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MONO代表・土田英生のブログです

2016年08月01日

『夢叶えるとか恥ずかし過ぎる』本番間近

 8月になってしまった。
 歪[ibitsu]の公演、『夢叶えるとか恥ずかし過ぎる』の本番が近づいてきた。
 だからはっきりいって宣伝だ。

 5日(金)から7日(日)までのたった3日間の公演。
 会場も小さいので5日は前売がなくなってしまった。
 けれど、6日、7日はまだまだ大丈夫だ。
 なので、皆さん、そちらへどうぞ。
 チケットの予約はここからできます。
 
 コリッチ・チケット予約→
 
 予約してもらえれば、当日に会場へきて、その場でお金を払って観てもらうだけですので。
 上演時間も75分くらいなので、夜に観ても帰りが遅くなることはないと思います!
 梅ヶ丘は小田急で新宿から15分。
 駅から会場の梅ヶ丘BOXまでは徒歩1分です。

 今日は通し稽古をした。
 で、驚いた。
 ……短いな。それでも見応えはあるけど。

 まあ、私があまり長い芝居が好きではないというのもある。
 だいたい、昔、MONOで55分というのがあって、その時はアンケートに「さすがにもう少し長くやってください」と書かれた。最近、だんだんと上演時間が延びてきて、前回のMONO公演、『裸に勾玉』やその前の『ぶた草の庭』などは1時間50分くらいあった。
 
 私は人の言い合いとかが大好きだ。
 別れ話とか、先輩の自慢話をうんざり聞いている後輩の姿などは最も嬉しい。
 だから普段もカフェなどで隣の会話に聞き耳を立てて情報を収集している。
 だいたい、私がコーヒーをトレイに乗せてウロウロしているのは、揉めている人などがいないか探しているからだ。
 そしてイヤホンをして音楽をかけずに聞いている。
 隣の人たちは安心して喋る。
 けれどあまりの話の衝撃に「え!」と声を出して隣を見てしまい、とても気まずい時間を過ごしたこともある。
 
 今回の『夢叶えるとか恥ずかし過ぎる』は売れいないまま20代後半になってしまったアイドル志望の女性たちが、控え室というか、そういう場所で喋っているだけの話だ。
 そこで展開されるのは嫉妬やお互いに対する不満、そして抱える悩みなどについてだ。
 アイドルという設定ながら、それは私はこれまで聞いてきた様々な会話が反映されているし、また、そこに今回の役者たちに実際に聞き取った内容も盛り込んでいる。
 テーマはない。
 描いているのは「他人との関わり方」や「現実と想いのギャップ」などだ。

 生きるというのはとても難しい。
 ましてや、幸せに生きることはさらに難しい。
 一人でいることは無理だけど、他人と関わることも簡単ではない
 そして、他人と共に幸せな状態でいることは……本当に難しいのだ。

 そんな人の有様を描いているのだと思う。
 きっとそうだ。

 いや、ほんと、そうした人の不器用さを覗き見るつもりで観に来てもらえたらと思ってます。
 どこか思い当たったりしてもらえると思うんですけどね。特に女性は。
 女性三人の芝居が中心になり、そこにMONOの尾方くんと私が絡む形で話は進みます。
 
 待っておりますので!

 歪サイト→

 残りの稽古を頑張ろ。

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posted by 土田英生 at 04:33| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月10日

公演終了と大村わたる

 歪「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」が終わった。
 たった3日間の本番だったけど、準備を合わせれば結構な期間になる。
 このユニットは去年もカフェ公演のような形でやっているのだが、今回はもう少しだけ本格的というか……小さいながらも劇場での公演だった。

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 去年は優しい後見人的な感じで終われたのだが、大変になった分、今回は自分のエゴも出てしまった。
 稽古や公演準備の過程で、歪のメンバーである3人に対してもかなり言いたいことを言った。
 いや、言ってしまった。
 もちろん……私は落ち込んだし、反省した。

 けれど、そのことは彼女たちにとってはよかったと思えた。
 本番を見ながら「とてもたくましくなったなあ」と感じたし、演技もはっきりと変わった。
 あれはなんだろ?
 私は体育会的な現場が大嫌いだ。
 精神的に追い込むとか、そんなことで変わるなんてのは勘違いだ。
 けれど、他人から見えてることを指摘する、されることは必要なんだよね。
 
 演劇はどうしたって人間が出てしまう。
 演技にもそうだし、作品を書く立場であれば文字にも現れる。
 だから自分の中にある根本的なところと闘わないと、変れない部分は確実にある。

 ただの結果としての話だけど、まあ、今年の公演はそういう意味でも意義があったね。
 本当、上手になったし。

 もちろん、これからが勝負だ。
 経験から得た発見を、きちんと各々が内面化して、解決していかなければいけない。
 そうすれば半年、いや、一年後にもっと大きく変化するのではないかと期待している。
 
 
 彼女たちはよくなったけど、私は自分の中で勝手にダメージを受けてしまったようで、それが今になってじわじわ効いている。
 人に吐く言葉は自分に返ってくるのだ。
 大人にはこれがキツイね。
 3人はまだまだ変われる年齢だけど、私は……大変なんだよねえ。
 
 いいや。
 成長できる大人になればいいんだしね。
 なんなら背も伸ばそう。牛乳をいっぱい飲もう。
 
 ちょっとくだらないことを書く。

 終わって片付けをし、打ち上げをした次の日。
 午後になってから私は起きた。
 夜に人と会う約束をしていたので、それまでのんびりしようと思っていた。

 と、大村わたるから連絡があった。

 彼も歪のメンバーと同じで、私の「俳優育成講座」に参加していた。
 その後、土田英生セレクションにも出てもらった。
 以来、時々、お茶を飲んだりする仲だ。
 最近は活躍している。

 とてもナイスガイなのだが、どことなくズレている男だ。
 イケメンなのだがそうは見えなかったり、真剣に喋っている言葉が嘘くさかったり、変なことを気にしたり、あるいは気にしなければいけないことを気にしなかったり……まあ、簡単にいえば変わっている男なのだ。
 
 で、彼は歪を観にきてくれ、その時にまたお茶を飲もうと言われていたのた。
 私がゴロゴロしていると彼からメッセージがきた。
 お茶飲みましょうと書いてある。
 そこでスケジュールをやりとりしたら、合う日がないことがわかった。
 今日だったら19時までなら空いていると伝えると、30分後に彼は下北沢にやってきた。
 
 大村わたるは人懐っこい男だ。

 例えば、会って喋っていたとして、帰ろうということになって歩いていると、なぜかついてくる。
 よく訓練された盲導犬のようについてくる。
 しかも距離が近い。

 私も実は人と別れるのが苦手なので、私と大村わたるが会うと、「じゃあ、またね」と言ってから30分は意味なく一緒に歩くことになる。
 しかも私も距離が近いので、私とわたるは寄り添って歩く。
 はたから見たらきっとおかしな光景だ。

 そして……。

 彼と会うと必ずされる会話がある。

「お腹空いてる?」
「少し、ええ、そうですかねえ」
「何が食べたい?」
「そうですねえ……パスタとか」

 これはもう「大村わたる会話」のテキストに載せてもいいくらい決まったやりとりだ。
 今後も出てくるのでこの会話をAとしておこう。
 そうすればそのくだりが出てくる時はAと書けば済む。

 そういえば土田英生セレクションの稽古中も何度もAの会話が交わされた。
 で、実際にパスタを食べたことも何度かある。
 
 しかし、問題はパスタを食べる場所が見つからない時だ。
 土田英生セレクションの稽古帰り、吉祥寺を私とワタルくんは歩いていた。
 きっと、この時も距離が近かったと思う。
 
 Aの会話をした。
 しかし、見つからなかった。
 ところで私はタイ料理が大好きだ。
 で、その時はふと美味しそうなタイ料理の店を見つけた。

「タイ料理は?」
「あ、結構、好きです」
「じゃあ、いい?」
「はいはい」

 で、結果は……どうも彼は辛いのがダメだったらしく、水ばかり頼んでいた。
 私はお金を払いながら、なんだか申し訳ない気持ちになった。

「いや、好きなんです、本当、でも、辛かっただけで……」

 と、彼も何度も言っていた。
 
 で、この前だ。
 下北沢で会っですぐ、Aの会話をした。
 しかし、やはりパスタの店が思いつかなかった。
 よく私が行くタイ料理はどうかと聞いてみた。
 その店は辛くないのだ。

「辛くなかったらいいんだよね?」
「そうなんですよ」

 で、彼は辛くないものを頼んだ。
 ……しかしだ。
 私がすっかり食べ終わっているのに、彼は全く箸が進んでいない。
 相談もあると言っていたので、私は早く店を出て、お茶でも飲もうと思っていた。
 
「早く食べなよ。コーヒー飲もうよ」

 と、彼は言った。

「……土田さん、これ、食べます?」
「え? ダメだったの?」
「はい」

 そうなのだ。どうもお口に合わなかったようだ。
 辛くないのに……。
 もう、これからは絶対にワタルくんとはパスタしか食べないと決めた。

 そして別れる時、私が渋谷まで行くと伝えると、やはり彼も渋谷まで一緒に電車に乗った。
 ……おかしな男だ。
posted by 土田英生 at 05:48| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

小松幹生さん

 小松幹生さんが亡くなった。

 小松さんは劇作家でありながら、編集者として出版にも関わっていた。劇作家協会の新人戯曲賞で最終候補作をまとめた戯曲集の編集なども一手に引き受けてくださっていた。
 で、Twitterにも書いたけれど、私は個人的にもとてもお世話になった。
 小学館が出していた戯曲雑誌「せりふの時代」に私の戯曲「橋を渡ったら泣け」が掲載されてしばらくした頃だ。
 MONOの稽古のために私は京都芸術センターにいた。
 と、いきなり小松さんから電話があった。

「あれ読んだよ。土田君は戯曲集とかさ、もう何冊か出してるの?」と突然小松さんは質問してきて、私が一冊も出していないと答えるとすぐに「じゃ、出そうよ」と言ってくれた。そして本になったのが「算段兄弟/ー初恋」だ。松田正隆さんの「雲母坂」と一緒に出してもらった。
 
 劇作家協会などで会うとよく話した。
 いや、寡黙な小松さんはいつも私の話を聞いてくれていた。
 そしていつも言った。

「君はよく喋るなあ。書くより、喋る方が向いてるんじゃないの」

 小松さんが癌だとわかってしばらくした時だったと思う。
 いきなり明け方に長いメールをもらったことがある。
 若い時の思い出話が書かれていた。
 どうしていきなりこんな内容のメールをくれたのかは不明だが、「ちょっと書きたくなって」と最後に書かれていた。
 
 6月の終わり。
 小松さんのお見舞いに行った。駅から雨の中を歩いていった。
 ナースセンターでそのことを告げると「ああ、眠ってらっしゃるから、話せないかも知れませんよ」と言われた。で、その看護士さんが声をかけた。
「小松さん、お見舞いの方が来られましたけど、分りますか?」
 やせ細った小松さんは目を開き私を見た。
 そして驚くほど大きな声を出した。
「土田君だよ。分かるよ。当たり前だろう」
 そして小松さんはいきなり色々なことを話し出した。
 そこには過去と現在が入り混じりっていて、内容は正確にはわからなかったが、小松さんの想いだけが伝わってきた。そして私が答えていると小松さんは目を閉じて眠っていく。
 眠ってしまった小松さんを私は見ていた。
 大学の時、友人から借りた「雨のワンマンカー」という戯曲のことを思い出した。
 小松さんの作品だった。
 私が帰ろうとすると小松さんは起きて、再び話し出す。
 それを何度も繰り返した。

 その日の夜、下北沢の事務所で歪「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」の台本を直していた。
 台詞を書きながら、今日見てきた小松さんの顔が何度も脳裏に浮かんだ。
 まだ死など意識していない若い女優たちに当てて書く台詞と病床にある小松さん。
 そのギャップを考えて不条理な気分になった。
 
 覚悟はしていた。
 けれど、実際に訃報に接するとやっぱり沈む。
 
 ありがとうございました。
posted by 土田英生 at 09:31| 広島 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月16日

一割増しと黒い糸くず

 今週は移動が多くて疲れた。
 東京、京都、東京、広島、宮崎。
 このまま月末まで宮崎に滞在するのでやっと落ち着ける。

 広島ではアステール演劇学校の俳優コース。
 ワークショップを2日間。
 2日目にテキストを読んでいると、同じ施設の大ホールで公演をしていた佐々木蔵之介君が顔を出してくれた。公演についているスタッフの佐々木くん……名前同じでややこしいな……に同じ場所で私がワークショップをしていることを伝えていたからだ。
 参加していたメンバーから黄色い声が上がった。
「知り合いなんですか?」
 蔵之介くんが顔を出してくれたおかげで、どうやら私の株が上がった。
 彼が去った後には事実の一割増しで仲良さを強調しておいた。

 そういえば去年もそうだった。
 ホールで小林賢太郎君が公演をしていることを知ったので、私は連絡した。
 その日の夜に彼と会って、次の日は彼がワークシップを見学しに来た。
 一時間くらいいたと思うが、あの時も、賢太郎君のおかげで株が上がった。
 やはり一割増しで仲いいアピールをしておいた。

 そうだ。
 私は周りに株をあげてもらう情けない男のようだ。
 しかも一割増しで喋ってしまう男だ。
 時には三割までは増量オッケーにしている。

 昔、ヨーロッパ企画が評判になり出した頃だ。
 私はフジテレビでドラマの打ち合わせをしていた。
 休憩中にプロデューサーが私に聞いた。

「土田さんも京都だし、ヨーロッパ企画の上田君とかとは親しいんですか?」

 実はその時にはまだ私は上田君と一度しか会ったことがなかった。
 しかも、なにかのパーティー会場で立ち話をしただけだった。
 けれど、私の口からは自分でも驚く一言が出た。

「え? まこっちゃんとですか?」

 上田君の名前は誠という。
 もちろん彼を「まこっちゃん」だなんて呼んだことはなかった。
 しかし、プロデューサーは「へえ、そんなに仲いいんですねえ」と言っていた。
 私は黙っていた。
 何も嘘はついていない。上田君のことをまこっちゃんと呼んだだけなのだ……。
 けれど焦った。
 早く仲良くなって、彼をまこっちゃんと呼ばなければいけない。
 
 現在、彼とは仲良くはなったけれど「上田君」と呼んでいる。

 昨日も広島に泊まり、今日は朝から宮崎に移動。
 福岡から飛行機だったが、久しぶりにプロペラ機に乗った。

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 ここで来年やる芝居の脚本を書く。
 
 着替えなどがたくさん必要なので、久しぶりにスーツケースを転がしてきた。
 けれど……ホテルについてTシャツなどを出してみると、黒い糸くずがやたらついている。
 私はうわーと声をあげて部屋の中を走り回った。

 いや、これは三割増しだ。
 走り回ってはいない。
 うわーとも実際に叫んだかどうかも不明だ。
 けど、驚いたのは確かだ。
 
 なんだ、なんなんだ、この糸くずの山は?

 冷静になって考えたら、理由はすぐに分かった。
 先日終わった「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」は舞台裏という設定で、幕をみんなに縫ってもらった。
 で、その幕の持ち運びにスーツケースを貸していたのだ。

 明日からは宮崎で取材しながらの執筆活動。
 がんばろ。
posted by 土田英生 at 01:21| 宮崎 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月19日

カフェGO

 宮崎に来て3日が過ぎた。
 ここを題材にした作品を書くために滞在させてもらっているのだ。
 着いた日は簡単に打ち合わせし、翌日は取材に回らせてもらった。

 前もって簡単な構想は立てていたのだが、ある事情でそのまま進められないことになり、新しく物語を考え直さなければいけない状況だったのだ。
 それがわかったのは広島にいる時で、宮崎に来る前日だった。

 だから最初は取材も手探りだった。
 地元に詳しいアナウンサーの方などにも協力してもらい、様々な場所に連れていってもらった。

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 いやあ、予想以上の収穫があった。
 いろいろ見ているうちに、あるストーリーがぼんやりと浮かんできた。
 それが形になり、取材の後半になればなるほど、知りたいことが具体的になった。
 そして、どんどん裏付けされて行く。

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 これは直接的には関係ないのだが、私が書きたいことが象徴されている写真だ。
 観光地にあった兜だが、よく見ると洗面器にハンガーがつけられている。
 たまらないね、これ。

 取材に満足し、夜は一人で焼肉を食べた。
 そしてホテルに戻ってきて温泉に浸かる。
 極楽だ。

 昨日はそれを元に話をまとめて行く。
 同じカフェに通うこと三回。やっぱり構想を立てる時は手書きじゃないとまとまらない。
 そして仕事しやすい店を探すことはとても大事なのだ。
 京都にも下北沢にも仕事をする時に使う店がある。
 まあ、そこはそんなに書きやすい場所ではなかったけれど、ホテルから近かったのと、他にコレという店が見つからなかったのだ。

 ホテルに温泉がついているので食べて温泉につかり、出かけてコーヒーを飲みながら書き、そして戻ってきて温泉に入りちょっと昼寝して……また出かけてご飯を食べて書き……いいご身分だ。話も随分と形になった。
 夜はこっちの皆と飲んだ。
 極楽、againだ。
 
 しかし、今日は……ダメだった。
 起きてすぐに温泉につかり、食事をして……ここまではよかった。きっと今日も極楽な1日が始まると期待した。自分を追い込むためにホテルの近くではないところで書こうと思った。
 宮崎駅まで歩き電車に乗った。
 隣の「宮崎神宮」で降りる。
 そこでカフェを探した。
 ……ない。
 歩き回った。
 人に聞いてみた。
 優しい女性が「そこを真っ直ぐ行ったところにありますよ」と教えてくれたので、行ってみると定食屋さんだった。ここでは仕事はできない。
 カフェを求めて歩き回る。
 私が探しているのはポケモンではないのだ。カフェだ。
 カフェGOだ。
 途中、神社の森に迷い込む。

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 なにをしてるんだろう?

 結局、最終的には1時間半歩いただけだった。
 ばててしまい、入った場所はとんかつ屋さんだった。
 冷汁とトンカツを食べる。

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 とても美味しかった。
 けれど、仕事は進んでいない。
 トンカツGOになってしまった。
 
 そこからさらに仕事しやすいカフェを求めて歩き出した。
 再び、1時間歩いた。

  ……店を見つけられず、ホテルに戻った。
 ホテルを出てから3時間も経っている。

 少し休んでから……またしても昨日と同じ店に行った。
 青い鳥はやっぱり近くにいるのだ。
posted by 土田英生 at 03:02| 宮崎 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月20日

宮崎で考える

 今日からホテルが変わった。
 朝、チェックアウトしてから次のチェックインまで時間があいたので、再び車を出してもらって取材をさせてもらう。作品の骨子は固まったし、残ったピースをはめ込むような作業だ。
 もう取材は大丈夫かもしれない。
 あ、あとは……ちょっとだけサーフィンのことを調べたい。
 それはまた改めて取材させてもらうことにする。

 新しいホテルにチェックインして、夜は自ら志願してワークショップをさせてもらう。
 急に決めたにもかかわらず16人が参加してくれた。
 敢えて自分の基本を確認するように間と呼吸だけをやった。
 
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 それにしても宮崎にきてから山の緑と海の青ばかり見ている気がする。
 京都からも東京からも距離があるので考えるのにとてもいい。
 ちょっとした孤独も素敵だ。
 何人かの友達が宮崎に遊びに来るという連絡をくれたりしたので、後半はそうでもないかもしれないけど。
 
 作品を書きながらとにかく考えている。
 MONOのこと、自分の仕事のこと、極めて個人的なこと。
 これからまだまだ生きていかないといけないのだ。
 
 つい最近、あることを決め、それが前に進んだ。
 無意識に目を向け、認めたくない自分も受け入れたところで出てきた結論なので、そこを信じてやってみるしかない。大切にすることを絞って、それを大事にしよう。まあ、それはこれまでと変わらないことだけど。
 
 けど、本当に冷静に考えないとね。
 世の中も気持ち悪くなってきたし。
 オリンピックも観ているけど『日本が勝った、メダルを取った』ということばかりが耳に入ってくる。相手のいいプレーもちゃんと評価してほしいよ。相手が失敗すると「よし!」と叫んだりして。
 
 明日はまたこもって書く。
 ただ、宮崎にはカフェが少ないことがわかった今、どこで書くのかという問題だけが残っているけど。
 
posted by 土田英生 at 02:08| 宮崎 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月21日

行き当たりばったり

 昨日、ゆっくり自分について考えるとか書いていたくせに、私の行動はどうも行き当たりばったりだ。
 まあ、これは子供の頃からそうだから仕方ない。

 朝ごはんを食べてすぐ、私はノートなど一式を小脇に抱えて颯爽とホテルを出た。
 他の仕事もしないといけないのでパソコンも持った。
 迷うことなく歩いた。
 初日から何度も使わせてもらっているカフェで書こうと前もって決めていたからだ。
 あそこならフリーのwifiもあるし電源もある。

 
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 橘通り。
 何度も往復している道だ。
 ここをまっすぐ歩けばいいのだ。
 けれど、ちょっとだけ脇道に入りたくなった。この道を通ることに飽きてしまった。
 で、入って歩いていたら、ごくごく普通の喫茶店があった。
 考えもせずに店に入ってしまった。
 行き当たりばったりだ。

 しかし、ここはよかった。
 テーブルは広い。
 コーヒーは安い。
 そして喫煙もできる。
 さらには他に誰もお客さんがいなかった。

 ノートを広げて書き出した。
 なぜか次々のアイデアが浮かぶ。そして話がつながってくる。
 書いているとこういう時がある。
 ふと思いついたことが、前にあったアイデアとリンクして行くのだ。

 背景をもう一度詰めて、人物の相関図を書き、そして箱書きをする。
 まあ、台本の元になる流れのようなものだ。
 1時間もすると箱書きが終わった。
 私はとても満足した。
 休憩を挟みながらさらに書いた。
 落ち着いたので、今度はパソコンを出した。
 もってきていた他の原稿を直そうと思ったのだ。
 電源がない。wifiもない。
 そうか、それを忘れていた。

 私は店を出た。
 そういえば目指していたのはこの店ではなかったのだ。
 まあ、進んだからいいものの、計画とは違う。
 あそこへ行こう。

 歩いているとトイレに行きたくなった。
 店でいけばいい。
 ああ、暑い。
 すぐに汗が滲む。
 髪の毛が気になる。

 ……どういうことだろう?
 気がついたら私は美容院に入ってしまった。

「いらっしゃいませ。ご予約は?」
「いや、えっと……してません」

 行き当たりばったりだ。
 1時間後、髪の毛を切りシャップーしてもらってすっきりした私がいた。

 今度こそ店を目指そう。

 気がつくと私はダイソーにいた。
 一直線でカフェを目指すつもりだったので、カバンも持たず、パソコンや書類を脇に抱えていて歩きにくかったのだ。そこでブリーフケースを買う。
 書類などをそこに詰め込み、今度こそカフェに向かった。
 お腹が空いてきたが、そこでサンドウィッチでも食べればいいのだ。

 ……宮崎牛を使ったハラミ丼はとても美味しかった。
 なぜだろう?
 カフェまであと少しの距離だったのに。
 焼き肉屋さんに入ってしまったのだ。
 
 そしてカフェに向かった。
 混雑していたので諦めた。

 結局、そのままホテルに戻り、部屋でパソコンを打った。

 行き当たりばったりだが、台本は進み、髪を切り、ハラミ丼も食べ、他の仕事も進んだ。
 だから……まあいい。
 これまでもずっとそうだった。
 思いつきで大学を中退し、思いつきで東京に行き、思いつきで京都に戻って劇団をつくり……しかし、正直な気持ちで動いていればちゃんとつながってくるのだ。

 けれど、計画も必要だ。
 明日は、あのカフェに一直線に向かって台本の続きを書こう。
 
posted by 土田英生 at 02:45| 宮崎 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

ビャンビャンとキーボードを叩く

 今日はホテルを移動した。
 海の目の前。
 天然温泉もある。
 近くにいい感じのカフェもある。
 極楽だ。

 ただ、問題はホテルの移動だった。
 私は落ち着いて仕事をするために、ホテルだろうが、マンスリーマンションだろうが、部屋を自分仕様にカスタマイズしてしまう癖がある。だから困るのだ。全てを元に戻し、広げていた荷物を全て詰めて移動する。

 だいたい、昨日までいたホテルでも最終日に部屋を途中で変えてもらったのだ。
 その時も時間がかかった。
 そしてまたしても居心地を追求する。
 けれど、おかけで昨日は三時間くらい集中できて、結構な量を書いた。
 スラスラと筆が進んだのだ。

 これ困るね。
 昨日はパソコンで仕事してたしね。
 スラスラと筆が進むというけど、パソコンの場合はどうしたらいいんだろう。
 「スラスラとキーボードが進んだ」では変だし、「パチパチと進んだ」でもダメだし。

 「パチパチとキーボードを打った」では、はかどっている雰囲気が出ないし。
 「パッチンパッチンとキーボードを打った」はどうだろう?
 いやいや、これだとふざけてる感じだ。

 「ビャンビャンとキーボードを叩いた」。
 これ結構感じ出てるね。
 ビャンビャンに勢いも感じるし、叩いたというのがいい。
 そうしよう。
 これを使おう。
 
 部屋を移って、快適にカスタマイズしたせいでビャンビャンとキーボードを叩くことができた。

 ……やっぱりこれもダメだな。難しい。

 夜はは東京から来てくれてた知り合いがいたので合流。
 久しぶりにかなりのお酒を飲んでしまった。
 夕方に友達が嫌な目に遭ったニュースを聞いて憤りを感じていた上に、知り合いとの話が楽しかったので、どうやら調子に乗ってたくさん飲んでしまったようだ。
 そしていつものように喋りすぎた。
 帰り道、まっすぐに歩けなかったこと、そして深い自己嫌悪に陥っていたことだけは覚えている。
 
 で、朝起きて再び広げた部屋を元に戻し、そして移動した。
 もう最後までこの部屋だ。
 だから思う存分、カスタマイズだ。

 こんな環境にいさせてもらってるんだから、しっかりと書こう。
 ジャジャンジャジャンとキーボードを打とう。
 ……いい表現がない。
 
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posted by 土田英生 at 02:14| 宮崎 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月30日

宮崎、今後。

 宮崎から戻ってきて3日経った。
 やっと現実に戻った気がする。
 それにしても宮崎の最後の5日間は本当に最高の環境だったね。
 青島のビーチから徒歩3分。

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 ホテルには露天の広い天然温泉もある。
 朝食を食べて、少し泳いだりして、それから温泉に入り、昼寝してから執筆。
 ……なんだ、このご身分は。
 これが永遠に続くなら、私は迷いなく宮崎に引越したいと思った。
 書いている芝居にサーフィンが出てくる。
 なので……体験もさせてもらった。
 ひっくり返りながら、それでも何回かはボードの上に立てて……まずいね、ハマりそうな気がする。けれど、かなりキツイのだ。あんなに体力を消耗するとは思ってもみなかった。やっていたのは2時間半くらいなのだが、途中で休憩した時、息が完全に上がってしまっていた。
 さらには休憩中も私は喋りまくったので、休憩にならなかった。

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 サーフィンが取材なのかどうか……ここで頑張らないとただ遊んでいると思われてしまう。
 だからその日はめちゃくちゃ頑張って書こうと思っていた。けれど……ホテルに戻って温泉に入り、そしたらとても気持ち良く昼寝してしまった。
 
 けれど、それでバチが当たったのかもしれない。
 夜、スーパーまで買い物に行こうと夜道を歩いていたら、思い切り転んだ。
 iPhoneの画面はバリバリに割れ、膝からは血が流れた。
 ホテルに戻っても血は止まらない。ホテルのフロントに行って、手当てをしてもらった。

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 まだ、結構、痛い……。
 iPhoneも直さなければいけない。
 
 最終日の朝、チェックアウトしてからは飛行機の時間まで、最後の取材に連れて行ってもらった。
 飛行機が羽田に着くと、いきなり色々な知り合いから連絡がきていた。
 なんでみんな、分かるんだろう?
 その夜は三人と会うことになった。
 皆から「焼けてますね」と言われた。
 そりゃ、そうだ。
 歪の「夢叶えるとか恥ずかし過ぎる」で、私は「エロかりんとう」と呼ばれる役をやったが、本当にかりんとうになってしまった。しかも黒糖かりんとうという感じだ。
 
 翌日は壁ノ花団「水入らずの星」を見た。
 MONOもメンバー5人のうち、3人がかかわっている公演だ。
 水沼くんが演出、金替くんは出演、そして奥村くんは舞台美術。

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 夜にはそのままMONOのミーティングをする予定だったので、バラシを少し手伝だった。

 で、8時から10時まで話し合い。
 MONOの今後についてだ。まあ、わりとシビアな話。
 プラン9の公演に大阪で出演していた尾方くんは来られなかったけど、現状の話をして、私が考えている案を話し、それについて皆から様々な意見をもらった。
 私も宮崎にいる間に、自分のことを含めて色々と考えた。
 大きな転換点にいるのは確かだ。
 
 MONOは結成26年。
 メンバーもほぼ変わっていない。
 それにしては人間関係などもうまく行っている方だと思うし、大きな問題もない。
 けれど、これまで安定しすぎていたのかもしれないね。
 主宰者と一部のメンバーだけが上にいて、下がそれを支えるという構造の集団にしたくなくて、これまで気をつけていたつもりだ。おかげで派閥やイジメもなく、かなりフラットに活動してきてこれたと思う。
 メンバー5人も仲がいい。信用している。
 人気劇団ではないが、それなりに評価もしてもらってきたのだと思うし、今でも楽しみにしてくれるお客さんはいる。私自身もまだまだ書きたいことはたくさんある。もっと面白い舞台を創れると思っている。
 
 ただ、このままでいいのか?
 個人的にはここ5年くらいずっと考えていた気がする。
 だから若いメンバーとkittというユニットをやったり、俳優講座をやってみたり、歪にも関わった。
 
 私の出した案には色々と懸念も出た。
 正直いって、細かいプランや勝算があるわけではないのだ。
 けれど、まずは一歩踏み出し、そこからまた様々な問題や利点を発見し、形を変えていけばいい。
 これまでだって、その時々で流れるようにやってきた。
 けれど、危ないと思えば立ち止まり、軌道修正を繰り返して今があるのだ。

 だから、これからだってそうしてやっていくしかない。
 
 もっと具体的にはしないとダメだと思うけど、新しいものを生み出す気概をなくさず頑張ろう。
 昨日、久しぶりに「バロン」を観た。
 毎回、同じ台詞、同じシーンで泣いてしまう。
 想像力が、ものを生み出す力が現実を変える。

 そんな夢物語だが、作品を創ることで、社会や人にコミットできるという希望はなくしたくないしね。

 そのためにも真っ直ぐやっていこう。サーフィンも楽しかったけど、やっぱり私は舞台を創るのが一番楽しいいしね。
posted by 土田英生 at 14:48| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする