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MONO代表・土田英生のブログです

2016年06月07日

リアルな夢

 ここにも何度か書いているが、私は眠っている時、寝ぼけて行動する癖が残っている。
 微かには覚えているのだが、知らない間に大胆な行動に出たりする。
 朝起きた時、あんトーストを食べた痕跡あったりするのはしばしばだ。
 あれは夢だったのかなと思うと実際に食べていたり、また食べてしまったと思うと夢だったりする。

 いきなり起きて「はーい」と返事をしてドアを開けたりもする。
 誰かがブザーを鳴らしたと確信して飛び起きる。
 しかも前々から起きていた風を装って、わりと元気にドアを開ける事が多い。
 ほとんどの場合、誰もいない。

 小さい頃、と言っても、小学校の半ばまで私はいわゆる夜尿症だった。
 経験がある人は多いと思うが、失敗する時は必ずといっていい程、夢を見ていた。
 トイレに行きたいなあと思っていると、気がつくとちゃんとトイレにいるのだ。
 なんだ、トイレにちゃんと来たんだと思って用を足すと……段々と股間が温かくなって行く。

 気がついた時には失敗しているのだ。

 しかもこの夢が巧妙なのだ。
 どう考えても実際にトイレにいる感じがするのだ。

 まあ、さすがに小学校の高学年ではそれは治った。
 ただ……夢と現実の区別が曖昧なことは結構あった。
 それで人と喧嘩したこともある。
 実際に喋ったとどう考えても思えてしまうのだが、それが夢だったりするのだ。
 
 昨日のことだ。
 昼間、ちょっと別のことをしていて、締切りの原稿に取りかかるのが遅れた。
 夜になってやり出したが、なかなか進まない。
 締切りは朝までだった。
 朝の6時くらいまで頑張っただろうか……けれど、あまり捗っていなかった。
 9時には提出しないといけない。
 残りは3時間。
 書いていたのはドラマのプロットだ。
 プロットと言ってもペラで数枚というよりは、二〇枚くらいの割と細かいストーリーを書かなければいけないものだった。

 眠くて頭が働かなくなったので、仮眠をとることにした。
 15分だけ眠ろうと思った。
 起きたら一気に残りを書こう。
 アラームをセットし横になった。
 と、すぐにアラームが鳴った。
 私は止めて、仕事をすることにした。

 ……ここからだ。

 仕事は捗った。アレをああして、ここをこうして……プロットはどんどんでき上がって行く。
 主人公の設定をこう変えて……。
 おおおお、いい調子だ。

 と、ふと目が覚めた。
 あれ? 
 なんだ?
 気がつくと私はベッドに寝たままだ。

 まずい。夢だったのか?
 そのわりには細かく内容ができていた気がする。
 しかし、実際にはどんなものだったのか思い出せない。

 起きなければ。
 そして実際にやらなければ。

 今度は分かり易いように、プロットを動画で作ってみた。
 これならプロデューサーは分かり易いだろう。
 台本にするより動画で撮った方がいいに決まってる。

 いやいやいや。
 これは完全に夢だ。

 時計を見た。
 締切りの時間だった。
 私はマネージャーにメールをした。
 ちょっと遅れるということを説明した。
 
 さて……。

 そこから同じことの繰り返しだった。
 マネージャーにメールをしたことで安心したのか、プロットを考えては夢だと気づき、また眠って夢で考えるという繰り返しだった。

 正午。
 ハッとして目が覚めた。
 完全に目が覚めた。

 そして……青ざめた。

 眠ってしまっていたのだ。
 けれど、私は思った。
 いや、でも……ほとんどでき上がっているので……問題は……ないはずだ……と思ってパソコンを起ち上げた。画面にはまだまだ全然途中段階のプロットがあった。
 まだ寝ぼけていたらしい。
 ほとんどでき上がっていると思ったのも夢だったようだ。

 マネージャーに電話して事情を話した。
 そしてそこからは実際に書き出した。
 けれど、何度も夢ではないのかと疑った。
 さすがに今度は違ったようだ。

 夢の中とは違って難航した。
 でき上がったのは夜の9時。
 またしても12時間遅れだ。

 そこから休憩し、また手を入れた。
 送信したのは2時半。
 ああ……。

 それにしても今日の昼間の夢はあまりにリアルだった。
 今でもちょっと信じられない。
 
 困ったもんだ。
posted by 土田英生 at 03:56| 東京 🌁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月09日

ガンガンイヤー+歪[ibitsu]

 わりと……忙しい。
 いや、かなり忙しい。
 しかしこれまでとは違うのだ。
 勝手に忙しいのだ。

 これまで、忙しい時というのは依頼してもらった仕事の締切りに追われている状態だった。
 例えば連ドラの脚本を書きながら舞台をやる。こういう時は確かに時間がなくて苦しい。何度も泣いた記憶がある。しかし、これははっきりいって私の経済活動としても重要だ。完全に約束した仕事だからだ。

 で、今の忙しさはどこが違うのかというと、直接は経済につながっていない。
 将来的に花が開くこともあるかも知れないが、ただ土を耕している感じなのだ。
 だから……現在の私はまさに貧乏暇なしだ。

 とにかく5月から6月の前半にかけてがパニックだった。
 テレビドラマの企画が2本。
 どちらも着地するかどうか分からないが、先方とやり取りしながらプロットをつくった。
 そのうちの一つは随分と前から進めているものなので、そろそろ決まって欲しい。
 かなりプロットや構想もできているしね。面白いドラマになると思うんだけどなあ。

 そして……遅れに遅れている小説の原稿。
 これは3分の2くらいはできている。
 だから10日間欲しい。それだけに集中して書く時間が10日間あれば絶対に完成させられる。

 なのに色々なことに忙殺されていて、それで段々とズレてきてしまっているのだ……。

 編集の人にも迷惑をかけ、申し訳ないことにこれまでに7回くらい締切りをずらしてもらっている。なんだ、7回って。
 ……実はその締切りが……昨日だった。
 けれど他のものを書いていた。
 なので……なので。
 ああ、メールをして謝らないといけない。
 とうとう8回目のお願いをしなければいけないのだ。

 気が重い。

 着物姿で腕組みした人に向かって「娘さんを私に下さい」と言う前のような、そんな大時代的なハードルの高さだ。

 実際、編集の方はとても温和で素敵な人だが、いきなり怒り出すんじゃないだろうかと心配になる。
「もうお前になど、娘はやらん!」とちゃぶ台をひっくり返されるかもしれない。
 どうしよう。
「待って下さい、お父さん!」
 そう言って、すがりつけばいいのか?
「お前にお父さんなどと呼ばれる筋合いはない!」
 まあ、それはそうだ。
 編集者は女性だし、お父さんではないしね。
  
 ああ、本来ならメールをしてからここを更新すべきだった。
 このブログを先に読んでしまったらどうしよう?
 こんなことを書いている場合ではなかった。
 今からすぐにメールしてみよう。

 そんな状態なのに……。

 今年は自分でやりたいことをガンガン企画するイヤーなので、実は別のドラマのプロットも書きかけている。
 やめとけよと思うけど、もう既にペラで三枚くらいは書いてしまった。
 前に、とあるプロデューサーと飲んだとき、こんなことがやりたいと話しているのを聞いて、だったらこうすればと勝手にやる気になって書きかけたものだ。とても気の合う人で、彼とはまた仕事をしたいので、早々に書いて渡そうと思っている。

 さらに……途中で止まっている映画の話。
 これもいつ動き出すか分からない。
 なのに、ある人と組んで別の映画もやろうと相談している。
 これはちょっと前からやってみたかった形なのだ。
 普段ならやらなかったことなのだが、「ガンガンイヤー」である今年はなんでもやるのだ。
 
 こんなにやっているのに、どれもすぐに実を結ぶものではない。
 けど、大事なことだしね。
 確実に決まっていることを進めることももちろん大切だ。
 来年の舞台のキャスティングとか……。
 MONOもそうだが、プロデュース公演もあるし。これも早く決めないといけない。

 いつ考えるんだろ?
 催促のメールはいただいているから、すぐだよね、すぐ。
 
 さらには来週はリーディングドラマの演出をするのだが、それも脚本を書くことにしてしまった。
 打合せの時……思わず「書きますよ」と口走ってしまったのだ。今日、必死でそれを書いた。全部は終わってないが、展開は見えた。

 私は今いくつくらい何をやろうとしてるんだろ?
 その内、自分が誰か分からなくなりそうな気もする。

 こんな状況の中。
 4月のことだったと思う。
 仲のいい若い女優さん3人が揃って事務所に訪ねて来た。
 この3人は「土田英生俳優育成講座」に参加していて、去年、舞台を創っている。
 歪というユニット名で「ソラミミホンネレソラシド」という芝居を私が書いて演出した。

 メンバーの1人は高橋明日香で、2011年のMONO特別企画に出てもらってから、なにかと一緒に活動をしている、私にとっては目に入れても痛くない存在だ……いやいや、この表現考えた人ってなんだろ? 言うに事欠いて目に入れなくなっていいのにねえ。それは私はイヤだ。目には入れないけど、まあ、近しい女優さんだ。
 とにかく、その高橋明日香が阿久澤菜々、石丸奈菜美に声をかけてつくったのが「歪」というユニットなのだ。そういう縁があったので、去年、彼女たちにインタビューをしてそれを元に書き下ろし、演出をした。
 私にとっては初めての劇場以外での公演だった。

 その彼女たちが話し合い、あの作品をもう一度やりたいと言って来た。
 同じ作品をやるのは、役者として成長したいからで、さらには劇場で公演をするという。
  
 うん、まあねえ。
 それはさすがにねえ。
 わりと忙しいんだよね、私も。

 ……やることになった。

 全く同じものはやりたくないので、改訂することにした。それは私が言い出したことだ。
 どうせやるなら、あれをこうして、ここをああしたいんだよ、などと話していたら……何だか新作っぽくなって来た。大体、設定自体を変えてしまったしね。売れないアイドル達の生々しい話にしようと思った。もちろん3人がメインだが、登場人物を増やしたくなった。どんどんと構想が膨らんだ。なんかね、これ、面白い作品になると思っちゃったんだよねえ。
 
 こうなったら、すごいものを創ってやろう。
 出演者は……あと2人必要だ。
 ハイになった私は自分で出ることにした。
 けれど、もう一人いるんだよ。
 今から探して、しかも信用のできる役者なんて……。
 MONOの尾方君にLINEをした。
 「出て」「うん」
 ヤツは本当にナイスガイだ。
 
 ということで、ガンガンイヤーな私は色々な企画を進行させつつ、夏に芝居を創ることにした。

 もう情報公開されてるね。
 これ、普遍的な作品になると思うので、皆さん、ぜひ、来て下さい。

歪[ibitsu]vol.2
「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」
作・演出 土田英生
出演 阿久澤菜々 高橋明日香 石丸奈菜美 / 尾方宣久(MONO) 土田英生
8月5日〜7日
梅ヶ丘BOX

 
 歪サイト公演情報→
 
 ……明日から大分に行くんだった。
 ちょっと眠らなきゃ。
 
 
 
 
 
posted by 土田英生 at 01:41| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月15日

大分県とか爽やかな女性とか。

 頭を使うことが多くて苦しい。
 そんな中、大分へ行ってきた。
 演劇大学というイベントで、創作ワークショップなどをする為だ。
 
IMG_8769.jpg


 もちろん大分ではそれに集中はするつもりだったけど、少しくらいは暇な時間があるのではと考え、書けていなかったいくつかの原稿を「大分に滞在している済ませます」と、伝えて出かけた。
 
 ……結果から言えばまったく他の仕事などはする時間がなかった。
 ワークショップをしたり、創作をしたり、トークをしたり、同じく参加していたアヤマドリの広田淳一君やA級Missinglinkの土橋君のワークショップを見学したり。
 
 私が創作を担当したチームの参加者は多種多様な人たちだったが、稽古で変化していく様がとても印象深く、このことは細かく書きたいくらいだが、今は時間がないしね。
 出会いもたくさんあって楽しかったのだが、問題は他の仕事がすっかり残ってしまっていることだった。

 最終日。
 打ち上げを途中で抜けて、ホテルに戻って朝まで書いた。
 翌日の午後、羽田についた時には疲れすぎて気分も沈んでしまった。
 夕方からはリーディングの稽古があるのだ。
 こんな状態でできるのか心配になった。

 羽田から品川を経由して渋谷についた。
 荷物を置きに下北沢の事務所に戻ろうと思ったからだ。
 井の頭線のホームを先頭車両に向かって歩いていた。

 と、後ろから走る足音が聞こえてきた。

「すいません、すいません!」

 振り返ると若い女性が走ってくる。
 私めがけてまっすぐ走ってくるのだ。
 私は立ち止まって待った。

 と、私の前で止まった彼女は息を切らせてすぐに喋れない状態だった。

「え? 私ですか?」

 と、聞くと声を出さずに何度も頷く。
 そして手に持っている空箱のような物を差し出して、

「これ、落としましたよね?」と聞いてきた。

 ……それは見覚えのないものだった。
 どうやら充電器が入っていたような透明な箱で、中には変換プラグが一つだけ入っていた。
 多分、誰かが買って必要な物を取り出し、いらない変換プラグだけを箱の中に入れていたのだろう。捨てるつもりだったのかも知れない。
 
「あ、いや……僕のじゃないと思うんですけど」

 そういうと彼女は悔しそうな表情をして、

「そうなんですか……いや、落とした瞬間は見てなくて、あれ、と思って拾ってキョロキョロしたんですけど……そしたらホームをスタスタと歩いている人が見えたんで、てっきり……」

 どう表現したらいいのか分からないが、とにかくそれは爽やかだった。
 走ったせいで額には汗をかいている。そして押し付けがましさを微塵も感じさせない親切心が滲み出ていた。

「なんか、申し訳ないですね。でも、ありがとうございます」

 私がそういうと、

「いや、勘違いしちゃっただけなんで。お礼を言ってもらうのおかしくないですか?」
 
 と、彼女は笑った。そして、

「でも、これ、どうしよう?」

 私は自然に「駅員さんに渡しましょうよ」と、言って歩き出した。
 彼女も一緒に歩き出す。
 そして二人で駅員さんにそれを渡した時、不思議そうに私たちを見ていた。
 こんなゴミのようなものを、なんで二人で渡しに来たのだろうという疑問がはっきりと顔に出ていた。
 
「付き合ってくれてありがとうございました」
「いや、こっちこそ」

 と、なんだかおかしな会話をして私たちは別々の車両に乗った。
 私の疲れは消えていた。
 あまりの彼女の爽やかさに感動すら覚えた。

 そしてリーディングの稽古に参加した。
 下北沢に戻って来た時、親しい制作者であるMさんにばったり会った。
 横には知らない女性が一緒にいたので私は挨拶をした。
 Mさんが「劇作家の土田さんです」と、紹介してくれた。
 すると……

「あ、はいはい。私、ブログ読んでます。ほら、革の……ねえ?」

 私がレザークラフトにハマっていることを書いたのを読んでくれていたのだろう。
 事務所に戻ってまた仕事。
 ただ、さすがに……知らない間にイスに座ったまま眠ってしまっていた。

 そして朝、イスの足にしがみつき、カーペットで眠っている自分に気がついた。
 
 今日は眠ろう。
 本当は気分を切り替える為にこれを書いていたのだが、もう今日はこのまま書いてもきっと無駄だ。
 また、イスにしがみつくことになるだけだ。
posted by 土田英生 at 01:51| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月22日

吐き出す

 締切りも遅れている中、こんなことを書いている場合ではないんだけど……仮眠を取ろうとベッドに入ってもやるせなさがぐるぐる駆け巡って落ち着かない。

 こんな気持ちでは仕事もできないので吐き出そうと思った。
 まだ自分が何を書きたいのかも分かってないけど。

 情報を知るのが嫌になる。
 ニュースはもちろん、SNSなどの情報だってメールすらそうだ。
 とんでもないことが起き、知り合いがどんどん亡くなって行き、お世話になった人が入院し、友達が自らの陣地を守り合おうと張り合って喧嘩している。
 
 平和主義、国民主権、基本的人権をなくさないと自主憲法にはならないと発言している動画を見てしまった。
 さらにそこに入っている拍手を見て、もう終わりだと思った。
 これ、政治がどうこういう以前の問題だしね。
 不条理コントのセリフだし。
 
 いや、ここで少し耐えて、踏ん張って別の角度からの言葉を探そう。

 私たちが今必要としているのは、人をつなぐ言葉なのだ。
 「つなぐ」というのは「絆」と呼ばれるようなものではない。自分と違う考えの人と、自分とをつなぐための言葉だ。

 今の社会の不寛容さが私は本当に怖い。
 それぞれが自分の立ち位置に固執し、相手を攻撃することだけに躍起になる。
 そこには柔軟な理解や、議論などはない。
 「まあ、お前の言ってることもわかるけどねえ。でもさあ……」と話していればいいものを、ありとあらゆる材料を動員して相手をやり込めようとする。
 そんなことしてて、相手の気持ちが動くはずない。
 
 人の考えというのは100パーセントということはあまりない。
 今、ここにあることが議論になっているとする。
 そして、Aは「やるべきだ」と思い、Bは「思いとどまるべきだ」と思っているとしよう。
 そして二人が話し合っている。

 こういう時、極端にいえば、Aの中では「やるべきだ」という思いが51パーセントで、「とどまるべきだ」という考えが49パーセントだったりする。そして結果的には「やるべきだ」という立場に立っている。
 もし、Bが逆に51パーセント「とどまるべき」だと思い、49パーセント「やるべきだ」と思っているとすれば、この二人はほぼ同じようなことを考えているはずだ。
 これ、冷静に、楽しく喋っていたら「どっちがいいのかねえ」と2人で笑い合っててもおかしくない。

 けれど、結果的に立場は逆の2人は話し出すとどんどん敵対して行く。
 これが人間の悲しいところだ。
 人は常に他者より優位に立ちたいと思ってしまう。
 自分を否定されることは、存在を脅かされることなのだだと反射的に感じてしまう。

 Aが「◯◯だからやるべきだと思うんだよ」というと、Bは反射的に「でもさ……」と言葉を発する。
 この時からすでにAの理由を覆す根拠を探し出す。
 それはAも同じで、Bに反論されれば、すぐに自分の中で有利な根拠を探し出す。
 そして……最終的に決裂していく。
 お互いの中にあった51対49は崩れ、もう本当の考えなどどうでもいい。
 
 さらに怖いのはこれがグループ同士になるとどんどん対立は激化する。
 それぞれの個人的なコンプレックスを吸い上げ、集団は勝手に興奮していく。

 こうここには議論はない。
 存在するのは敵か味方かの二択だ。
 
 どっちが正しいのか決めかねて静観していた人たちは、ギスギスとした空気がいやで「自分は知ったことでないよ」と背を向ける。この人たちの割合が多いんだよね。
 
 大げさにいえば今の社会はこうしたことが各所で起こっているのだと思う。

 MONOで上演した舞台に「少しはみ出て殴られた」という作品がある。
 ある日、刑務所の中に国境線が引かれる。すると、途端に敵と味方に分かれ、それまでワイワイやっていた犯罪者たちが少しずつ対立を始め、抗争になっていくという話だった。

 ま、そういうことだ。
 人はチームに分かれた途端、相手チームより勝とうとする。
 辛い辛い辛い。
 だけど、投げ出したら終わりだしね。
 
 人をつなぐ言葉を探さないと。

 ま、こういうことばかり言ってるからAからもBからも攻撃されたりするんだけどね。
 
 ✳︎ ✳︎ ✳︎

 昨日、歪(いびつ)の稽古があった。
 「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」という作品。
 売れないアイドルの三人が揉めるだけの話だ。
 
 もともとは三人のメンバーに個別に取材して書いた「ソラミミホンネレソラシド」という作品がベースになっている。
 高橋明日香、阿久澤菜々、石丸奈菜美という同世代の3人の女優。
 彼女たちは多分、一般的にいって仲がいい。
 けれど当然のように考えも違うし、お互いに対してそれなりに思うところはあるはずだ。
 3人いればそれは小さな社会だ。

 去年よりも色々と意見の違いを言い合うようになっている。
 そして妥協点を見つけることも上手になってきた。
 稽古の合間、3人で喋っているのを私はぼんやり聞いていた。
 意見の違いがあった後、コーヒーをこぼして笑い声が起きる。

 ……いいことだ。

 人が相手を攻撃するのは、自分への自信のなさが原因だったりする。
 まずは自分のコンプレックスを引き受け、それでも大丈夫なんだと覚悟を決めることが大事だ。
 
 「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」は、そんな作品だ。
 
 最後は公演の宣伝になっている。

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 吐き出そうと何も考えずに書き出したので、当然のように結論はない。
 しかも……仕事する時間がなくなってきた。
 
posted by 土田英生 at 13:06| 東京 🌁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月25日

猛然と書くはずだった

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 松江にいる。
 ホテルの窓から宍道湖が見渡せる。
 
 これまで何度も延ばしてもらってきた原稿がまだまだ終わらない。
 一昨日、書きかけの状態で打合せをさせてもらったのだが、アドバイスもらったことですっきりした。
 もう、行ける。

「次の締め切りには出します! もう今から猛然と書きます」

 と、宣言をして編集者の人と別れ、さらに自分に勢いをつけようとお寿司を食べて事務所に戻った。
 私はやる時にはやるのだ。
 食べ過ぎたのか眠気に襲われ……気がついたら眠ってしまっていた。
 
 起きてシャワーを浴びたが、ちょっとむしゃくしゃすることもあって落ち着かない。
 まずは横山拓也くん、「よっこん」に電話をした。
 よっこんと話す時の私は結構な毒舌だ。
 彼は黙って聞いてくれる。
 すっきりしたところでパソコンに向かったら、久しぶりの女友達から下北沢にいると連絡をもらった。
「暇ですか」と尋ねている。

 いや、無理だ。
 無理なんです。
 私は仕事をするんです。猛然と書くんです。

 ……一杯だけビールを飲もうという話になった。
 よく行く店にした。
 と、ヨーロッパ企画の上田君や本多君が、隣のテーブルで話していた。
 
 気がついた時には一緒になって喋っていた。
 上田君とすっかり話込んでしまった。
 店も閉店時間になっている。
 一杯だけだったはずのビールは5杯以上になり、ウイスキーに変わっていた。

 皆とさよならをした。
 女友達は下北沢の街に消えて行った。

 よし、今から猛然と書こう。
 と思ったのに……事務所で上田君と二人で話し込んでしまった。

 ヨーロッパ企画はとても人気のある劇団だ。
 そしてMONOと同じく京都を拠点にしている。
 
 いやあ、楽しかった。
 そして窓の外は明るくなっていた。
 5時過ぎている。
 さすがにお開きにした。

 それから一応、そっとパソコンを開いてみたが……無理だった。

  少しだけ眠った。

 朝、9時から知り合いの映画監督と会った。
 実現するかどうかわからないが、一緒にやろうと話しているので、あれこれ好き勝手なアイデアを話した。彼女と別れ品川でマネージャーと打ち合わせをして、そのまま羽田から松江に移動。
 
 松江では戯曲の書き方講座をするのだ。
 ただ、昨日は打ち合わせだけだったので、そのままホテルにチェックインした。
 さてと、今度こそ、猛然と原稿の続きを書こう。

 ホテルには温泉がある。
 まずはリフレッシュだ。
 宍道湖が見える大浴場は気持ち良かった。
 身体がふやけた。 
 部屋に戻って……戻って……気持ちよく眠った。
 さすがに寝不足だったのだ。

 起きた時、電話があった。
 今からちょっとお店に行くんですけど、土田さんはどうしますか。
 猛然と書くつもりだったのに、猛然とお店に行ってしまった。
 何を飲みますかと聞かれたので、いや、今日は……。
 日本酒をいただいた。

 けれど。
 部屋に戻ってからベッドの上で腹筋したり、シャワーを浴びたりして酔いをさまし、それから3時間ほど書いた。あまり……進まなかったけど……まあ、でも、やらないよりは……ねえ。

 今日は今から夕方まで、1日かけて戯曲講座をする。
 自分も書けてないくせに、と少し後ろめたく思うが、それとこれは別だしね。
posted by 土田英生 at 08:40| 島根 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする