メールは怖いという話だ。
1日中、パソコンの前に座っていた。
言い訳だけど、座っていたからといって書けるわけではない。
長く座っていたら進むものと、どうにものならないものがある。
いいアイデアがないかと悩んでいるときなどは、どれだけ考えたって出てこなかったりする。
大体ね、人の集中力なんてそんなに持たない。
で、今日は合間に無駄なことを結構した。
前にも書いたが、無駄なことをする時の、私の集中力はかなりのものだ。
iPhoneのアプリに、コマ撮りで映像を作れるものがある。
パラパラ漫画のようなものだ。
何かを写真に撮り、ちょっと動かしてはまた撮り、それを繰り返してアニメ化して行く。
今日の夕方。
仕事に疲れて、何気なくそれをやり出した。
やっぱり集中してしまったようだ。
気がついたら一時間くらいやっていた。
でき上がったのは「スティック糊とリップ」という作品。
リップが二本歩いているところに、スティック糊がやってきて、仲間になろうとするが断られるという話だ。
その一場面。

断っておくが、誰がなんといおうと披露しない。
というか、もう削除してしまったし。
書きたいのはここからだ。
iPhoneで作ったその映像をパソコンに取り込んで、そのままデスクトップに置いていた。
夜にある人から電話があった。
ある原稿をメールで送って欲しいという。
大事な仕事の話だ。
電話を切って、私はメールを開いた。ぼうっとしながら作業をしていた。
「送信」ボタンを押す寸前、身体に電気が走った。
そこに添付されていたのは……『スティック糊とリップ』だった。
危うく送信してしまうところだった。
瞬間、汗が出た。
ギリギリで回避できたからよかったものの、もし送信していたらと思うと今でもドキドキする。
先方も困惑しただろう。
原稿を頼んだら、意味不明な映像が送られてくるのだ。
メールは怖い。