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MONO代表・土田英生のブログです

2014年08月04日

そういうこと。

 なんだか気分が上向かず、このままじゃダメだと思っていた時に深津君の訃報。
 とどめだった。
 もうドヨーンだった。
 世間では「土曜の丑」で鰻を食べていたかも知れないが、こっちは「ドヨーンの私」で食欲もなかった。
 仕事も手につかず、月末が締切りだったというのに……部屋に座り込んだまま、何もせずに時間が過ぎた。
 結局……「延ばしてください」という謝りの連絡を入れた。

 関西に戻ってお通夜に参列した。
 色んなことを考えたが、それはまだうまく言葉にならない。
 ただ、一つだけ思ったことは、「私は生きてるけどね」ということだ。
 
 痩せたので、少し前に喪服を新調していた。
 まさかこんなに早く着るとは思っていなかった。
 ただ、出かけようと思って黒いベルトを締めたとき……どうやっても穴が合わない。
 ベルトを買うのを忘れていた。
 レザークラフトの道具が役に立った。
 離れた場所に穴をあけた。これで大丈夫だ。
 ……しかし、なにしてるんだろうという気分になる。
 知り合いの通夜に向かうのに、ベルトに穴を開けている。
 
 生きているなんて、そんなことだ。

 通夜では懐かしい知り合いの顔も見た。
 私も深津君も伊丹AI・HALLで高校生たちと芝居を創ったりした。
 だから共通の知り合いも多い。
 すっかり大人になり、泣きはらした目をした彼女達とも再会した。

 ……そういうことだ。

 今日、東京に戻った。
 色々考えないと言ったら嘘になる。
 しかし、それでもなくなった腕時計を探したり、メガネを割ってしまって「おおお」と声を出したり、小指を机の脚にぶつけて飛び跳ねたりしている。

 自慢ではないが私は振り幅が大きい。
 人の前で見せるハイテンションと、一人の時のローテンションの落差には自信がある。
 いつか就職活動をすることがあれば、履歴書の特技の欄に書こうと思う。
 台本などを書いていても大騒ぎする。
 自分の書いた台詞でケラケラ笑っていた三十分後には、とてつもなく沈んでいる。
 とある医者が私に言った。「あなたは常にね、アクセルとブレーキを同時に踏んでるんですよ」
 
 しかし、まあ、暗かろうか明るかろうが、私はこうしてこれを書いている。
 そういうことなのだ。
posted by 土田英生 at 02:18| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする