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MONO代表・土田英生のブログです

2014年12月07日

土田先生

 身内に不幸があったので京都に戻った。
 2日間、仕事は全くしなかったが、遊んでいたわけではない。
 なにかと忙しかったし……まあ、月並みに様々なことを考えた。

 東京に戻って再び脚本生活。
 その合間に審査の為に何本も戯曲を読み、MONOの台本を書いている。
  
 どうでもいいことを書こう。
 京都に戻ることになった二日間に本当は観ようと予定していた舞台が二つ程あった。
 締切りと相談をして、なんとか二本とも見られると思っていたのだが、京都に帰ってしまったのでダメになってしまった。一つは元MONOのメンバーだった滝本さんがやっているB.LET'S、もう一つは登米君がやっているキリンバズウカだ。
 約束をしていたので、それぞれに行けなくなったというメールをした。
 滝本さん、続いて登米君に送る。
 いけなくてごめんという文章を書き、文章の末尾に名前を書いた。

 しかしだ。
 メールを送った後、なんだか違和感があった。
 何かがおかしい。
 私は送ったメールを見直してみた。
 
 
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 「土田英生」と書いたつもりだったのに、なぜか「土田先生」になってしまっている。
 なんだこれは。
 とても恥ずかしい。
 どうしてこんなことになったのだろうか?
 
 試しにメモ帳を開いて、「つち」と入力してみた。

IMG_5138.jpg
 
 
 「土田」「土田英生」に続いて、「土田先生」という変換候補が出ている。
 形がなんとなく似ているので間違えてしまったのだ。

 これまでに「土田先生」などと打ったことはないのに……なぜだろう。
posted by 土田英生 at 23:27| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

革とリンクだらけ。

 何度も更新しかけて途中でやめていた。
 本当に時間がない。
 連続ドラマ『保育探偵25時』の脚本は、やっと三分の二を過ぎようとしている。
 年明けからはMONO『ぶた草の庭』の稽古があるので、その台本も進めなければいけない。
 他にも仕事はたまっているし、腰の痛みや、個人的な問題と悩み、人からの相談事などもあって頭の中が忙しい。常に目の前のことだけをやっている感じで、先を見渡す余裕もない。
 時間がないせいか、気持ちも沈みがちだ。

 ああ、深呼吸をしたい。

 一日中、露天風呂にでも浸かって、何もせずに過ごしたいが、それはかなわぬ夢だ。

 しかし、このままでは本当にダウンしてしまう。

 隙を見つけてはリラックスする努力はしている。
 部屋の電気を消して三十分間座ってみたり、深呼吸を延々続けてみたり、脚本を書く合間にこっそりと革細工で小さなものを作ってみたり。

 つまり革の小物が増えるということは、ストレスが増している証拠なのだ。
 先日も高橋明日香が出ている『私のホストちゃん』を観に行ったのだが、彼女が頑張っていたので楽屋に顔を出してそれを伝えた。そしたら、そのお返しに『まるで革男ですね』という有り難いお言葉をいただいた。
 
 一昨日は知り合いの相談に乗ってから、『Re:(アール・イー)』朝海ひかるさんと石井一孝さんの稽古。
 いやあ、このペアも特色があって面白い。
 これまでと違ったものになるかも知れない。
 稽古の後にブラブラと歩いた。
 途中で銭湯を見つけたので、思いつきで入って必死でリラックスを試みたが、時間がなくなり、更にストレスがたまった気がする。
 そして青山円形劇場でケラさん演出の『夕空はれて』を観る。
 ダッシュで下北沢に戻る。
 エッセイを書き、脚本を書き、戯曲賞の選考の為に戯曲を読む。
 新人戯曲賞と北海道戯曲賞、二つ審査を引き受けてしまっているのだ。

 昨日は期日前投票だけを済ましてから、一日中、ひたすら書いた。

 ドラマの脚本は今日の朝が締切りだったのでまたしても徹夜だ。
 書き終わったのは昼過ぎの十二時半。
 高円寺に向かって短編戯曲リーディングのトークゲスト。
 19時まで喋って、20時からは『Re:(アール・イー)』原田泰造さん、小池栄子さんの稽古。
 こんなにバタバタなのに……稽古は楽しかった。

 本番が楽しみだ。田中直樹さんと三倉茉奈さんコンビはすでに彦根で本番も一度やっているので、次は東京の本番だけだ。

 今回も三組ともとても魅力的だ。
 もしかしたら今回で『Re』は最後かもしれない。
 みなさん、シブゲキ!!でお待ちしております。
 →

 明日は昼から脚本の打合せ、そして、夜は高円寺で新人戯曲賞の公開審査。
 一般の皆さんも見ることができるので、時間がある方はぜひ。
 さっき三回目を読み終わった。
 
 これもリンクを貼っておこう。
 →
 
 しかしまだまだ続くのだ。
 終わってからは受賞パーティーがあって、次の日は福岡に移動してホールブラザース『となりの田中さん』のトークゲストだ。

 ……リンクだらけではないか。
 →
 
 明後日の昼間は京都に移動してMONO『ぶた草の庭』の打合せ、そのまま東京に移動して夜は『保育探偵25時!!』の脚本打合せだ。
 
 こうなったら全部リンクを貼ってやる。
 MONOはチラシもちょっと紹介。
 
MONO42.jpg


 『ぶた草の庭』特設ページはコチラ

 そして『保育探偵25時』はコチラ

 ……。

 今日はもう寝ていいのだ。
 嬉しい。

 ああ、それにしても……
 私はリンクと革だらけの男だ。

 ちなみに今日持っていた革のカバン。
 
 
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 中身を出すと……

 
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posted by 土田英生 at 03:15| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月17日

無駄は大事だね

 なんだか全く無駄がないスケジュールだ。
 効率がいい。
 しかし無駄は必要だ。
 
 金曜日からが怒濤だった。
 徹夜して昼過ぎまで脚本書き→座・高円寺で短編戯曲リーディングのブラッシュアップトーク→『Re:(アール・イー)』原田泰造×小池栄子ペアの稽古。
 それぞれの間に全く隙間がなかった。
 あるのは移動だけで、無駄のかけらもなかった。
 
 夜は事務所に戻って新人戯曲賞の最終候補作をもう一度読み直した。
 土曜日は昼間に『保育探偵25時』第7話の打合せをして、収録現場に顔を出し、そのまま再び座・高円寺へ。
 新人戯曲賞の公開審査会。
 この日も無駄のないスケジュールだ。
 
 
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 今年は特に念入りに読み、色々と考えていったのだが、うまく話せず落ち込む。
 しかも作品は優劣がつけ難く、とても選考が難しかった。
 受賞したのは角ひろみさん。
 昔からの知り合いでもあるし、とても嬉しかった。
 終わってから受賞パーティー、そして忘年会。
 さすがに途中で抜けて帰る。

 そして昨日は福岡へ。
 ホールブラザース『となりの田中さん』のトークに出る為だ。
 福岡空港につき、ホテルにチェックインしたのが19時過ぎ。
 荷物を置いてそのまま劇場に向かった。到着したのが20分過ぎ。30分から芝居が始まった。
 無駄がない。
 芝居が終わり、トークをしてから飲み会に出席。
 今日は起きてすぐに博多駅に向かい、一時間半程、知り合いと喋り、新幹線で京都へ向かう。
 車中では北海道戯曲賞の最終候補作を読む。
 京都駅に着いたのが12時15分。
 そのまま打合せの場所に向かって、到着したのが25分。
 30分から打合せ。

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 ああああ、無駄がなさすぎる。

 照明の吉本さん、舞台美術の柴田君にやりたいことをくどくどと喋る。
 信頼できる二人は色々とアイデアを出してくれる。
 ふふふ、面白くなるねえ、『ぶた草の庭』。

 打合せを終えて、ご飯を食べたら新幹線の時間になってしまった。
 京都駅から新幹線に乗る。
 
 再び車中では戯曲を読み、途中で眠ってしまった。
 品川から打合せの場所に向かう。
 到着したのは19時3分前。
 ギリギリだ。
 19時から『保育探偵25時』第6話の書き直しの打合せ。

 ……無駄がない。
 
 まあ、私のスケジュールに隙間がないことなんてどうでもいい。

 無駄はとても大事なのだ。
 無駄をゆとりと言い換えてもいい。

 明らかに世の中が殺伐としてきた。
 言い様のない不安を覚え、そして怯えている。
 いつの間にこんなことになってしまったんだろうと思う。
 
 私たちがやっている演劇にとって、自由に表現できる環境はとても大切なことだ。
 演劇だけではない。
 皆が好きなことを好きなように発言し合い、その最大公約数の意見で社会は成り立つ。
 自分と違う他者の存在を認め、意見の違った人と話し合う。
 話し合いと喧嘩は違うのだ。
 どっちが正しいかだけではなく、それぞれの立場を理解し、妥協点を見つける。
 それだけの話だよね。

 幼い頃、父親から戦時中の話を聞かされた。
 自由な発言ができなかったその時代は、まるでおとぎ話だと思った。
 十年くらい前から息苦しくなっているなあとは感じていたけど、ネットの発達などもあって、表現の幅は広がって行くんだと楽観視していた。もっともっと世界は広がるんだと思っていた。
 
 けど、ここに来てはっきりとしてきてしまった。
 ネットが発達したところで変わらないのだ。

 「そんなこと書くと面倒なことになるよ」
 「ここでこんなこと書いたら、知り合いのあの人が困る」

 そうした些細な気持ちが人の発言を萎縮させ、そして一旦ダブーが形成されるとその話題すらしなくなる。
 普通に話せばなんでもないことが、大層なことになってしまう。
 リアルな問題からどんどん離れていってしまうのだ。

 「原子力発電が危ないかどうか」という“現実的な話し合い”すら普通にできなくなる。
 それはそのまま再稼働に反対か容認かというレッテル貼りになり、“敵対”にすり替えられてしまう。そこにはすでにリアルな議論などは存在しない。

 この前、ある人とそんな話をしていた。
 と、いきなりその人から言われた。

「土田さん、日本のこと好きじゃないんですか?」

 意味が分からない。
 そんなことは誰も言ってないのに、なんで短絡的にそんな結論になるんだろう?
 冷静になって、ゆとりを持って無駄に話し合おう。
 考えが違う人がいったっていいじゃないの。
 多種多様な人たちが、なるべく楽にいられる場所を私は愛したいだけだ。
  
 大体、演劇なんてとても効率が悪い。
 コストパフォーマンスも悪いし、無駄だらけだ。
 一ヶ月半も稽古して、わざわざキャストもスタッフも劇場へ行って、観客もそこに足を運んで、そこで一回きりの本番をやるのだ。失敗もしてしまうし、なんて無駄なことをしているんだろうと思う。
 だけど、そうした野暮な作業だからこそ、人は何かしら気持ちを動かされたりするのだ。
 
 無駄なことをやってやろう。
posted by 土田英生 at 03:01| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月22日

おかしな時間

 『保育探偵25時』第6話の書き直しは難航した。
 書けば書くほど崩れていってしまう。

 ドラマ脚本は時間軸が大事だ。
 舞台作品は時間を凝縮して書くことが大事だが、映像の場合はどう流れて行くかが大切だと思う。

 例二つのエピソードが並行して流れるとする。
 昼にこっちではアレが起き、その頃あっちではコレが起き、夜にはこっちはこう展開して、あっちではああ展開という風に時間軸に沿って話は進む。そして登場人物たちはそうほうのエピソードを行ったり来たりしながら交錯する。
 
 シーンの頭に書く『♯2 ◯◯家・居間』などという場所の設定を『柱』と呼んだりする。
 上の例だとしたら、シーン2は◯◯家の居間で展開するが、もし、その居間から登場人物の誰かが飛び出したりして、家の外で会話などが始まる時は、『♯3 同・玄関・外』など新しい柱を立てる。つまり別のシーンになる。“同”というのは“◯◯家”ということになる。

 で、あるシーンを削除したりすると……全てが崩れて行くのだ。
 6話はそれで苦しくなってしまった。
 締切りは土曜日の朝。
 この場合、朝というのは皆が動き出す前、つまり8時くらいまでだ。
 夜にはその脚本を元に打合せをすることになっていた。
 しかし……。
 
 ただでさえ時間がないのに、北海道戯曲賞の候補作を読み込んだり、MONO『ぶた草の庭』の構想を進めたりしていたのでかなり時間が不足してしまった。

 あ、そうだ。
 突然、話がそれるがMONOのことも書いておかなければいけない。

 MONO『ぶた草の庭』
 劇団で先行予約が始まっている。
 
 →

 こんなバタバタした中、ここ数年で一番しっかり台本の準備をしているのだ。
 とても哀しい設定だが、清々しい話にしようと思っている。
 演出や台本のトーンを抑え、だまし絵のような舞台を創りたい。
 
 MONOの5人に加え、常連である山本麻貴さん、いつか一緒にMONOにと話していたもたい陽子さん、そして昨年、私が全国でやった俳優育成講座の参加者の中から高阪勝之君、高橋明日香さん、松原由希子さんに出てもらう。この10人で絶妙なアンサンブルを見せたいと意気込んでいる。
 
 ということで皆さん、お早めの予約を!
 面白いですから。


 
 ちなみに特設サイトもあります。→

 ふう。

 で…… 話をドラマに戻そう。

 金曜の夜からは徹夜して必死で書いたものの、土曜日の8時……脚本はガタガタになっていた。
 どこをいじればいいのか分からない。
 しかも間に合っていない。
 打合せのスケジュールを皆に合わせてもらっているのに……。
 こういう時だ。
 どこかに消えてしまいたくなる。
 とにかく脚本をいじってみたが、昼の12時を過ぎた。
 ……どうしようもない。

 お願いをして一日延ばしてもらった。

 2時間くらい眠り、起きてからシャワーを浴び、掃除をして、カルディでコーヒー豆、ドライフルーツ、アーモンドを買い込み、腰の痛み軽減運動をしてから、心機一転。

 もう一度、最初の形に戻して書き直し始めた。

 結局、またしても徹夜になってしまったが、朝方……なんとか形になってきた。
 8時には提出。

 そこから3時間眠る。

 昼は年上の女性にお会いしてきた。
 樋田慶子さん。
 芸歴約60年のベテラン女優さんだ。
 レストランで喋ったのだが、会話に私にとっては歴史上の人物名が次々に出てくる。
 刺激的だった。とても面白い。

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 そして17時から打合せ。
 20分くらい前に到着したので、いつもの休憩場所で深呼吸を繰り返す。
 頭の中で、問題点を整理する。
 こういう時間はとても大事だ。

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 一日ずらしての打合せ。
 6話のさらなる改訂と、7話のストーリーラインを話し合う。

 終わったのは22時。

 電車に乗ったらさすがに眠気が襲ってきた。
 で、下北沢についてフラフラと事務所に向かう。
 しかし、ある店の中から知り合いが手を振っていた。
 つられて……店に入り込んでしまった。
 気がつけば話し込んでいた。
 こういうことをしているから寝不足が続くんだよなあと思うが、それでも人とかかわる時間は必要なのだ。

 1時にはベッドに入った。
 もうダメだ。頭も朦朧としている。
 今日はグッスリと眠ろう。
 しかし……。

 夢を見て飛び起きた。ああ、イヤな夢だった。
 あれは誰なんだ?
 いや、夢の中のことはおいておこう。

 時計を見ると4時。
 3時間しか眠っていない。
 しかしすっかり目が冴えてしまった。

 今日は『Re:(アール・イー)』の本番だ。

 →

 シブゲキ!!で15時と19時の二回。
 明日のペアは田中直樹さんと三倉茉奈ちゃん。
 相性も抜群だし、この二人は彦根で一度本番を終えているが、明日は会場が小さくなるので少しだけテンポを上げてもらおうと思っている。
 多分、この『Re:(アール・イー)』も今年で最後になりそうな気がする。
 皆さん、ぜひ、お越し下さい。

 私は明日のマチネが終わったら、そのまま羽田に直行して札幌へ移動しなければいけない。
 北海道戯曲賞の審査会があるのだ。
 
 そして……翌日に東京に戻るものの、6話の締切りは24日。
 クリスマスもなにもあったもんじゃない。

 ドラマのタイトルは『保育探偵25時〜花咲慎一郎は眠れない!!』
 →

 本当に私も眠れないね。

 結果、こんなおかしな時間にこれを書いているのだ。
 よし、少し眠ろう。
posted by 土田英生 at 05:13| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月23日

見上げる!

 ずっとパソコン画面に向かっているので、下ばかり向いている。
 人の気持ちと身体はつながっているのだ。
 暗くて笑えない時は、口角をあげるだけで気分が上向くらしい。

 下ばかり向いていると、どうも内向的になり、そして気分も落ちて行く。
 最近はどうも調子がよくない。
 人の前では出さないように努めているけど、どうも沈みがちだ。
 きっと下を向いているせいだ。
 そうだ。
 見上げないと。
 上を見ないといけないのだ。

 今日は『Re:(アール・イー)』の本番だった。
 渋谷の駅から会場に向かう。
 見上げるとシブゲキの入っているプライムビルが青空をバックに建っていた。

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 テンポを上げて欲しいというお願いだけした。
 よかったと思う。
 リーディングだからと言って、聞かせようという意識が前面に出てしまうと世界が壊れてしまう。
 昼の公演を観て、気になったことだけ伝える。
 本当は夜もみたかったのだが、そのまま私は羽田へ向かう。
 北海道戯曲賞の審査会に出る為に、札幌に移動しなければいけなかったのだ。
 羽田でエスカレーターに乗りながら見上げた。
 天井がこんな風になっているなんて知らなかった。
 見上げることは大事だね。

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 札幌に着くとそこは雪国だった。
 駅を見上げる。

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 雪にハマって転んだ。
 時には足元を見ることも大事だ。
 見上げてばかりではダメなようだ。
 難しいね。
posted by 土田英生 at 06:28| 北海道 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月26日

地道に頑張る

 この前審査会に出席した北海道戯曲賞が発表になった。→
 大賞受賞の藤原さん、おめでとうございます!
 北海道戯曲賞の審査員はこれまでにない感じのメンバーだった。
 素直に意見交換もでき、それ自体はとても楽しかった。

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 ただ……戯曲賞の審査は何回やっても気持ち悪さを拭えない。
 なにかを選ぶという行為は、とても大それた感じがする。
 そもそも舞台作品を書いて発表するのは、観客に向かってであって、賞をもらう為ではない。
 しかし選ばれる側は、やはり一喜一憂する。
 私も賞コンプレックスに悩んだ。
 知り合いが次々と受賞して行く中、自分は最終候補にも残らない。
 自分に色々と言い聞かせてみるものの、やっぱり落ち込んだりした。
 そういう体験があるせいで、審査をするのがどうもイヤなのだ。
 
 人間はどうしたって誰かと比較をしてしまうし、認められたいと願う。
 褒められれば嬉しいし、けなされれば悔しい。

 私が自分に言い聞かせていたことは『真っ当に悔しがろう』ということだった。

 人が自分に下す評価は、正面から受け止めるしかない。
 ダメだと言われた以上、自分がどう思おうが“その環境においては”ダメなのだ。
 京都にいて、友人である松田正隆さんや鈴江俊郎さんがOMS戯曲賞や岸田戯曲賞を取り、周りから急速に評価されて行く様を、私は眩しく眺めていた。
 もちろん、家に帰れば落ち込んだ。
 バランスを崩した。
 自分は賞には全く縁がなかったからだ。

 しかしだ。
 松田さんの作品も鈴江さんの作品も、私自身、とても面白かった。
 だから、と思った。
 私にできることは悔しいと思うことだけなのだ。
 
 『どうせ賞なんて関係ないし』
 『選んだ人が悪いよ』
 
 様々な言い訳言葉が頭の中には浮かんだけれど、彼らの作品が面白いことは事実なのだ。
 だとしたら、仕方ないのだ。
 自分も面白い作品を創ればいいだけのことだ。
 まだ足りないと思うことろがあるならば、賞に文句を言っても仕方がない。
 知らないことは勉強し、苦しみながら書き続けるしかない。
 
 これはなんでもそうだね。
 オーディションを受ける役者も、昇進に悩む会社員も、部活でレギュラーになれず落ち込む高校生も。
 言い訳をして閉じてしまう人は、きっと伸びない。

 過剰に落ち込む必要はないが、真っ当に悔しく思えるかどうか、それは大事だ。
 あ、プライドもあるし、これは難しい部分ではあると思うんだけど。

 シンプルに、地道な努力をするしかない。

 ……いやあ、それにしても……。
 北海道はやっぱり寒かったのか。
 東京に戻ってから体調を崩した。
 24日は締切りだった。元々クリスマスだなんだと言っている場合ではない。
 だから書こうと思うのだが、身体がしんどく、起きていられない。
 薬を飲んでも全然楽にならなかった。
 食欲もなく……それなのに北海道で買ってきたバターサンドだけは食べてしまった。
 
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 昔から……とても好きなのだ。
 けど、胃腸の調子も悪かったので、余計に気持ち悪くなった。
 脚本が……書けない。
 というか、パソコンの前にすら座っていられない。
 結局、夜まではかどらず、今日の朝になってやっと提出した。

 昼間はMONO『ぶた草の庭』を少し書き進めた。
 ……どうでもいいけど、設定が悲惨すぎるねえ。
 コメディにしようとしているのに無理がある。
 しかし、そんなことは最初から分かっていることだ。
 それを書こうと決めたんだから、頑張ってその仕掛けを探すのだ。

 苦しい。
 けど、地道な努力をするだけだ。

 途中で苦しくなって散歩に出た。
 下北沢をブラブラ歩く。
 ふと、空を見ると夕方と夜の境目だった。
 なんだか昔、私がイメージした世界の終りの景色に似ていた。
 とても哀しくなった。

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 いつまでたっても苦しいね。
 けど、進まないとね。
 
posted by 土田英生 at 02:11| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月27日

MONOの宣伝になってしまった

 今日も基本的には事務所にこもってパソコンの前に座り続けた。
 『保育探偵25時〜花咲慎一郎は眠れない!!』→番組サイトを年内にもう1話書く。
 キツいけど、後々のことを考えると書かなければいけないのだ。

 MONOの公演は毎年2月くらいが多い。
 1月クールのドラマだと、完全にかぶってしまうのだ。
 「斉藤さん」の時がそうだった。
 『なるべく派手な服を着る』というMONOの公演と完全に時期が重なっていた。

 あの時は1話から3話を書き、4話からしばらくは2人の脚本家の方に交代で書いてもらった。
 その間に私はMONOの台本を終わらせ、そして、9話から最終回までの3話分を再び書いた。
 それでも最後はキツかった。
 大阪公演の時は、劇場に待機してもらっていたプロデューサーと本番終了後、メイクも落とさずに打合せをしていた記憶もある。
 
 今回は……全部を自分で書く。
 手伝ってくれている人たちはいるが、それでもあの時より大変になるはずだ。
 私は計画的に物事を進めることがとても苦手だ。
 夏休みの宿題でも31日にやるタイプですらなく、9月10日頃にやっていた。
 アサガオの観察日記だって、記憶を頼りに描いていた。
 けど、そんな自分の性格を直して、とにかく今は計画的に書くのだ。
 8月中に宿題を終わらせて、後は自由研究だけという状態にしたい。
 ……なんの話だ?
 喩えというものは、文章を分かり易くする為にあるはずだ。
 夏休みの宿題の喩えはやめよう。

 今日は書いている途中、柿喰う客の大村わたる君が下北沢に来てくれた。
 三時間くらいお茶をしたが、これがとてもいい息抜きになった。

 彼は今年やった「俳優育成講座」に参加してくれていた俳優さんだ。とてもいい芝居をするが、少しだけ不思議な男だ。よく読めない部分がある。しかし、今日、色々と離してその謎が少しだけ解けた。

 あの講座をやってよかったと思う。
 夏も結構忙しかった。
 「なんでこんなことを企画してしまったんだろう」と途中で後悔したこともあったが、結果、私も演技を改めて考える契機になったし、色んな人で知り合えた。
 20代100人と出会うという予定だったが、結局出会ったのは80人。
 終わってからも、連絡をくれたりする子達がいて、何人かの相談に乗ったりしている。

 そうだ。

 MONO『ぶた草の庭』に出演予定の20代の3人は俳優講座の参加者。
 
 もちろん、それは計画的だ。
 アサガオの観察日記を毎日つけるくらい計画的なことなのだ。
 いや、この喩えはやめたんだった。

 とにかく……。
 何かを一緒に創る時に、やっぱりベースを共有していないといいものができない。
 MONOはそうやって創ってきた。
 個性が大事などというけれど、それぞれの役者が好き勝手やる芝居には全く興味がない。
 大体、個性なんて無理に出すものじゃないし。
 それぞれ容姿や声だって違うし、個性なんて最初からある。

 ギターとドラムは元々違うけど、同じリズムに沿って演奏するから音楽になる。
 役者だって演技を調和させるから、一つの虚構ができ上がる。
 世界ができ上がるからこそ、それぞれも光る。

 そして、そこからどうしても出てしまう不協和音。
 そこが演劇の面白いところだ。
 全く同じものを再生産させたいなら映像の方がいい。
 どれだけ稽古して、どれだけ合わせようが、本番で日々生まれる軋みが魅力だったりする。

 けど、最初からバラバラなものには魅力はない。
 
 「ぶた草の庭」ではそれを改めて意識しようと思っている。
 
 とにかく相容れないものを、一つの作品に詰め込みたい。
 完璧な調和と、出てしまう個性。
 悲惨な状況と、喜劇。
 そうしたものをまとめあげて、精密で馬鹿馬鹿しい舞台を創りたいね。

MONO42.jpg


 劇団の先行予約は28日までです。
 すでに予定毎数を終了した回もあるので、その場合は一般発売をお待ち下さい。
 →MONO公演情報
 ここからさらに「ぶた草の庭」特設サイトにもいけます。

 また、28日から1月3日まで、お正月の特別動画配信でMONO『きゅうりの花』を無料で観てもらえます。
 『ぶた草の庭』にも世界観がつながっていますので、お時間があればご覧下さい。
 
 あれ?
 書いていたら、知らない間にすっかりMONOの宣伝になってしまった……

 計画的じゃないからこうなるのだ。
posted by 土田英生 at 04:22| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月29日

『Re:(アール・イー)』が終わった。

 今年もリーディングドラマ『Re:(アール・イー)』が終了した。
 最後は石井一孝さん、朝海ひかるさんペア。
 これまでとはまたひと味違った雰囲気で、私も新鮮に楽しんだ。

 一区切りついた気がする。
 今回で最後かなあと考えている。
 もしかしたらまた上演の機会もあるかもしれないので、断言はできないけど。
 この企画はA.R.ガーニーの「ラヴ・レターズ」のような朗読劇をということで始まった。「ラヴ・レターズ」は日本でも20年以上続いている作品で、訳と演出をしている青井陽治さんは今日も『Re:』に来てくださった。最初の時にも観てもらったのを憶えている。
 
 終りだとしても……やってよかった。

 なにより色んな役者さんと一緒にやれたことが大きかった。

 敬称略で列挙させてもらうと、男性が……藤木直人、竹中直人、古田新太、生瀬勝久、向井理、松岡充、丸山智己、徳井義実(チュートリアル)、田中直樹(ココリコ)、原田泰造(ネプチューン)、石井一孝。女性は……ベッキー、中越典子、宮沢りえ、仲間由紀恵、常盤貴子、高田聖子、壇れい、内山理名、安倍なつみ、観月ありさ、三倉茉奈、小池栄子、朝海ひかる。なかなかこれだけの人とは出会えない。読む人、組み合わせによって違ったものになるのが面白かったね。
 
 本番の後、毎回、出演者二人の写真を撮る。
 どれもお似合いのカップルだ。

 そしてなぜか……最後には私も入って三人で撮る。
 恒例になっていたが、私が入った写真は別にどこに使う予定もないのだ。
 衣装を着て座った二人の間で、私だけが背後霊のように突っ立っている写真がたくさんある。
 
 本番の合間は今日もMONOの台本。
 ちょっとだけ……行き詰まっている。
 あああ、苦しい。

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 もう一つ、突破口が必要なのは分かるんだけど、それが何になるのかが分からない。いやいや、調べる必要があるんだよね。ちょっと本を買ってきて読まないといけない。

 今日は終演後に石井さんや朝海さんと食事に行った。
 12時頃に事務所に戻り、シャワーだけ浴びてすぐに寝た。
 そして起きてからは「保育探偵25時〜花咲慎一郎は眠れない!!」の脚本。今も書いている最中だ。
 
 そうだ。
 昨日も『Re:』(原田泰造×小池栄子)の本番。帰ってきて少しだけ仕事をして、二時くらいにはベッドに入った。睡眠は必要だ。ベッドの中でアラームをかけようとして、ついでにtwitterを覗いた。
 すると……おかしな画像が目に入った。

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 「保育探偵」の番組アカウントが、画像とともに私が眠らずに書いているはずだと呟いている。
 いやいや、私は寝ようとしているのに。
 罪悪感でたっぷりになってしまったではないか。
 仕方なく私はベッドから出た。
 しかし……仕事が進むはずがない。眠るつもりだったのだ。
 そこから意味なく一時間半くらい起きていた。
 ただ、中途半端に睡眠時間が削られた。

 とにかく仕事に戻ろう。
 30日の夜に年内最後の打合せが待っている。
 それを終えたら京都に帰るのだ。
posted by 土田英生 at 07:19| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする