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MONO代表・土田英生のブログです

2008年10月24日

言い訳とロンドン

 11月の上旬に一週間くらいロンドンに行ってくることに決めた。
 ……知っている。
 そんな時間があるのかどうか?
 分かっている。
 だから……今、頑張っている。行くまで、そして帰って来た後……猛烈に頑張る。

 こうして言い訳をしているのは、この頁を読んでくれているかも知れない、そして気を揉んでいるかも知れない方々に『大丈夫ですから。本当に大丈夫ですから』と伝えないと、ロンドンへ行くことなど書けないからだ。

 * * * * *

 私は色んな人から『いつも元気ですね?』と言われる。
 しかし実を言えばとても悩む性分だ。
 気が小さくコンプレックスの塊なのだ。

 自分が持っているものには気づけず、他人の持っているものばかりを羨ましがる癖がある。自分が周りからどう見られているのかは分からないが、とにかく自分のことは見えないもんだ。そして隣の芝生はいつも青いのだ。
 
 こうして……どうでもいいことをイジイジと考え続ける。考えてもどうにもならないことで悩む。ひどくなると眠れなくなる。そして不眠の先には……暗い毎日が襲って来る。

 2003年はそれがとてもひどかった。

 無理やり理由を考えれば、人気あるタレントさんの芝居を書いたり、連続ドラマを担当したり、『約三十の嘘』が映画化されたり……そうした環境の変化と京都で活動を続けることとのギャップに悩んでいたのだと思う。

 その年の9月からロンドンへ留学した。
 そこで気分が上向いた。
 ギャップなどないのだと気づいた。
 劇団でもテレビでも、とにかく自分が納得出来ることをやればいいんだというシンプルな結論を得て、元気いっぱいで帰って来た。

 だからだ。

 私は忙しくなった時や、『あ、まずいかな』と思った時にとにかくロンドンへ行くのだ。友達と会ったりもするが、とにかく1人で街をブラブラする。すると気持ちが明るくなる。もう思い込みといってもいい。プラシーボ効果みたいなもんだ。

 それにしても……ずっと迷っていた。
 行っている場合ではない、しかし行った方がいいのではないか……。

 で、行こうと思っていた頃、GOVERNMENT OF DOGSの公演でエディの知り合いの方からwalkersのショードブレッドをいただいた。イギリスのお菓子。私の好物だ。カロリーは高いが好物だ。そして完全に心は決まった。行こうと。

 留学は1年、それ以外では7回目。
 行き過ぎだとは思う。
 

 ……今日は言い訳ばかりになってしまっている。
 せっかくだからロンドンにまつわる少しくだらない話も書いておこう。
 
 初めてロンドンへ行った2001年の冬。
 私はおしっこを我慢出来なくなって街を見回した。
 そして以下のような看板に向かって突進したことを思い出した。

IMGP2148.JPG

 突進した挙げ句大きなショックを受けたことを覚えている。
 『部屋を貸します』という不動産屋の看板だが、“o”と“l”の間に“i”が入れば……トイレットなのだ。私は『ああ、救われた』と思って突進したのだ。
 しかし救われなかった。
 一度安心した為か、もうどうにもならなかった。
 結局、あの時は公園の木の陰に隠れ、写真を撮る振りをして……したような気がする。
 
 さすがに今はそんな間違いはしない。

 ついでにトイレの失敗を書けば……あれは留学中だった。
 お腹が痛くて公衆トイレに入った時だった。そのトイレはノッティンヒルの駅前にあった。人通りは多い。

 お金を入れるとドアが開くタイプで、20分経つと勝手にドアが開く。中でドラッグなどをする若者がいる為だ。

 私はなかなか便座から立てなかった。
 お腹が本当に痛かったのだ。
 15分を過ぎた辺りで、とても焦った。
 しかしまだ立てなかった。
 と……
 ピーピーピーというブザー音と共にドアが開き出した。
 私はまだ便座に座っている。
 通る人がちらりと私を見た。
 私は慌てふためいてトイレを流し、ジーンズを上げた。
posted by 土田英生 at 01:33| 東京 ☔| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする