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MONO代表・土田英生のブログです

2014年01月28日

落ち着こう。

 なかなか気分が上向かなかった。
 今もその気分は変わってないけれど、それでも前を向こうと決めた。
 
 大好きな男が矢面に立たされている。
 もちろん、私は彼を応援している。
 と言っても、時々メールで「がんばれ」と送ることくらいしかできていないけど。

 なんだろう?
 どうも社会が集団ヒステリーのような状態になってしまっている。
 興奮してしまっている。
 一つ騒ぎが起こると、どっちかにつかなければいけないような空気が蔓延している気がする。
 『踏み絵』を踏むことを迫られる社会。
 落ち着こうよ、と言いたくて仕方ない。

 何かに対して賛成、反対はあって当たり前だ。
 でも、賛成の人と、反対の人の間で憎しみ合う前に、冷静になろうよ。
 それが宗教であっても、政治であっても、国と国との関係であっても。
 絶対正義は存在しない。
 これはAがいいし、あれはBがいいし、総合的にはこの変かなあ。
 こういうことを言うと「卑怯だ」と言われたりする。
 お前はどっちなんだと聞かれる。
 もちろん、私個人の意見はある。
 しかし、問題は……お互いの意見の相違を認めることができない、余裕のなさだ。
 
 ロンドンに留学しているとき、苦手なタイプの人がいた。
 出会うほとんどの人は素晴らしい人たちだったが、困ったのは……考え方が両極端な人だった。
 「なんでも絶対に日本よりイギリスがいい」という人たち、そして「絶対に日本の方がいい」という人たちだ。
 人によって合う、合わないもあるだろうし、それにいいとこ、悪いとこそれぞれなのだ。
 
 日本では電車は時間に正確だ。それは素晴らしいことだと思う。
 一方、私がいた頃のロンドンの地下鉄は笑えるくらい不正確だった。全然、来ないと思うと三本続けて来たりするし。でも、それだって駅員に怒鳴っている日本と、「来ないねえ」と知らない者同士で笑い合うロンドンのどっちがいいのかは分からない。
 気分、状況、価値観の問題だ。
 しかもだ。
 日本にも「仕方ないなあ」と笑う人はいるし、怒鳴るロンドンの人もいるだろう。
 何となくの印象でしかない。

 ロンドンのタクシー、ブラックキャブの運転手になるのはとても難しいそうだ。そのせいか、通りと番地を言うだけで正確に家の前につけてくれる。しかし京都では道を知らない運転手さんも多い。
 これだって、付け加えれば、日本にだって道に詳しい運転手さんはいるし、私はロンドンのブラックキャブに乗って一緒に迷ったこともある。

 イギリスのラップは切れなかった。それは間違いない気がする。だからラップは日本のものがいい。
 けれど、それすら私は面白かった。
 みんな、どうしてるんだろうと、箱からびろーんと伸びたラップを手にして笑った。
 まあ、時には苛々したけど。

 随分と話がそれた。

 問題があるなら議論すればいい。
 だけど喧嘩する必要はない。
 ましてや何か欠点を見つけると一斉に集中砲火するという、こういう環境が怖い。
 大多数の人はきっと「落ち着こうよ」と思っているのだと思う。
 残念ながらそれは声になりづらい。
 過激な意見ばかりが前面に出て来て、それが社会の声である気分にさせられる。
 目の前を見よう。
 手触りのあるものを信じて、そこから自分の世界を広げて行こう。

 今回『のぞき穴、哀愁』はそんなことを思って創っている。
 天井裏から『人』を覗き見る人たちの、馬鹿馬鹿しい話ではあるけれど、少しそんなことを考えたりする。

 落ち着こうよ。
posted by 土田英生 at 03:34| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする