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MONO代表・土田英生のブログです

2014年04月01日

行き当たりばったりの文章。

 京都に戻った。
 東京だとシャワーばかりなので、久しぶりにゆっくりお風呂に入る。
 出てから体重計に乗った。
 あれ? また痩せている。
 東京では毎日人に会い、芝居も四日連続で観たりして、お酒もしっかり飲んでいたというのに。
 大丈夫なのか? 
 だけど、この前、健康診断を受けたところだしね。
 素直に受け入れて喜ぼう。
 
 それにしても身体が軽い。
 軽いので、身体を動かしたくて仕方なかったりする。
 郵便物を出しに行くのに、ポストまで意味なく小走りになったりしている。
 なんだ、この、健康具合は。

 スポーツがしたい。
 野球がしたい。
 山に登ったりしたい。

 家の裏には山がある。
 前に、散歩途中に迷い込んで、予想外の大冒険になったところだ。
 あの時は焦った。
 散歩で遭難するかと思った。
 まあ、あの頃はまだ太ってたし。
 今の私は違う。なんなら走って登ってみてもいい。
 明日試してみよう。

 しかし、このまま痩せ続けたら、学生時代の体重に戻ってしまう。
 そう言えば、最近、私の内面もまるで思春期だ。
 浮き沈みが激しい。小さなことで悩んだり喜んだりしている。
 痩せているのではなく、退行しているのかも知れない。

 昔、『ふしぎなメルモ』というアニメがあった。
 メルモちゃんは赤いキャンディーを一つ食べると若返り、青いキャンディーを食べると年を取る。

 ……。
 私はフリスクを常時持っている。
 初代の白いやつから、歴代のフリスクは全て試している。
 最近、オレンジ色のフリスクが出た。かなりのお気に入りだ。
 そのせいかも知れない。あれは赤いキャンディーと同じ効果があるのだ。
 あれを一つ口に入れる度に、少しずつ幼くなっていく。
 『ふしぎなツチダ』だ。

 そうなったらどうなるのか?

 18歳に戻ったら、初舞台を踏もう。
 いやあ、あの時は緊張した。
 今でも袖の中の景色を鮮明に覚えている。
 しかし、あの時だ。
 本番が終わった直後に、私は興奮した。
 大学の中を走り回った。
 出会えたと思った。
 そうなのだ。一生演劇を続けようとあの時に決心した。
 演劇に猛烈に恋をした瞬間だった。
 
デジャヴ.jpg 
 
 大学一年生の冬。
 鴻上尚史さんの『デジャ・ヴュ』という作品。
 純粋に言えば初舞台ではなく、二度目の出演だ。
 しかし、これは主役だったこともあり、私にとっては思い入れのある作品だ。
 左が私で、右が犬飼若博君。
 彼は今も役者として活躍している。
 数年前、土田英生セレクションで『─初恋』をやった時に出てもらった。
 
 待て待て。
 初舞台というなら、もっと前に戻らないと。
 フリスクをどれだけ口に入れればいいのだろう。
 保育園でやった発表会だろうか?
 いや、小学校の2年生の時に、学芸会でやった『小鳥1』という役だね。
 登場の台詞は今でも覚えている。
 『チュンチュンチュン』と言いながら、袖から登場するのだ。
 すると反対側の袖から小鳥2の女の子が『ピーピーピー』と出てくる。
 
 今、段ボールの中に入っていた写真をかき回してみたら、学芸会の写真が一枚あった。
 昔の写真は実家にあるはずだが、どうしてこれだけここにあったんだろう?
 これは……小鳥2ではない。
 『やまねこ5』だ。4年生の時のやつだ。
 それにしても、どうして私は役名まで覚えているのだろうか。
 この頃から演劇が好きだったのかも知れない。
 楽しかったしね。

gakugeikai.jpg

 右端が私だ。
 ちなみに左端の女の子は、噂によると早稲田大学かどこかで演劇をやっていたらしい。
 芸達者な子だった記憶がある。
 
 ……なんだこの文章。
 どうやって着地するつもりなのか?
 なにも考えずに書いてるので、よくこういうことになるのだ。
 ただ、痩せたと書こうと持ったのに……メルモちゃんが出て来て、方向が変わってしまった。
 
 プロットを立てることは重要だね。
 行き当たりばったりだと、やっぱり話は終わらない。
 こんなことを書いていたら、締切りが迫ったプロットのことが、頭を占領してきてしまった。

 仕事に戻る。

 
posted by 土田英生 at 03:03| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月02日

大田王に出演します。

 今日は「大田王」のチラシ撮影だった。

 大田王とはなにか?

 後藤ひろひと、三上市朗、川下大洋の三人からなるユニットだ。
 三上さんと川下さんがなにがやろうと話し、「2人の名字を重ねると「田王」になるね」ということになり、そこに大王こと、後藤ひろひとが参加して、「大田王」になったらしい。
 これまでに二回だけ公演しているユニットだ。

 第一回公演は17年前。
 そこに私も呼ばれて出演した。
 当時、関西の演劇界はとても盛り上がっていて、最初の大田王もお客さんが入り切れないくらいきた。
 
 ただ……。
 私は皆のことは大好きだったし、一緒にいるのは楽しかったのだが、舞台に対する考え方が違うなあという気持ちもあり、二回目は出演しなかった。
 コント集のようなもので、中にはかっちりと作り込んだものもあったが、お客さんをいじったりする企画もあり、その頃の私はそういうものが苦手だった。
 それは今でも変わっていない。
 アドリブなどを一切排除したものが私は好きなのだ。

 今回、久しぶりにやるということで出ないかと誘われた。
 正直、かなり迷った。
 でも、出演することにした。
 
 それは……。
 関西の演劇が元気ないと言われているようだ。
 劇団などでも、一時期は関西で人気が出ると、そのまま東京に進出し定着していたように思う。
 しかし、最近はそういう流れはない。
 そんなことを言うもおこがましいが、少しでも関西を活性化したい。
 それに十何年振りにやる企画に対して、参加しないのも野暮だという思いもあった。
 で、出演させてもらうことにした。

 やると決めたからには思い切りやってやる。
 
 チラシ撮影の後、久しぶりに皆でのんだ。
 一気に時間が戻った。
 楽しかった。
 
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「大田王2014ジゴワット〜Back to 2015」
日程◎2014年7月17日(木)〜21日(月・祝) 
会場◎大阪 ABCホール

出演◎大田王[川下大洋+三上市朗+後藤ひろひと]+ 楠見薫 + 土田英生 + 腹筋善之介 + 久保田浩 + 石原正一+木下政治(映像出演)
posted by 土田英生 at 02:55| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月04日

慣れないこと。

 毎日、更新するのが癖になっていたのだが、昨日はそれどころではなかった。

 プロットの締切りまでもう一日余裕があった……はずだった。

 昼間は嵐山をブラブラと散歩し、いいカフェがあったらそこでプロットをまとめよう。
 などと、のどかなことを考えていた。
 前回書いたように、気力あるなら山にでも登ってみようとすら思っていた。

 と、マネージャーのAさんから電話があった。

「どうですか?」と聞いてくる。
 
 明日が締切りなので、心配してくれているんだと思った私は、爽やかに「大丈夫だと思います」と言った。
 と……Aさんは一瞬、黙った。
 私の心の隅の方に、不安という名の誰かが顔を出した。
 私はそいつの顔を打ち消すように言葉をつなげた。

「だって、明日の朝までですよね?」
「いや、今日の朝までだったんですけどね」

 と、意外なほど早い回答が返ってきた。
 
 全ての計画はなくなり、私はパソコンの前に座った。
 
 で……。

 一日遅れで原稿を出した。
 ここを更新している場合ではなかったのだ。

 今日は午後まで眠った。
 東京に行かなければいけないと思っていたのだが、それは先になった。
 
 時間がある。

 なにかしたい。
 もちろんまだ明るかったが、山に登る時間ではない。
 勉強したいジャンルがあるのだが、その為には本を買わなければいけない。
 取り敢えず、大きな本屋に向かった。
 初心者向けから専門書まで5冊ほど買った。
 
 家に帰って来て迷った。
 このまま本をのんびり読むという手もある。
 しかし、痩せて小鳥のように軽くなった私だ。
 ずっとパソコンの前に座っていて、身体も硬くなっている。
 羽ばたきたい。
 よし。身体を動かそう。
 しかし、今から? 一体、どこで?
 しばらく考えた。
 走ってもいいけど、それでは面白くない。
 変わったことがしてみたい。

 そうだ。ジムに行ってみよう。

 私は思い立ったら行動的なのだ。
 スポーツ用のウェアと短パン、タオル、体育館などで履くスニーカーを出した。

 そして……この前、東京で買ったメガネを取り出した。

 そうだ。このメガネは本来はスポーツ用なのだ。
 私は普段もかけられると思って買ったのに……。
 東京でそのメガネ姿を見た四人中三人から微妙な反応をいただいた代物だ。
 「似合わない」「やや似合わない」「どっちでもいい」と、合せて否定派は75パーセントだった。
 「どっちでもいい」を否定派に入れるかどうかは迷ったが、少なくとも肯定派ではない。
 1人だけが「いや……まあ、いいと思いますけど……」と言ってくれた。
 しかし、このトーンから感じてもらえると思うが、唯一の賛成派であるはずのその人も積極的支持ではなかったのだ。可哀想なメガネだ。
 いや、メガネのことはどうでもいい。
 ジムに行くなら、このメガネをかけられると喜んだだけだ。なんせスポーツ用だからだ。
 
 ……こんな場所に来るのは久しぶりだ。

 トレーナーの元気よすぎる挨拶に戸惑う。
 なんなんだ、その日焼けした笑顔は。
 しかも、更衣室に入ると、マッチョな男性たちが鏡を見ている。
 私は後悔した。
 キョロキョロしながら、持って来たウェアに着替えようとした。
 
 慣れない場所というのは危険だ。

 私はぼうっとしながら服を脱いでいたのだが、他のことに気を取られ過ぎていたのだろう。
 トレーニングを終えて更衣室に戻って来た男性が、私を見てビクっとした。
 その驚いた反応を見て、自分がしていることに気がついた。

 私は全裸になってしまっていたのだ。

 サウナかなんかと勘違いしたらしい。
 しかも丁寧に、脱いだ下着はちゃんとカバンにたたんでしまっていた。
 慌てて下着を履き、トレークングウェアに着替える。

 なにからやろう……?
 トレーナーの人から声をかけられる。
 目的を聞かれたが、別にないのだ。身体を思い切り動かしたかっただけだ。
 しかし動揺していた私は「筋力を鍛えたいです」と、思ってもいないことを口走ってしまった。
 
 まずはウェーミングアップ。
 ランニングマシーンで走る。
 慣れていない私は最初は7キロくらいでゆっくり走っていた。
 で、隣の人を見ると12キロと出ている。
 彼がチラリと私を見た。
 なんだ、なんだ、その優越感。
 私は慌ててスピードを上げた。

 隣の彼は走りながら、時々スポーツドリンクを飲む。
 それが自然でいい感じなのだ。
 私も真似してみたが……失敗した。
 ロッカールームの自動販売機で買ってきたのは「伊右衛門」だったのだ。
 見回してみたが、緑茶を脇に置いて走っているのは私だけだ。
 慣れた人は、ストロー付きのスポーツドリンクを飲んでいる。
 私は緑茶をたしなむ。
 ジムの中で、私だけが風流を気取った男になってしまった。
 
 その後は、いよいよ筋力を鍛えることになった。
 腹筋、背中、胸の筋肉を鍛えるマシンと順番にこなす。
 マシンを変える度に、「あ、それ違います」とトレーナーの人から指摘される。
 どう使えばいいのか分からず、おかしな格好でマシンにまたがってしまっていたようだ。
 イスの調整などがうまくできず、特に、チェストプレスという、大胸筋を鍛えるマシンのときは困った。
 左右から前にアームを持って来ないといけないのに、イスが後ろ過ぎて前まで手がいかない。
 トレーナーの人が日焼けした笑顔で直してくれる。

 ……苦しい。
 こんなはずじゃなかったのに。
 「いい筋肉してますねえ」とトレーナーの人に言われて、ついつい調子に乗った。
 ちょっと重めに設定してしまった。
 終わった時は腕も太もももガクガクだった。
 しかし、心なしかたくましくなった気がする。

 全て終わった。
 これは「土田頁」に書けると、マシンの前で力こぶをつくって写真を撮ろうとしていたら、写真はやめてくださいと注意された。
 力こぶをつくって撮ろうとしていた自分が恥ずかしかった。
 
 いやあ、しかし。
 汗びっしょりになり、心地いい疲労感。
 癖になったらどうしよう?
 元々、身体を動かすことやスポーツも大好きだ。
 しかし、仕事柄、部屋にこもって座り続けてばかりいる。
 
 帰ってから、ご飯を食べ、いつもより長くお風呂に浸かる。
 さて、勉強だ。
 コーヒーを淹れて、仕事部屋にこもり、買ってきた本を順番に読む。

IMG_3099.jpg

 結局はこんな時間になってしまった。
 こういう日も大事だね。

 ……それにしても腕が重い。
posted by 土田英生 at 04:35| 京都 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月05日

歩く男。

 起きたら身体中が痛かった。筋肉痛だ。
 昨日、ジムで頑張り過ぎたせいだ。
 腕、胸の筋肉、腹筋も、太もも……全てが痛い。
 身体が重い。

 夕方に京都府知事選の期日前投票を済ませて、大阪まで行って横山君の芝居を観るつもりだった。
 昼間は仕事をして、昨日終わらなかった本を読む。
 キーボードを打っているだけなのに。読書しているだけなのに。
 ……背中も痛い。

 にもかかわらずだ。
 昨日、久しぶりに身体を動かしたせいで、興奮しているのだろうか?
 動きたくて仕方ない。

 期日前投票をやっている区役所までは……そんなに遠くはない。

 歩いた。

 足が重いが、頑張ってみる。
 30分で到着した。全然、大したことではない。歩く男をなめるんじゃない。
 ……ん?
 いや、ここは区役所ではない。
 保健センターと書いてある。
 勘違いしていた。
 区役所は……あ、そうだ……あそこだ。
 保健センターからはとても中途半端な距離だった。
 どうしよう? タクシーに乗ろうか?

 歩いた。

 結構かかった。足が痛い。
 区役所で投票を済ませた。
 ここからの最寄り駅は「上桂」。
 そこまで徒歩10分。しかし一区間だけ電車に乗って「桂」で乗り換えなければいけない。
 よし、だったら……。

 「桂」まで歩いた。

 なんだろう?
 本物の歩く男になってしまった。
 いや、歩く男に本物と偽物があるのかどうかは知らない。
 あったとしても、その定義は分からない。
 
 横山君の芝居をやっているピッコロシアターは阪急の「塚口」からやや遠い。

 歩いた。

 芝居が終わって、阪急「塚口」の近くに移動。

 歩いた。
 
 私の足取りは重い。かなり重い。

 そして、少しのんだ。

IMG_3105.jpg

 横山君、私、そしてMONOにも何度も出演してもらった亀井さん。
  
 阪急電車で帰って来た。満員電車に揺られる。
 私は足元がふらついた。

 「桂」に着いた。
 本来ならここで乗り換えるのだが、もう「嵐山」に向かう電車はない。
 駅を出た。

 私は歩く男だ。
 しかも本物のはずだ。

 ……タクシーに乗った。偽物だった。
posted by 土田英生 at 02:21| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月06日

慣れないこと2

 今日からまた東京にいる。
 打合せと、ちょっとした用事と……そしてハイリンドの『きゅうりの花』を観る為だ。

 有り難いことに、今でも月に2、3本はどこかで私の戯曲を上演してくれている。
 ネットで調べてみると、今月も『空と私のあいだ』『約三十の嘘』、そしてハイリンド『きゅうりの花』が上演されている。劇作家としては嬉しいことだ。
 ただ、基本的に他の団体が「私の作品」を上演している舞台はみない。
 観たのは*punish*(星がちょっと違うけど)プロデュースの『その鉄塔に男たちはいるという』、後は青年座でやった……あ、これも同じ作品だ……くらいだ。あ、ホリプロがやってくれた『少しはみ出て殴られた』も観たね。いや、他にも観た気がするけど、とにかくあまり行かない。

 私は舞台を観に行く時、書かれた作品が気になる。
 つまり脚本を観に行く感じなのだ。
 だから自分で書いたものをわざわざ観たいとは思わない。
 それに、観てしまうと色々と気になってしまうのだ。
 ああ、そういうことじゃないのに……と、不満の方が先に出て来てしまう。

 もちろん、再演でも私が関わったものは観に行く。
 シアターコクーンでやった「橋を渡ったら泣け」や「相対的浮世絵」は、企画段階からかかわっていたのでもちろん観た。
 
 今回ハイリンドを観ようと思ったのには理由が二つある。

 一つはやはり水下さんのこと。
 元々、この作品は水下さんが演出することになっていた。
 で、次は観に行くと水下さんと約束していたのに、願いが果たせずお亡くなりになってしまった。
 だから時すでに遅しなのかもしれないが、水下さんとの約束を守りたかった。

 もう一つは……。
 ハイリンドの旗揚げ公演は、私の作品「─初恋」だ。
 私は観ていないのだけど、観た人たちから相当面白かったという話を聞いた。その時も観なかったことを後悔した。そして、水下さんに替わって演出をしている扇田さん。彼が演出した「てがみ座」の舞台を観た時に、役者をうまく転がすなあと感心した。だから今回のハイリンド「きゅうりの花」にも期待してしまうのだ。

 * * * * *

 この前、慣れないジムに行った話を書いた。
 ロッカールームで全裸になってしまったり、とにかく慣れないことは危険だ。
 
 東京の事務所のマウスを変えた。

IMG_3106.jpg
 
 フィアットだ。車だ。
 しかし、これはマウスなのだ。
 しかも電気もついたりする。

IMG_3108.jpg

 これは妹がプレゼントしてくれた。
 誕生日でもなんでもないのに、「お兄ちゃんが好きそうなマウス」だと思って買ってくれたらしい。
 しかも……調べてみると高価なのだ。

 妹とは8歳離れている。
 だからずっと小さいという印象しかなかった。
 妹が小学生になったばかりの頃、私は高校生。
 私は高校が寮生活で家を出たし、そのまま京都の大学に進学したので、一緒に暮らした期間は短い。
 すでに二児の母だが、私にとっては今でも幼い妹のままだ。
 妹に頼まれたら、犯罪にだって手を染めてしまうのではないかと不安になるくらい、可愛いのだ。

 京都の自宅には、自分で買ったわりといいマウスがある。
 だからこのフィアットはしまってあったのだが、東京で使うことにした。

 まだ慣れないので、使うのが難しい。
posted by 土田英生 at 02:03| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月07日

ハイリンド『きゅうりの花』を観て。

 (少し書き直した。酔って帰って来て書いたのだが、朝に読み返したらあまりに文章が雑だったからだ)

 ハイリンドの『きゅうりの花』を観て来た。

 ……不思議な感じだった。
 自分で演出するのとは解釈も違うので、その差異に対する新鮮さもあったのだが、なにより随分と前に書いた作品なので、「ああ、そう言えば、この頃はこんなことに凝ってたなあ」などと思い出したりした。
 役者さんたちが自然体でいい。演出の扇田さんはやっぱりそこがうまいんだなと思った。
 ただ、笑いの取り方などは、私とは違うなあという印象だった。私はもっと欲深くやってしまう。

 少し用事があったのですぐに劇場を後にしたが、しばらくしてから飲み会に顔を出させてもらった。
 ……楽しかった。
 役者さん、スタッフ、そして観に来ていた方々。
 ほとんどが初対面で、しかも大人数だった。皆さん、気さくだったのですぐに打ち解けたけど。

 そこにいらっしゃった数名の人たちから『昔、「橋を渡ったら泣け」をやりました』とか、『僕は「燕のいる駅」をやりました』などと言ってもらい、嬉しかった。
 自分の書いた台詞を練習してくれた人だと思うと、一気に親近感が湧く。
 それだけで安心する。

 あ、昨日、書かせてもらったが、自作の上演に関しては、世界名作劇場の『─初恋』、それから赤坂RED THEATERの『約三十の嘘』も観たことを思い出した。今回のハイリンドに出演している山口さんもその公演に出演していたのだ。もしかしたら他にもあるかも知れない。

 昔書いた作品が上演される。
 これは本当に嬉しい。
 脚本はやはり上演されてのものだ。
 もちろん読み物としての、つまり戯曲の側面はあるが、上演されると生き返る気がする。
 
 ……しかし喜んでばかりはいられない。
 なんだか昔の作品ばかり上演してもらっている気がするからだ。
 やはり、私にとって大事なのは今、そしてこれからなにを書くかだ。
 考えないと。勉強しないと。進歩しないと。
 まだまだ、書きたいことはたくさんある。
 前より面白い台本を書きたい。その為にも日々是精進だ。
 
 私はすぐに後ろ向きになる。
 まあ、最近は随分ましになったけど。
 些細な一言などで、深く落ち込む。

 随分前にも書いたことがあるが、あるパーティーで初老の男性から話しかけられた。
 その方はいきなり私に言った。

「土田さん、私はあなたのファンなんです」

「ありがとうございます」と私は頭を下げた。
 すると、彼は続けてこう言った。

「で、どうしちゃったんですか?」

 意味が分からなかった。
 おじいさんは優しい笑顔で言葉を続けた。

「いやね、心配してたんですよ。ロンドンに留学されてからおかしくなっちゃったでしょう?」

 いまだに自覚はない。
 おかしくなった覚えもない。
 だけど、時折、心配になる。自分で気づいていないだけかも知れない。
 本当にダメになっているのだろうか?
 あの人の笑顔が浮かぶ。
 
 皆はどうなのか知らないが、私は面と向かって傷つくことを言われることが多い。
 もっと若い時。上演していた劇場の女性プロデューサーから呼び出された。
 そしてその人は深刻な顔で言った。

「土田君、書く才能は全くないんだから、役者に専念したら?」

 あの時も、私は何も言えなかった。
 しばらくして小さい声で「だけど……書きたいんです」とだけ答えた。
 すると彼女は間髪入れずに言った。

「趣味で書くなら、好きにすればいいけど」

 そういう言葉ほど、いつまでも残ってしまう。
 ……まあ、こんな愚痴を書きながらも、実はそういう体験は利用させてもらっている。
 もちろん、言われた時は落ち込むけど、しばらくすると猛烈に腹が立ってくるのだ。
 そういうコンプレックスをバネにして、私はやって来ている気すらする。
 意外と打たれ強いのかも知れない。
 
 明日は大事な打合せだ。
 精進する為にも、今からもう一度考えよう。
 
 あ、ハイリンド『きゅうりの花』は今日までです。みなさん、観てください。
posted by 土田英生 at 02:44| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月09日

自分を変える

 なんかタイトルが自己啓発本みたいになってしまった。

 昔、『約三十の嘘』という戯曲を書いた。
 椎名桔平さん、中谷美紀さん、妻夫木聡さん、八嶋智人君、田辺誠一さんなど、豪華なキャストで映画化もしてもらった。あれも結構前の話だね。十年前だ。
 どうでもいいけど、試写会前の記者会見を思い出す。
 名前を呼ばれて、私は張り切って舞台に飛び出したものの、緊張して椎名さんのバミリ位置に立ってしまった。
 全員が並んだ時に椎名さんに私が寄り添うという、バランスの悪いものになった。

 『約三十の嘘』は詐欺師を題材にした話だ。
 その頃、社会心理学に凝っていたので、こんな話を書いたのだ。

 で……最近、またハマってしまった。
 この1週間だけでも結構本を読んだ。
 
P1030127.jpg

 ちなみに、裏を向けているのは恥ずかしいからだ。
 何の本を読んでいるかを自分のブログなどに書いている人もいるが、私には無理だ。なんだか、心の中を見透かされるようで恥ずかしい。

 どの本もすでに知っていることだったり、似たような内容だったけど、新しい発見もあった。
 
 こうした知識は、演出などをする上でも必要なものだと思う。
 役者さんにどうやって開いて行ってもらうか。
 ダメ出しなんかでも、何か提案をすると「いやあ、それは無理です」と即答する人がいる。
 それに対しては、こっちは諦めるか、感情的に答えるかしかない。
 しかし、例えば、なぜ無理だと思うのかを意識化していく。
 理由が明確になれば解決策は見つかる。
 結果、無理じゃなかったりする。

 実は若い俳優を対象にした、長期のワークショップを計画中なのだ。
 これまでやっていた「呼吸」のことだけでなく、新しくプログラムを考えているので、かなり生かせるような気がしている。

 まあ、これは演劇だけに限らないね。

 人は自分の思い込みで、自分を制限してしまう生き物だ。
 そのことで可能性を潰す。
 もちろん私もそうだ。
 なのに残念ながら自分ではそのことに気づけない。
 しかし……そうした、漠然とした思い込みを明確にして、一つづつ解放して行くことが、明るい未来につながって行く道だったりする。性格は変えられなくても、思い込みから解放し、考え方やとらえ方を変化させることくらいはできると思う。

 ……やっぱり自己啓発本みたいになってしまった。

 やめよう。

 iPhoneを落として画面が割れた。

P1030125.jpg
 
 自分の写真をこの画面で見ると、傷だらけのワイルドな男に見えたりする。
 明日修理に出してしまうので、今はワイルドを楽しもう。

 これだって考え方なのだ。
posted by 土田英生 at 02:23| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月11日

劇作家協会 関西支部!!

 私が所属している「日本劇作家協会」→
 できたのは20年前で、初代会長は井上ひさしさんだった。
 
 初めてできた支部が京都支部だった。
 右来左往さんの呼びかけで、京都で交流のなかった劇作家が集まった。
 鈴江俊郎さん、松田正隆さん、マキノノゾミさん、深津篤史さん、キタモトマサヤさん……他にもたくさんいた。もちろん私も端に座っていた。
 そしてわりと活発な活動をしていた。
 あの頃の交流ははっきりいって私の財産だ。
 人は集まるだけで、お互いを意識するし、切磋琢磨する。
 京都は劇作家にとって、いい環境だったと思う。

 しかし、段々とペースが落ちて行き……はっきりいってこの5年くらいは活動をしていない状態だった。
 現在の支部長はなにをしてるんだ?
 ちなみに……実は……私が京都支部長だったのだ。

 そして……。

 不思議なことに大阪には支部がなかった。
 他は北海道支部とか、東北支部とか、東海支部とか、中国支部などわりと範囲は広い。
 なのに京都支部だけが小さな集まりになっていた。

 この度、京都支部を廃止し、大阪や兵庫、奈良、滋賀などを巻き込んで関西支部をつくろうという流れになった。そして今日はその設立総会的な集まりがあった。
 関西支部に該当する劇作家協会員は54人いるそうだ。
 今日は30人ほどが集まった。東京から坂手洋二会長も駆けつけてくれた。
 京都支部長だった流れで、しばらくの間、私が関西支部長を努めさせてもらうことになった。
 頑張ろう。
 
 まずは……6月に劇作家大会2014 豊岡大会がある。→

 開催場所は豊岡市の城崎。
 そうだ。
 関西有数の温泉地、城崎温泉だ。
 そこで……温泉と演劇にどっぷりつかるという企画だ。

 劇作家大会というと、劇作家の為のものに思えるかも知れないが、どんな人でも参加できる。
 俳優のワークショップなどもたくさん企画されている。
 しかも期間中は、様々な人と交流できるのだ。
 特に若い俳優さんなどは、勉強もできて、人脈も作れ、そして温泉にはいれるのだ。
 
 というわけで……久しぶりに関西の劇作家が集まった。
 終わってからは懇親会。
 せっかくのきっかけだ。関西を盛り上げないと。
 京都組で揃って帰ってきた。
 田辺剛君が入っている写真も撮った。
 横山拓也君に撮ってもらったのだが、やや人物が小さかったので、もう一枚の方を載せる。
 今度は田辺君が撮った。だから横山君が入っている。そして田辺君はいない。

 IMG_3123.jpg

 左から、ごま君、横山拓也君、痩せて皆から「大丈夫ですか?」と心配された私、水沼君、高間響さん。
posted by 土田英生 at 01:46| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

カゴの中の鳥

 今日は部屋にこもっていた。一度も玄関から外に出ていない。
 いや、まだこもっている。
 仕方ないのだ。こもらなければいけないのだ。締切り前なのだ。
 私はカゴの中の鳥だ。
 ああ、カゴの中の鳥は、いつ出られるのか?
 夜明けの晩だ。夜明けなのか晩なのか? 一体、いつなのだ?

 今日、動かしているのは指だけではないか。
 せっかく痩せてアクティブになったというのに。
 
 ……周りから心配されて困る。
 昨日も、後輩劇作家の女子が私に近づいて来て、小声で言った。
 「……土田さん……健康が大事ですから……なんかあったら言って下さい」
 どうやら身体をこわしたと思ったらしい。
 この前はもっとひどかった。仲のいい女優から言われた。
 「痩せましたね。気持ち悪い」
 気持ち悪いって……おいおい。
 どうすればいいのだ?
 確かに……久しぶりに体重が60キロ代になった。
 ただ、それでも20代の時は今よりも10キロ以上も軽かったのだ。
 どんなだったんだ、私は?

 いや、こんなことを書いている場合ではない。
 仕事に戻らなければ。
 
 ……私はプロットを書くのがとても苦手だ。
 ドラマなどでも簡単な方向確認だけをしてから、いきなり初稿を書かせてもらうことが多い。
 書いてみてから、削るところは削り、膨らます部分を盛って行く。
 舞台でも同じだ。昔はかなり詳細なプロットを立てていたが、最近はほとんどやらない。
 ノートに20枚くらいは色々と書くけど、箱書きも作らずにいきなりパソコンに向かう。
 前回のMONO『のぞき穴、哀愁』だって、設定と着地点だけ決めてから、なにも考えずに書いた。だから一回、大きく詰まったんだとは思うけど。
 
 じゃあ、プロットは必要ないのかといえば、そうではない。
 話が展開して行く為には、土台部分だけはブレないように築いておかないといけない。
 慣れないうちは、最後まで見通せないので、やはりプロットを立てて、箱書きをして、この話が通るのかどうかを考える訓練は大事だと思う。
 慣れてくると、設定を思いついた時、最後までこれで行けるかどうかは分かるのだ。

 しかし、とにかく。
 今は、プロットを書かなければいけない……夜明けまでに。
 カゴの中の鳥は……明日は羽ばたいて……空を舞おう。
 
 
 
posted by 土田英生 at 02:46| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ワークショップではなく、稽古ではなく……。

 少し前から、若い俳優を対象になにかをやりたいとか、そんなことを書いたりしている。
 実現化に向けて動くよう、自分を持って行きたかった。
 そんなことは自分のノートに書けよと思ったりするが、反応も知りたかったし。
 
 私は言うだけで、具体的な行動が苦手だ。
 だから周りの人たちのサポートに頼る。
 劇団だって、私は代表でありながら、何もしていない。こうしたい、ああしたいと言うだけだ。
 
 だから今回のこともしばらく考えていたが、このままでは立ち消えになると思った。
 だからある夜、のんだ帰り道に、いきなりMONOの制作部に電話をした。
 こういう目的で、こんなイメージのことをやりたいとワーっと喋った。
 ……二時間後には企画案が送られて来た。
 さらに、これがネットのいいところだが、ここを読んでくださっている劇場の方からも「うちでやる?」などと声をかけてもらった。

 で、完全にやる方向に動いている。
 まだ詳細は出せないけど、近いうちにメンバーを募集しようと思っている。
 長期のものを東京で、短期のものは全国でやることになると思う。

 私は二十代の後半から、一時期ワークショップばかりをやっていた。
 呼吸の使い方と間の関係を中心に、至るところでやった。
 ワークショップのプログラムノートは200ページびっしりになった。
 今でも時々、ワークショップを頼まれるとそのノートを読む。

w004.JPG 

 多少の変化を繰り返しながら、基本的に同じことをやって来た。
 演技と呼吸の関係を理解していない人と芝居を創ると、とても時間がかかる。
 ベテランと呼ばれる人とやっても、それは同じだ。
 喋れて動けたとしても、呼吸と間が分かっていないと芝居が成立しない。
 だからまずはその説明ばかりする。
 
 少しだけえらそうに言ってしまえば、劇団などで訓練をしていても、そこの指導者や演出家が雰囲気でダメ出しを繰り返しているんじゃないかと疑う。

 写真は3年くらい前に、立命館大学でやったワークショップのものだ。
 後輩にあたる立命芸術劇場の人たちが企画して呼んでくれた。

w006.jpg
 
 で、今回。
 特定の役者さんたちを集めて、ベースを伝えたいと思った。
 いい出会いがあれば、そのまま一緒に芝居が創れる。
 だからワークショップというより、養成コース的なものになる。
 
 そして……これまでやってきた呼吸だけじゃなく、もう少し突っ込んだものにしたいと考えて、今、新しくプログラムをつくっている。

 役者は自分の身体をさらす仕事だ。
 演技で一番邪魔なのは、過剰な自意識だ。
 「うまい役者と下手な役者」という分け方もあるが、「いい役者とそうではない役者」に分けることもできる。
 もっと分かり易く言えば「許される役者と許せない役者」。
 自然とそれができる役者は、皆が口を揃えて「あの人いいよね」と言う。
 それには明確な理由がある。
 だから誰にでも開かれたものではなく、私がいいと思える人たちを集めてそれをやりたい。
 ただのワークショップではなく、稽古でもなく。
 
 ……なんか、文章が宣伝みたいになってきた。
 これで下にスクロールすると「今なら特別価格」と赤字で書かれてたりするんだよね。
 英語ペラペラになりました、的な。

 さてと、考えよう。
 ちゃんと実現させる為に。

 とうとう20代から使ってきたノートとさよならだ。
posted by 土田英生 at 21:20| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月14日

パンツの中から琴の音色が聞こえる。

 今日はkittの稽古に行った。

 そのことについてはkittのブログに書いた。→『kittのきっと……』
 
 ちゃんと演劇のことなどを書いた。
 なので、ここにはその前後の間抜けなことについて書こう。
 
 私は凝り性というか、一つやり出すとしばらくはそれ一色になる。
 小学校の時に凝った「お城」とか、最近ハマっていたレザークラフトとか。
 しかし、それはまだいい。
 趣味として広がりが出るし、知識なども増えるからだ。

 問題は……小さなことでも、やり出すと徹底的にやりたくなることだ。

 今日の午後。
 寝不足だったので仮眠を取った。
 起きたらkittの稽古に行くまでに2時間くらいあった。
 仕事をするのも中途半端だし、読む本もない。
 ふと、爪を見た。
 別にそんなに伸びているわけではなかったが、急に気になった。

 ここが全ての始まりだった。

 爪切りを出してきて、切り始めた。
 なぜか、やたら丁寧に切った。
 さっぱりした。
 続いて足の爪に取りかかった。
 おおおお、気持ちいい。

 すると、もっとさっぱりしたくなった。

 続いて、やたら丁寧に髭を剃り始めた。
 シェーバーで剃った後、手でも残っている短い毛を剃った。
 すっきりした。

 それから耳そうじを始めた。
 
 ……この辺りでやめるべきだった。
 爪をきれいにして、髭を剃り、耳をそうじしたのだから、男性としての身だしなみは充分だ。
 いや、実際にやめたのだ。
 なのに、なのに……。
 
 トイレに行った。

 ふと、下を見る。
 
 私は紳士なので、表現の仕方に工夫を凝らすが……なんというか、その、見つめた先に生えている毛が不揃いなのが気になってしまった。
 断っておくが、私は稽古に行く前の男性なのであって、プールシーズン前のOLではない。
 水着になる予定もない。
 しかもなんというか、今夜、この部分を誰かに見せる可能性もない。
 
 単純に気になってしまったのだ。
 しかし気になったらもうダメだった。

 部屋に戻って、イスに座ると、ハサミで無駄だと思っているところをカットし始めた。
 んんんんんん、ダメだ。なんか違う。
 もっと大胆にカットした。
 ……もう、まるで私は日本庭園を手入れする庭師だった。
 この辺りの細かいことは記憶にない。
 一心不乱とはこのことだと思う。
 どうやら深く集中してしまった。
 
 気がついた時には……おかしなことになっていた。
 なんだ? この、上品に生えている感じは。
 まるで……まるで……生け垣だ。
 私はいつの間に造園業者になってしまったのだろう。
 ああ、なぜ、なぜ、こんな部分のガーデニングしているのか?
 無駄に私は手先が器用なのだ。だから、凝り出すと徹底的にやってしまう。
 
 そして私は稽古に向かったのだ。
 kittの高阪君も岩田奈々も、全く気がつかなかったはずだ。
 真面目に演技について話している私のパンツの中が、優雅な日本庭園になっているとは。
 もちろん、私もそんなことはすっかり忘れて、稽古をしていた。
 
 家に帰り、kittのブログを更新してから、お風呂に入った。
 裸になって気がついた。
 そうだ。私の太ももの付け根には日本庭園が広がっている。
 「ししおどし」のコンという音が聞こえてきそうだ。
 ししおどしは竹の筒が水を……ああ、うまい具合に形容できそうなのに、私は紳士なのでこの辺りでとどめておこう。

 シャワーを浴びていると……鏡に庭園が映る。
 もういい。
 もういいのだ。
 騒ぐな、騒ぐな……庭師の血よ。
 分かる、分かるよ。細かい部分が気になるよね? 雑なところがあるんだよね? 
 でもいいんだよ。
 庭じゃないんだ! そこは、そこは手入れしなくていいんだってば!

 気がつけば風呂に座り込んでいた。
 手に使い捨てのカミソリを持ち、下を向いて……あああああ。

 今、トレーニングパンツを履いてこれを書いている。
 
 中からは……微かに琴の音色が聞こえてくる気がする。
 
 優美な音色に耳を傾けながら、仕事をしよう。
 コーヒーじゃなくて、抹茶でも一服いただきたい気分だ。
posted by 土田英生 at 03:48| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

明日からまた東京

 今日から東京に行っておこうと思っていたのだが、色々やっていたら新幹線は終わってしまった。
 まあ、打合せは午後からなので、明日の朝に移動すれば間に合う。
 
 今は下北沢に拠点があるので楽だ。着替えなども置いてあるし。
 ただ、これだけ行ったり来たりを繰り返していると、資料や本などを京都と東京、どっちに置いてあるのかが分からなくなる。
 周りも混乱するみたいだ。
 東京にいるとメールが来る。『今、京都に来てるんですけど会えますか?』
 そして京都に戻っていると、メールが来る。『今日、下北沢に行く予定があるんですけど、なにしてますか?』

 だから一ヶ月先にどっちにいるのかを聞かれると困る。
 自分でも分からない。打合せの内容次第で変わってしまうのだ。
 MONOの制作をしている垣脇ですら、時々「今はどっちにいます?」と、聞いてくる。
 ああ、ずっとこうなのだろうか?

 1人参勤交代だ。
 これから下北沢の事務所を江戸屋敷と呼ぼう。
 
 しかし……スケジュールがもっとも大変なのは夏だ。
 6月から俳優の演技訓練をやろうと思っていて、日程を調整していたら大変なことになりそうだと分かった。特に8月などはもう全国をワークショップして歩き回る感じになる。
 参勤交代どころではない。水戸黄門のような状態だ。
 ワークショップをする時は印籠を持参しよう。困った時には皆に見せてみよう。
 
 自分で決めたことだし、きちんとやらないと。
 今の私にはそのモチベーションもある。
 
 最後までやれなかった仕事など……いやいや、いっぱいあるね。
 仕事をおろされたことは何度もある。
 ただ、自分からおりたことはない。

 赤坂のスターバックスで待ち合わせをし、書き上げた原稿を提出しようと持って行ったら、そこでいきなりおろされてしまい、「そうですか」と軽いトーンで喋ったのに涙声になってしまったこともある。
 お台場のスターバックスで「嘘でしょ? どういうことですか?」と消え入るような声で呟いたこともある。
 あれ……どうもスターバックス多いね。
 いや、そうじゃない。
 渋谷のホテルのラウンジでは、優雅な雰囲気で静かにおろされたし。
 
 明日の打合せは大丈夫だろうか?
 渋谷だと言っていた。スターバックスだろうか?
 不安になってきた。
 メンタルを強くしておこう。
posted by 土田英生 at 03:48| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月16日

柔軟に。

 なかなかプロットがまとまらない。
 私は台詞を書いてみて、それが自分の中でヒットしたら、それを元に膨らませて行く。
 前にも書いたが、構成だけを考えるのが、とても苦手だ。
 
 今日は打合せ。
 これまで考えてきたものを置いて、一旦、全然違う方向に掘ってみようという話になった。
 
 いやあ、それにしても……最近の勉強が役に立っている。
 自分を操縦する方法がはっきり見える。

 前だったら「このまま書きたい」と粘ったりして、悪循環に陥っていたはずだ。
 しかし、今は柔軟だ。
 ダメなら次を考えればいい。
 ちょっと進まないくらいで、モチベーションは落ちない。

 やっぱり学ぶことは大事だ。

 さてと、シャワーでも浴びて、もうひと頑張りしよう。
posted by 土田英生 at 00:05| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月17日

メールは怖い

 いやあ、怖い。
 メールは怖いという話だ。

 1日中、パソコンの前に座っていた。
 言い訳だけど、座っていたからといって書けるわけではない。
 長く座っていたら進むものと、どうにものならないものがある。
 いいアイデアがないかと悩んでいるときなどは、どれだけ考えたって出てこなかったりする。
 
 大体ね、人の集中力なんてそんなに持たない。
 で、今日は合間に無駄なことを結構した。
 前にも書いたが、無駄なことをする時の、私の集中力はかなりのものだ。
 
 iPhoneのアプリに、コマ撮りで映像を作れるものがある。
 パラパラ漫画のようなものだ。
 何かを写真に撮り、ちょっと動かしてはまた撮り、それを繰り返してアニメ化して行く。
 
 今日の夕方。
 仕事に疲れて、何気なくそれをやり出した。
 やっぱり集中してしまったようだ。
 気がついたら一時間くらいやっていた。
 でき上がったのは「スティック糊とリップ」という作品。
 リップが二本歩いているところに、スティック糊がやってきて、仲間になろうとするが断られるという話だ。
 その一場面。

スティック糊とリップ.jpg

 断っておくが、誰がなんといおうと披露しない。
 というか、もう削除してしまったし。
 書きたいのはここからだ。

 iPhoneで作ったその映像をパソコンに取り込んで、そのままデスクトップに置いていた。
 
 夜にある人から電話があった。
 ある原稿をメールで送って欲しいという。
 大事な仕事の話だ。
 電話を切って、私はメールを開いた。ぼうっとしながら作業をしていた。

 「送信」ボタンを押す寸前、身体に電気が走った。
 
 そこに添付されていたのは……『スティック糊とリップ』だった。
 
 危うく送信してしまうところだった。
 瞬間、汗が出た。
 
 ギリギリで回避できたからよかったものの、もし送信していたらと思うと今でもドキドキする。
 先方も困惑しただろう。
 原稿を頼んだら、意味不明な映像が送られてくるのだ。

 メールは怖い。
posted by 土田英生 at 06:42| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月18日

癒し。

 時間もないが、意地で更新。

 昼間は劇作家協会の事務所に行った。
 高円寺駅のホームで階段をのぼっていた。
 前を歩く人の後ろ姿が知り合いの女優に似ていた。
 あれ?
 と、思った時には「あ」と割合大きな声を出してしまった。
 その女性が振り返った。
 全くの別人だった。
 
 私は「いえいえ」と、間違いだという感じで頭を下げた。
 と、ヨーロッパ企画の諏訪君が降りてきた。
 咄嗟に「おう!」と言ってしまった。
 ……またしても別人だった。
 なんだろう? 疲れているのか。

 高円寺の駅から徒歩10分くらいのところに事務所はある。

IMG_3239.jpg

 皆が忙しく働いている。
 なんだか申し訳なくなった。
 今は6月の『日本劇作家協会大会2014豊岡大会』→特設サイトの準備が大変なのだ。
 写真は右から丸尾さん、楢原さん、鈴木アツトさん……ホワイトボードの向こうでもまだまだ皆さんが働いてくださっている。
IMG_3237.jpg 

 私もそれで立ち寄ったのだが、私は30分で用事を済ませてもらい、事務所を後にした。
 駅まで歩きながら今の仕事のアイデアを考える。
 遅咲きの桜が満開だ。

IMG_3240.jpg

 高円寺からJRで新宿、小田急で下北沢が普通のコースなのだが、ホームに上がったとき、ちょうど三鷹方面が来たのでそれに乗った。
 吉祥寺まで出て、井の頭線で下北沢に行けばいいやと思った。

 電車の中で考え事をしていた。
 今の仕事のこと、俳優養成のこと、それから昨日、相談された後輩劇作家の作品について。
 吉祥寺に着いた。
 改札を出る。
 ……気がついたら……歩いていた……吉祥寺の街を。
 あれ? 乗り換えようと思っていたのに、無意識に歩き出してしまった。
 どこに私は行こうとしているのか?
 え? なんでだろ?
 駅に戻ろう。
 そう思った時……向こうから……長塚圭史君が歩いてきた……ように見えた。

 いやいやいやいや……今日は私はおかしい。
 高円寺でだって、連続で人違いをしたのだ。
 圭史君のはずはない。
 しかし似ている……。
 その男性を凝視した。
 と、向こうもこっちを見た。
 本物だった。
「おお」「ああ」「なんでここに?」「◯◯なんですよ」みたいな挨拶をして、私は歩き出した。
 出会ったことに気を取られて、再び、駅から離れていってしまった。
 だって「じゃあ、また」と言いながら、歩いてきた方に戻って行ったらおかしいからだ。
 人間は行動に一貫性を求めてしまう。
 
 しばらく歩いて……私は道端で止まった。
 どうしよう?
 ヨドバシカメラに立ち寄ることにした。
 で、気がつけば必要ないものを買っていた。
 アロマオイルとかも購入していた。
 なんでこんなものを……?

 どうも自分を癒そうとしているようだ。
 そう言えば……今、流れている音楽もヒーリング系だしね。

 癒されたはずなので、もう一踏ん張りしよう。
posted by 土田英生 at 01:48| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

大事なこと、どうでもいいこと

 寝不足だった。今日も朝まで起きていた。
 午後に人と会うことになったので、12時前から3時間くらい眠ってから出かけた。

 楽しく話せたんだけど、考えをうまく言葉にできなかった気がする。
 伝えようとした内容が、私の頭の中でもはぼんやりと形が見えているだけなのだ。なので説明しきれない。

 ああ、もどかしい。

 しかし、これは大事なことなのだ。
 私には新しい道が見えている。
 だからちゃんと考えよう。

 で、夕方。
 事務所に戻ってから2時間くらい眠ってしまった。
 起きて、手探りでメガネをさがした。
 ん? ない?
 電気をつけた。ベッドの周りには見当たらない。
 お、そういえば……。
 歩いて行ってテーブルの上のメガネを手に取った時、違和感があった。

 ……それが腕時計だということに気がついた。

 半分寝ぼけながら「腕時計をかけようとしたよ。フフフ」と笑った。
 もしかけたら、腕時計ではなくなってしまう。
 なんだろう。目時計だね、目時計。
 
 …………

 ここまで書いた時、なぜか私の脳裏には後藤ひろひとの顔が浮かんだ。
 みなからはなぜか「大王」と呼ばれる男。
 私は無理して「ひろ」と呼んでいる。
 理由はないが、今日は「ヒロヒロ」にしよう。

 なぜ、ヒロヒロの顔が浮かんだのか。

 7月に出演する「大田王」。→
 ヒロヒロ、川下大洋さん、三上市朗さんの3人によるユニットだ。
 この前、チラシの写真撮影の時だ。
 大洋さんが「ツッチーのブログ、時々読んでるよ」と言った。
 すると、ヒロヒロが間髪入れずに「だけど、この人、嘘か愚痴しか書いてないんだよ」と言った。
 
 どういうことだ?
 嘘と愚痴しか書いていない?
 うん、愚痴は認めよう。
 しかし、嘘とはなんなのだ?
 いや、もちろん、文章を書くということは、それ自体が嘘であるわけで、そういう意味ではそうだ。
 しかも、書く時に脚色はしているかも知れない。
 だけど、だけど、嘘ではない。
 
 とにかくヒロヒロは、私がなにを発言しても「嘘だ」と言う男だ。
 「腕時計とメガネを間違えた」ということを話しても、ヒロヒロには嘘だと断定されるだろう。

 だから彼の顔が浮かんだんだと思う。

 どうにかして本当のことだと分からせたい。
 嘘だと言われたわけでもないのに、想像しただけで勝手に悔しくなった。

 どうにかして証明してやる。

 IMG_3256.jpg

 これがそのメガネと腕時計。
 どうだ……いかにも間違えそう……ではないな。
 まずい。
 これでは証明できない。ヒロヒロの勝ち誇った笑みが見える。

 ああ、もどかしい。

 覚えてはいないが、腕時計が間違えやすい形に置かれていたのかもしれない。
 
IMG_3260.jpg

 これでどうだ?
 これなら誰でも間違える可能性がある。
 どうだ、ヒロヒロ。
 
 ……まだ不安だ。
 私は目が悪いのだ。だからこそメガネをかけている訳だし。
 ということは、メガネを探している時、ぼやけて見えていたはずだ。

IMG_3259.jpg

 ふう。
 もう私が嘘つきだと言われることはなくなった。
 しかも寝起きという大きなハンデもあったんだし。 
 これで証明できた。もう安心だ。
 今度は私が笑う番だ。

 …………。

 自己嫌悪だ。
 私はなぜ……メガネと腕時計をテーブルにおいて写真を撮ったり、しかもわざわざボカしたりしてるんだろうか。誰にもなにも言われたわけでもない。
 なのに後藤ひろひとさんのことを勝手に使って書いたりして。
 もしかしたら、私がこのエピソードをヒロヒロに喋った時、彼は優しく言うかも知れない。

「ハハハハ。ツッチー、分かるよ。メガネと腕時計を間違えることってあるよな? それは大変だったな」

 ああ、疑った私が悪かった。
 ごめんヒロヒロ。

 『走れメロス』の最後。
 メロスが逃げようと思ったことを告白すると、親友であるセリヌンティウスもメロスを疑ったことを謝る。
 そして抱き合って二人は泣く。

 どうしよう?
 今度、ヒロヒロに会ったら、抱きついて泣いてしまうかも知れない。
 
 いや、こんな「どうでもいいこと」はおいておいて、「大事なこと」の方を考えよう。
posted by 土田英生 at 02:14| 東京 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月22日

カレーとナン、カレーとナン。

 私はまだ下北沢にいる。
 先週の火曜日に東京に来て打合せをし、そこでオッケーをもらったらすぐに京都に戻るつもりだったのだが……オッケーはもらえなかったので、もう一度考え直すことになった。
 で、その原稿は出したのだが、次の打合せの日取りが何度も変更になっている。
 だからいつ京都に戻るか分からない状態で東京にいる。
 まあ、他の仕事も山積しているので問題はない。
 
 昨日の午後、カレーとナンを食べた。
 それからなにも食べなかった。
 夜にお腹は空いたが、なぜか食べなかった。

 で、今日。

 昼過ぎまで眠っていた。
 起ると、さすがにお腹が空いて仕方なかった。
 なにを食べようか?
 そう思っているとメールがたまっていることに気がついた。
 返信をしているうちに、そのままの流れで仕事をしてしまった。
 夕方になった。
 おいおい、お腹ペコペコだよ。
 昨日のカレーとナン以来食べてないからだ。

 さすがに食べに出かけようと思った時だった。

 友達からメール。
 もし時間があったらご飯を付き合ってという内容だった。
 タイミングがちょうどいい。
 私は喜んでオッケーと返事をした。

 と、その次のメールを見て、私はしばらく考え込んだ。

「今日はとにかくカレーが食べたいので、付き合ってください!」

 ビックリマークだ。
 とにかくカレーが食べたいらしい。
 そんな人に別の提案をするわけにはいかない。
 
 なので……カレーとナンを食べた。
 私にできたことは……昨日と違う店に案内したことくらいだった。

 明日が怖い。
 もし、誰かからカレーとナンを食べたいと誘われたらどうしよう。
posted by 土田英生 at 03:25| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月23日

一回やってみる

 最近は暇があると演技について考えている。

 私はこれまで「見え方」だけを問題にしていた。
 演出の立場で演技を考えることが多かったからだ。
 その場の状況に沿った呼吸をし、反応し、全体の中でのバランスを取りながら物語に入れていれば、それで不満はなかった。

 「役になり切る」とか……はっきり言えば、どうでもよかった。
 昔、「今日、やっと登場人物が降りてきました!」と、嬉々として私に報告してくれた役者さんがいたが、心の中では霊媒師じゃあるまいしと思ったりした。私にはその日のその役者さんの演技は決してよくなかったからだ。
 私の考える演劇には、まず台本があり、それをきちんと立体化する為の演技を求めてしまうので、それがクリアできているかどうかが問題だったのだ。
 
 しかしだ。
 ただ、それができたとして……やっぱりいい演技をする人とそうでない人がいる。
 もちろん、いい演技をして欲しい。
 そこを私は完全に役者個々の魅力に頼ってきた。

 いい役者を見ると、皆、一様に「いい」と言う。
 好みはあるだろうが、大抵意見は一致する。
 反対に悪くはないのに、台詞も動きも計算通りなのに、説得力に欠ける役者。
 やっぱり明確に違いがあるのだ。

 で、役者を育てる……いや、そんな言い方はおこがましいけど、そういう観点から考えてみると、私がこれまでやってきたことだけでは絶対的に足りないのだ。
 なんらかの方法が必要だ。
 年末から色々と考えていて、自分なりに考えをまとめている。 
 で、私の中ではムクムクと試したいと思う方法が見えてきてはいるが、これが厄介なのだ。

 それは……これまで私が嫌っていたような演技法に似ている。
 んんんんん……。
 まあ、みんな考えて行ったら、同じような結論になったりするんだよねえ。
 どうにかバランスを取ってやりたいが、その為には、一度しっかり試してみないと。

 突き詰めたらなにかが見えてくるかも知れないしね。
posted by 土田英生 at 05:26| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月25日

身体を動かすことは大事だ

 水曜日に打合せをして、木曜日には京都に戻ろうと思ってた。
 しかし、その打合せでこれからどうするのか結論は出ず、今は先方からの結果を待つ身だ。
 もう一度打合せがあるはずなので、それが終わったら京都に帰ろうと思っている。

 だから、なんとなく宙ぶらりんだ。

 Tsuchipuro→に書き下ろす台本のプロットを立てたり、6月くらいから始める俳優育成講座のテキストを作ったり、後輩劇作家の台本の直しを一緒にしたり、他の仕事をしたりと、色々とやってはいるのだが、それでもなんとなく宙ぶらりんだ。

 だから空いた時間は勉強だ。
 本ばかり読んでいる。
 打合せの後、新しく仕入れようと本屋に行ったが、残念ながら目指す本は見つからなかった。

 その帰り、ついでに演劇のコーナーをのぞいてみる。
 演技論の本をパラパラめくっていたが、戯曲ところもつい覗いてしまう。

 昔、京都の大型書店で戯曲のコーナーを見ていたら、マニアックな戯曲まで結構揃っているにもかかわらず、私の本は一冊もなかった。あの時は、お客様アンケートに「京都の劇作家の本は置くべきだと思います。土田英生さんとか。(19歳 女)」
 と書いて箱に入れてきた。
 結果は知らない。
 
 この前立ち寄ったところは、下の方にひっそりと一冊だけあった。
 
IMG_3304.jpg

 いつも佃さんと隣だ。
 五十音順だとそうなるよね。

 なんの話だっけ?
 そうだ。
 そういう訳で宙ぶらりんなのだ。
 そのせいだろうか?
 考えなくていいことを考えたりする。
 いや、考えてはいない。勝手に心に浮かんでくる。
 少し前の自分の失敗した行動などが、自己嫌悪を伴ってやってくるのだ。
 
 昨日は朝に寝た。
 しかし昼間に三本程電話があった。
 ウトウトしかけては電話で起き、そして話して目が覚め、もう寝るのを諦めようと思うと眠たくなり、ベッドに横になってウトウトすると電話で起き……。

 その繰り返しで、何となく寝られなかったので、夜までそのまま起きているつもりだった。
 で、仕事を始めた。
 午後4時。
 猛烈な睡魔に襲われた。
 しかし、寝たら完全におかしなサイクルになってしまう。
 だめだ。我慢だ。
  
 仮眠を取ろう。1時間だけ眠ろう。
 そう思って横になった。
 起きたら夜の8時半だった。しっかり眠ってしまった。
 その割にはすっきりしていない。
 いや、すっきりしていないどころではない。
  ……とても嫌な気分だった。
 なんだか、ああ、もうダメだという気持ちになった。
 動く気力も湧かない。
 そして、またしても自己嫌悪が襲ってくる。
 過去の映像がフラッシュバックしてくる。
 ううううう、苦しい。
 それと戦いながらじっとしていた。
 するとドンドンと落ちて行く。

 このままではいけない。
 どうしよう? ええい、退散しろ、この悪魔め。

 私は走ることにした。
 ランニングウェアに着替えたが、半袖に短パン。
 それでも無理矢理外に出る。
 ああ、寒い。
 とても寒い。

 とにかく走った。
 事務所の近所には坂がある。
 その坂を駆け上がった。何往復もした。
 すると……段々と身体が動きだし、それと共に気持ちも晴れてきた。
 汗をかいて戻り、シャワーを浴び、それから掃除をした。
 トイレも浴室も、メラニンスポンジ片手に奮闘した。
 ……すっきりした。

 私は元々はあまりキレイ好きではない。
 しかし、大人になってから、やたら掃除をするようになった。
 京都の自宅なども汚れていない。
 仕事部屋などは、すぐにキレイにする。
 どうやら、自分の境界が部屋にまで及んでいるようで、部屋が汚れると自分が汚れている気分になるのだ。
 だから掃除をすると、自分も少しクリアになる気がする。

 なんとか救われた。

 やっぱり身体を動かすことは大事だ。
 これからも困った時には走ろう。

 宙ぶらりんの間に、無駄な体力がついてしまうかも知れない。
posted by 土田英生 at 12:26| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月27日

歪んだレンズ

 私は怠け者かも知れないが、特別ひどい訳ではない。
 ……はずだ。
 世間一般の人々の怠け具合の平均値があるとしたとしたら、私の怠け具合もそれくらいだ。
 
 しかし、そのことに気づいたのはここ数年のことだ。
 それまでは自分は驚くべき怠け者なんだと思っていた。
 怠け者ランキングがあれば、上位にランクインするんだと信じていた。

IMG_3318.jpg

 ……なんでこんなところで豚丼の写真が出て来るのか?
 その理由は後で書く。

 で、話を戻す。
 私が怠け者だという話だ。

 例えば脚本の締切りがある。
 書く時間は1週間。

   * * *

 最初の日は「やらないと」と思いながらも、あまり真剣味なく過ごす。
 レザークラフトなどに凝っている時期だと、ちょっとした小物を作ったもする。

 次の日は「書かないとなあ」と思いながら、パソコンの前に座るが、結局は書かずに終わってしまう。
 Wordを立ち上げて最初の方を書いたりするが、気がつけばネットで動物の動画をみたりして終わる。
 
 3日目は少し書く。
 5分の1くらい書いて「なんだなんだ、このペースなら余裕だよ」と思ったりする。
 資料が必要だしと自分に言い聞かせて本屋に行く。そこでは大体、文房具などを買う。

 4日目に本格的に続きを書き出し、このままではうまく話が通らないことに気づく。
 これは……頭から直さないといけない。
 「あああああ、こんなことならもっと早くに書き出せばよかった」と、猛烈に後悔する。
 そして頭から書き直す。意外と進む。

 5日目には昨日、意外と進んだことで、なぜか考え方がポジティブになる。
 「まあ、後2日はあるしな」と根拠のない余裕が生まれる。そのせいかあまり進まない。

 6日目は現実に直面する。とても怖くなる。必死で書き出すが、進まない。
 この日からは眠らずに書く。自分を呪う。

 最終日。半泣きで書く。寝不足で頭が朦朧とする。
 仮眠を取っては書き、時には部屋で叫んだりする。
 ストレスのせいか、消しゴムを割ったりする。

 締切り時間まで2時間くらいになった時、先方に電話する。
 あと、半日下さいと頼む。「◯時には絶対に終わりますので!」と、固い約束をする。

 そして……約束の時間から2時間くらい遅れた状態で提出する。

 なぜか提出し終わった時、「この1週間、猛烈に頑張った」と勘違いする。

   * * *
 
 上に書いたのはあくまでもフィクションだ。
 ここを誰が読むか分からないし、それをちゃんと断っておかないと。
 「お前はこんな風だったのか」と怒られるのも嫌だしね。
 
 ただ……まあ、こんな展開になることは……よくある……気がする。

 私が書きたいことは「私だけがこうなんだ」と、悩んでいたことだ。
 他の脚本家は、1週間もらったら、フルに時間を使って書いているんだと真剣に思っていたし、「ああ、私はどうしてこんな怠け者に育ってしまったんだろう」と、自らを罵り、自分はこの仕事に向いてないのだと考えたりしていた。

 しかしだ。
 今は……他の人も似たり寄ったりではないのかと思っている。

 もちろん、他の人も怠けているからといって、自分が怠けていい理由にはならない。
 1週間あるならば、1週間頑張るべきだと思う。
 けれど……。

 本当に気づかなかったのだ。

 刷り込みだ。
 
 小さい頃から「努力しない子」だと言われていた。
 それが暗示となって「私という人間は異常に怠け者なのだ」と思い込んでいた。

 いや、実は、こう書いている今だって本当はそうなのかも知れないという気がしてしまう。

 人は誰でもこうした思い込みが刷り込まれている。
 思い込みでレンズは歪む。
 その歪んだレンズで自分や世界を眺めている。
 結果、他人からみればどうでもいいことで悩んだりする。
 自分だけがダメなんだと劣等感に苛まれる。

 もちろん客観などというものは確かめようもない。

 ただ、自分の持つレンズの歪み方を推測することは必要だ。
 作品などを書いている時、「こう書けばドラマが成立するな」「こっちの流れが自然だろう」などの判断が、あまりに他人とずれていたのでは共感は得られないからだ。
 
 本当のことを言えば、めちゃくちゃレンズが歪んでいる人の表現こそ面白いんだけどね。
 残念ながら、私のレンズはそこそこしか歪んでいない気がする。
 それが嬉しくもあり、ちょっと寂しい。


 ……本当はこんなこと書くつもりなかった。
 食べ物について書くつもりだった。
 使おうと思って、豚丼の写真を用意していたのに。
posted by 土田英生 at 06:47| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする