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MONO代表・土田英生のブログです

2014年04月14日

パンツの中から琴の音色が聞こえる。

 今日はkittの稽古に行った。

 そのことについてはkittのブログに書いた。→『kittのきっと……』
 
 ちゃんと演劇のことなどを書いた。
 なので、ここにはその前後の間抜けなことについて書こう。
 
 私は凝り性というか、一つやり出すとしばらくはそれ一色になる。
 小学校の時に凝った「お城」とか、最近ハマっていたレザークラフトとか。
 しかし、それはまだいい。
 趣味として広がりが出るし、知識なども増えるからだ。

 問題は……小さなことでも、やり出すと徹底的にやりたくなることだ。

 今日の午後。
 寝不足だったので仮眠を取った。
 起きたらkittの稽古に行くまでに2時間くらいあった。
 仕事をするのも中途半端だし、読む本もない。
 ふと、爪を見た。
 別にそんなに伸びているわけではなかったが、急に気になった。

 ここが全ての始まりだった。

 爪切りを出してきて、切り始めた。
 なぜか、やたら丁寧に切った。
 さっぱりした。
 続いて足の爪に取りかかった。
 おおおお、気持ちいい。

 すると、もっとさっぱりしたくなった。

 続いて、やたら丁寧に髭を剃り始めた。
 シェーバーで剃った後、手でも残っている短い毛を剃った。
 すっきりした。

 それから耳そうじを始めた。
 
 ……この辺りでやめるべきだった。
 爪をきれいにして、髭を剃り、耳をそうじしたのだから、男性としての身だしなみは充分だ。
 いや、実際にやめたのだ。
 なのに、なのに……。
 
 トイレに行った。

 ふと、下を見る。
 
 私は紳士なので、表現の仕方に工夫を凝らすが……なんというか、その、見つめた先に生えている毛が不揃いなのが気になってしまった。
 断っておくが、私は稽古に行く前の男性なのであって、プールシーズン前のOLではない。
 水着になる予定もない。
 しかもなんというか、今夜、この部分を誰かに見せる可能性もない。
 
 単純に気になってしまったのだ。
 しかし気になったらもうダメだった。

 部屋に戻って、イスに座ると、ハサミで無駄だと思っているところをカットし始めた。
 んんんんんん、ダメだ。なんか違う。
 もっと大胆にカットした。
 ……もう、まるで私は日本庭園を手入れする庭師だった。
 この辺りの細かいことは記憶にない。
 一心不乱とはこのことだと思う。
 どうやら深く集中してしまった。
 
 気がついた時には……おかしなことになっていた。
 なんだ? この、上品に生えている感じは。
 まるで……まるで……生け垣だ。
 私はいつの間に造園業者になってしまったのだろう。
 ああ、なぜ、なぜ、こんな部分のガーデニングしているのか?
 無駄に私は手先が器用なのだ。だから、凝り出すと徹底的にやってしまう。
 
 そして私は稽古に向かったのだ。
 kittの高阪君も岩田奈々も、全く気がつかなかったはずだ。
 真面目に演技について話している私のパンツの中が、優雅な日本庭園になっているとは。
 もちろん、私もそんなことはすっかり忘れて、稽古をしていた。
 
 家に帰り、kittのブログを更新してから、お風呂に入った。
 裸になって気がついた。
 そうだ。私の太ももの付け根には日本庭園が広がっている。
 「ししおどし」のコンという音が聞こえてきそうだ。
 ししおどしは竹の筒が水を……ああ、うまい具合に形容できそうなのに、私は紳士なのでこの辺りでとどめておこう。

 シャワーを浴びていると……鏡に庭園が映る。
 もういい。
 もういいのだ。
 騒ぐな、騒ぐな……庭師の血よ。
 分かる、分かるよ。細かい部分が気になるよね? 雑なところがあるんだよね? 
 でもいいんだよ。
 庭じゃないんだ! そこは、そこは手入れしなくていいんだってば!

 気がつけば風呂に座り込んでいた。
 手に使い捨てのカミソリを持ち、下を向いて……あああああ。

 今、トレーニングパンツを履いてこれを書いている。
 
 中からは……微かに琴の音色が聞こえてくる気がする。
 
 優美な音色に耳を傾けながら、仕事をしよう。
 コーヒーじゃなくて、抹茶でも一服いただきたい気分だ。
posted by 土田英生 at 03:48| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする