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MONO代表・土田英生のブログです

2018年09月30日

言葉、言葉、言葉。

 上田で『尼ヶ淵スケッチ』を終えて、ちょっとだけ京都に戻ってきている。
 
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 写真は劇場の裏に流れる千曲川。
 それにしても上田は楽しかった。
 
 参加者の皆も頑張ってくれ、本番は二回共うまく行ったと思う。

 初舞台だという人もいたけれど、全く問題なかった。
 そして劇場の皆のサポートが素晴らしかった。
 劇場のスタッフたちはセクションなどを越えて、企画を支えてくれた。
 個人的にも様々な形でお世話になった。
 上田の街にも詳しくなり、そこにいる人たちとの交流も含めてとても愛着のある場所になった。

 毎日露天風呂に入り、稽古をして、美味しいものを食べた。

 また来年も行けるのが嬉しい。

 MONOから演出助手兼出演で参加した立川茜さんも立派に役割を果たしていたね。
 多分、彼女も上田が気に入ったんだと思う。
 とてもリラックスした表情で過ごしていた印象だ。
 
 それにしてもよく歩いた。
 
 稽古の前にも後にも上田を歩き回ったし、時には郊外まで足をのばした。

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 本番の翌日、帰る前にも観光をした。

 小諸の布引観音には感動したねえ。
 崖の上に建っているので、登るのは大変だったけど。

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 上田では2週間弱滞在。
 恵まれた環境の中、いろんなことを考えることができた。

 仕事の具体的な内容から、これからの私が歩む道についてまで。


 ……ま、考えることがいいことなのかはわからないんだけどね。
 

 この前も人から「言葉にし過ぎだ」と言われた。

 まあ、そうなんだろうね。

 私は言葉でしか物事を捉える事が出来ないんだよね。
 気持ちを意識化、つまり言葉にすることで、確かにこぼれ落ちてしまう部分はあるのはわかっているけれど、それでも言葉にしようとしてしまう。

 ハムレットはボローニアスから「何を読んでいるんですか?」と聞かれ「言葉、言葉、言葉だ」と答えるけれど、私の場合は「何を思ってるんですか?」と言われればそう答えたい気分だ。


 言葉にせずにどうしたら理解出来るんだろ?
 行動は予測もつかないし、言葉以外で判断するってどうしたらいいのか?

 私は昔からそうだ。
 心理学マニアのくせに、自分が関わることについては微妙こと、つまりキビが分からないんだよね。
 だから言葉を欲してしまう。

 劇団を長い間やってきたけど、最初の頃はメンバーともそれでよく揉めた。
 相手が「そんなこと聞かなくてもわかるだろう」と考えていることを、確実な言葉として求めてしまう。
 
 30代の前半の頃。
 ある女性を好きになり、思い切って誘ってみた。
 彼女はオッケーをしてくれて、二人で飲みに行った。

 話している感じから向こうもその気があると判断した。
 しかし、そこに確実は言葉はなかった。
 どうしよう?
 私は勇気が出なかった。言葉が欲しい。

 私はもう一軒誘った。彼女もついてきた。
 とてもいい雰囲気だった。
 これは、これは絶対に大丈夫だと思った。
 けれど、まだ言葉はない。
 やっとそういう話題に持って行った。
 彼女は「今、彼氏はいるんですけどね」と呟いた。
 それが拒絶の言葉ではないことくらい理解できた。

 しかし、しかし……。
 「だけど××なんです」というような確実な言葉はなかった。

 だから私はさらにもう一軒誘った。
 彼女もついてきた。
 
 7時くらいから飲んでいて、気がついたら朝の4時だった。
 その時だ。
 彼女は言った。

「あの、私、ここまで気持ち出してるのに気づきませんか?」

 ……時々、あれを思い出す。
 
 言葉を求める病だな、私は。
 他者と関わる中では言葉が一番頼りになると信じてしまっているんだよね。

 
 なんでも『話せばわかる』と考えている節がある。

 いやいや、5.15事件でも「話せばわかる」と言っていた犬養毅首相は死んじゃったしね。

 話してもわからないのかもしれないよね。
 

 だいたい、台本を書くということは言語化する行為だし。
 そればっかり何十年もやっているからこうなったのかもしれない。
 
 この一ヶ月くらい、私は暇があると絵を描いている。
 別になんの目的もない。
 もしかしたら言葉以外の表現をどこかで求めているのかもね。

 といいながら、今も台本を書いている。
 観劇三昧が企画している路上演劇祭にMONOとして「立川茜、高橋明日香、石丸奈菜美」の三人が出ると言ってくれたので、その台本を考えているのだ。
 
 MONOは10月8日の14時15分から。
 →タイムテーブルなど

 全部で20枚くらの短編だけど、書く以上は面白いものにしないとね。

 ああ、また言葉、言葉、言葉だ。
posted by 土田英生 at 05:01| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする