表紙に戻る
MONO代表・土田英生のブログです

2014年11月02日

あと2回

 千葉雅子×土田英生 舞台製作事業「姐さん女房の裏切り」。
 伊丹での公演も3ステージ終わった。
 明日の昼間に一回やって関西は終わり。
 残すは広島での1ステージのみだ。

 ここに来て、やっと芝居の角が取れてきたように感じる。
 千葉さんも「いやあ、一年かかりましたねえ」と話していた。
 本番中、全く台詞が頭によぎることがなくなったし、動きだって「ああしよう」などという意図を持つことがなくなった。そこにあるのは反応のみ。やっていても気持ちがいい。

 この前まで俳優育成講座でそのことは散々話した。
 演技を組立てるのは稽古の時だけなのだ。
 そして意図することというのは、主に演出が担うべきで、役者は状況の中で、そのまま存在することが大事なのだ。ただ、それをやるのには膨大な稽古期間が必要なんだとつくづく感じる。
 今回の場合、1年空いて再演しているのもいいのかも知れない。
 
 そんな本番も残り少ない。
 明日に備えて寝る。
 どうでもいいけど、今日は二ヶ月振りに自宅にいるね。
posted by 土田英生 at 02:38| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月09日

『姐さん女房の裏切り』終了!

 昨年の6月に東京で初演した『姐さん女房の裏切り』。
 最初から他の場所でもやりたいという話をしていたので、舞台セットも保管してあった。
 で、今年……金沢、北九州、長久手、伊丹。
 そして今日の昼、広島での1ステージで全ての公演が終了した。
 置き道具がない状態の舞台。

IMG_4967.jpg


 傾斜がきつく、このせいで本当に腰が痛かった。
 しかも腕立て伏せをするシーンを入れたのだが……キツかった。
 これでセットも廃棄になる。
 いつかやろうという話になるかも知れないが、基本的にはこれで終わりだ。
 これが演劇の寂しいところだね。その分、魅力があるとも言えるんだけど。
 
 けど、再演してよかった。
 ホント、なんだろ? やっていてどんどん楽しくなって行った気がする。
 
 広島では久しぶりに楽屋が千葉さんと一緒。
 
IMG_4996.jpg
 

 一昨日は深夜まで脚本を書き、昨日、東京から広島に移動。
 いつものように京都を通り過ぎて行く。
 広島についてツアーの打ち上げ。
 そして、今日は朝から場当たり、ゲネプロ、そして本番とトーク。
 広島で公演をするのは初めてだったのだが、観客の皆はとてもいい雰囲気だった。

 終わってから千葉さんとビールを飲み、東京や京都へ戻るスタッフとも合流してワインを飲んだ。
 皆、バラバラと帰って行く。
 いい人たちばかりだ。
 集まる時は集まるが、皆、好きに動く。
 私と千葉さんは皆と別れた後、ホテルまでブラブラと散歩。
 そしてホテルのエレベーターの中で、まるで来週どこかで公演があるという感じで別れた。

 私は部屋に戻ってシャワーを浴び、そして……やっぱり仕事。
 しかも明日は朝5時に起きないといけない。
 このまま眠らない方がいいのかも知れないよねえ……。
 東京で『Re:(アール・イー)』の稽古があるのだ。
 
 とにかく終わった。
posted by 土田英生 at 23:57| 広島 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月14日

「Re:(アール・イー)」彦根公演

 広島で「姐さん女房の裏切り」が終わり、次の朝の飛行機で東京へ移動。
 渋谷で「Re:(アール・イー)」の稽古があった。
 12月に3組で上演するが、今月の24日に田中直樹さんと三倉茉奈さんコンビでの彦根公演があるのだ。
 「Re:(アール・イー)」は男女二人のリーディングドラマなので、組み合わせがとても大事だ。
 最初の読み合わせを聞いた段階で、このコンビはとてもいいと思った。たくさんの人に来て欲しい。
 稽古が終わってから取材を受けた。
 
DSC_0328.JPG
  
 
 皆さん、お待ちしています!
 →

 そして……私は再び脚本生活に戻った。

 色々あってどうも調子が出ない。
 合間に行ったローソンでもそうだった。
 店員さんとの会話すらチグハグだ。
 いつも優しい、お気に入りの店員さんだったのに。

「黄金チキンも下さい」
「旨塩とプレーンがありますけど」
「じゃあ、それで」
「ああ……いやあ、どちらになさいますか?」
「骨ナシで」
「いや、両方は骨ありますけど……」
「じゃ、旨塩で」
「ヨーグルトにスプーンおつけになりますか?」
「袋は一緒でいいです」
「あ、え? 温かいものと袋は分けなくて大丈夫なんですね?」
「スプーンは結構です」

 落ち着こう。
 
posted by 土田英生 at 06:07| 東京 ☀| 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月19日

どうでもよくなった。

 広島にいる。
 アステール演劇学校の【演出コース】を担当しているからだ。
 明日、その発表がある。
 だから月曜日に東京から広島にやってきて滞在中なのだ。
 
 脚本の仕事は抱えたままだが、思ったよりも時間があり嬉しい。

 ただ、些細な問題があった。

 私はアーモンド、リトルシガー、そしてコーヒーがないと落ち着かない体質だ。
 仕事をする前にはこの三つが揃っていることを確認する。
 この三つには常に私の側にいて欲しいのだ。
 『お前たちがいないと……俺は……やっていけないんだよ』という気分なのだ。
 
 アーモンドは買えばいい。
 まあ、時には見つからなくて探すこともあるが、それでも買えないことはない。
 だから問題はない。
 ちょっと困るのはリトルシガー。
 これがなかなか売っていない。
 いや、このことについては別の話があるので、そのついでに書こう。

 そして肝心のコーヒー問題だ。
 私は一日に10杯程コーヒーを飲んでいる。
 京都でも下北沢でも、コーヒーメーカーで三回以上は淹れる。多い時だと五回くらいだ。
 カルディのポイントカードもすぐにたまってしまうくらいだ。
 
 しかし、現在は旅先なので、一杯づつドリップできるものを買っている。
 一々お湯を注がなければいけない。
 そんなことは面倒ではない。
 ……厄介なのはホテルの部屋にあるティファールの電気ケトルだ。
 
 お湯を注ごうとすると、必ず少しこぼれるのだ。
 どんなに気をつけてもちょっとだけこぼれる。
 もちろん私だってのんびりと注いでいた訳ではない。
 もう、もう、傾け方からスピードまで、あらゆる工夫を繰り返した。
 まずは慎重に注いだ。まるで大発見を前にした化学者だ。
 そんな態度で集中しながらそうっと傾けた。
 ……ポタポタっとこぼれる。

 時にはワイルドな男にもなってみた。
 何も考えずに大胆に注いでみた。
 ……大胆にこぼれた。
 テーブルには広範囲に水が広がった。
 今からテーブルで田植えでもできそうな感じだ。

 コーヒーを淹れる度にテーブルを拭く。
 こうした些細なことは意外とストレスなのだ。

 で、次がちょっと困ったリトルシガーだ。
 売ってないのだ。
 色々と浮気した結果、今はずっとブラックストーンのチェリーだ。

IMG_5070.jpg

 京都や東京ではここに売っているという店を把握している。
 北九州や福岡も大丈夫だ。
 広島も大きな街なのでもちろん売っているのだが、私が滞在している場所の近くにはなかなか見つからなかった。調べてみると……ホテルから歩いて20分くらいのところにあることが分かった。
 
 今日、朝起きてみると天気がいい。
 なのでブラブラと歩いて、その店まで行ってみることにした。
 ついでにコーヒーでもどこかで飲んで来ようと思った。
 
hiroshima01.jpg

 
 太田川の河口に広島の街は広がっているので、川が多くて気持ちいい。
 さらに幹線道路はかなり電線類などが地中化されているので景色もいい。
 
 気分よくタバコ専門店まで歩き、ブラックストーンも手に入った。
 そして帰りにフラリと古い感じの喫茶店に入った。

 おばあちゃんが一人でやっている店だった。
 
 奥では常連客らしい人達がそれぞれに新聞を読んだりしている。
 私はコーヒーを飲みながらぼうっとテレビを眺めていた。
 と、そのおばあちゃんが独り言のように呟いた。

『上手なもんだねえ』
 
 テレビではホルン奏者が演奏しているところだった。
 私は返答するべきか迷ったが、彼女と目が合ったので『ですねえ』と答えた。
 すると……『この辺の人? 初めて見るねえ』とおばあちゃんが話しかけてきた。
 私はおばあちゃんの質問に答えた。
 しばらく会話が続いた後……おかしな間が訪れた。
 私はそろそろホテルに戻ろうと思っていたので、立ち上がった。

 と、彼女は言った。

『旦那さんが亡くなっちゃったからねえ。もう十年前なんだけど』

 しかし、私が立ったので慌てて『ごめんなさいね。お帰りですね』とおばあちゃんは言った。
 その表情が寂しそうだったので、『え? いいですよ。どうしてお亡くなりになったんですか?』
 と、聞きながらもう一度座った。
 
 ガンで旦那さんが亡くなったことなどを笑顔で話しているのだが、それがとても切なかった。
 しかも話し方が押しつけがましくなく、思わず言葉がこぼれてくる感じなのだ。
 
『あの……迷惑じゃなかったら、ちょっと前に座っていい?』とおばあちゃんが私に聞く。
 
 その表情がとても可愛い。
 どうぞと言うと、おばあちゃんは私の正面に座った。
 そして私のことを聞いたりした後、自分のことも話し出した。
 台湾に生まれ、日本語教師として日本にやってきたことから始まり、大学生だった日本人の旦那さんと知り合ったこと、二人で中華料理の店をやっていたこと、そして喫茶店を始めたこと……二人の子供の話、広島大学の学生で昔はこの辺りもにぎわっていたこと、旦那さんが死んで一人になった今、台湾にも戻りたいが広島からも離れられないこと。
 
 どういう訳だか……私は途中から鼻の奥がツーンとして、涙をこらえるのに必死だった。
 別に取り立てて哀しい話を彼女はしていたわけではない。
 けど、どういう訳か……感情が湧き上がって来て仕方なかった。
 なんだろうね。
 人が生きて来たことの迫力のようなものを感じてしまった。
 ホテルで電気ポットと格闘している自分が情けなかった。

 ひとしきり話が終わったので、私は席を立った。

『お兄ちゃん、話しやすいから、ついつい話しちゃった。ごめんね』

 と、おばあちゃんは笑う。 

『また、広島に来ることがあったら来ますね』

 私はそう言って店を出た。
 ドアがしまる時、

『本当に寄ってよ』

 と、いう声が後ろから聞こえた。
 
 なんだかとてもすがすがしい気持ちで川縁を歩いて帰って来た。

hitoshima02.jpg


 ホテルの部屋に入って、コーヒーを淹れた。
 またお湯がこぼれた。
 けど……なんだか、どうでもよくなった。
posted by 土田英生 at 15:19| 広島 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月21日

広島最後の夜なのに

 広島でやっていた演出家の講座、その試演会が昨日終わった。
 試演会はうまく行ったと思う。
 同時に、人に何かを伝えることの難しさを思った。
 改めて、演劇ってなんだろう、なんてことまで考えた。
 片付けが終わってから打上げ。
 なんか喋ってたね、私は。

 ホテルに戻って眠る。
 今日は朝早く起きた。
 まあ、いつものことだが、昨夜の自分の態度や言動に対する様々な自己嫌悪がじわじわと襲ってくる。
 シャワーを浴びたり、深呼吸をしたりして必死で振り払うがわりとしつこくまとわりつく。
 ううう、イヤだイヤだ。
 ……困ったもんだ。

 広島での仕事は終わったが、そのままホテルに残る。
 明日は福岡へ移動して「戯曲講座」をするので、広島でもう一泊するのだ。
 朝はMONOの垣脇と待ち合わせ。
 昨日の試演会を観るついでに広島までやって来た。
 毎朝、私がモーニングセットを食べていた店に向かう。

IMG_5072_2.jpg

 
 次回作である『ぶた草の庭』について、アレコレと決めていく。
 チラシなどに使う字体から内容のことまで、とにかく前に進めなければいけない。

IMG_5076.jpg
 

 2時間程話し合って、私はホテルに戻った。
 本当ならのんびりと広島観光でもしたかった。
 夜には牡蠣でも食べてワインを飲みたかった。

 しかし……ホテルにこもって脚本書きだ。
 早く終わったら飲みに出かけようと思っていたのに……このままだと夜中だね……。
 広島最後の夜だというのに……。
 目の前にあるのはホテルの壁、そしてパソコン。

 ああ、辛く……そして孤独な夜だぜ。
posted by 土田英生 at 19:32| 広島 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月23日

疲れた……。

 さすがに疲れがたまってきてる。
 11月に入ってから……全く休む暇がない。
 
 ああ……一ヶ月くらいロンドンにでも行きたい。
 そんな贅沢は言えないのなら、温泉にでも行って三日くらいぼうっとしたい。
 それも無理ならなにもしない日が……一日だけでも欲しい。
 
 問題は随分と気持ちがささくれ立っていることだ。
 些細なことで感情にスイッチが入る。
 そして自己嫌悪する。
 その繰り返しだ。
 やがてそんな自分に疲れてしまう。
 こんなことではダメだ。
 ニュースを見ても前は怒りが湧いたことが、ニヒリズムに陥ってしまい、ただ落ち込むだけになってしまった。毎日に追われているだけではダメなのだ。

 今日はもう眠る。
posted by 土田英生 at 01:56| 福岡 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月24日

喫茶店、そしてカフェ。

 東京から広島、福岡と移動していたので京都で降りた時、不思議な気持ちだった。
 旅先のような感覚なのに見慣れた風景。
 しかも明後日の朝には東京に戻るのだ。
 帰ってきたのか、それともやってきたのか……よく分からない。
 
 明日は『Re:(アール・イー)』の彦根公演。
 “田中直樹(ココリコ)×三倉茉奈”コンビ。
 会場もいつもとは違うので、多少の不安はあるがそれでも楽しみだ。
 朝、劇場へ行って場当たりやチェックをして本番。
 関西の皆さん、彦根城も見られますし、来てください。
 →

 京都から彦根もかなり遠いが、それでも東京から移動するよりは効率がいい。
 なので今は自宅の仕事部屋にいる。
 やっぱり自分の部屋は落ち着く。
 周りには好きなものがたくさんあるしね。寝る前にコーヒーを飲んでいる。

 昨日は戯曲講座を福岡でやってから久留米に向かった。
 ホテルが久留米だったのだ。
 西鉄の特急で天神から30分。
 初めの場所だ。
 かといって遊ぶ時間はない。
 ホテルの部屋で黙って脚本を書いていた。そして夜中に提出。
 朝、チェックアウトしてから……せっかくなので近くを散歩する。
 古い喫茶店があった。
 これはいい。
 ここで朝ご飯を食べてコーヒーを飲もう。

 店に入ると、黒いベストに蝶ネクタイをしたマスターが飛び出てきて、深々とお辞儀をした。
 私は驚いた。
 異様に丁寧に迎えてくれるではないか。

『いらっしゃいませ。どうぞ!!』

 ……お客さんは私だけだ。
 しかし、彼はやたらめったらテキパキと動く。
 ゆったりとしたテーブル席に案内される。
 メニューもすごいスピードで手渡された。
 私は注文をした。

『モーニングセットでございましたね! しばらくお待ち下さいませ!』

 声が大きい。
 不必要に大きいのだ。

『お先にコーヒーでございましたよ!……はい、トーストでございました!』

 さらには気になるのが、語尾がやたら過去形になることだ。
 
『こちらクリームでございました!』 
 
 店内は重厚で歴史を感じる。
 壁にかかっている時計も「SEIKOSHA」と書いてあったりするのだ。
 セイコーの昔の名前だ。
 「精工舎」だ。

IMG_5093.jpg


 しかもモーニングセットも……演出が派手だ。

IMG_5090.jpg


 バターやジャム、そしてコーヒーに入れるクリームもとても大げさな状態で出てくる。
 ただ、やはり一番すごいのはマスターだった。
 機敏な動き、そしてちゃんとした服装、そして大きな声。

『ありがとうございました。千円いただきましたので、お釣りでございました!』

 ……しかも最後まで過去形だった。
 なんだ、なんだ、この妙な魅力は。

 今日は大野城で万能グローブガラパゴスダイナモスの芝居を観てからトークをすることになっていた。
 久留米から西鉄に乗り、福岡に戻る途中の春日原で降りればいい。
 一時に来てくれと言われていたので、少しだけ時間があった。
 嬉しい。
 久留米駅前に大きな岩田屋が見えた。
 九州のデパートといえば岩田屋だ。
 そういえば、この前も小倉の岩田屋で買い物をしたなあと思い、荷物を預けて買い物をした。
 それでも三十分以上時間が余ったので、今度は駅の中にあるカフェに入った。
 スーツケースの整理をしようと思った。
 その時だ。
 店内にガラガラガラという大きな音が響き渡った。
 私がお尻でテーブルを倒してしまったのだ。
 上に載っていたさなざまな食器や灰皿などが床に落ちる。
 店員さんが走ってきた。
 私は謝りながら、一緒に後片付けをした。
 コーヒーを飲み終わり、私が店を出る時、店長らしき人がわざわざ出口まで一緒に来てくれた。
 若いイケメンだ。

「お騒がせしてすみませんでした」

 と、私がもう一度謝ると、

「いえ……気にされてるなあと思ったので。また来てくださいね」と、イケメンの彼は笑顔で言った。
 
 どうして久留米のコーヒー関係はこうも魅力的なんだろう?
 
 
posted by 土田英生 at 01:41| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月28日

旅行記。

 今月もたくさん移動した。
 東京→伊丹→京都→東京→広島→東京→広島→福岡→京都→東京。
 旅行記が書けそうなくらいだ。

 内容だって盛りだくさんだ。
 連続ドラマ『保育探偵25時』の脚本書き、『姐さん女房の裏切り』の本番、劇作家協会戯曲セミナーの講師、広島アステールプラザの演劇学校・演出家コースの講師、FPAP戯曲講座の講師、『Re:』の彦根公演……などなど。

 その結果……私は相当疲れているようだ。
 今日は朝、起き上がることができなかった。
 目は覚めているのだが身体がいうことをきかないのだ。
 
 24日は『Re:(アール・イー)』の彦根公演だった。
 今回の出演はココリコの田中直樹さんと三倉茉奈ちゃん。
 
 この朗読劇は基本的にシブゲキで上演している。
 客席数は250弱だ。
 しかし……今回のひこね文化プラザに到着した時に驚いた。

IMG_5117.jpg


 これは……大きいのではないか?
 会場も予想を上回る大きさだった。

IMG_5120.jpg

 
 突然だが、スイフトの「ガリバー旅行記」は第一巻の「リリパット国」の話だけが有名だ。
 起きたら小人の国にいたという設定だが、二巻では逆に巨人ばかりがいる「ブロブディンナグ国」、三巻では空飛ぶ島のラピュタや日本、四巻では馬の国である「フウイヌム国」に行く。
 いやいや、こんなことをなんで書いているのだろう?
 しかも、国の名前が分からず、今、調べてしまった。
 『移動が多くてまるで旅行記』だと書いたので、そのつながりで出てきたのだろうか?
 いや、思い出した。
 ひこね文化プラザが大きく、まるで巨人の国に迷い込んだようだったと書こうとしたのだ。
 比喩として使いたかったのだった。
 
 けれど全てが大きかったのは確かだ。
 例えば私に与えられた楽屋。

IMG_5118.jpg


 私は出演するわけではないので、荷物を置いて、まあ、本番前にコーヒーを飲んだり、お弁当を食べたりするだけの為の部屋だ。
 しかし中に入るとこんな感じだった。

IMG_5119.jpg


 とても寂しかった。
 
 本番が終わった日は京都の自宅に帰った。
 JRで桂川駅で降りた。
 新しい駅で、何もないところだ。
 しかしここからだとタクシーで帰れるのだ。
 
 ……降りてびっくりした。
 全く見覚えのない景色が広がっているではないか。
 まるで私はガリバーだ。
 いや、ツチダーだ。
 これはツチダー旅行記だ。
 
IMG_5122.jpg

 
 駅前には知らないうちに巨大なイオンモールができていた。
 そういえば工事をしていた気がする。
 それが……こんなことになっていたなんて。
 驚いたついでに、不必要な買い物をしてしまった。

 そして……旅行記は続く。

 次の朝に東京に戻った。
 脚本の打合せをして、そのまま脚本書き生活に戻る。

 その合間、昨日は東京パフォーマンスドール(TPD)のツアーファイナルを見に行った。

 TPDがやっている『東京号泣教室』という番組がある。
 古田新太さんが芸能プロダクションの社長役として出演していて、毎回、様々な講師を招き、TPDのメンバーに色々教えるという番組だ。
 私は一度講師として呼んでもらい、そこで演技のワークショップをやらせてもらったことがある。
 そして……それから……。

 恥ずかしいので書かなかったが、社長代理という役でしばらく出演させてもらっている。
 その縁もあったので観たかったのだ。

 しかし……これがまたしても冒険だった。
 会場はZeppダイバーシティ東京。
 お台場にある。
 東京テレポートの駅に着いたのは開演の20分前だった。
 これなら間に合う。
 そして……私は会場に向かった。
 しかしだ。
 勘違いをしてしまった。私が向かったのはZepp東京。
 これもお台場にあるのだ。

 私が到着すると、長蛇の列ができている。
 どこから入ったらいいのか分からずオロオロする。
 しかしだ。
 どうも客層が違う気がする。
 おかしい。
 これはおかしい。
 で、係の人に聞いてみた。
 
『ああ、東京パフォーマンスドールはダイバーシティの方ですよ』

 ……。
 こっちは韓流アーティストのコンサートらしい。
 雨の中、私はダッシュした。
 疲れている上に寝不足、葛根湯を飲んだとはいえ風邪を引いている身体ではキツい。
 このままではダメだ。
 近道をしよう。
 巨大なショッピングモールであるヴィーナスフォートの中を通り抜けようと思った。
 これがさらなる間違いだった。

 建物の中を走り、端まで行ったものの、外に出られない。
 どうやっても出口が見つけられない。
 エスカレーターや階段を上がったり下がったりするが出られない。
 「嘘だろ」と声にも出した。
 ドアがあると思うと「STAFF ONLY」と書かれていたりするのだ。
 やっと見つけたと思えばトイレだったり、荘厳な協会広場だったり、トヨタのミュージアムに迷い込んだりする。
 ああ、もう、ああ、もう。
 ガリバー旅行記というより、不思議の国のアリスだ。
 いや、不思議の国のツチ、いや、ヒデ、いや……無理だった。ゴロが合わない。
 
 時計を見るとすでに開演時間になっている。
 三人くらいの人に聞いて、やっと出てみたら……なぜかフジテレビの湾岸スタジオが見えた。
 遠くなってしまっている。

 再び雨の中を走った。
 そして15分遅れで会場に着いた。
 最初は見逃してしまったが、それでも楽しめた。
 二時間ダンスしながら歌い続ける彼女達を見て、疲れている場合ではないと思った。

 終わって会場を出たら、ファンの人たちから「社長代理だ!」と声をかけられる。
 忘れていた。
 そうだ。ここにいる人たちは彼女達の番組をかかさず観ている人たちなのだ。
 しかし、どの人も丁寧で優しかった。

 そしてコンサート終了後、関係者の皆さんと食事会。
 お台場にこんな遅くまでいるのは久しぶりだ。

IMG_5130.jpg


 気がつけば一時半になっていた。
 タクシーで下北沢に戻ってきて、それから少しだけ仕事をした。
 
 で、今日だ。
 8時に目が覚めたのだが、どうしても身体が起こせなかった。
 眠っている間に小人たちが、私をロープで縛ったのかも知れないとすら思った。
 それはもちろん嘘だ。
 無理矢理、ガリバー旅行記と結びつけようとしただけだ。

 で、朝から脚本の打合せ。
 向かう時、足が重たく、身体は怠くて仕方なかった。
 頭もぼうっとしている。
 大丈夫だろうか?
 ただ、不思議なもので、打合せが始まって、話しているうちにテンションが上がる。
 いつもは局の会議室なので、テンションが上がると立ち上がって台詞などを喋り、実際に演技をしながら説明するのだが、今日は新宿の喫茶店の会議室だったので立ち上がるスペースがない。
 それでも楽しく打合せは進んだ。
 
IMG_5133.jpg


 四時間ほど打合せをしてから、撮影に顔を出した。
 出演者やスタッフの皆さんに挨拶をして、少しだけ撮影を見学。
 それから下北沢に戻り、脚本を書いた。
 
 一応、朝までに提出すると約束したものは書き終わった。
 ただ、明後日の朝に次の回の締切りが待っている。
 観たい芝居などもあるので、なんとしてでも早く終わらせなければ。

 旅行記はまだまだ続く……。
posted by 土田英生 at 03:55| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする