03:19| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月28日

捨てたり大事にしたり

 「きゅうりの花」の稽古が始まった。
 すでに2日目が終わった。
 初日は一度だけ通して読んで終わり。
 今日は1場と2場の本読み。
 私は普段、あまり本読みをじっくりやらない。台本を持ったままでも、すぐに動いてもらって形を作って行く方が好きだ。
 しかし、この戯曲はMONOで2回上演している。だからなんとなく形が頭の中に残ってしまっている。
 とにかくその印象から離れようと思い、本読みをしながら新しいイメージを膨らませている。
 舞台美術もちょっとしたことを変えてもらった。出入り口の位置とか。
 前と同じように創れないようにして、今回ならではの「きゅうりの花」を目指している。

 チケットは絶賛発売中ですー!
 サイトはこちらから。→
 
 京都で引きこもっていたが、先週末広島に向かった。
 毎年やらせてもらっているアステールプラザの演劇学校の講師をやる為だ。
 普段は15時に入り、16時から開始なのだが、この日は朝早くに新幹線に乗った。
 グンジョーブタイという劇団が、私の戯曲「相対的浮世絵」を上演していて、この日は11時開演の回があると分かったので観に行ったのだ。深海くんという役者さんがいて……座長なのかな……とにかく彼がやっている劇団だ。この劇団は旗揚げ公演も私の「燕のいる駅」だった。
 上演するのは難しい戯曲だと思うけど、よく出来ていて面白かった。急遽決まって、終演後のトークにも出してもらった。

 で、そこから二日間のワークショップ。
 終わってから松山の劇団unit out 「食卓心中」の広島公演を観た。作家である玉井さんは私の戯曲講座に来てくれたこともあったので観られて嬉しかった。

 最終の新幹線で東京へ移動。翌日から「きゅうりの花」の稽古だったのだ。
 品川駅に着く直前で箱庭円舞曲の古川くんと会った。同じ車両に乗っていたらしい。

 で……。
 下北沢の事務所に着き、スケジュールの確認をしようとしたら……スケジュール帳がない。
 どこを探してもない。
 お手製の革カバーがしてあり、さらにはお気に入りのペンが挿してあるはずのものだ。
 まあいいか……。
 いやいやいや。
 スケジュール帳もちょっと困るけど、あのペンは……なくなると困る。とても気に入っているものなのだ。
 プラチナのファンクションペンで銀の同軸。
 そんなに高価なものではないけど、一目惚れして買ったものだ。

 しばらく考えていると……ふと、私の脳裏には映像が浮かんだ。
 新幹線の座席についている網。
 その中に入っている手帳とペン。
 そうだ。あそこに入れていた。
 ということは……忘れてきたらしい。

 私はこういう時、すぐに諦める質だ。
 だから「もういいや」とも思ったが、こういうところから変えて行こうと考え直し、とりあえずJR東海のメールフォームから忘れ物届を出した。

 今日、18時に稽古が終わってから私はダッシュした。三鷹から下北沢まで30分で移動しようという作戦だった。18時半からMONO特別企画のワークショップをやることになっていた。
 公演は11月にやる予定で、とてもこじんまりした企画だ。けれど、こういうものこそ、きちんとやって行かないと自分自身が先細って行ってしまう。だから色々と試して行く必要がある。本来の意味でのワークショップだ。

 あ、サイトはこちらです。→

 三鷹駅のホームに着いた。
 空になったペットボトルとライターをなぜか握りしめていた。
 電車が入って来る。
 私はホームにあるゴミ箱にペットボトルを捨てた。
 ゴン。
 音がした。
 手をみると何もない。どうやらライターも一緒に投げ込んでしまったようだ。
 ロンドンで買ったジッポーのライター。
 なのでさすがに手を突っ込んで探した。
 ペットボトルを捨てるところの穴は小さい。そこに腕を入れてゴソゴソする。
 通り過ぎる女子高生たちが怪訝そうな表情で私を見ている。
 けれど構っていられない。
 電車は行ってしまった。そしてまだライターは見つからない。
 次の電車が入ってきた。
 ここにライターを捨てたら、それはそれでダメだしねえ。だからなんとかしようと必死だった。
 けれど、このままだとワークショップには遅刻してしまう。
 列車の発車を告げるアナウンス。
 ワークショップを取るのか、ジッポーを取るのか。
 ……ワークシップを取った。しかし遅刻した。
 
 ワークショップが終わってメールを見ると、JR東海からそれらしきものが見つかったという返信が来ていた。どうやら手帳とペンはあるようだ。
 明日、取りに行こう。
 
 捨てたり大事にしたり。
 忙しいね。
posted by 土田英生 at 03:51| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月19日

まもなく稽古開始

 「きゅうりの花」の稽古がまもなく始まる。
 やっと台本の改訂も終わった。
 キューカンバー(MONO)のサイトにも情報が出ているが、こっちの方が詳しいので、今はこのリンクを貼らせてもらおう。

 →エントレの記事
 
 もうすぐ公演用のサイトなどもできるそうなので、そうしたらまたここで書かせてもらいますー。
 一般前売りも始まるし、関西では記者発表もさせてもらう。
  
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 そして11月には若い俳優たちとMONO特別企画をすることも決まった。
 タイトルは「怠惰なマネキン」。
 この企画は来年のMONOの本公演と自分の中ではリンクしていて、いや、まだそれはいいか。
 今はまだTwitterしかないのでそれを貼っておきます。

 →MONO特別企画vol.6アカウント
 
 私は一人の時は、まるで潜水艦のように静かに海の底を漂うことになっている。
 単純に言えば沈む。
 ここ二ヶ月はまさにそうだった。
 昨年秋からあんなに忙しかったのにMONO「ハテノウタ」が終わって急に暇になったせいだと思う。それに加えて今の日本の状況に対する暗澹たる気分が重なり、さらには個人的な生活の変化があったことで……もうもう不安の塊だった。
 不安の塊は重い。
 まったく浮上する気配がない。
 もっと軽くならなければ。
 状況が変わらなくても、気分だけでもなんとかしないとと思った。
 海の底にばかりいたくない。
 光が見たい。
 よし。だったら軽くなろう。

 まず、iPhoneからSNS系のアプリを全部抜いた。
 これは友達から勧めてもらった。
 パソコンでは見られるので問題ない。電車に乗っている時などもいつも見てしまっていた。
 入っていたゲームもかなり削除したので、暇な時は代わりに本を読むことにした。昔はそうだったしね。

 これだけでずいぶんと楽になった。
 押し寄せてくる人々の感情や、様々な情報から隔離されるだけでこんなに気分が変わるとは思っていなかった。
 
 次に環境を変えようと思った。
 私はインテリアなどが好きだ。
 けど、今はそんなに大掛かりなことはできない。
 なのでドアの色を変えようと思った。

 ペンキを買いに行った。
 そのホームセンターは私が昔住んでいたアパートの近くにある。
 なので買い物が終わってから、ブラブラとそのアパートを見に行った。
 まだあった。
 ほとんど変わっていない。
 「おおおおおお……」
 眺めながら小さな声が出てしまった。

 21歳から29歳までそこに住んでいた。
 劇団を作った時、ここを事務所にしていたなあと思った。
 外から電話がかかってきて「代表の土田さんはいらっしゃいますか?」と聞かれ、「少々お待ちください」と言ってしまったことを思い出した。しばらくして「お待たせしました」と低い声を出してみたものの、向こうは微妙な感じだった。バレてたんだろうね。
 
 それにしても……本当、当時のままだ。
 写真を撮りたかったけど、私のiPhoneはカメラが壊れている。
 インカメラだけは時々動くのだが、気まぐれにしか写らない。
 やってみたけどやっぱりダメだった。

 テンションが上がった私は隣の駅まで歩いた。
 そこには昔、犬飼君が住んでいたマンションがあった。
 よくファミスタをする為に遊びに行ったねえ。いや、遊びに行ったというより、入り浸ってたね。
 私も水沼君も。
 
 そのマンションもまだあった。
 写真を……けどiPhoneは……。
 すると、なぜかインカメラが反応した。

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 撮れた。
 私は入る必要なかったのだが、インカメラにしてしまうとどうも自分を向けてしまうようだ。
 自分抜きでもう一枚撮ろうと思ったら、またカメラが動かなくなった。

 近所をぶらぶらした。
 なんか……なんか……懐かしくて。
 よく通った定食屋さんに入ってご飯を食べた。
 気分が高揚したのか、リュックにペンキを入れたまま、歩いて帰ることにした。
 
 桂川に出る。
 と……夕日が川面に反射し、とてもきれいだった。
 写真は無理だし。
 けど、一応、試してみよう。

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 撮れた。
 今度は最初から自分を入れずに撮った。
 しばらく河原に座ってぼうっとした。
 不思議なことに元気が出てきた。

 家に帰って、仕事をして、夜中にドアを塗った。
 終わったら朝になっていたが、私はずいぶんと海面近くにまで浮上したと思う。
 
 
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 週末は広島に行き、来週から「きゅうりの花」の稽古開始だ。
posted by 土田英生 at 04:02| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする