表紙に戻る
MONO代表・土田英生のブログです

2014年01月11日

聞いている顔。

 私は『誰かが話している時、それを聞いている人の顔』を眺めるのが好きだ。
 無防備なのがいい。

IMG_2790.jpg

 昨日の稽古場で、制作の話を聞く役者さんたち。
 右から金替君、古藤望さん、水沼君、そして東京から参加してくれている森谷ふみさん。
 それぞれの無防備さがいい。

 舞台などでも、台詞を発している人ではなく、端の方でそれを聞いている役者をつい見てしまう。
 その無防備な顔に感動したりする。
 そういうところが舞台の面白さの一つだったりする。
 テレビドラマなどにも関わらせてもらったりするが、カメラワークによって、どうしたって不必要なところは切り取る。脚本を書いて渡す。ディレクターは「カメラ割り」を考え、割り台本というものを作る。
 これを見れば「この台詞ではこっちから撮り、次の台詞では誰々に寄るな」と、分かるようになっている。
 どこをどう撮るかが作品の良し悪しを決めるので、これは仕方ない。基本的には喋っている人のアップが中心になり、聞いている人の顔が映るときは、それを「狙い」として撮る。

 だから無防備に聞いている人の顔はなかなか見ることが出来ない。
 
 舞台でも演出するときも、観客の視線をどこに集めるかは考える。
 これはテレビでのカメラワーク的な作業と似ている。
 しかし、舞台の場合、いくら演出が考えたところで、観客はどこを見るのも自由なのだ。主役が喋っている時、その周りにいる人を眺めることもできる。
 私は芝居を観ていて、面白くない時などはこれをやっている。
 気に入った役者を見つけ、その人の顔ばかり見ている。これはこれで楽しい。
 
 「聞く」ことはとても大事だと思う。いい役者は相手の台詞を上手に聞く。どうしても台詞を出すことばかり考えるが、実は聞くことはとても重要だ。

 話が少しそれるが……。
 最近、社会を眺めていて思うこと。
 とにかく話を聞く力が弱まっている気がする。
 なんだか余裕がない。
 意見が違った時、相手の話を聞いて話せばいいのに、どうも喧嘩腰になったりする。
 喧嘩と議論は違う。
 喧嘩している時、人は相手の言い分を聞いていない。どう言い返そうか、自分の立場をいかに守ろうかばかりを考えている。

 聞かなければ。
 私も押し出しが強い性格で、あまり人の話を聞くのは上手ではない。
 だから自戒の意味を込めてこんなことを書いている。
 自分が苦手だから、聞いている人の顔を見るのが好きなのかも知れない。
 
 実はもう一枚写真を撮った。
 そこには尾方君、そして客演の高橋明日香さんと松永渚さんが写っていた。
 それぞれにいい表情だった。並べてアップしたかったけれど、高橋さんの顔が……公表するのがためらわれるくらい「無防備過ぎ」だったので遠慮した。
posted by 土田英生 at 03:20| 京都 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする