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MONO代表・土田英生のブログです

2018年03月10日

いよいよ初日! 「隣の芝生も。」

長い間、更新しなかった。
それには理由がある。もちろん忙しかったのもあるが、それでも私は忙しい時ほどブログを更新したくなるので、それが一番の原因ではない。

私は仕事や写真のデータなどを外付けのハードディスクに保存していたのだが、それが突然故障してしまいそれらが全て取り出せなくなったのが大きい。それでなんだかパソコンを触るのが嫌になってしまったのだ。もちろん仕事ではMacを使って書いているけど、それ以外で使うことがなくなってしまった。

 しかし、明日はMONO「隣の芝生も。」の初日なので思い切って更新することにした。宣伝しないといけないしね。まあ、Macを劇場に置いてきてしまったのでこれもiPhoneで書いてはいるんだけど。

 今回も台本を書くのには苦労したけど、なんだろ? なんだか……台本を書くモチベーションが今までと違ってきた。どうしてこんな思いをしているのか分からなくなることが多くなった。何が面白いのか、と、頭の中が真っ白になる変な感覚に何度も襲われた。こんなことは初めてだ。自分の中で何が起きてるのかと自問した。

 書いているときは本当に孤独で、どうしても理解者を求めたくなっちゃうんだよね。けれどそんなことはどだい無理な話なのだ。MONOで新作を書くことと、自分が作りたいものはイコールだと思い過ぎていたのかも知れない。皆からもらう声に助けられることも多くあるんだけど、同時にそのことでやりたかったことが分からなくなってしまうこともある。想いを突き通す力と、そのことから生じる孤独に耐える強靭な精神力が必要だ。どうも私はそこが弱いね。これは愚痴でもなんでもなく、本当にそう思う。劇団や気心知れたメンバーに甘えたらダメなのだ。
 
 途中からはそのことにかなり自覚的になった。だからおかしな感覚だった。やる気満々で元気な自分のすぐ裏側には別の自分が座っていた。

 今回の芝居がどんな風に映るのかは幕が上がってみないと分からないけど、今の私にできることは自分の思いに正直に舞台と向かい合うことだけだね。その後のことは終わってから考えればいい。
 
初日前は最もナーバスになるね。

 けど、今創れるものを、みっともなく創ったつもりだ。なので……皆に観てもらいたい。

 MONO「隣の芝生も。」
 情報は以下から!

 

posted by 土田英生 at 01:16| 京都 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月29日

休憩中

 時間が経つのは早い。
 ブログを更新する余裕もなかった。
 前回書いたのはMONO『隣の芝生も。』初日前夜だ。
 精神状態も最悪の時だ。幕が上がる直前は毎回沈む決まりになっている。
 「これまででもっともひどい作品ができてしまった」という気分になってしまうのだ。
 始まれば大丈夫になるんだけどねえ。もちろん辛辣な意見だってあるだろうけど、それでもお客さんが笑ってくれたり、それなりにいい感想をもらったりしてやっと落ち着いてくる。

 これをずっと繰り返してきた。
  
 無事に幕を開け、名古屋、東京、大阪とすでに公演が終了した。
 面白い作品になっていると思う。キャスト、スタッフもとてもいい。
 去年、特別企画を一緒にやった5人もはっきりと伸びた。 
 このことは改めて書こう。

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 今回の芝居は解釈が人によって違う。
 私なりの見解もあるのだが、それを書くのは野暮だね。まだ四日市と北九州で公演が残っているし。

 その二箇所の近辺の皆様、お待ちしております!
 →公演サイト 

 で、こうしてブログを書いているけれど、余裕がある訳ではない。
 むしろない。
 今も私は苦しんでいる最中だ。
 休憩時間にこれを書いている。
 崖っぷちに立っている感じだ。
 
 4月15日から始まるドラマ『崖っぷちホテル!』。
 →番組公式サイト
 
 このドラマの脚本を書かせてもらっている。
 クランクインして撮影も順調らしい。公演が終わったら顔を出そうと考えている。
 顔合わせの本読みでも役者さんはとてもハマっている感じだったので楽しみだ。
 
 すっかり春になった。
 ジーンズの下にタイツ的なものを着用しなくなり、トイレがとても楽になった。
 京都の自宅近くにはコンビニができて気軽に素焼きアーモンドを買えるようになった。

 けれど、ちょっと恥ずかしいんだよね。
 毎日アーモンドを買うし。
 きっと店では「アーモンド男」というあだ名をつけられていると思う。

 悪いことではないんだけど……。
 私は覚えられやすい顔をしているようだ。

 下北沢でも事務所の近くにあるコンビニのうち、二軒では挨拶をされてしまう。
 レジで「髪きりましたね」などと話しかけられたりするし、ある日などは、買い物をして店を出た時、バイトの子が後ろから走ってきて「私、ちょうど上がりなので……」と言われてなぜか駅まで一緒に歩いたこともある。
 なんなんだろ?
 私がイケメンだったら、モテているんだと勘違いもできるんだけどね。
 どうもそうじゃない。
 だいたい、男女問わずだし。
 下北沢の服屋さんも前を通ると「最近、京都に帰ってます?」と声をかけられたりする。
 そういえばロンドン留学中も飲んで帰って来たりすると、近所の人から『ヒデオ!! ドランク!』とからかわれたりしていたし、近くの店で働くネパール人の店員さんからはレジでいきなりプレゼントをもらったこともある。
  
 京都でも同じことが起こっている。
 前まで頻繁に立ち寄っていたコンビニでも、店に入った途端に「こんにちは。今日、ゆでピーナツ切れてるんです」と牛乳を買おうとしていただけの私に話しかけてくる店員さんがいたが、今回の店でもすでに同じ現象が起きている。

 店がオープンして二回目に訪れた時だ。
 レジは前日と同じ子だった。
 と、彼女が笑いながら「今日もありがとうございます」と言うので、「明日からしばらく来ないんですけどね」と答えた。まあ、こういう一言が余計なんだろうけどね。
 次の日から名古屋に移動だったのでついつい言ってしまったのだ。
 すると、「ええ? どうしてですか?」という予想外の返事が返ってきた。
 私は「いや……仕事で……しばらく京都を離れるので」としどろもどろで答えた。

 そして名古屋公演があり、京都には戻ることなくそのまま東京へ。

 二週間ぶりに京都に戻り、そのコンビニ立ち寄った。
 と、レジで「戻ってきはったんですね」と言われた。
 「ええ」と、私は答える。
 「だけど、私、明日から三日間休みなんで、会われへん」と彼女は言う。
 この衝撃的な発言をに私はどう返したらいいのかわからなかった。
 「じゃ、四日後に、また」と意味不明な答えをしてしまった。

 さっき眠気に襲われて強眠打破を買いに行ってきた。
 レジは見たことのない男性だった。
 店を出ようとすると、「ありがとうございました!」と後ろから声がした。
 振り返ると彼女が笑っていた。私も思わず手を振ってしまった。
 もうあの店では変なものは買えない。
 上品なものだけ買うことにしよう。
 
 ……こんなことを書いている場合じゃない。
 自分の家に入れなくなった話を書きたかったんだけどね。
 もう休憩は終わりだ。 
posted by 土田英生 at 01:48| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月31日

不条理な時間

 MONO「隣の芝生も。」の大阪公演最終日のことだ。
 劇場での片付けを終えて自宅に戻ったのは12時頃だった。
 本番もやった後だったので疲れていたけれど、私には締切が待っていた。
 とにかくお風呂に入り、パソコンに向かった。
 それから二時間経った頃だ。どうしても頭が回らない。

 ……気がついた時には床に転がって眠っていた。
 
 本番の疲れもあるが、実は前日もあまり眠れていなかったのだ。

 26日の公演後、お世話になっている編集者の皆がきていたので居酒屋に顔を出した。
 いつもならそのままズルズル飲んでしまうのだが、仕事があった私は一時間余りで切り上げ、きちんと京都まで帰ってきた。嵐山までの電車はすでに終わっていたので、桂からタクシーに乗って自宅に到着。

 ……カギがなかった。
 iphoneの明かりを使ってカバンの中をなんども探す。
 カバンを四回くらいひっくり返したけれどやっぱりカギはない。

 思い出してみる。
 あ!
 私はよくカギをなくすので、今はジーンズなどにキーホルダーをぶら下げていてそれは決して外さないことにしている。
 なのにだ。
 ちょうどこの日は、終演後のトークに登壇することになっていて、出る直前にみっともないと思ってそれを外した記憶があった。
 
 とにかくカギはなかった。
 目の前に私の自宅はある。
 しかし入れない。
 これはなかなかに不条理な空気を漂わす。
 
 冷静になって、カギのレスキュー的サイトを探して電話してみた。
 5,800〜となっていたので、これならいいやと判断した。
 高くても1万円では収まるだろうと思っていた。

 待つこと30分。
 車がきた。そしてカギ穴を見るなり言った。

『これ、開かないやつです』

 私は黙っていた。
 
『無理やり開けることはできますけど……そうします?』
『いくらかかるんですか?』
『98,000円です』

 別の不条理空間が現れた。

 面倒なのでこの先の会話は書かないが、私はちゃんと抗議した。
 サイトの話もしたし、消費者生活センターの話にもなった。
 結論だけ言えば……ガチャガチャやってはいたけれど、その人は玄関のカギを開けられずに帰って行った。
 
 入れない自宅の前に立つ私だけが残された。
 なぜか写真を撮ったりもした。

IMG_1040.jpg


 近くのホテルに片っ端から電話してみたが、満室。
 結局、家から一番近いネットカフェで過ごす羽目になった。
 なのでしっかり眠れなかった。
 そんな中で次の日が大阪公演の最終日、そして片付け、帰ってきての執筆だったのだ。
 だから崩れて眠ってしまったんだと思う。

 仕事は……約束から36時間後に提出。

 三日間は全く休めなかった。

 明日は四日市に移動。
 明後日は四日市で一回限りの公演。

 どんなことがあってもカギだけは外さないようにしよう。
posted by 土田英生 at 01:04| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする