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MONO代表・土田英生のブログです

2017年08月16日

「きゅうりの花」終了

 土田英生セレクション「きゅうりの花」の公演が終わった。
 いやあ、楽しかった。

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 ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。

 実を言えばMONO公演「ハテノウタ」が終わってから、どうも調子が出なかった。
 ま、個人的にも色々あったしね。
 正直にいえば、初めて「そろそろやめた方がいいかも」という考えが頭をよぎったりした。
 やめたところで、他にできることもないんだけど、それでもどうも続けていく自信を失っていたのだ。
 自分の能力に対する疑いがどんどん広がり、もう無理なんじゃないかと思えてしまう。社会の動きを見ていても嫌になることばっかりで、こんな世の中で一体私は何を創って行くつもりなのか、そんな覚悟はあるんだとうかと自問した。

 こんな状態で「きゅうりの花」ができるんだろうか?
 
 そんな時、ケラさんから呑もうよと誘ってもらった。
 あれで助かった。
 差し呑みをしながら色々と話す中で、随分と楽になった。
 
 「きゅうりの花」の稽古が始まったのはそんな時だったのだ。

 この企画の難しいところは、昔、書いた自作を演出することだ。
 どうやら私は、“現在考えていることを作品にして発表すること”が好きらしい。過去にすでに書かれたものにあまり興味が湧かないのだ。それもあって「本当にできるんだろうか」と不安だったのだ。
 
 今回はキャストとスタッフの頑張りに背中を押してもらった。
 金替君は別として、他のメンバーはこの作品をやるのは初めてなわけで、彼らが戯曲に向き合ってくれることで、私自身も新たな発見ができ、結果、モチベーションが上がって行った。

 本当、皆、真面目に稽古に取り組んでくれたしね。
 チームワークも良く、まるで劇団のようだった。とても大人な座組でキャッキャとはしゃぐ訳でもなかったけど、皆が適度な距離を取り、仲良くやってくれてたし。

 大阪の最終日。
 東京に戻るメンバーもいたので、その時間まで皆で焼肉に行った。

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 ……この店がとても美味しかった。
 「うまいよね」という言葉が、皆の口から出た。
 金替君は5回くらい言っていた。

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 とにかく終わった。それもいい感じで。

 そうだ。
 食べ物といえば、諏訪君に影響されて、東京公演に入ってから、私は低糖質ダイエットを試みた。
 始めて四日くらいで痩せてきた。
 お弁当もおかずだけ。朝もパンなどは食べない。
 あんなに大好きなあんぱんすら控えた。
 差し入れにいただいた甘いものなども我慢した。
 いや、正直に言えばちょっとだけ食べたけど。特にアンコのものは……大判焼きなどは何個も食べたけど。

 嬉しかったのは大阪公演に空晴の岡部さんがきてくれた時、彼女は……なんとそのことを知っていて、低糖質のものを差し入れてくれた。あのクッキーはいいね。むさぼり食べたよ。美味しかった……。

 一々、諏訪君に「これ食べてもいいかな」と聞きながら過ごした。
 なんせ私のダイエット師匠なのだ。

 問題は……師匠も時々ブレることだ。
 師匠自身が誘惑に負けて食べてしまうことがある。
 これは困る。
 しかもだ。そういう時、必ず彼は言うのだ。「これくらい大丈夫」と。そして私にも食べることを勧めてくる。元々食べたいのに、師匠にそんなこと言われたら百パーセントの確率で食べてしまう。
 
 東京公演の最終日も、皆で飲んだ後、諏訪君と二人で呑みに行き、二人でレタスチャーハンを食べてしまった。それにしても……アレ……美味しかったな、マジで。

 大阪の最後もそうだった。
 焼肉を食べ、それから私たちはピザが美味しいという飲み屋に入った。
 私は飲むだけで我慢するつもりだったのに。

 なのに。

 師匠は……師匠は……。

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 ……師匠が食べたら弟子も食べてしまう。
 アレも美味しかった……。

 終わってからの二日間、京都の家でじっとしていた。
 戦争のドキュメンタリーばかり見ていた。

 本当に切実になってきたね。

 歴史から学べというけれど、なかなかそうは行かないらしい。

 問題は……人は原理原則だけでは動かないということだ。
 情けないことにすぐに感情に支配される。
 自分と同じ考えでも、嫌いな人が言うから反対に回ったり、面倒になるとスイッチを切ってしまったり。
 一旦言い出すと引けなくなっちゃうし。

 後、怖いのは世の中の動きなどに関して「仕方ないや」と思ってしまうことだ。
 今ある範囲で物事をやろうとしてしまう。
 その範囲がおかしいなら、そこに対して物を言わなければいけないのに。
 根本にある問題をすぐに見失うんだよね。
 
 黒澤明の「七人の侍」を良く思い出す。

 敵から嫌がらせをされて困っている農民たちは、最初、七人の侍たちに助けを求める。
 七人は農民の為に戦う。
 当然、敵の攻撃も激化する。
 と、ある時、農民たちは言うのだ。
 「あんたたちのせいでこんな目に遭う」というようなことを。

 相手を倒さなければ根本解決にはならないのに。
 
 自分が何を望むのか、静かに向き合わなければいけない。

 芝居創りでも一緒だ。
 こんな条件だからこうする、とか、あの人に褒めらるからこうする、とか、そういうことではなく、本当は自分がどんな芝居がしたいのか、それだけは見失ってはいけないしねえ。
 
 色々と嫌な気持ちになるけど、今の私には創作意欲はある。
 どんなことをやりたいか、具体的に見えてもいる。
 
 やって行くしかない。
posted by 土田英生 at 04:38| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする