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MONO代表・土田英生のブログです

2014年04月04日

慣れないこと。

 毎日、更新するのが癖になっていたのだが、昨日はそれどころではなかった。

 プロットの締切りまでもう一日余裕があった……はずだった。

 昼間は嵐山をブラブラと散歩し、いいカフェがあったらそこでプロットをまとめよう。
 などと、のどかなことを考えていた。
 前回書いたように、気力あるなら山にでも登ってみようとすら思っていた。

 と、マネージャーのAさんから電話があった。

「どうですか?」と聞いてくる。
 
 明日が締切りなので、心配してくれているんだと思った私は、爽やかに「大丈夫だと思います」と言った。
 と……Aさんは一瞬、黙った。
 私の心の隅の方に、不安という名の誰かが顔を出した。
 私はそいつの顔を打ち消すように言葉をつなげた。

「だって、明日の朝までですよね?」
「いや、今日の朝までだったんですけどね」

 と、意外なほど早い回答が返ってきた。
 
 全ての計画はなくなり、私はパソコンの前に座った。
 
 で……。

 一日遅れで原稿を出した。
 ここを更新している場合ではなかったのだ。

 今日は午後まで眠った。
 東京に行かなければいけないと思っていたのだが、それは先になった。
 
 時間がある。

 なにかしたい。
 もちろんまだ明るかったが、山に登る時間ではない。
 勉強したいジャンルがあるのだが、その為には本を買わなければいけない。
 取り敢えず、大きな本屋に向かった。
 初心者向けから専門書まで5冊ほど買った。
 
 家に帰って来て迷った。
 このまま本をのんびり読むという手もある。
 しかし、痩せて小鳥のように軽くなった私だ。
 ずっとパソコンの前に座っていて、身体も硬くなっている。
 羽ばたきたい。
 よし。身体を動かそう。
 しかし、今から? 一体、どこで?
 しばらく考えた。
 走ってもいいけど、それでは面白くない。
 変わったことがしてみたい。

 そうだ。ジムに行ってみよう。

 私は思い立ったら行動的なのだ。
 スポーツ用のウェアと短パン、タオル、体育館などで履くスニーカーを出した。

 そして……この前、東京で買ったメガネを取り出した。

 そうだ。このメガネは本来はスポーツ用なのだ。
 私は普段もかけられると思って買ったのに……。
 東京でそのメガネ姿を見た四人中三人から微妙な反応をいただいた代物だ。
 「似合わない」「やや似合わない」「どっちでもいい」と、合せて否定派は75パーセントだった。
 「どっちでもいい」を否定派に入れるかどうかは迷ったが、少なくとも肯定派ではない。
 1人だけが「いや……まあ、いいと思いますけど……」と言ってくれた。
 しかし、このトーンから感じてもらえると思うが、唯一の賛成派であるはずのその人も積極的支持ではなかったのだ。可哀想なメガネだ。
 いや、メガネのことはどうでもいい。
 ジムに行くなら、このメガネをかけられると喜んだだけだ。なんせスポーツ用だからだ。
 
 ……こんな場所に来るのは久しぶりだ。

 トレーナーの元気よすぎる挨拶に戸惑う。
 なんなんだ、その日焼けした笑顔は。
 しかも、更衣室に入ると、マッチョな男性たちが鏡を見ている。
 私は後悔した。
 キョロキョロしながら、持って来たウェアに着替えようとした。
 
 慣れない場所というのは危険だ。

 私はぼうっとしながら服を脱いでいたのだが、他のことに気を取られ過ぎていたのだろう。
 トレーニングを終えて更衣室に戻って来た男性が、私を見てビクっとした。
 その驚いた反応を見て、自分がしていることに気がついた。

 私は全裸になってしまっていたのだ。

 サウナかなんかと勘違いしたらしい。
 しかも丁寧に、脱いだ下着はちゃんとカバンにたたんでしまっていた。
 慌てて下着を履き、トレークングウェアに着替える。

 なにからやろう……?
 トレーナーの人から声をかけられる。
 目的を聞かれたが、別にないのだ。身体を思い切り動かしたかっただけだ。
 しかし動揺していた私は「筋力を鍛えたいです」と、思ってもいないことを口走ってしまった。
 
 まずはウェーミングアップ。
 ランニングマシーンで走る。
 慣れていない私は最初は7キロくらいでゆっくり走っていた。
 で、隣の人を見ると12キロと出ている。
 彼がチラリと私を見た。
 なんだ、なんだ、その優越感。
 私は慌ててスピードを上げた。

 隣の彼は走りながら、時々スポーツドリンクを飲む。
 それが自然でいい感じなのだ。
 私も真似してみたが……失敗した。
 ロッカールームの自動販売機で買ってきたのは「伊右衛門」だったのだ。
 見回してみたが、緑茶を脇に置いて走っているのは私だけだ。
 慣れた人は、ストロー付きのスポーツドリンクを飲んでいる。
 私は緑茶をたしなむ。
 ジムの中で、私だけが風流を気取った男になってしまった。
 
 その後は、いよいよ筋力を鍛えることになった。
 腹筋、背中、胸の筋肉を鍛えるマシンと順番にこなす。
 マシンを変える度に、「あ、それ違います」とトレーナーの人から指摘される。
 どう使えばいいのか分からず、おかしな格好でマシンにまたがってしまっていたようだ。
 イスの調整などがうまくできず、特に、チェストプレスという、大胸筋を鍛えるマシンのときは困った。
 左右から前にアームを持って来ないといけないのに、イスが後ろ過ぎて前まで手がいかない。
 トレーナーの人が日焼けした笑顔で直してくれる。

 ……苦しい。
 こんなはずじゃなかったのに。
 「いい筋肉してますねえ」とトレーナーの人に言われて、ついつい調子に乗った。
 ちょっと重めに設定してしまった。
 終わった時は腕も太もももガクガクだった。
 しかし、心なしかたくましくなった気がする。

 全て終わった。
 これは「土田頁」に書けると、マシンの前で力こぶをつくって写真を撮ろうとしていたら、写真はやめてくださいと注意された。
 力こぶをつくって撮ろうとしていた自分が恥ずかしかった。
 
 いやあ、しかし。
 汗びっしょりになり、心地いい疲労感。
 癖になったらどうしよう?
 元々、身体を動かすことやスポーツも大好きだ。
 しかし、仕事柄、部屋にこもって座り続けてばかりいる。
 
 帰ってから、ご飯を食べ、いつもより長くお風呂に浸かる。
 さて、勉強だ。
 コーヒーを淹れて、仕事部屋にこもり、買ってきた本を順番に読む。

IMG_3099.jpg

 結局はこんな時間になってしまった。
 こういう日も大事だね。

 ……それにしても腕が重い。
posted by 土田英生 at 04:35| 京都 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする