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MONO代表・土田英生のブログです

2014年02月03日

前向き!

 『のぞき穴、哀愁』→
 稽古の残りが少なくなってきた。

 私のせいで稽古が遅れている。
 それでも稽古場は明るい。
 皆も協力的だし、行き詰まっても沈滞した空気にならない。
 客演で出て下さっている皆も、とても明るく、いい雰囲気をつくってくれている。
 よく笑ってくれるので、その笑顔にとても救われる。
 自分のことだけでなく、面白いシーンでは出ていなくても一緒に盛り上がってくれる。有り難い。ゲストが四人もいるのに、とても劇団的な稽古場だ。

 なのに……私は昨日、ある瞬間に折れそうになった。
 自分自身に対して猛烈に腹が立ったのだ。
 あるシーンがどうしてもうまく行かず、突然、「もうダメだ」と叫びそうになった。
 才能のなさを呪った。

 20代の頃の私なら、きっと口に出していただろう。
 前例も結構ある。
 突然、稽古中に私が泣きわめくことは……何度もあった。
 
 そういう意味では私も大人になった。今は我慢できる。
 それに……昨日、折れそうになった瞬間、そのシーンに出演していた奥村が私を見て小刻みにうなずいた。
 明らかに「大丈夫だから」と言っていた。
 
 ……で、今日。
 そのシーンにも光が射した。
 不思議なもんだ。気になることを少しづつ修正していたら、突然、なんとかなる。
 明日にはもっとよくなるだろう。

 ……とは言いながら、昨日は落ち込んだままだった。

 今日は15時から役者の台詞合わせ。
 16時からは私は別の部屋で明倫ワークショップ。
 18時からはワークショップ参加者にMONOの稽古場に来て見学してもらう。
 19時から22時までは通常の稽古。
 意外とハードスケジュールだ。

 朝、五時に起きた。
 そして東京に向かった。
 先日、急逝された水下さんにお別れを告げにいったのだ。
 喪服のまま新幹線に乗ってパソコンを打つ。
 笑える台詞なんかを考えたりする。
 生きていることは不条理だ。
 
 ……やはりお別れは悲しかった。
 
 しかしおかげで反省した。
 こうして、稽古で悩んでいる毎日を過ごせている自分の幸運を思った。
 舞台を創ることは、楽しい。
 
 気になることを一つ一つ潰して行って、絶対に面白い舞台を創る。
 水下さんのおかげで前向きになれた。
posted by 土田英生 at 00:42| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月09日

ラストスパート。

 子供時代の私はとても諦めがよかった。
 いや、本当は欲望のかたまりで、親などに対しては聞き分けの悪い子供だったが、外に出るととても遠慮深かった。さらには気が小さかったので、勝負事が苦手だった。
 頑張ればいい勝負ができるという時でも、負けたときの悔しさを想像し、それならばと、先に諦めてしまうようなところがあった。

 高校一年のマラソン大会を思い出す。
 五百人近くで走った。
 私は途中まで、上位二十位くらいに入っていた。
 苦しかった。それでもラスト1キロくらいまでその順番をキープしていた。
 皆が段々とスパートをかける。
 私も必死でついていく。
 後から追い上げて来るヤツもいる。私は彼と抜きつ抜かれつという感じで頑張っていた。
 ゴールである学校が見えてきた。
 校舎の窓から女子が応援している。私は張り切った。
 しかしだ。結局、そいつに抜かれて離された。と、途端に糸が切れた。
 凄い勢いでドンドンと抜かれていく。
 グランドに入った。残りは200メートル。
 まあ、多少抜かれても、そこそこの順位だしいいやと思った。
 すると、そこから更に大勢に抜かれた。
 ……結果は50位くらいだったと思う。まあ、悪い順位ではない。周りからも「ツッチャン早いね」と褒められた。しかし、私の気分は沈んだままだった。
 順位でもなく、抜かれたことでもなく……諦めたことに対する自己嫌悪。
 自己防衛して、精一杯やらない自分。

 芝居の本番前になると、いつもあのマラソンを思い出す。
 このまま行ったらこれくらいにはなるからいいや、などと思ったらきっとそこで終わる。
 だから諦めないように踏ん張る。

mono nozikiana.jpg
 
 「のぞき穴、哀愁」。→
 残りの稽古は4日。
 このまま形を固めるにはまだ早い。
 ギリギリまで粘ろう。抜かれることを考えずに。
 
 上演時間は1時間半ちょっと。時間は狙い通りだ。
 後は芝居の角を取りながら、逆に重要な部分を粒立てて行く。
 
 それにしても、今回は様々な人が稽古見学にやってくる。
 私はこっそりその人たちの反応を窺う。それによって、客観的な視点を獲得できるからだ。
 今日はiakuの劇作家、横山拓也君が来た。

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 写真は左から金替君、松永渚さん、横山君、私、高橋明日香さん。
 尾方君が写っていないが、MONO特別企画『空と私のあいだ』で一緒だったメンバーだ。
 横山君と私は共同台本、金替君、松永さんと高橋さんは出演者だった。
 
 いい芝居にしないとね。
 ラストスパート、諦めずに走ろっと。
posted by 土田英生 at 03:09| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月12日

最後の稽古

 明日が最後の稽古。
 明日は通し稽古をしてから、稽古場に組んである仮のセットをバラす。
 と、セットやツアーのアレコレを積んだトラックがやって来る。
 稽古場にあった小道具などをトラックに積み込む。
 で、トラックを見送って解散。

 毎回、トラックが出て行く時、哀しくなる。
 これから本番だというのに。
 もちろん、「いよいよ始まるなあ」という思いもあるのだが、同時に湧き上がるあの感情はなんだろう?
 稽古と別れることの寂しさだろうか?

 そうなのだ。稽古はキツいけど楽しいのだ。
 何かを創っていく作業自体もそうだし、ダメだと思っていたシーンが形になって行く瞬間は嬉しい。
 今回は若い役者さんもいるので、伸びたと感じたりするのも喜びだ。
 
 今日も昼間はシーン稽古、夜に通し稽古。
 通しの前の休憩時間、役者さん達はそれぞれ集まって台詞を回している。
 こういう時間も好きだ。
 この眺めと別れるのも寂しいんだね、きっと。

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 2場の台詞を合せているところ。
 金替君、森谷さん、古藤君、水沼君、そして手前が奥村君。
 なにかを準備している人の姿っていいね。
 
 私もなにかしなければ。
 皆に公演を見てもわらないと。
 そうだ。宣伝をしよう。
 
 皆の「頑張ります」コメントを撮ろうと思った。
 それを制作に渡してアップしてもらおうと思い立ったのだ。
 休憩時間を利用して、iPhoneを片手にウロウロしてみた。

 しかし、さっき……家に帰ってきて確認したら……ああ、ショック。
 どうやら、録画スタートとストップがどこかで逆になったらしい。
 コメントの前とコメントの後ばかりしか撮れていない。
 例えば森谷さんだとこんな感じだ。

私「モーリーも本番に向けてコメント」
森谷「え? 私も?」
私「ええ、みんなのが欲しいんで……じゃあ、行きますよ、はい」

 ……ここで切れてしまっている。肝心のコメントがない。
 明日、もう一度チャレンジしてみよう。


 稽古が終わって阪急電車チームで帰る。
 松永渚さん、高橋明日香さん、衣装の大野さん、そして私。
 大野さんが大きなフサフサ帽子をかぶっていたので、ちょっとかぶらせてと頼んでみた。
 
IMG_2875.jpg

 なんなのか、分からない。
 かぶるべきだったのかどうかも分からない。
 なぜ、かぶってみようと思ったのかも分からない。

 ということで、明日が最後の稽古。
 
 みなさん、劇場でお待ちしております。

 MONO→
 公演ページ→
posted by 土田英生 at 04:21| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月14日

好きなことをしていたい。

 私はMONO『のぞき穴、哀愁』の本番前で焦ったりしているが、そうしている間にも確実に社会は窮屈になっている。もうこれは錯覚などではないね。考える度に気持ちが沈む。

 確実に基準が変わった。一昔前だったら発することがためらわれた言葉も平気で皆が口にする。とにかく一つになろうという同調圧力がすごい。そこからはみ出す人たちを監視し合う。

 「楽しい舞台さえやれればいい」などと浮かれているキリギリスな私にも、この波は現実問題となって返ってくるだろうね。そのうち演劇でも「あんな舞台をしていてけしからん」という流れになるのは目に見えている。政治問題でもなんでもなく、好きなことをできなくなる社会にだけはしたくない。ダラダラと楽しく芝居を創っていたい。

 問題は、基準が変わって行く時、それは何かの問題への対処として始めは出てくることだ。

 これは仕方ないね、と思わされてしまう一つ一つが、やがて波となって私たちを吞み込んでしまう。
 その空気を皆で支え合って、どんどん窮屈な世界にして行ってしまう。実際にそうなってきてるしね。
 はっきりとした規制などではなくても、「こんな時に、好きなことをやっているなんて」と皆から責められれば、人は萎縮していってしまうのだ。

 MONO『のぞき穴、哀愁』。
 明日が東京の初日。
 写真は稽古場を撤収した後の解散前。

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 笑顔だ。
 いつまでも楽しくやろう。好きなように。
 それを皆に観てもらって、ああ、楽しいねと言ってもらいたい。
 私は、そんな、慎ましい願いを持ってるだけだ。

 劇場でお待ちしています!!
 →
 
posted by 土田英生 at 11:24| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月17日

時間があって落ち着かない。

mono nozikiana.jpg
 ↑写真クリックで情報ページへ。

 MONO第41回公演『のぞき穴、哀愁』の初日が開けた。
 初日前日は雪。
 初日も交通機関は乱れていたようで、チケットを買ってくださっていたのに、会場に来られなかったお客さんもたくさんいらした。とても申し訳なく感じる。

 今回は稽古開始から10日以上経って、頭から書き直し、キャスティングも変えた。
 なので、台本のあがりが随分と遅くなった。
 そんなこともあって、かなり緊張した初日だった。
 ミスはあったものの、暖かい会場の空気に助けられて、なんとか無事に終了。
 感想などは個々で違うと思うが、それでもお客さんの笑い声をモニターで聞きながら、安堵する自分がいた。
 相当不安だったしね。
 新作の場合は特にだが、いくら稽古場で想像してみても、芝居の流れを完全に把握することはできない。
 お客さんの視線にさらされてから分かることはとても多いのだ。
 こういう舞台だったのかと、初日をやり終えて少し分かった気がした。
 アニキこと久ヶ沢徹さんや、ヨーロッパ企画の諏訪君、本多君、もたい陽子さん、青年座の森社長などがきてくれて、様々な意見をもらったのでさっそく二日目からこっそり取り入れた。
 アニキは色々的確な意見をくれた後、口座番号まで教えようとしていた。どうやら採用する場合はアイデア料が発生するらしい。

 そして昨日。
 2日目は2ステージ。
 終わったら……なぜか、とても疲れていた。ちょっとだけ安堵したのかも知れない。
 だから、お酒を飲みたい気分だったが……人と喋る元気がなかった。
 だから真っすぐ帰り、シャワーを浴びてから部屋で一人でビールを飲んだ。
 いい気分だ。
 しかし、前日、店に忘れ物をしたことに気づいた。
 面倒だなと思ったが、下北沢なので歩いて行ける。
 もう一度、着替えてから取りに行った。
 無事忘れ物を受け取り、急いで帰った。
 と……途中、残っていた雪で足が滑った。
 転ばないように耐えた……ら……腰に激痛が走った。まずい。
 帰ってもう一度、お風呂に長くつかって、湿布を貼った。
 起きたらかなりマシになっていたが、まだ痛い。
 ……どうでもいいけど、こういう台詞を今回舞台上で喋っている。
 芝居が現実になってしまった。しかし、その分、今日からリアリティを持ってあの台詞は喋れる気がする。
 
 それにしても……。
 なんだかソワソワする。
 なんだろう? この罪悪感。

 毎年、MONOの公演中は何か締切りを抱えている。
 ツアー中もホテルで台本を書いていることが多いし、東京公演の時などは終演後に打合せばかりだ。
 『なるべく派手な服を着る』という芝居の時は、公演をやりながら日テレ『斉藤さん』の脚本を書き続け、その間にはフジテレビ『ロスタイムライフ』も書いた。あの時は大阪公演にもプロデューサーにきてもらい、合間に劇場で打合せをしていた記憶がある。

 なのに……。
 今は追われている仕事がない。
 MONOだけなのだ。
 本来はこうあるべきだ。
 しかしソワソワする。これでいいのかと思ってしまう。
 落ち着かない。
 
 今日は劇場には夕方入り。
 その前にもたい陽子さんがやっているラジオに出させてもらう。

 湿布を貼り替えて、出かけよう。
posted by 土田英生 at 12:11| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月20日

人との出会い、その後の交錯

 MONO『のぞき穴、哀愁』絶賛上演中です!→

 昨日で6ステージが終了。
 東京は残り5ステになってしまった。
 すでに哀愁を感じる。人生と同じで公演も最初は長く感じるんだよね。
 で、途中から一気に終わってしまう。
 まあ、この後、名古屋も九州も、そして地元大阪での公演もあるけど。毎日を大事にやって行こう。

 今回、台詞のタッチを少しだけ昔に戻した。
 こう書くと誤解されそうだ。別に「昔のように」書こうとした訳ではない。
 演劇だけでなく、表現一般に言えることだと思うけど、創る側は常に新しいことをやりたいと願う。
 前と同じことをやっても刺激がないしね。
 で、どんどんと細い路地に入って行く。
 前にこうしたから、今度はもっとこんなことを……と、どんどん新しい刺激を求める。
 ずっと観てくれる観客は過程を共にしているからいいが、初見の人が観た時、なんのこっちゃんという結果になったりする。
 
 かといって、常に新しい人にも分かり易く創り続けると、それは表現ではなくなってしまう。
 同じことを繰り返せばマンネリになるし、創り手には楽しみがなくなっていく。
 このバランスは難しい。
 
 今回、古藤君という役者に出てもらっている。
 
DSC00137.JPG
 
 私は一緒にやるのは始めてだ。京都でマゴノテというユニットを組んでいる。
 彼は27歳のナイスガイ。
 それがよかった。
 私は人に好かれることが大好きなので、彼に少しでも面白いと思ってもらいたいという意識が働いたのではないかと推測している。
 結果的に台詞のタッチが昔に戻ったのかも知れない。
 
 それにしても人との出会いは不思議だ。
 この先、古藤君とどういう風に交錯するのかは分からない。
 気がつけば疎遠になっているかも知れないし、ガッツリと色んなことを一緒にやっているかも知れない。
 そうなのだ。
 人との関係は様々な要素が絡まりあって動く。
 自分でも予期できない状態で、なにかしらの結果を残す。
 そう考えれば、MONOのメンバーとこうしてずっと一緒にいることだって、なにかしらの偶然の積み重ねなのだ。

 今回出演してくれている森谷ふみさんだってそうだ。

DSC00216.JPG

 実は出会いは10年以上前だ。
 『ニッキーズパビリオン』という作品。
 故林広志君の作・演出。
 松尾貴史さんやラーメンズ、加藤啓君、平田敦子さん、小松和重君……色んな人が参加していた。
 私はGOVERNMENT OF DOGSというコントユニットのメンバーで、大阪公演だけの出演だったのだが、その稽古場で森谷さんとは会ったのだ。

 しかし、その後は疎遠だった。というよりも、ちゃんと話したことすらなかった。
 KKPなどに出演している彼女を見ることはあったが関係は遠かった。
 で、5年くらい前。
 新宿でのんでいた時、偶然会った。
 その廊下で立ち話した。
 私は「いつか一緒になにかやりましょうね」という、全国各地の居酒屋で交わさているであろう、月並みな発言をした。これまでに何人の人とそんな会話をしたか分からない。

 今回、キャスティングを考えている時、突然、そのことを思い出した。
 そして出てもらうことになったのだ。
 そう考えると、人との出会いも不思議だけど、交錯の仕方だってミステリーだ。
 あの時、居酒屋であの会話をしてなかったら、こうして一緒に舞台をする機会は訪れなかったかも知れない。
 
 ……なんだか、書いていたら……今回の芝居のゲスト紹介みたいになって来た。
 そんなつもりはなかったのに。
 
 こうなったら全員書いてやる。
 しかし劇場入りする時間が近づいているので、焦る。
 
 松永渚さんと高橋明日香さん。

IMG_2878.jpg
 
 2人セットにして書いてしまった。
 時間の問題なので勘弁して欲しい。
 彼女は3年前に上演したMONO特別企画『空と私のあいだ』のオーディションに通って出演した。
 色々な人が出ていた。
 魅力的な人もたくさんいた。
 しかし、なにかしらの理由やきっかけがあって、彼女達は今回MONOに出演している。
 これだって3年前には予想をしていなかったことだ。
 3年前の2人。

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 ……とにかく、様々な人との偶然の交錯によって、今回は9人で舞台に出演している。
 そういう時間を大事にしよう。
 まずい……遅刻する。

 
posted by 土田英生 at 16:33| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月21日

レロレロ

 オリンピックなどを見ていてもつくづく思うが、身体と心は連動している。
 集中とリラックス。
 これは舞台でもとても重要だ。
 「稽古は本番のように、本番は稽古のように」などと言うが、それだって稽古は緊張感を持ってやるくらいがちょうど良く、本番は稽古のようにリラックスしてやるのがちょうどいいという呪文のようなものだ。

 私は一昨日の本番中なんでもない台詞がうまく言えなかった。
 レロっとなった。
 レロっとなったという表現はどうかと思うが、まさにレロっとなった。
 焦った。
 客席に走る微かな緊張感。
 その場はなんとかなっても、こうした不必要な緊張感は、その後の流れに悪影響を及ぼす。
 ダメだ。

 しかし、その台詞は稽古でも引っかかったことなどないのだ。
 別に難しくもなんともない台詞だ。
 これまで気にもしていなかった。

 で、昨日。
 出番を待ちながらその台詞を頭で繰り返してみた。
 気になるのだ。
 意識しすぎると、そういう時に「あれ、台詞はこれであってたっけ?」となるが、そこまでではなかった。
 すらすらと出てくる。
 おお、リラックスしている。
 大丈夫だ。

 で、出た。
 その台詞がきた。
 途中で「おお、今日はレロっとならずに行けるな」という考えがチラリと頭の隅をよぎった。

 ……レロっとなった。

 微妙なことだが、いらない考えがよぎった瞬間に口に力が入ったのだと思う。
 
 そして……それからは普通に芝居を続けた。
 でも、一瞬、ホンの一瞬。
 もう大丈夫だと思ってしまった。
 
 その瞬間。
 またしてもレロっとなった。
 いや、今度はレロという表現では足りない。
 レロレロっとなった。
 いや、レロレロレロとなった。
 なんとか押し切ろうとするも、もはやなにを喋っているのか意味不明だ。
 
 まずい。
 きっと、今日はあの台詞をもっと意識してしまうだろう。
 なんとか自分をコントロールしないと。

 レロっとはならない。

 そんな「のぞき穴、哀愁」。駅前劇場でやってます。→
 
posted by 土田英生 at 13:49| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月24日

東京公演が終わりました。

 MONO『のぞき穴、哀愁』東京公演が終わりました。
 お陰さまで多くの人の観に来てもらえて幸せだ。

 公演が終って軽く打ち上げ。
 ただ、私は少しだけ体調がすぐれなかった。
 途中でどうしてもダメだと思い、一足先に帰らせてもらった。
 
 早々と横になった。
 色んなことを考える。

 今日の昼、とある知り合いがとても落ち込んでいることを偶然知った。
 なので気になってメールした。
 返信がきた。
 電話をした。
 そして……長々と喋った。

 うんんんん、生きることは難しいね。
 私は色んな話をしたが、なんだか途中で自分に言い聞かせているような気になった。

 自分を変えることは難しい。性格は変わらないのだ。
 ただ、考え方を変えることはできる。
 やり方を変える事もできる。
 そして、その結果、境遇を変化させることは可能なのだ。

 相手に必死で話しながら、自分もなんだか癒された。
 
 明日は東京に残り、明後日に名古屋へ移動。
 そして26日は名古屋公演。
 水曜日の一日だけだ。

 自分の信念に従って精一杯やる。
 怠けたら終わりだしね。
 
posted by 土田英生 at 05:13| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

夢のつづき

 名古屋にきた。
 舞台セットが組み上がった夕方に劇場に立ち寄って、チェックをさせてもらった。

 公演会場のテレピアホールは天井が高い。
 東京で公演していた駅前劇場は天井が低い。
 だから名古屋では高い天井の劇場の中に、低い天井の舞台をつくることになる。
 もちろん、これは最初から分かっていたことだし、今回の舞台の演出意図でもあるので問題はない。
 しかし、どう見えるかは重要なので、ああだこうだとアイデアを出し合う。
 おかげで大丈夫になった。

 ホテルにチェックイン。
 場所は栄。
 名古屋で一番の繁華街。

 私が生まれたのは大府市という場所だが、父も母も名古屋出身だったので買い物といえば松坂屋だった。
 だから幼い頃は「デパート」「ヒャッカテン」「マツザカヤ」はどれも同じ意味だと思っていたくらいだ。
 中学生くらいになると友達とグループで栄に遊びにきた。
 高校生になると仲のいい友達や、そしてデートでやってきた。

 さっきも歩いていると、そこかしこに思い出の場所がある。
 不思議な気持ちがする。
 いつの間に私は大人になったんだろ?
 景色を眺めている私自身は何も変わっていない気がする。
 
 神吉拓郎さんの「夢のつづき」という短編集の中にこんな話があった。
 読んだのは随分前で、タイトルも忘れてしまった。
 内容も記憶の中で改変されているかも知れない。

 老人がじっと映画を観ている。
 妻と娘……だったと思うが、その男を見ながら、男に対する愚痴を喋っている。
 「なにを考えてるんだか」「最近、いつもああなのよ」と、男の悪口を言っている。
 しかし、男の心の中は違う。
 その映画は青春時代に男が好きだった映画で、その画面を見ながら青春時代の残像を思い出しているのだ。
 男の目からは涙が流れている。

 私も高校生の時は、大人になれば全てが解決すると思っていた。
 成人した頃、なにも変わっていなかった。
 もっと大人になれば分別がつくんだと思っていた。
 そして、そして……そして……。

 私は今、なお、毎日揺れ動き、幼い頃と同じようなことで悩む。

 いつになったら大人になれるのか?
 いや、楽になれるのだろう?
 きっと来ない。
 そんな時は来ないのだ。まあ、だから生きることは楽しくもあるんだと思うけど。

 今回の「のぞき穴、哀愁」にはそんなモチーフも含まれている。
 皆さん、テレピアホールで待っています。当日券もあるそうですので、栄をぶらつくついでにきてください。

 MONO「のぞき穴、哀愁」サイト → 
 
 
posted by 土田英生 at 19:22| 愛知 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月27日

次は北九州。

 1日だけの名古屋公演が終わった。
 それにしても1ステージだけというのはスタッフにとっては大変だ。
 1日だけだろうが、1週間続こうが、セットは同じように立てなければいけないし、照明だって音響だって同じように仕込む。そして終わればそれをバラす。
 
 平日だというのにたくさんのお客さん。私の中学の同級生なども来てくれた。
 愛知県は私の出身地なのだ。
 小学校からの友達が皆に声をかけてくれたりする。
 ありがたい。
 で、色々な差し入れをいただいたりした……で、その中で盛り上がったのが……。
 
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 これはアイシングクッキー。
 ちゃんとタイトルロゴと同じ字体だ。
 他にも様々なものが詰め合わせてあった。
 もちろんMONOもある。

IMG_2924.jpg
 
 これはLe Lis(ル・リス)という、私の地元、大府市にあるケーキやスイーツのお店がつくってくれたものだ。この店のオーナーである女性は中学の同級生。
 まあ、なんというか、私もあの頃は……手紙の交換などをしていた。
 彼女は陸上部でハードルをやっていた。
 私は卓球部。
 意味なく引け目を感じてたりした想い出がある。
 思春期の淡いなんとかだ。
 
 お近くの方などは行ってみてください。
 ちなみに私はタルトチーズが好きです。
 とても可愛いお店です。→
 
 そんな地元を離れ、明日は小倉に移動。
 次は北九州公演だ。
 会場である北九州芸術劇場はオープンの時からお世話になっている。
 頑張ります!
 九州の皆さん、お待ちしています。
posted by 土田英生 at 03:52| 愛知 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月28日

北九州。

 北九州に来た。
 福岡県北九州市。

 男の子にはわりと多いと思うが、私も地図などを見るのが好きだった。
 で、大きな都市などを一生懸命覚えた。
 横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、京都、札幌、福岡など……

 その中で北九州市だけは不思議な都市名だなと思っていた。なんだか取って付けたような感覚を子供心に抱いた。

 それからしばらくして、いくつもの都市が合併してできたのだということを知った。
 小倉、門司、若松、戸畑、八幡。
 新幹線の小倉駅は小倉、門司港がある門司、八幡製鉄所のあった八幡……。

 それにしても公演に来るのは何回目だろう。
 最初に北九州で公演をしたのはMONOでは「約三十の嘘」。
 まだ北九州芸術劇場はできる前で、ムーブという場所で公演を行った。
 その公演も「北九州芸術劇場準備室」の協力で実現したものだ。
 北九州芸術劇場ができてからは「京都11区」「相対的浮世絵」「地獄でございます」「床下のほら吹き男」「トナカイを数えたら眠れない」「少しはみ出て殴られた」「うぶな雲は空で迷う」を小劇場でやらせてもらった。
 MONOだけで数えても、今回の「のぞき穴、哀愁」が9作品目だ。
 他にもホリプロ+北九州芸術劇場プロデュース「錦鯉」や土田英生セレクション「燕のいる駅」などを中劇場の方でやらせてもらっている。

 福岡市だけでやった公演もあるが、北九州市でやるときは全て北九州芸術劇場にお世話になっている。
 馴染みの場所だ。近くにお気に入りのお店もたくさんある。
 明日も朝はあそこでコーヒーを飲もう。

 北九州市という名前も、私の中ではすでにしっくりおさまっている。

 MONO「のぞき穴、哀愁」→
posted by 土田英生 at 01:29| 福岡 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする