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MONO代表・土田英生のブログです

2016年11月16日

目的

 昨日、舞台を観ていて……どう表現したらいいのか、「ああ、わかる」という気がした。
 作者の現在の心情のようなものが、作品の至る所にこぼれ出ている気がして、その想いに勝手に共感した。もちろん作品はそんなことは描いていない。けれど、本当に私の自分勝手な解釈で「わかるなあ」という気がしたのだ。
 
 昨日観た劇団は人気があって、劇作家としてだって、誰もが羨むポジションを獲得している。だから周囲は「順風満帆じゃないの」という感じで眺めているんだと思う。けれど本人はきっと……。

 いや、私の勘違いかもしれないね。

 表現するにあたって、社会的な認知が拡大していくことは大きな支えだ。
 やっていたことが認められたという気分になれるし自信にもつながる。
 けれど、そのグラフは自分が思い描いているように右肩上がりには進まない。というより、あるところまで認められると、周囲はまた新しい才能を探して去って行く。「うわ、あなたが◯◯さんですか?」と、最初の頃に皆が集まってきた感じは全くなくなる。自分では進歩して行っているつもりだし、前よりも面白い作品を創っているのに、最初の頃のようには誰も騒いでくれない。少なくとも本人はそう感じる。

 隣の芝生はいつも青いし。
 
 京都でチヤホヤしてくれなくなったなあと寂しく思っていた頃、気が付いたら周囲の興味はヨーロッパ企画に行っていた。
 どんな劇団なんだろうと、「サマータイムマシーンブルース」をDVDで観た。
 実際に面白かった。こんな風に会話を創る劇団があるんだとショックを受けたのは確かだ。
 まあ、自信喪失もしたね。

 だけどねえ、自分で面白いと思うことをやり続けるしか道はないしね。

 まあ、そんなこんなで今でもやっている。
 上田君とも仲良くしている。そして……結構、話は合う。
 この前、偶然、飲み屋で会い、朝まで二人で話したりもした。

IMG_8817.jpg

 
 そんな上田君と、彼の劇作方法について話すイベントがある。
 劇作家協会関西支部の企画で『劇作バトル』というものだ。
 自然な感じで告知につなげられたな。
 詳しくは劇作家協会関西支部facebookページを見てください
 →

 そういえば……。

 京都でヨーロッパ企画が話題になり始めた頃、ネットで叩かれているという話を聞いた。
 その時、私は彼らと知り合いではなかったけれど、人から教えられて好奇心からそのページを読んだことがある。そこには妬みから出てくる様々な言葉が並べられていて、ひどいなあと思った。
 けれど、「いい加減なこと書くのやめろよ」と書いている人も中にはいた。
 私は「おお、お前、頑張れ」と思ってその人の文章を読んだ。
 しかしだ。
 なんと……その人の文章の最後に……「どうせこれって、MONOの人たちがヨーロッパ企画の人気に嫉妬して悪口を広めてるんでしょ」と、いうようなことが書かれていた。
 おいおい、と思った。
 さっきまで応援してあげてたのに。
 なんだか裏切られた気分だ。

 と……。
 さらにそれに対する弁護をしている人が出てきた。
「土田さんはそんな人じゃないと思いますよ」と、書いてくれていた。
 もう私はそのコメントをした人が大好きになった。
 愛を伝えたいとすら思った。
 けれど、続きのコメントをみてまたしても驚いた。
 「お、本人登場」と書かれていた。
 おいおいおいおいおい、と、さっきよりも「おい」の回数を増やしながら思った。
 私が愛したその人は「違いますよ」と否定するのだが、「必死さが怪しい」などと、どんどん私だということになっていってしまっている。
 『本人はここに登場だ!』と、思わず書き込みそうになった。
 
 完全に話がそれた。

 大事なことは、常に自分の興味を失わず、謙虚に創るしかないということだよね。

 今日、ちょっと試したいことがあったので、知り合いの役者に集まってもらってワークショップをした。
 こういう作業はとても大事だね。
 役者と言葉の距離を試したいと思って、わざわざ一晩かけてかなり長い台詞を書き、それをやってもらった。
 結構な分量の一人台詞だ。これまでに私が書いたこともない内容だった。読むと10分以上あった。

 ……全然、自分の予想通りにはならなかった。
 そのことで逆に考えが変わったりした。
 そうか、そういうことなのか。
 役者の皆には申し訳ないと思ったけど、これこそワークショップだしね。
 ワークショップ=工房なんだから、作品に直接繋がらなくても、色々と試してみればいいのだ。なにより、私は発見があったし、そのことで次に試してみたいこともはっきりした。
 参加者の皆に言いたい。
 あの台本だけは捨ててくださいね。
 
 こうして、試行錯誤を重ね、それが次の作品につながっていけばいい。
 目的がなくなることが一番怖い。
 目標など何もないけど、やりたいことはまだまだある。
 ああ、幸せだ。
 今日の昼間はMONOの次回公演『ハテノウタ』のチラシの打合せだった。
 これも楽しみだ。
 作品については情報が公開されてから書こう。
 
 風邪も治らず、頭痛も続いているけど、それくらいがちょうどいい気がした。
 ワークショップの場でも必要以上にはしゃがないで済んだし。
 けれど、また朝になってしまったよ。
 今日は姫路に移動。
 準備して眠ろう。
posted by 土田英生 at 05:19| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする