随分と久しぶりになってしまった。
自慢ではないが私は人の前でとてもよく喋る。
元気に喋る。
ほとんどは自分の話をする。
誰かが喋っている時はうなずきながら聞き、返答する振りをして自分の話に切り替える。
そうなのだ。自分の話ばかりする。
ただし、よく反省もする。
自己嫌悪に陥る。
そもそも、自己嫌悪というものは「自分に都合のいいシステム」だ。
自分を誤摩化す為に自己嫌悪というものはあるのだ。
例えば私の場合。
まず、自分自身に対する理想像は現実とあまりにかけ離れている。
「他人の話を静かに聞き、黙って微笑んでいる」……そんな人間でいたい。むしろそうあるべきだと思う。
しかし実際の私は違う。
「他人の話を遮り、興奮して喋る」……これが私なのだ。そうしている時、自分の欲求が満たされる。
でも、その欲求を満たし過ぎた場合……このまま満足していたのではまずい。それは、あるべき私ではないからだ。
だから反省する。
自己嫌悪になる。
「本当の私は静かに他人の話を聞く人間なのに、ちょっと失敗して喋り過ぎたのだ」と思い込もうとする。
まあ、自分に対しての言い訳みたいなもんだね。
日々の自己嫌悪はしょっちゅうだけど、時々、大きな波がやってくる。
今は結構なビックウェーブだ。
サーファーだったら『五年に一度の波だぜ』と、喜ぶところなのに。
去年の終りからドラマとMONOが重なり、本当に時間がなかった。
よく無事に終わったと思う。
で、MONOが終わった途端に……突然、時間ができた。
いや、実際にはやることもあるんだけど、それでも全然違う。
身体が突然止まれない感じだ。
車で高速道路を走っていて、出口にそれてゆっくり走っているのに60キロ出てるみたいな感じだ。いやいや、うまく喩えたような雰囲気だが、あまりしっくり来ないね。
悔しいことにドラマ『保育探偵25時』は視聴率が振るわなかった。
3月の終りに脚本家チームの打ち上げがあった。リベンジを誓った。
今回、初めて一緒に仕事をさせてもらったメンバーがほとんどだったが、とにかく皆、人がいい。彼らと知り合えたことは財産だ。大事にしよう。
MONOの『ぶた草の庭』はお陰さまでお客さんも増え、無事に終了した。時間がない中、迷惑もかけながら、それでも、現在、自分が思うことを書き、やりたいことをやらせてもらったので悔いはない。

MONOのメンバーもよかったし、他のキャストもとても芝居に馴染んでいた。観に来た人からも「全員が劇団員だと思ったよ」と言われたりした。あれ、なんだろうねえ。嬉しいもんだよね。若手の役者も伸びたし。特に本番に入ってからどんどんよくなって行った。それを眺めているのは気持ちよかった。
そして……今、私は引きこもっている。
次に自分がどうして行くのか、それを考えている。
これが結構な難題なんだけどね。
どんどん窮屈になって行く社会の中で、なかなか光が見えて来ない。
ああ、晴れた空に向かって思い切り伸びをしたい。
こうしてじっとしているだけじゃダメなんだろうけど。
もうすぐ発表になると思うけど、22日に下北沢でトークライブをします。
知り合いの店で、入って30人という小さいスペースなんですが、皆さん、きて下さいね。
そういえば『ぶた草の庭』のセットの窓からはこんな景色が見えていた。

シーンによって空は変わったりしてたんだけど。
基本的には晴れてたんだよねえ。