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MONO代表・土田英生のブログです

2015年11月30日

MONO『裸に勾玉』!

 慌ただしくなってきた。

 劇団☆A・P・B−TOKYOのトークゲストをしてその後、初日打上に参加させてもらった。
 演出、主演の高野さんとは昔、同じ劇団に在籍していた過去がある。
 芝居にはその時の香りがあって、私としてはとても懐かしかった。
 翌日は大阪へ移動。劇作家協会関西支部のイベント『劇作バトル』。イキウメ/カタルシツの前川君と彼の書いた『語る室』を題材にトーク。この企画はなにより私が勉強になった。なるほどと思ったり、新しい発見があったりして、新作に取りかかっている私としてはとても嬉しい企画だ。前川君とここまでゆっくり喋ったのも初めてだったし。そしてやはりお酒をのみに行った。
 大阪に泊まって、朝はMONOの打合せ、そしてTHE ROB CARLTONを観る。若い集団ながら、私はここでも懐かしさを覚えた。なんだろ? 一回りしてきたのかなという感想を持った。
 そのまま東京に戻る。
 今日は朝から取材。
 新作の執筆に本腰を入れているのだ。

 MONO第43回公演『裸に勾玉(まがたま)』。
 
 舞台設定は弥生時代後期。
 もちろんリアルにはできない。
 卑弥呼などが出てくる訳でもない。その頃の庶民のなんてことない生活を描く。
 そういう意味では普段の芝居と変わらないのだが、やはり調べなければいけないことはたくさんある。リアリティのないものはイヤなのだ。
 どの辺りに虚構を設定するのか、悩みながらも楽しんでいる。
 
 芝居とか表現は、現在、生活していて感じることから始まる。どうしたって社会に対するリアクションになる。私にだって思うところはたくさんあるし、いいたいこともある。
 かといって、その主義主張を開陳しようというのではない。
 あくまで、人々の有様を描き、そのことで“言葉だけではない”なにかを表現したい。
 時代設定を変えることで、より、現代を描けるはずだと踏んでいる。

 だからまずは、舞台の世界を自分のものにしなければいけない。
 スターバックスで話されている会話を書くように、高床式倉庫の下で喋る人たちの会話を書きたい。
 そういう意味でも、今日は収穫があった。
 
 明日は舞台美術の打合せだ。
 なので、帰ってきてから構想を詰めた。
 面白くなるね。
 ここ数日の間に受けた刺激がいい形で私を奮い立たせている。
 やっぱり、作品を創るのは……苦しいけれど楽しい。

 MONOの先行予約もありますので、皆さん、よろしくお願いします!

 →
posted by 土田英生 at 01:33| 東京 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月07日

何回来たのか……。

 もう何度来ているか分からないくらいの北九州。
 福岡も含めると……数え切れない。
 馴染みのある街並を眺めていると、戻ってきたとすら思える。
 
 明日は二回。明後日は一回。
 北九州芸術劇場の小ホール。

 唯一の不安は東京が終わってから少しだけ日数が開いたことだが、役者個々はそれぞれ準備をしていただろうし、まあ問題はないと思う。明日の午前中にもう一度確認もするし。
 とにかく新鮮にやらないと。
 不思議だけど、公演場所が変わると芝居の流れも変わったりする。
 それは土地柄とかそういう問題ではない。
 やはり芝居が少しだけ変化するんだと思う。
 だから、毎回、とにかく丁寧にやるしかない。

 色々と考えなければいけないことはあるが、九州に来るまで……身体は休めた……はずだ。
 
 九州近郊の皆様、劇場でお待ちしています!
 
posted by 土田英生 at 01:19| 福岡 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月15日

気がつかない

大分に来ている。
ずっとなにかを忘れていると思っていた。
しかし、それがなにか分かなかった。
今日は朝の5時に起きた。仕事をしようと思ったのだ。明日はMONOの舞台美術の打ち合わせがある。だからよりイメージを明確にしておかなければ。
ノートを開いて、書き込む。
いや、やはり台本の形にしてみよう。

……そこで気づいた。パソコンを持って来ていない。なにか忘れている感じがしていたのはこれだったようだ。
posted by 土田英生 at 08:32| 大分 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月11日

稽古は着々と。

 MONO『うぶな雲は空で迷う』→の稽古は着々と進んでいる。
 
 開始から二週間経って、軌道に乗ってきた。
 今回は客演の人もいないので、ともするとマンネリになってしまう。
 それを少しでも避ける為に、なんとかこれまでなかった面を出そうと苦労している。
 楽しい苦労なんだけどね。

 無意味で面白いものを創りたい。
 定型じゃない笑いを、起承転結じゃないドラマを、喜怒哀楽じゃない人の有様を。
 
 だから今回の台本は苦労している。
 いつもと比べて遅れているわけでもないし、稽古で実際に形になっている前半部分はいい感じだ。
 ただ、それでも苦しい。
 とにかく自分の中で純度を高めて、出てきたものだけを書きたいからだ。
 頭の中だけで構成して、簡単に解決したくない。
 
 皆さん、ホント、今回は観に来て下さいね。
 チケットも絶賛発売中ですので。


 劇団を長い間やっていると様々な時期がある。
 順調な時もあれば、苦しい時もある。
 その時々で、とにかく問題を一つづつクリアしながら進むしかないのだ。

 集団が駄目になるのは当たり前のことを修正できなくなるからだと思う。
 関係の遠い人を批判するのは簡単だ。一番難しいのは、近くにいて長所も知ってしまっている人に対して物を言うことだ。
 大人の集団だって、うまく行かない理由の本質は小学生や中学生が抱えるものと大差ない。
 今更こんなこといいだろ……と、思うような当たり前のことを、違和感を感じた時点できっちりと問題化し、解決を図って行くことが、最も肝要なんだと思う。

 劇団活動は長い時間をかけて、一つの作品を創っているようなものだ。

 劇団結成から24年。
 今回もメンバー揃って公演できることに感謝だ。

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posted by 土田英生 at 03:21| 京都 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

初日

MONO第39回公演
『少しはみ出て殴られた』

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作・演出|土田英生

出演|水沼健 奥村泰彦 尾方宣久 金替康博 土田英生/岡嶋秀昭 諏訪雅(ヨーロッパ企画) 中川晴樹(ヨーロッパ企画)


***********************

建物の中に国境線がひかれた─
何も変わらないはずだったのにね。

ある時ヤツがふざけて言った。「この線から出たらダメってことにしよう」
私はわざと線から手を出してやった。ヤツは笑いながらその手を押し返した。
そんな戯れを繰り返した。そしてそれからどれくらい経ったっけ?
遊びたくなったので、私は笑いながら手を差し出した、すると……
ヤツは突然殴り掛かって来た。一切の笑顔を消して。
見えない線。線とは何かを巡る寓話――

***********************

……今日が初日です。19時半からです。
吉祥寺シアターです。
当日券もありますので。

では皆さん、劇場でお待ちしています。
posted by 土田英生 at 10:10| 東京 🌁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月05日

決める!

 MONO『少しはみ出て殴られた』の初日も近づいて来た。
 サイトで直前予約も始まりました→
 
 公演直前になると、「決めなきゃいけない」アレやコレやが目白押しになる。
 私はなんでも棚上げにするという「仕事できない人間」の典型だ。

 音響さんから「あそこの音の入りどうしますか?」
「ま、様子を見ておいおい決めましょう」
 照明さんから「4場って完全に夜のシーンですか?」
「ま、稽古をしながら判断するよ」
 舞台から「あの入口は完全にふさぎますね」
「でも使うかも知れないので、もうちょっと待ってもらって」
 舞台監督から「場当たりって◯◯日の△時からて固定していいですか?」
「まあ、そこは流れで行きましょう」
 衣装から……制作から……演出助手から……そして役者さんから……。
 質問をされる度に、
「ま、それに関してはまた決めますね」

 そうして発言のしわ寄せが一気に来る。
 タイムリミットだからだ。

 そろそろ向かい合わないといけない。
 決めなければならない。

 決めるぜ。
posted by 土田英生 at 12:51| 京都 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月04日

遅刻。

 『少しはみ出て殴られた』の稽古は毎日行われている。
 本来は昼から稽古をしている時期だが、今回の私は少しばかりバタバタしているので、今は夕方からの稽古だ。
 まあ、さすがに来週からは昼稽古をするんだけど。

 夕方からなので、私は家にこもっていつもギリギリまで書いている。
 「とにかく確認稽古をしておいて下さい」と演出助手のイソッピーにメールをして、一時間くらい遅れて行ったりすることも多い。
 
 自業自得ながら、一人遅れて行く時の後ろめたさ。
 あれなんだろうね。
 怒られるわけではないのに、昔の遅刻の記憶がフィードバックしてくるんだろうか?
 家を出るときから、妙に心が縮こまる。
 乗り換えの桂駅の態度も何だか冷たい。

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 烏丸の駅を降りて、小走りに向かうが京都芸術センターの入口もなんだか怒っている。

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 で、稽古場を開けると……
 
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 意外に楽し気でほっとしたりする。
 気持ちがやっと楽になる。

 これは一場の稽古中。
 雑談をしているわけではない。

 来週からはそんなことのないように、しなければ。



 あ、そうだ。
 京都のアートコンプレックスで世田谷シルク→という東京の劇団が公演中です。
 私は明日の夜、トークに出ます。
 初めて会うので緊張しますけど、頑張って喋ります。
posted by 土田英生 at 02:43| 京都 ☔| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月18日

タイトル決定とおばあさん。

 来年の2月〜3月にかけてMONOの公演がある。
 『赤い薬』『トナカイを数えたら眠れない』と改訂再演が続いたが、今回は正真正銘の新作だ。
 で、タイトルが決まった。この前、チラシの打合せをしたが、その時まで決め切れずにいたので皆にも相談したりした。
 
『少しはみ出て殴られた』
 
 男ばかりの舞台だ。

 チラシの打合せは京都駅近くのカフェラウンジ。
 で、そこへ向かう途中、地下鉄の四条駅で階段をおりている時だった。
 途中でおばあさんがキャリーバックを抱えて止まっている。
 エスカレーターもあるのにどうしてだろう?

 『そのバック、下までおろしましょうか?』
 
 私は声をかけた。
 おばあさんはしばらく考えていたが、やがて微笑んで『お願いします』と答える。
 で、私はそのキャリーバックを持ち上げた。

 ……な、なんなんだ……異常に……異常に重いのだ。
 男性でも重いのに、このおばあさんは……よく途中まで下ろせたもんだ。
 とにかく私はそのバックを持って階段の下まで降りた。
 それにしても重い。一体何が入っているのか?
 おばあさんは足取り軽く階段をおりた。

『ありがとう』

 おばあさんはお礼を言ってくれた。

『いえいえ。これ、重いですねえ。あっちにエスカレーターもありますよ』
『ええ、でも、階段をおりないと足が鍛えられないしねえ』

 なるほど。おばあさんは鍛えようと思って階段を使っていたのか。
 だとしたら邪魔をしたことになってしまったのかと思ったが、しかしだ。この荷物はいくらなんでも重すぎる。

『鍛えるのもいいけど……コレを抱えてだとキツいでしょう? いつもこんな荷物ですか?』

 するとおばあさんは言ったのだ。

『はい。重くないと鍛えられないのでねえ』

 更に続けて言う。

『鍛えたいんです』

 そう言うとおばあさんはキャリーバックを引きながらすごいスピードでホームを歩いて行った。
 私は何か間違ったことをしたらしい。
 あのおばあさんは健康の為などではなく、明らかに何かを目標にして鍛えているのだ。
posted by 土田英生 at 03:45| 京都 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月14日

「空と私のあいだ」先行予約

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 MONO特別企画『空と私のあいだ』
 
 一般発売は21日からですが、今日からMONOのサイトで先行予約がありますので。
 皆さん、よろしくお願いします。

 * * *

 稽古も25日から始まる。
 楽しみだね。私は一緒にやらせてもらうのは初めての人ばかりだし。
 MONOの金替、尾方、そして常連の山本麻貴の三人以外は初仕事なのだ。
 何人かは舞台などでお見かけしているけど。

 関西以外でもやりたい。まあ、その為には何とかいいものを創るしかないね。
 
 設定や内容は変わるけど、フォーマットは初演の時と同じだ。
 オムニバスのようでオムニバスではない。
 一応、同じ場所、時間だしね。
 まあ、劇場に来ていただくしかない。
 舞台美術も面白いし。

 ああ、頭の中を整理しないと。
 同時進行しているものが多過ぎる。
 この作品を入れて5つだね。全部きちんと着地させたい。
 ここ二年くらい、途中でダメになってしまう仕事があまりにたくさんあったし。
 一つずつ、大事にやらないと。

 今日と明日は久しぶりにワークショップをやる。
 大事にやらないと。だから寝よう。
 
 
posted by 土田英生 at 04:36| 京都 | MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月30日

MONO

 明日のイベントに備えて東京から奥村さんが合流。
 で、全員で稽古をした。

 昨日とは打って変わって台詞も入り、形になっていた……と、思う。
 もう大丈夫だ……と、思う。

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 この自信に満ちた表情は余裕の表れだ……と、考えて差し支えない……と、思う。


 久しぶりに5人揃って……ワイワイと稽古をし……その帰り道。
 私は急に新作が書きたくなった。
 今度、6月末からMONOの特別企画があるけれど、本公演は来年の頭。
 ぼんやりとした構想はあったのだけど、それがくっきりと形になって来た。

 MONOの活動について、ここ数年ちょっと迷っていた部分があったのだと思う。
 だから新作が書けなかった。
 いや、書こうと思えば書けるのだけど、これでいいんだろうかという気分が私を支配していた。
 ……そのトンネルを抜けたようだ。

 22年も劇団をやっていると新鮮さを保つことは難しい。
 最初の頃はコロコロとスタイルを変えられる。
 失敗しても失うものなどないからだ。
 
 しかし……いつの間にやらスタイルや評価がかたまって来る。
 他からも「MONOはこういう所がいいんですよね」などと言われて、そうかと自分でも思ってしまう。
 問題はここからなのだ。
 永遠のマンネリで行くのか、それともかたまったものを壊して新しいことに挑戦し続けるのか。

 ……私はどちらもイヤなのだ。
 自分達も新鮮なモチベーションを維持しつつ、それでいてクオリティを保証したい。
 
 なんか……それが出来そうな気分になっている。

 結果はどうなるか分からないけど、そういう気分になったことは……喜ばしい。
posted by 土田英生 at 05:15| 京都 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月25日

大丈夫か?

 30日にABCホールでのイベントで、MONOも20分弱の芝居をすることになっている。
 随分昔に書いた短編をやろうとしたのだが、そのデータは残っていなかった。
 思い出しながら急いで書いてみた。予想以上に台詞が多くなってしまった。
 
 そして先週、一度だけ集まって読み合わせをした。
 ……グダグダだった。
 全部で稽古は3日しか出来ない。
 だから次の稽古までには必ず台詞を入れてこようと約束して別れた。

 私は次の日から東京だった。

 行きの新幹線。台本を手にしながら熟睡してしまった。全く台詞は覚えられなかった。

 東京に着いて打合せを2件。「とくお組」の芝居を観て、アフアートークに出させてもらい、メンバーと飲んだ。深夜になってから下北の事務所に帰り……台詞を覚えるつもりだった。
 高校時代に覚えた英語の格言に「Don't put off till tomorrow what you can do today」というのがあった。「今日出来ることは明日に延ばすな」……その通りだ……しかし、私は明日に延ばすことにした。「明日のことは明日悩め」という意味のことが聖書にも書かれている。

 翌日は「売込隊ビーム」の芝居を観て、終わってからは戯曲の講評をした。劇作家協会の仕事だ。作者二人と順番に会い……調子に乗って5時間喋った。とてもじゃないが、そこから台詞を覚える気にならない。
 一休宗純は「なるようになる」と言った。私は素直にそれに従った。

 そして今日。
 帰りの新幹線。
 私は焦っていた。京都駅に着いたらそのまま稽古なのだ。
 しかしお気に入りの弁当を食べながらiPhoneでゲームをしていたら、強烈な睡魔が襲って来た。
 トンネルを抜けるとそこは雪国だったと川端康成は書いたが、私の場合は気がつけば名古屋だったのだ。

 さすがに慌てて台詞を覚え始めた。
 しかし……すぐに京都駅に到着してしまった。
 MONOのメンバーはいつもきっちりと台詞を入れてくる。
 これはまずい。

 しかし……。
 
 喜ぶべきか、悲しむべきか。
 皆、私と似たりよったりの状態だった。
 私は個人的にはホッとした反面、このままで大丈夫かという不安も抱いた。
 まずいのではないか?

 シェークスピアは言っている。
 今が最悪だと言える間は、まだ最悪ではないのだと。

 だから大丈夫だね。
posted by 土田英生 at 04:40| 京都 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月02日

線引きの難しさ

 今日は休演日明けでソワレが一回。
 だから朝は別の仕事の打合せに行き、それから劇場に入った。
 芝居は色々とハプニングもあったものの、役者には勢いが出て来た感じだ。
 平日にもかかわらずお客さんもちゃんと来てくれたし、流れも段々かたまって来たように思う。

 で。

 終演後、ロビーでお客さんの一人から苦言をもらった。
 いきなり怒鳴り口調で色々と言われたので、最初は何が何だか分からなかったが、私とMONOの、演劇に向かう姿勢に関してだ。
 最初は黙って聞いていたのだが、途中でついつい言い返してしまった。

 その人が去った後、このままではいけないと思って追いかけて、劇場の外でその人と話した。
 言い分は理解が出来た。ただ、それでも私はそのことに関して違う見解を持っている。

 しかし……。

 劇場を出た後、私を猛烈な自己嫌悪が襲った。
 
 それは言い返したことに対してだ。

 これが討論の場や、飲み屋での話であれば問題ない。多少喧嘩腰になろうが、意見を戦わせればいい。
 しかし今日は……終演後のロビーだった。他のお客さんもいる。
 そこで言い合いをしてしまったのだ。
 その人達にも迷惑をかけたし、それ以上に……私は自分で普段思っていることを守らなかった。
 私たちは舞台で何かを披露する以上、(広い意味での)芸人だ。お客さんに何を言われようが、それは仕方がないのだ。全て甘んじて受け入れなければいけない。自分の意見は意見として、それは別の機会にちゃんと話せば良かったのだと思う。
 今日は何を言われても真摯に聞き続けるべきだったのだ。
 感情的になってついつい言い返してしまった自分を恥じた。

 尾藤イサオさんが来て下さっていたので、一緒に飲んだ。
 温かい助言が心に沁みた。そして私は自分の態度を反省した。 

 線引きは難しい。
 それでも……まあ、やっぱり今日の私はダメだったね。
 ああ、人間が出来ていないというか、まだまだだ。
posted by 土田英生 at 02:45| 東京 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月29日

2日目終了。

 MONO『トナカイを数えたら眠れない』、東京公演の2日目が終わった。
 今日は終演後にバックステージツアーがあった。
 初めての試みだったけど、お客さんと触れ合えて何だか嬉しかった。

 で、それから6時間、前に一緒にやったドラマのメンバーと飲んでいた。
 この人達はずっと公演の度に来てくれて、そして美味しいお酒をごちそうしてくれる。
 仕事の関係者ではなく、すっかり仲良しのお友達だ。
 
 明日は朝から打合せ。 
 そして夜は本番。
 あ、平日はまだまだ席に余裕がありますので……皆さんどうかこちらまでどうぞ。→直前予約フォーム

 頑張らないとね。色々と。
 
posted by 土田英生 at 00:58| 東京 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月27日

勝負パンツ

 今日は昼過ぎに劇場に入って、ランスルーという、本番のように音や明かりも入れながら、問題があれば止めて確認するといった感じの稽古をした。座・高円寺を使うのは初めてだし、何より北九州と劇場のサイズが変わるので見え方や声の響きを中心に確認をする。

 明日はとうとう『トナカイを数えたら眠れない』東京公演の初日だ。
 場所は座・高円寺。
 高円寺の駅から徒歩5分です。
 
 IMG_0109.jpg

 当日券はもちろんありますが、直前予約もありますので……ぜひ、ご利用下さい。→

 ところで……私はゲンを担いだりはしない質だ。
 しかしどういう訳だか、初日には決まったパンツを履いていた。
 まあ、冗談のような物だが、それでもMONOの公演の時は案外そうしていた。
 随分と昔の話だ。

 なぜか私は初日になると「ペプシ」と書かれたトランクスを履いていた。
 どういう経緯でそうなったのかは覚えていない。
 メンバーからは「今日もペプシマンなの?」などと聞かれたりしていた。
 10年以上も前のことだ。
 で、そのトランクスはボロボロになった。
 そんな時、再び「ペプシ」と書かれたトランクスを発見したので購入した。
 メンバーからは「2代目ペプシマン」と呼ばれていた。
 それもボロボロになった。

 そこからは決まったパンツはなかった。

 前回の「赤い薬」の公演の時だ。
 札幌公演で私は誕生日を迎えた。
 練習中に私を除いた4人のメンバーがいきなり寸劇を始めた。

 それはメンバーが私の誕生日の為に考えてくれた作品だった。
 かなりしっかりとした創りの、稽古も積まれた寸劇だった。
 照明も音響も入っていた。

 そしてラストシーン。
 四人が後姿でパンツ一枚になった。
 それでエンド。
 その時に全員、イギリス国旗の入ったお揃いのパンツを履いていた。
 
 そしてプレゼントに私も同じものをもらった。
 札幌の楽屋でパンツを履いてみた。
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 ……そして今回。
 金替が九州の前に聞いた。
『あのパンツ履くの?』

 そして北九州公演。初日。
IMG_0097.jpg

 残念ながらこんなことになった。
 履いて来たのは三人だけだった。
 水沼と奥村は『東京では絶対』と言っていた。

 明日、皆が履いてくるのか……確認しよう。
 ちなみに私はさっき風呂から出て……すでに着用している。
 だから問題ない。

 ……そんな下らないことはどうでもいい。
 明日は初日。
 だから頑張る。
 そしてもう眠る。

posted by 土田英生 at 01:56| 東京 ☁| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月21日

初日が終わった……。

 『トナカイを数えたら眠れない』の初日が終わった。
 いろんなハプニングもあったけど、とにかく無事に幕が開いた。
 
 北九州芸術劇場もホント馴染みの劇場になった。
 『約三十の嘘』だけはまだ劇場準備室の企画だったので別の場所で上演したが、それからはMONOだけでも『京都11区』『相対的浮世絵』『地獄でございます』『床下のほら吹き男』で来ているし、北九州芸術劇場のプロデュースで『錦鯉』、それからキューブ制作で『相対的浮世絵』も上演させてもらっている。

 で、本番を迎える度に朝には必ずコーヒーを飲む場所がある。

 IMG_0096.jpg

 川に面していて、正面には小倉城の天守、そして芸術劇場も見える。
 ここで色んなことを考える。
 あそこはああしようとか、ここを変えようとか。

 書いていて、前にも同じことを書いたことを思い出した。
 しかも同じような写真も載せた覚えがある。

 あれはいつだっただろう?
 自分でも忘れてしまったけど、何だかここでお茶を飲んでいるととても落ち着くのだ。
 明日も少し早く起きて行こう。
 そして色々と考えよう。
posted by 土田英生 at 00:32| 福岡 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月19日

劇場入り。

 北九州芸術劇場に入った。
 そして夕方からは実際の舞台で稽古。

 最初は芝居が空間に馴染まない。
 稽古場ではまとまっていたはずの芝居が一旦バラバラになる。
 しかしやっている内に……段々とそれが芝居の形になって来る。
 この過程が好きだ。
 
 明日は朝から一日中、照明や音響と合わせながら稽古を繰り返す。
 きっとそれで形が出来上がる。

 そして明後日が本番。

 ああ、こわ。
posted by 土田英生 at 00:47| 福岡 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月24日

1年前のMONO

 中国から戻り、そして東京からも戻り、京都で稽古の日々に戻った。
 時の過ぎるのは早い。
 1年前は何をしてたのだろう?
 そして写真を見てみると、ちょうど『チェーホフを待ちながら』をやっていた。
 伊丹のAIアイホール。
 MONO結成20周年の特別企画だった。

 その時の写真を載せようと思ったが、5人のメンバーが揃っているものはこれしかなかった。

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 手前から奥村、水沼、金替、尾方、そして私。
 楽屋で撮ったものだ。
 
 ……しかし何の目的でこんな写真を撮ったのか。
 1年経った今となってはなにも思い出せない。
 
posted by 土田英生 at 02:37| 東京 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月10日

取材してもらって逆に分かってくること。

 今回の『トナカイを数えたら眠れない』→は北九州芸術劇場→で幕を開ける。

 地元の関西でもなく、東京でもなく、私の生まれ故郷である名古屋でもなく、北九州。
 しかし問題はない。
 MONOにとって初めての北九州公演だった『約三十の嘘』(2001年)はまだ北九州芸術劇場はまだ建設中だった。しかしこの公演もこの劇場の準備室、つまり北九州芸術劇場に呼んでもらっての公演だった。そして劇場が開館した時もオープニングに『京都11区』(03年)という公演で参加させてもらったし、続いて『相対的浮世絵』(04年)、『地獄でございます』(07年)、『床下のほら吹き男』(09年)と何度もやらせてもらっている。

 MONO以外でも私が作・演出をさせてもらった『錦鯉』はホリプロと北九州芸術劇場の共同プロデュースだったし、昨年シアターコクーンで上演された『相対的浮世絵』はこの劇場が千秋楽だった。

 だから勝手も分かるし、むしろここで初日を開けることには安心感さえ覚えるほどだ。

 昨日、宣伝活動の為に北九州芸術劇場に行った。
 普段はこうした宣伝活動は私と制作の垣脇がセットで行くが、昨日は垣脇のスケジュールが合わず、私一人で北九州に向かうことになった。若干の不安を抱きつつ朝の新幹線に乗った。
  
 公演の担当は『京都11区』からの付き合いのRさん。しかも彼女はこのMONOが最初の仕事だったという。
 
 小倉駅の改札を抜けると助手であるMさんが待ってくれていた。
 Mさんに導かれ、Rさんの運転する車で劇場へ。
 そこには広報担当のYさんがいて、三人であれやこれやと完璧な段取りをしてくれる。
 一時期の阪神はJFKという三人の投手リレーが必勝パターンだったが、昨日はRYMと呼びたくなるような連携ぶりだった。
 
 午前中、30分刻みで取材を受ける。
 取材してくださる記者さんの資料なども完璧に揃っていた。
 合間にはやれコーヒーだ、お茶だ、お弁当だとRYMは必勝リレーを見せてくれて恐縮した。
 更には記者さんから『お好きなんでしょう?』とアンパンの差し入れまでいただいた。
 黒糖の入ったあんで、ちょっと変わっていてとても美味しかった。
 公演の時にまた買いに行こう。

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 北九州での取材が全部終わった。
 ここからは福岡に移動だという。
 誰がついて来てくれるのかなあと思っていたら、なんとRYMの三人体制のままだった。
 雑誌社へ三人の女性を伴って現れる私は『おい、一体、何者だ』という雰囲気だった。
 恐縮した。
 まるで一夫多妻のアラブの男にでもなった気分だった。
 しかし三人に導かれ、博多での取材も順調に終えることが出来た。
 本当に感謝だ。
 これがRYMトリオだ。

IMG_0002.jpg 

 ……で、取材で色々と喋らせてもらっているうちに何だか頭の中で描いていた構想が崩れて行った。
 これはよくあることだ。
 他人に説明しているうちに矛盾に気づいてしまったり、面白いと思っていたことが『何だかなあ』と白けて来てしまったりする。
 反対に何気なく喋ったことに食いついて来てくれる記者さんの反応を見て、別のポイントが面白いことに気づかされたりもする。
 
 京都に戻って来て……今、再び、頭から設定を少し変えている。
 それは最初から手を入れ直すことを意味する。
 大変だ。
 しかしいつもこうして淘汰されて行くのだ。
 
 やっぱり人に話すことは大事だ。
 まあ、もちろん……取材の大半は私の無駄話だった気もするが。
posted by 土田英生 at 02:26| 京都 ☔| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月24日

元の木阿弥

 今、これを書いている。
 午前4時だ。
 どうだろう? これは……これはどう考えてもまた夜型に戻ってしまっているのではないか? ああ、元の木阿弥だ。
 
 まあいい。
 せめて5時には寝よう。

 今日はMONO『トナカイを数えたら眠れない』の舞台美術の打合せをしていた。
 大体決まった。後は……台本だ。

 ああああ。
 
 何度も書いていることだが、基本的に家にいる私は大人しい。
 いや、もちろん意味なく元気なときもある。
 人と喋っている時には9割9分元気ハツラツで押し付けがましい男なのだが、一人で机に向かったりすると途端に暗くなる。
 皆はあまり信じてくれない。
 しかし、何だか、じっと座っているだけで辛いのだ。
 どうでもいいはずのことが頭にこびりついて離れなくなるのだ。

 小さい時からそうだった。
 タイタニックの悲劇を読んだ次の日から眠れなくなった。
 世の中から船をなくさなければという強迫観念に取り憑かれた。
 小学生なのに不眠になった。
 毎年、四国の親戚の所へ行っていた。まだ瀬戸大橋もなかったし宇野から連絡船を使っていた。
 これはまずい。
 毎日父親に「船はキケンだと思うよ。四国には行かない方がいい」といい続けた。
 
 やがて船の恐怖は消えた。

 入れ替わって私の心を支配したのは宇宙人にさらわれるという強迫観念だった。
 もう怖くてたまらなかった。
 毎日親にそのことを話した。
 母親は「カギはちゃんと閉めたから大丈夫」と苛々しながら言った。
 しかし私は必死で訴えた。
 「宇宙人はカギなんか関係ないんだもん。すり抜けるんだってば!」
 母親は保護者会で担任に相談した。
 「この子、毎日、宇宙人にさらわれるって騒ぐんです」
 先生がなんと答えたかは覚えていない。
 これも知らない間に消えた。

 次に取り付かれたのはノストラダムスだった。
 1999年に人類は滅亡する。
 早くこれを皆に知らせなければ。
 友達に説明して回った。
 皆は最初は笑っていたが、段々「もうやめてよ」と避けるようになった。
 あああ、なんて馬鹿な子供だろう。

 ……成長するにつれ、段々とましにはなっていったけど、今でもそうした強迫観念に時折悩まされる。
 もちろん宇宙人でもノストラダムスでもない。
 もう少し現実的なことだ。
 しかしここまで悩む必要はないと分かっていることを延々と考え続けてしまう。

 小学校の時とは違い、今は頭では愚かさが理解出来ているので、まあ、外では普通に振る舞えるからいいんだけど。

 とにかく作品を書かなきゃ。
 不思議なことだけど、作品を書いている時だけは解放されるのだ。
 
posted by 土田英生 at 04:23| 京都 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

MONOのタイトルを順番につなげる

 再演などを除き、これまでMONOで書いた作品のタイトルを順番につなげてみようという、全く生産性のないことを思いついた。

 昔の俺は悪かった。「さよなら、ニッポン」と呟きながら手を振って飛行機に乗り、ブーゲンビリアの咲く南国へしょっちゅう遊びに行った。そんな楽しく乱れた90年代、ノーティー・ナインティーズを過ごしたもんだ。昼間は働かず活動するのは毎日0 時から5時までで、ちょっと悪いBROTHER達といつもつるんでいた。
 ロマン再生しようとSugarのような甘い恋もしたがそれは恋とはいえない乱れたものだった。しかしこんな生活を続けていたらいつか路上生活者になってしまうと反省し、一念発起して喫茶店を開店。4つのテーブルしかない「スタジオNO.3」という名前の小さな店だったが、それでもHoly Nightにはクリスマスパーティーも開いて盛り上がった。
その店で出会った子に約三十の嘘までついた。好かれたかったのだ。それは私にとって本当の意味での─初恋だった。精神が不安定になった私は赤い薬を飲んでみたが駄目だった。店を閉めてきゅうりの花が咲く田舎に行ったりしたが効果はなかった。だから私は同じく不安定になっていた友達と共に行方不明になった。その鉄塔に男たちはいるという噂があったようだが、実際には燕のいる駅から電車に乗って錦鯉の産地であるとある場所にいたのだ。そこでなにもしない冬を過ごした。そして帰り道、突然、あの子のことを想い出して涙が溢れて来たけれど「橋を渡ったら泣け」という皆が言うので必死で我慢した。三条大橋を渡れば昔の都。今では京都11区の中だ。
 私はそれから古美術に傾倒した。京都には古いものがたくさん残っているが、「相対的浮世絵」だけは見つけられなかった。ヨーロッパの古城に流れているという話を聞いて、そこの入口で聞いてみたが、衛兵たち、西高東低の鼻を嘆くばかりで教えてくれなかった。お金もなくまるで地獄でございますという趣の旅行だったが、それでも旅行中はなるべく派手な服を着ることで楽しく過ごせた。旅行から帰って来てからはやることもなく、家の下に潜り込んでこれまでのことを顧みた。実はこれまで書いたことは全部嘘なので、まるで床下のほら吹き男だなあと気づき、自分のことが嫌になった。暗闇の中でじっとしていたが眠れない。トナカイを数えたら眠れないということが分かった。やっぱり数えるのは羊だね。


 ……何だったんだ?
 私は何をしているんだろう?
 うまくも行かなかった。
posted by 土田英生 at 01:26| 京都 ☀| MONO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする