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MONO代表・土田英生のブログです

2016年04月29日

自分のことだけが分からない

 私は高校生の頃から心理学に興味を持ち始めた。
 楽しくも、それなりに悶々とした10代だったので、興味というか必要だったんだと思う。
 なぜこんなに苦しいのか、その理由が知りたかった。
 で、全く専門的ではなく、それなりに本を読んだりして来たわけだけど、とにかく確実に得たことは一つだ。

「自分のことは分からない」

 このことを知っただけで、私は随分と助かってきた。
 
 フロイトという人は随分と批判もされてきたけど、無意識という概念を作ったことはとても大きい。
 この概念のおかげでかなり色んなことが説明できるようになったんだと思う。
 
 簡単に言えば「意識できないこと=つまり自分では分からないこと」が自分の心の中にはどんと居座っていて、それが様々な形で自分の意識や身体に影響を与えているということだ。

 小さい時などにあったイヤな出来事、これを頭は必死で忘れようとする。
 覚えていたら、いつまで経ってもイヤな気持ちになるからだ。
 例えば、小さい時に親にひどく傷つくことを言われたとする。
 これをいつまでも覚えていたのでは、親を好きになれないし、だから子供はなかったことにする。
 
 けれど、忘れたことは実際には消えていない。
 いつまでも心の奥底に、つまり無意識の中には生々しく残っている。
 今の例でいえば、親から言われた言葉や、その発言をしたときの親の顔などは、「もしかしたら愛されていないではないか」という不安と共にいつまでも無意識に残っているのだ。

 無意識に残っているとどうなるか。
 イヤな出来事は必死で表に出て来ようとする。
 これが厄介なのだ。
 
 出て来てしまうと人はイヤなことを思い出してしまうので、必死でフタをして自分で気づかないようにする。
 この、必死でフタをしているのが「自我」と呼ばれるものだ。
 
 必死でフタをしているので、普段の行動にも影響は出る。
 大体、このフタをしている状態が心にとったら苦しいことなのだ。
 無意識はそれらを表に、意識に出そうとする。
 
 だからフタが緩むとそれがちょっと顔を出したりする。
 眠っている時に夢に出て来たりするのだ。

 ちなみに、自我は眠っているときも必死で働いていて、生々しいイヤな出来事をそのまま夢に出させないように頑張る。夢の検閲と呼ばれたりしている作業だ。だから夢は歪曲されて、おかしな不条理なものになったりする。
 
 夢の話はおいといて、つまり、自分にとって、本当にイヤなことなどは無意識に追いやってフタをしているので、どうやっても自分では意識ができないということだ。
 正直に話せ、などと言うけれど、そんなことは所詮無理なのだ。
 だから、他人の方が私の本質を見抜いていたりする。
 人にとても的外れなことを言われて、腹が立つことがある。
 ……そういう時、多分、無意識の何かにヒットしているのだ。
 つまり当たっているんだと思う。
 しかし、ヒットしたことを私の心は認めない。認めてしまうと自分が危うくなるからだ。
 
 くだらない例になるけど、小学生の時、大好きだった女の子がいた。
 しかし、実際は自分がその子のことを好きだとは思っていなかった。
 仲はよかったけど、その子を好きだという事実はとても恥ずかしいこと考えていたんだと思う。
 小学生だし。
 一番、恥ずかしい頃だし。
 もちろん、その時は別にその子のことは好きではないとしか考えていなかった。

 ある時、友達に言われた。「お前、◯◯が好きなんだろ?」
 私は驚いた。
 そして否定した。あるわけないだろ、と反論した。
 「正直に言えよ」と、そいつは言った。
 私は正直に言っているつもりだった。そして、その友達にとても腹が立った。
 
 ……振り返って考えてみると、私はやっぱりその女の子のことが好きだったんだと思う。
 
 自分が本当に望むことは、なかなか自分自身では見つけられない。
 自分のことだけは分からないのだ。

 で、的はずれなことを言われた時、それをゆっくり考えてみるようにしている。 
 本当はこのことを書こうと思っただけなのに、長くなってしまった。
 
 最近、ある人から言われた何気ない言葉がいつまでも残っている。
 それは、なんでもない言葉だった。
 深刻な会話をしていたわけでもない。
 むしろ、冗談のようなやり取りの中で発せられた言葉だ。
 私が傷つく必要もないはずのものだ。

 なのに、その言葉がヤケに気にかかっている。
 私の無意識にある何かに当たっている証左だ。

 ……なんだろう?

 演劇をすると、台本を書くと分かったりすることもあるんだけどね。

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 好きな女子に気づけなかった頃の学芸会。
 「山猫5」という役を演じるだけでは、なにも分からなかったね。

 5月11日にトークをします。→コチラ
posted by 土田英生 at 01:38| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする