実現化に向けて動くよう、自分を持って行きたかった。
そんなことは自分のノートに書けよと思ったりするが、反応も知りたかったし。
私は言うだけで、具体的な行動が苦手だ。
だから周りの人たちのサポートに頼る。
劇団だって、私は代表でありながら、何もしていない。こうしたい、ああしたいと言うだけだ。
だから今回のこともしばらく考えていたが、このままでは立ち消えになると思った。
だからある夜、のんだ帰り道に、いきなりMONOの制作部に電話をした。
こういう目的で、こんなイメージのことをやりたいとワーっと喋った。
……二時間後には企画案が送られて来た。
さらに、これがネットのいいところだが、ここを読んでくださっている劇場の方からも「うちでやる?」などと声をかけてもらった。
で、完全にやる方向に動いている。
まだ詳細は出せないけど、近いうちにメンバーを募集しようと思っている。
長期のものを東京で、短期のものは全国でやることになると思う。
私は二十代の後半から、一時期ワークショップばかりをやっていた。
呼吸の使い方と間の関係を中心に、至るところでやった。
ワークショップのプログラムノートは200ページびっしりになった。
今でも時々、ワークショップを頼まれるとそのノートを読む。
多少の変化を繰り返しながら、基本的に同じことをやって来た。
演技と呼吸の関係を理解していない人と芝居を創ると、とても時間がかかる。
ベテランと呼ばれる人とやっても、それは同じだ。
喋れて動けたとしても、呼吸と間が分かっていないと芝居が成立しない。
だからまずはその説明ばかりする。
少しだけえらそうに言ってしまえば、劇団などで訓練をしていても、そこの指導者や演出家が雰囲気でダメ出しを繰り返しているんじゃないかと疑う。
写真は3年くらい前に、立命館大学でやったワークショップのものだ。
後輩にあたる立命芸術劇場の人たちが企画して呼んでくれた。

で、今回。
特定の役者さんたちを集めて、ベースを伝えたいと思った。
いい出会いがあれば、そのまま一緒に芝居が創れる。
だからワークショップというより、養成コース的なものになる。
そして……これまでやってきた呼吸だけじゃなく、もう少し突っ込んだものにしたいと考えて、今、新しくプログラムをつくっている。
役者は自分の身体をさらす仕事だ。
演技で一番邪魔なのは、過剰な自意識だ。
「うまい役者と下手な役者」という分け方もあるが、「いい役者とそうではない役者」に分けることもできる。
もっと分かり易く言えば「許される役者と許せない役者」。
自然とそれができる役者は、皆が口を揃えて「あの人いいよね」と言う。
それには明確な理由がある。
だから誰にでも開かれたものではなく、私がいいと思える人たちを集めてそれをやりたい。
ただのワークショップではなく、稽古でもなく。
……なんか、文章が宣伝みたいになってきた。
これで下にスクロールすると「今なら特別価格」と赤字で書かれてたりするんだよね。
英語ペラペラになりました、的な。
さてと、考えよう。
ちゃんと実現させる為に。
とうとう20代から使ってきたノートとさよならだ。