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MONO代表・土田英生のブログです

2008年05月09日

ロンドンの変貌

 随分前から企画だけが進んでいた“ロンドンに関する本”の仕事が具体的になって来た。取り敢えずは急いで企画をまとめないといけない。

 取っ掛かりとしてロンドンの大きな地図を取り出した。
 懐かしい。思わず見入ってしまう。
 
 それは私が留学した時に、地理把握の為に一年間部屋の壁に貼っていたものだ。だから付箋紙や書き込みも残ったままだ。
 ロンドンの街は整然としていない。道がかなり複雑に入り組んでいる。無計画に郊外へと発展を遂げた街だからだ。京都のように東西南北がきっちりしている街に慣れていると絶対に迷う。大体、頼りにしたいテムズ川自体が街の中を蛇行しているので慣れるまでは自分がどっちを向いて歩いているのかすぐに分からなくなる。日本だったら区画整理や再開発で道の付け替えなどが行われると思うが……ロンドンではあまり道などが変わっていないのだ。

 どれくらい変わってないのかと興味を持ち、100年前の地図と比べてみる。

londonmap.jpg ちなみにこの『100年前の地図』はロンドンのアンティークショップで格安で手に入れたものだ。なんと……12ポンドだった。2500円くらいだ。両隣にあった地図が3万円くらいだったことを思うと……あれは絶対に値段のつけ間違いだ。きっと120ポンドのつもりだったのだと今でも思う。
 私はその地図をドキドキしながら店のおじさんの所へ持っていた記憶がある。鼻歌を唄いながら興味なさそうな振りをして差し出すと、彼は値段を見て「12ポンド」と無愛想に言う。「なんでこんなに安いのかおじさんに聞いてみれば? これは間違いだよ」と私の中にいる純白な天使が騒いでいたが聞こえなかったことにした。『私は悪い事をしていない。値段通りに物を買っているだけだ』と黒い方が囁いたのでそっちの言うことを素直に聞いた。その割には店から逃げるように離れたのを覚えている。その地図は……上の写真のように額装して壁にかけてある。

 で、現在の地図とその地図を見比べて驚いた。

 本当に変わっていないのだ。100年前の地図でも結構今のロンドンを迷わず歩くことが出来るはずだ。それくらい変わっていない。

 IMGP1147.JPG 建物だってそうだ。古い建物の外壁だけ残して中を建て替えたりしているのを何度も見た。左の写真のように外側だけ残して中を丸ごと建て替えるのだ。こうすれば景観は維持出来る。こうして長い間街並を保存して来たのだ。

 しかし……2012年のオリンピックを前にした現在のロンドンの再開発を思って心配になる。シティを中心に凄い速度で増えて行く近代的な建物。鉄道の路線拡張でも随分と変化がありそうだ。
 古いもん好きの私としては気が気じゃない。私が愛する京都だって町家が壊されたりするのを見ては毎日悲しんでいるのに。「ロンドンよ、お前もか」って感じだ。
 
 というようなことを考えているうちに……時間が過ぎてしまった。
 気がつけば3時間も地図を眺めていた。

 で、全く企画はまとまっていない。
 

posted by 土田英生 at 04:47| 京都 | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする