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MONO代表・土田英生のブログです

2017年11月21日

「怠惰なマネキン」最終日。

 「怠惰なマネキン」。
 5日間8ステージ。
 今日が最終日で、昼と夜の2回。
 これまで関わった中で最も小さな会場での公演だ。
 40人マックスなので、おかげさまで全ての回が前売完売になった。
 
 昨日は……演劇をはじめてから、“私にとって”初めてのハプニングがあった。
 詳細は省くけど、本番を中断するしかなくなったのだ。中断を挟んで最後まで上演はできたけど……うんんん……。改めてそのことについては書きたいというか、考えなければいけないなあと思っている。
 あの場面ではあの選択しかないと理解しつつ、それでも自分の判断が間違ってなかったのか、モヤモヤしたものが残っている。「Show must go on」が基本理念だったしね。
 
 最後まで協力的だったお客さんに対しては感謝しかない。
 理不尽なことばかりが目につく社会の中で、とても真っ当な人たちを目の前にして、私自身が多くのものをもらった気がする。
 
 とにかく、残り二回、うまく行きますように。

 10月からとにかく忙しい毎日が続いている。
 「怠惰なマネキン」はその合間に稽古をしながら書き進める感じだった。前回の更新でも書いたことだけど、台本のフィクション度合いが極めて少なく、私のフィルターを通した役者本人の姿を、こうなればいいのにという思いを込めて書いた気がする。
 だから内容も、やや若いというか、私自身にとってはすでに通り過ぎたことだったりする。
 
 ……そんなことないな。
 わかったような顔をしてても、人間、年齢ではそんなに変わらないし。
 若いメンバーに書いたという言い訳の中、自分の中に残るどうしようもない幼さを書いただけかも知れない。
 
 現に今だって、いろいろと考えて眠れず……だからこれを書いてるのだ。
 考えるねえ。
 なんで私はこんなに考えるんだろう?
 しかもコーヒーを飲んで、アーモンドを食べながら。

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 そもそも、私はどうしてこんなにアーモンドを食べるんだろう?
 本番中なのでお客さんが差し入れてくれたりして、アーモンドの供給が潤沢だということもある。
 けれど、普段でも私はずっとアーモンドを食べている。
 リスより食べていると思う。
 どうしてアーモンドをこんなに食べるのかを、アーモンドを食べながら考えている。
 「ベラベラ喋るのをやめる」という決意をベラベラ喋ってしまったことがあるが、それと同じような矛盾を感じるな。

 年内は細々とした仕事をしながら、ドラマの脚本を書き進める。
 同時に準備しないといけないのが、次回のMONOの本公演だ。

 タイトルも決まっている。

 『隣の芝生も。』

 3月に名古屋公演で幕を開け、東京や大阪、その他の場所でも公演を予定している。名古屋は愛知県立芸術劇場、東京が座・高円寺、大阪はABCホール。

 私のこれまでの作品はすべて『一杯飾り』だった。
 「杯」は場面のことで、「飾り」は舞台美術。
 だから一つの場所だけで進行するのが『一杯飾り』だ。
 今回はそれを変える試みをしようと思っている。
 二つの話が同時に進行し、それがやがて一つの物語に収斂していくようなものにしようとしている。だからセットも二つ必要なのだ。『二杯飾り』だ。

 『隣の芝生も。』というタイトルから、隣り合わせに存在する人たちの話だろうと推測すると思うが……それはその通りだ。裏切らなくて申し訳ない気持ちだ。

 MONO特別企画「怠惰なマネキン」に出演している5人も全員出演する。

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撮影/吉田朱里


 だいたい、この写真はMONOのサイトなどに載っている写真と同じような雰囲気で撮ったやつだし。

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 ……踏ん張って遠くを見ないと。
 そこに少しでも明るい景色が見えるなら、まだまだ歩けるしね。

 アーモンドもなくなった。
 少しだけ眠ろう。
posted by 土田英生 at 07:34| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月17日

「怠惰なマネキン」初日

 ドラマの脚本を書きながら、MONO特別企画「怠惰なマネキン」稽古という毎日。
 それも終わる。
 今日は「怠惰なマネキン」の初日だ。
 
 けれど、普段と雰囲気が違う。
 今回は劇場ではなく、ギャラリーでの公演だからかもしれない。創ったものを観せるという感覚になっていない。体験型イベントをやる時のような気持ちに近い。
 ……とか書きながらそんなイベントをやったこともないのにね。
 だから正確にはわからないけれど、まあ、やっぱり近いな、それに。
 
 会場が決まった時「これは普通にやってもダメだ」と判断した。
 40人の観客が座ったらもうほとんど演技するスペースはない。
 だからその「部屋」にお客さんも一緒にいるという形にしようと思った。
 それには工夫が必要だ。
 創ったものにしか興味がわかないので、お客さんと直接やりとりしたりするのが嫌いだ。
 うんんんん。
 
 マネキンが出てくる芝居なので、観客の皆を『部屋に置かれたマネキン』に見立てようと思った。

 
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 ……あまり説明するのも野暮なので、この写真で察していただければいい。
 
 だから芝居もストーリー展開ではなく、人がその場で話していること自体を芝居にしようと思った。
 皆がマネキンになってその様を横で眺めているという感じだ。
 手を伸ばせば触れられる距離で、役者たちは会話する。
 
 だから登場人物の像も本人に近づけた。
 今回のMONO特別企画をやっていることと地続きに「怠惰なマネキン」の世界があり、そして私というフィルターを通した本人たちがそれぞれの役になっている。
 
 演技はドラえもんの道具「もしもボックス」のようなものだと考えている。
 役に成り切るとかではなく、その身体、仕草、そのままで、条件が少しだけ変わったところに身を置いてもらう。と、本人でありながら日常の本人とは差異が生まれてくる。その差異こそが演技だ。

 けど、考えたら私はスタートからそうだった。
 もともと、書くことに興味もなく、役者がやりたいだけで劇団を作った。
 だから書く技術もなければ興味もあまりなかった。
 一緒に始めた水沼君を見ていて、(私が思った)彼なら言いそうな言葉を書いたのが、私の劇作のスタートだと思う。それは私から見た水沼像だった。それが少しずつ形を変え、「彼がこんな場所でこんなことをしたら面白い」という形に変化していき、フィクションの度合いがそれに連れて強くなっただけだ。奥村君にも尾方君にも、そして金替君にも同じことをした。
 今はあまりそんなことを意識してはいないんだけどね。
 でも、それゆえ、私がMONOで芝居を作る時、私が書く台詞の多くは、彼らへのメッセージだったり、私の思いを伝えるものだったりしてしまうんだと思う。ラブレターみたいなものなのだ。

 今回はまさにそういう作業だった。
 「怠惰なマネキン」に出ているメンバーは「俳優育成講座」で三年前に出会った人たちがベースだ。書きながらそれぞれのことを考えた時間だった。
 
 そろそろ出かけないと。
 狭い会場なので完売してしまっている回も多いんですが、21日の昼などはまだ入れますので。
 ぜひ、役者のフィクションとノンフィクションの狭間を体験してください。
 
 サイトです!

 昨日の稽古帰り。
 渡辺啓太がいないけど。

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posted by 土田英生 at 08:23| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月07日

心理学マニア

 いつだったのかは忘れたが、フロイトやユングを読んでから心理学が好きになった。
 自分にとって必要だった。
 けれど、そこからは心理学を幅広く学ぶことには興味は向かわず、私の興味はもっぱら行動心理学や催眠心理学に集中した。

 そうした知識は、まさしく演劇の現場で役に立っている。
 MONO特別企画「怠惰なマネキン」の台本を書く時も、演出をする時も、久しぶりにそのことをかなり考えた。これがどういう結果になるのか、まだ見えないけどね。
 
 みなさん、お待ちしています。
 MONO特別企画サイト→
 出演者のインタビューや私のコメントなども載っています。

 明日も稽古。
 ああ、秋。

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posted by 土田英生 at 05:02| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする