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MONO代表・土田英生のブログです

2018年11月02日

2つの時間

 姫路にいる。

 ……腰がいたい。
 先日、久しぶりに自分への嫌悪がMAXになってじっとしていたからだ。
 トイレを除けば38時間動かずにいた。
 『動かない鳥』として有名なハシビロコウより動かなかったな。
 やっていたことと言えば『ゴドーとの電話』というアドリブ台本を更新していただけだ。

 色々と待たせている仕事もある。
 本当に申し訳ない。すみません。
 頑張ってやりますので。

 それぞれに連絡をするつもりだけど、今日はまだ無理なので、言い訳の為にこれを書いている。
 
 2つの時間について考えていた。

 人は楽観的にならないと生きていられない。
 例えば南海トラフ地震が来ると言われて久しいが、プレートの軋みを考えばいつかは必ず地震は起こるのだ。
 今だって少しずつ動いているはずで、それがある限界を越えた時に地震はやってくる。

 けれど明日起こるかと問われれば、多分、ほぼ全員が「起こらない」と考えている。
 だから私たちは暮らせるのだ。
 つまり自分たちの、ある主観の中で「楽観的時間」を生きている。

 個人のことを考えたってそうだ。
 私たちは間違いなく死ぬ。
 ただ、それはきっと明日ではないと思っているから生きられるのだ。
 
 人間はそれぞれに主観の時間を持っている。

 仕事でもこのことが原因で問題が起きる。

 「すぐにやりますね」
 「お願いします」
 答えた方はリミットが2週間くらいだと思っていたとしても、頼んだ方は3日かも知れない。

 この例だと一週間くらした時に揉める。
 
 受けた方はまだ残りが一週間もあるのにどうして怒られるのかと不思議に思う。
 頼んだ方はリミットを過ぎてから4日も待ったのに、どうしてそんなにヘラヘラしてられるのかと信じられない。
 両方とも自分は悪くないと思っているので感情的になってしまう。

 感情や気持ちの問題になるともっと難しい。

 これを埋めるのは難しい。
 埋めるのは「言葉」しかないと思うのだが、この言葉のニュアンスにも違いがある。
 それに思っていることを全て言葉で表すのは不可能だし、受けとる側のリテラシーもあって正確には伝わらないことがほとんどだ。

 主観と主観のズレ。
 チェーホフなんてこればっかり書いている。
 ただ、唯一救いとしてあるのは、それでも許したいとか、共存したいという想いだよね。
 ま、簡単に言えば「相手の立場に立つ」ということだけど、これは本当に難しい。

 今日はこれだけ書くのが精一杯だな。
posted by 土田英生 at 00:19| 兵庫 🌁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月27日

出かける前

 久しぶりに京都にしばらくいる。
 今から東京に舞台を観に行くのだが、出かけるまでに30分ある。
 明日の夜か明後日の朝には戻ってくるつもりだし、なんの準備もいらない。
 着替えるだけだ。

 この2週間は膨大な量の台詞やト書きを読んだ。
 それも全て人の書いたものだ。

 13日には東京で劇作家協会の月一リーディングのゲスト、14日に京都に帰ってきて17日には大阪でNHKラジオドラマ脚本賞の審査会。
 18日からは京都造形大学で川村毅さん演出のリーディングの稽古。
 並行して新人戯曲賞の二次審査も引き受けていたので、全部で23本読んだことになる。
 
 引きずられたようで、昨日もプロットを書いていたけれど、どうにも自分の感覚が取り戻せない。
 
 こんな風に家で過ごすのも久しぶりだ。
 家の中にいると色んな場所が気になり出した。
 
 階段を上がったところの窓。
 殺風景で嫌だなあと前から思っていた。
 カーテンをしてごまかしていたのだが、それを外すとこんな感じだったのだ。

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 リーディングの稽古帰り、Can Doに立ち寄った時、ふとこんなものが目に止まった。

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 なんだこれ?
 マグネットになっているテープ。
 厚みもある。
 ステンドグラスの枠に使われている銅テープっぽいなあと思った。
 その途端、「あ」と思った。

 早速買ってきて、これで枠取りをして、中をガラス用のペイントで塗ってみた。

 まだ途中だが、今はこうなっている。

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 寝室に小さいゴミ箱が欲しいとも思っていた。
 けれど隙間が狭くて、家にあるものだと置けない。

 マグネットテープを買った時、ついでに板を何枚か買ったのを思い出した。
 あれで作ってみよう。
 100圴で売っている板は反っていたりするし、質も悪いけれど、柔らかいから加工はしやすいんだよね。

 昨日、プロットを書きながら合間に作ってみた。
 
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 材料費は400円だ。
 ちゃんと隙間におさまった。

 
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 ……なんだこれ?
 ただのDIYブログみたいになっている。

 私は人と喋っているのも大好きだが、一人で引きこもって何かを作っているのも好きなのだ。
 レザークラフトもそうだし。
 常に自意識が騒がしい私だが、集中していると忘れられるんだよね。
 だったら台本を書けと思うけど、台本は書きながらも常に色々と考えてしまうから苦しいのだ。

 もう時間がないのであまり書けないけれど、造形大学まで三日間、バスで通った。
 3番の市バスに乗って始発からほぼ終点まで。

 このバスは京都を東西に横断する。

 途中、住んでいた場所もたくさん通る。
 南広町、四条大宮、出町柳。
 そして様々な思い出の中をバスは通り過ぎていくのだ。
 意図的に考えるつもりもないのに、過去のあらゆる景色がフラッシュバックして侵入してくる。
 深夜に水沼くんと歩いた道、鈴江さんや松田さんといつも朝まで話したタナカ珈琲、深津くんと喧嘩した交差点、マキノさんから初めて台本の依頼をしてもらった高木モータースがあった場所。
 
 3番のバスはやばいね。
 
 着替えないと。
 どうでもいいけど、スエットがまた前後ろ逆だ。
 もう脱ぐからいいけど。
 
posted by 土田英生 at 12:40| 京都 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月30日

言葉、言葉、言葉。

 上田で『尼ヶ淵スケッチ』を終えて、ちょっとだけ京都に戻ってきている。
 
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 写真は劇場の裏に流れる千曲川。
 それにしても上田は楽しかった。
 
 参加者の皆も頑張ってくれ、本番は二回共うまく行ったと思う。

 初舞台だという人もいたけれど、全く問題なかった。
 そして劇場の皆のサポートが素晴らしかった。
 劇場のスタッフたちはセクションなどを越えて、企画を支えてくれた。
 個人的にも様々な形でお世話になった。
 上田の街にも詳しくなり、そこにいる人たちとの交流も含めてとても愛着のある場所になった。

 毎日露天風呂に入り、稽古をして、美味しいものを食べた。

 また来年も行けるのが嬉しい。

 MONOから演出助手兼出演で参加した立川茜さんも立派に役割を果たしていたね。
 多分、彼女も上田が気に入ったんだと思う。
 とてもリラックスした表情で過ごしていた印象だ。
 
 それにしてもよく歩いた。
 
 稽古の前にも後にも上田を歩き回ったし、時には郊外まで足をのばした。

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 本番の翌日、帰る前にも観光をした。

 小諸の布引観音には感動したねえ。
 崖の上に建っているので、登るのは大変だったけど。

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 上田では2週間弱滞在。
 恵まれた環境の中、いろんなことを考えることができた。

 仕事の具体的な内容から、これからの私が歩む道についてまで。


 ……ま、考えることがいいことなのかはわからないんだけどね。
 

 この前も人から「言葉にし過ぎだ」と言われた。

 まあ、そうなんだろうね。

 私は言葉でしか物事を捉える事が出来ないんだよね。
 気持ちを意識化、つまり言葉にすることで、確かにこぼれ落ちてしまう部分はあるのはわかっているけれど、それでも言葉にしようとしてしまう。

 ハムレットはボローニアスから「何を読んでいるんですか?」と聞かれ「言葉、言葉、言葉だ」と答えるけれど、私の場合は「何を思ってるんですか?」と言われればそう答えたい気分だ。


 言葉にせずにどうしたら理解出来るんだろ?
 行動は予測もつかないし、言葉以外で判断するってどうしたらいいのか?

 私は昔からそうだ。
 心理学マニアのくせに、自分が関わることについては微妙こと、つまりキビが分からないんだよね。
 だから言葉を欲してしまう。

 劇団を長い間やってきたけど、最初の頃はメンバーともそれでよく揉めた。
 相手が「そんなこと聞かなくてもわかるだろう」と考えていることを、確実な言葉として求めてしまう。
 
 30代の前半の頃。
 ある女性を好きになり、思い切って誘ってみた。
 彼女はオッケーをしてくれて、二人で飲みに行った。

 話している感じから向こうもその気があると判断した。
 しかし、そこに確実は言葉はなかった。
 どうしよう?
 私は勇気が出なかった。言葉が欲しい。

 私はもう一軒誘った。彼女もついてきた。
 とてもいい雰囲気だった。
 これは、これは絶対に大丈夫だと思った。
 けれど、まだ言葉はない。
 やっとそういう話題に持って行った。
 彼女は「今、彼氏はいるんですけどね」と呟いた。
 それが拒絶の言葉ではないことくらい理解できた。

 しかし、しかし……。
 「だけど××なんです」というような確実な言葉はなかった。

 だから私はさらにもう一軒誘った。
 彼女もついてきた。
 
 7時くらいから飲んでいて、気がついたら朝の4時だった。
 その時だ。
 彼女は言った。

「あの、私、ここまで気持ち出してるのに気づきませんか?」

 ……時々、あれを思い出す。
 
 言葉を求める病だな、私は。
 他者と関わる中では言葉が一番頼りになると信じてしまっているんだよね。

 
 なんでも『話せばわかる』と考えている節がある。

 いやいや、5.15事件でも「話せばわかる」と言っていた犬養毅首相は死んじゃったしね。

 話してもわからないのかもしれないよね。
 

 だいたい、台本を書くということは言語化する行為だし。
 そればっかり何十年もやっているからこうなったのかもしれない。
 
 この一ヶ月くらい、私は暇があると絵を描いている。
 別になんの目的もない。
 もしかしたら言葉以外の表現をどこかで求めているのかもね。

 といいながら、今も台本を書いている。
 観劇三昧が企画している路上演劇祭にMONOとして「立川茜、高橋明日香、石丸奈菜美」の三人が出ると言ってくれたので、その台本を考えているのだ。
 
 MONOは10月8日の14時15分から。
 →タイムテーブルなど

 全部で20枚くらの短編だけど、書く以上は面白いものにしないとね。

 ああ、また言葉、言葉、言葉だ。
posted by 土田英生 at 05:01| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月23日

明日は本番

本当は眠りたい。
しかしだ。
洗濯物を乾燥機に入れてしまった。
まだ待たなければいけない。

上田のサントミューゼで上演する市民参加劇『尼ヶ淵スケッチ』は明日が本番。

この公演はサントミューゼが行っているレジデント・カンパニー事業の一環だ。

今年から来年にかけて私とMONOがレジデントアーティストとして参加させてもらっている。だから私だけでなく、MONOからは立川茜が演出助手兼役者で参加させてもらっているのだ。

1年目はアーティストとのふれあいで2年目に本格的な作品創作をする。だから今年は地元の役者さんを使ってリーディングなどをやってもらえればという話だったのだが、どうせなら作品を創りたいと思ったので、わがままを言わせてもらった。

芝居の形にしてもらってよかった。
やっぱり役者は台詞を覚えてから全ては始まる。
45分の短い芝居とはいえ、個々の魅力も出ているし、いいものになっていると思う。

こういう企画で面白いのは役者さんが目に見えて変わっていくことだ。
全くの初舞台の人もいるが、これがとてもよかったりするんだよね。
本当にグングン伸びて行くのが分かる。
モンステラくらい成長が早い。
……という喩えを使いながら私はモンステラをよく知らない。
成長の早い植物だと、この前誰かが言ってたのを聞いた。

何人かの知り合いが東京からも観に来てくれるという。
とにかく最後まで手を抜かずに頑張ろう。明日の朝にももう一度通し稽古ができるしね。

だけど今日も本当に疲れた。
朝の10時から8時間の稽古。
小返し、通し、さらに小返し、二回目の通し。
終わってさすがに一直線にホテルまで戻って来た。

しかも……筋肉痛だ。
理由はわかっている。

歩きすぎなのだ。

特に昨日。
トレーニングだと言っても通用するくらい歩いた。


夕方からの稽古だったので昼間に時間があった。
思い立って少し遠出してみた。

上田から電車に乗って小諸まで行ったのだ。
雨がひどい。
それでも小諸城は見たかったので後悔はない。
想像以上に石垣が素晴らしかったしね。

小諸からは再び電車に乗って海野宿を目指した。
今回の芝居に出てくるので、実際に見ておきたかったのだ。

移動はしなの電鉄。昔はJRだった路線だ。

ただ、この列車。
私はドアを見て戸惑った。

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時々、ドアの横にボタンがある列車などは知っている。
けど、この電車にはそんなものもない。

私が降りたかった「田中」という駅に着く。
マゴマゴしていると、横の人が普通に手で開けてくれた。

……なるほど。
そんなにシンプルなのか。
もう学習した。
これからは積極的に私が手で開けてみよう。

田中駅から雨の中を歩いて海野宿を目指す。

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いやあ、本当にいい場所だった……。
晴れたときに来たかったけど。

そこからまた延々と歩き、電車に乗って上田に帰って来た。

電車が上田に着く。
わかってるわかってる。
ドアを開けるのは私に任せといてください。
自慢気にドアに手をかけた。

……自動でドアが開いた。

私は思わずつんのめった。
恥ずかしい。どうやら大きな駅では自動で開くようだ。
また一つ学習した。

とにかくこの日は、稽古前だというのに雨の中を4時間くらい歩いたと思う。

なのに……。

稽古が終わってクタクタだった。
立川さんと一緒にホテルに向かう。
「ご飯だけ食べようか」という話になり、軽くのんだ。
店を出て上田の街について話していた。

あそこがあの店だったよな、いや、違いますよ、などという会話になり、じゃ、確かめようという展開になって私たちはホテルと反対方向に歩き出した。
一つの目的地につくと、さらに、そういえばこっちに面白いアレあったよな、あの看板は笑ったよね、などという話になり、なぜか見てみようという結論に達して、さらに歩き出す。
途中、街の人から声をかけられて色々と興味深いものを見せてもらったり……そんなこんなで、結果的に……ホテルに戻って来たときには12時過ぎていた。

1時間以上は歩いていたと思う。
私は昼間に散々歩いたのに、稽古を挟んでまた歩いてしまった。


……こんなに歩いているのに私はやや太った。

毎日、せっせと食べているせいだ。

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最後のは長野あんかけ焼きそば。
からし酢をかけて食べる。

……これ、ハマりそうだ。

お、さすがに乾燥機終わった。
取りに行って寝よう。
posted by 土田英生 at 02:44| 長野 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月21日

あと一歩

 今日は「尼ヶ淵スケッチ」の通し稽古。
 1日でぐっとグレードが上がった。
 音響、照明との場当たりも昨日終わったので、カーテンコールを除けば芝居はできている。

 今のまま本番をやったとしても市民参加劇としてはよくやったねという感じにはなるだろうね。
 でも欲が出る。
 純粋に舞台作品として面白いものにしたい。
 少し演出も付け足した。
 よりいい感じになった。
 嬉しいことに皆のモチベーションも高いし、まだまだいける。

 どんどん付け加えて行こう。

 明日も通し稽古、明後日は朝から小返しも通しも出来るし。

 
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 日常をモチーフに芝居を創る時、役者に年齢の幅があるのは嬉しい。
 今回は17歳から70歳を過ぎたメンバーまで様々だ。
 それぞれの存在が作品の上で何よりのスパイスになっている。

 今回のタイトル『尼ヶ淵スケッチ』について。

 昔、上田城は尼ヶ淵城とも呼ばれていた。
 千曲川が城の南側まで来ていたので、それを堀として使っていて、そこが尼ヶ淵と呼ばれていたからだ。のタイトルはそこから取った。上田に暮らす人々の会話の切り取りなのだが、過去から現在にかけての時間軸を感じてもらいたいと思って「尼ヶ淵」を使ってみたのだ。

  
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 ここが尼ヶ淵と呼ばれていた場所の現在。
 
 ……いやあ、それにしても今日は上田城についての知識が深まったね。

 稽古が夕方からだったので、朝からホテルに迎えに来てもらい、ブラタモリなどにも出ていた上田市教育委員会文化振興課の和根崎剛さんに案内してもらいながら町歩きをしたのだ。

 私は小学校の時からお城が好きで、それを知った劇場の方が企画をしてくれた。
 いやあ、楽しかった。
 
 カメラマンの方も一緒で、時々掲載用の写真を撮ってもらいながら歩き回った。

 様子を覗きに来ていた立川さんも一緒に参加する形になり、彼女は美味しい天然酵母のパンを食べている姿などを撮ってもらっていた。あ、ここのパンは……本当に美味しかった。

 
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 終わってからは蕎麦を食べ、劇場で和根崎さんと対談。
 いろいろな話をきかせてもらい勉強になった。
 うかがった話を元に本でも出したいくらいだけど、ただの盗作になってしまうからダメだね。

 好きなものといえば……。


 サントミューゼには劇場と美術館がある。

 日本の城と並んで私が好きな物は……アンティーク家具を含むインテリア。
 しかもイギリスのもの。

 となると……壁紙などで有名なのはウィリアム・モリス。

 生活と芸術を一緒にしようという『アーツ&クラフツ運動』を始めた人で、家具や壁紙のデザインを多くしている。
 私は彼の大ファンで写真集なども何冊も持っている。
 
 こんな偶然はあるのかという感じだが、美術館では『ウィリアム・モリス展』が開かれているのだ。
 ああ、ああ……。
 嬉しい嬉しい嬉しい。

 昨日の稽古前に行ってきた。

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 興奮したなあ。
 売店で本やTシャツを買った。

 しかし……。
 喜んで着てみたものの……ピチピチになってしまった。サイズは合っているはずなのに。

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 まるで加圧シャツのようだ。
 
 いや、いい。
 私なりの『アーツ&クラフツ運動』、いや、違うな、ただの運動だと思うことにする。

 なんせ連日食べ過ぎているからだ。

 あ、いや、そういう時間も過ごしつつ、あくまで大事なのは舞台だ。
 明日も頑張ろう。

 そう、あと一歩なのだ。
 
posted by 土田英生 at 03:29| 長野 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月19日

上田での滞在

劇場が休館日だったので今日の稽古は休み。

夕方には劇場の皆に焼肉屋さんに連れて行ってもらった。
一ヶ月前から予約しないと取れないという店らしい。前から噂は聞いていたので行けてとても嬉しかったし、予想通り美味しくて信じられないくらいの量があった。

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私は皆と飲んでいる時、最後までいるタイプだ。
けれど、今日はそんなにアルコールも入っていないのに、眠気が襲って来て我慢できなかった。
残念だが途中で失礼した。

で、ホテルに帰って来てからしばらく眠り込んでいたのだ。
どうしてあんなに眠たかったんだろ?
昨日までの三日間、朝から7時間の稽古だったのでその疲れもあったのかも知れないし、今日、4時間も歩いたせいかも知れない。

けれど最大の原因は夜に眠れないことだね。

ホテルも快適だし、毎日露天風呂に入って美味しいものも食べている。

これ以上のリラックスはないはずなんだけどねえ。
なんでだろ?

今日は昼過ぎに起きて、街をぶらぶらした。
上田は小さな街だ。
人口は15万7千人。
市街地はコンパクトで歩きやすい。

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二時間くらいぶらついた。
今、稽古をしている「尼ヶ淵スケッチ」は上田に暮らしている人たちの会話を切り取ったものなので、演出する上でも街の空気を把握したいと思った。

旧北国街道で昔の面影が残る柳町を越え、海禅寺の辺りまで来た時、道端でかがみこんでいる高校生がいた。
茶髪の男子だ。
何をしているのかと思ったら……虫を探していた。
私と目が合ったら恥ずかしそうにしながら会釈してくれたので私も笑顔を返した。
なんだか……切なくいい気分だった。

それからは一緒に来ている立川さんと待ち合わせをして上田電鉄に乗ってみた。

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適当な駅で降りた。
あてもなく歩いた。
広がっている田んぼや大きなため池。
遠くに山の稜線が幾重にも重なっている。

新しく開発された宅地には瀟洒な住宅が並び、中学校からは部活動の声が聞こえる。

二人組の男子中学生が「こんにちは」と挨拶をして通り過ぎていく。
その自然さにふいに涙が出そうになった。

寂れた神社があった。巨木が立っていた。
思わず見とれ、この土地の歴史を思う。

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いい時間だったね。


明日は音響や照明の打ち合わせもし、段取りを組んで通し稽古をする予定。
多分、上演時間は50分くらいになると思う。

23日と24日。
サントミューゼでお待ちしています!

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情報はコチラから!

明日は稽古前にへ併設されている美術館で『ウィリアム・モリス展』を見る。
楽しみだ。これについてはまた書こう。
posted by 土田英生 at 03:59| 長野 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月15日

上田にやってきた

 9日の夜に香川から東京に移動。

 それにしても高松では大勢の人と会った。
 懐かしい人から、最近になって仲良くなった人、はじめましてだけど接点のある人、本当に何もかも新鮮な人。
 
 不思議だったのは、何度もお会いしていて認識もしているのに、それでもあまり私の意識の中になかった人が、突然アップになって登場してきたりしたことだった。
 これまでなぜかきちんと話すこともなかったんだよね。
 
 東京に戻ってからは打ち合わせやクローズドの演技ワークショップなど。
 このワークショップはむしろ自分の為になっている。
 色々と試す中で、新しい演技の段階を探っていけるからだ。

 MONOの次回公演のチラシのイラスト打合せもした。
 来年はMONO結成30周年なので、それにふさわしいデザインにしてもらうことにした。
 タイトルも決まり、大まかなストーリーラインもできてきたんだよね。
 これから登場人物などを決めていく過程で、まだ変化はしていくと思うけど。
 
 劇団の今後を考えると悩みも尽きないけれど、まずは圧倒的に面白い作品を創ればいいだけだ。
 これはなんだろう?
 評価されたいとか、そういうこととも少し違う。
 やっぱり自分が納得するものを創りたいという欲求がまだまだピュアな感じで私の中にあるんだよね。

 ま、これがなくなったら終わりか?

 それに……。
 この前の香川でもMONOのファンだというお客さんたちも来てくださっていて、これまでに何を観たとか、あの作品はこうだとか、いろんな話をしてくれて……こういうお客さんもいるんだと思うと身が引き締まるね。つまらないものはやりたくない。
 
 そんな中で、東京にいる間に会いたかった人もいるんだけど無理だったんだよね。
 無理というか……私は時々、どうしようもなく全てをいきなり解決したくなる瞬間がある。
 何かを抱えたまま黙っていることができない質なのだ。

 これでも随分と忍耐強くはなったと思うんだけどね。

 で、今日は上田にやってきた。
 明日からは『尼ケ淵スケッチ』の稽古。
 移動前、まだ台本が全部は終わっていなかった。

 MONOの新メンバーで、演出助手も兼ねつつ出演もする立川茜さんと東京駅で待ち合わせる。
 彼女は演出助手としての責任も感じているのか、

 「後半にのんびりできるくらいにしましょうね」と、新幹線の中でもさりげなく言う。
 
 上田に着いたらからといって浮かれて遊んでいる場合ではないぞというメッセージだと私は受け取った。
 だから私も襟を正した。
 ホテルにチェックインしてから、一緒にご飯だけ食べに出かけたが、ちゃんとすぐに部屋に戻ってパソコンに向かった。
 それにしても美味しい中華だったな。
 海鮮餃子も皮が薄くてパリパリだったし、ニラがとても効いていて……またいい店を見つけてしまった。

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 約束通り、台本は書き上げた。
 なので大浴場でのんびり露天風呂に浸かり、今はのみながらこれを書いている。

 明日は朝から稽古。
 夕方には終わるのでサムギョプサルかお蕎麦を食べよう。
 気になっているタイ料理屋さんもあるんだよね。

 いや、朝は上田城を散歩をしよう。
 ホテルから5分だしね。
posted by 土田英生 at 01:24| 長野 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月09日

高松

 カブフェスに参加する為に高松にいる。
 それぞれが短編を各所で上演している。私も昨日だけで5団体くらいの芝居を観た。
 自分の担当するトークはなんだかグダグダになってしまったので、反省を生かして今日は方針を変えることにした。
 公開ワークショップをすることにしたのだが、果たしてこれが吉と出るかどうかは不明だ。

 2日間のフェスで昨日は初日終了後に打上げがあった。
 参加人数は100人以上。
 
 皆は基本的に劇団単位などで参加しているのだが、私は一人なのでアウェイ感。
 もちろん何度か香川ではワークショップなどをさせてもらっているので何人も知っている人はいるが、初めましての人も多い。
 だからその人たちにくっついていたのだが、お酒と共にだんだんに声をかけてもらえるようになった。

 会場で隣にいても全くしゃべらなかった人が嬉しいことにMONOや私の芝居に詳しかったりして、私もだんだんに打ち解けた。
 ブログをいつも読んでますと言ってくださる方もいてなんだか安心する。

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 実は高松は私の父方の出身地で、今もお墓はこっちにある。
 法事などでもしょっちゅうきていたし、馴染み深い場所なのだ。愛知県で父が経営していた会社の名前も、昔は「八州産業」という名前だった。「やしまさんぎょう」と読む。これは高松にある『屋島』と瀬戸内海にある八つの島(州)をかけた名前だったりするのだ。

 街はどんどん綺麗になるが、それでも懐かしいという感情に包まれたりする。

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 今日は終われば東京に移動。
 数日滞在して、次は長野の上田だ。
 
 

 
posted by 土田英生 at 10:29| 香川 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月08日

京都→大阪→香川→東京→長野

久しぶりに自宅で5日間過ごした。
のんびりするつもりだったのに、そんなに暇ではなかった。台風もきたりして、あっという間に時間が経ってしまったね。

上田でやる予定の「尼ケ淵スケッチ」のベース台本は書き終えた。いや、実はまだまだ書き足さないといけないんだけどね。
4つの話が入り組んで成立する構造にするので、残りは稽古しながらになるのだ。
取り敢えず台詞を覚えてもらうために基本となる会話を作った。
MONOの立川さんも出演するのだが、彼女の台詞だけはまだ書けていない。この2、3日中になんとか終わらせようと思っている。

今日は朝から台風で汚れた家の周りを掃除し、洗濯などを済まして京都を出た。
大阪で芝居を観て、その足で香川に移動。

今は坂出にいる。

明日からは「カブフェス」に参加する。
30近い団体が短編などを一気に上演する企画だ。しかも会場は高松城の中!

地元の劇団である、株式劇団マエカブが単独で開いている演劇祭だ。

どうせ参加するなら私も作品を持ってきたかったね。MONOもメンバーが増えたことだし、こうしたことにも対応できるはずだ。

ただ、話をもらった時には具体的に考えられる状況にはなっていなかった。なので最初は参加を断った。

しかし代表の岡田君は言った。

「とにかく土田さんには、来て盛り上げて欲しいんで」

と、いうことで、私は作品も何もないままやって来てしまった。
明日と明後日、とにかく喋る。
トークの企画に出る。

明後日の夜には直接東京に行き、14日からは上田に移動し、そこで滞在して稽古と本番。

またしばらく京都には帰れない。

北海道の地震も大変だけれど、関西も台風の爪痕がひどい。まだ停電している場所も多い。

嵐山ですら木々が倒れたままだったり。渡月橋も壊れたままだしね。

戻ってくる頃にはきれいになってるんだろうけどなんだか複雑な気分。

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posted by 土田英生 at 01:47| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月02日

約2ヶ月ぶりの自宅

 京都で自分の部屋にいる。
 うるさいくらいに虫の声がして、少しだけ緊張感のある風が窓から入ってくる。
 秋の気配。
 やっぱり家は落ち着くな。
 同時に嵐山の夜はなんだか寂しい。

 前に戻ってきたのは7月の頭だ。
 テアトル・エコーの稽古中だったけど、前田司郎君と大阪でトークをする為に1日だけ家に立ち寄った。
 あれから約2ヶ月。
 戻ってくるといつもそうだけど郵便受けはパンパンで、引き出してみるとそのままの形で出てくる。
 玄関の前には雑草がたくましく育ってたし。
 1ヶ月に一度は帰ることにしよう。
 
 上田からは27日に東京に戻った。
 その夜、友達と下北沢でのんだ。

 28日は七味まゆ味さんの出ている舞台を観てトーク。夜は友達と下北沢でのんだ。
 29日は7時間のワークショップ。終わってから参加メンバーとのんだ。さらに下北沢でものんだ、
 30日は高橋明日香さんの出ている「川辺月子のために」を観てから少しだけのんだ。
 31日は匿名劇壇を観てから皆とのんだ。さらに下北沢に戻ってから別の友達とのんだ。

 やばいな。
 文末が全て『のんだ』で終わっている。
 上田でも毎晩のんでたしね。

 7月、メンタルが急下降して、それ以来、ほぼ欠かさずにのむようになってしまった。
 元々そこまでお酒好きでもなかったのにね。
 けれどお酒を入れないと眠れなくなってしまった。

 そろそろ断ち切る。

 5日間は京都にいられるので、その間はコーヒーとアーモンドだけにしよう。
 今日ものんでないしね。
 だからこんな時間になっても眠れないんだけど。
 書くものなどはあるけど、仕事の予定は入れていないし、お酒に頼るのはやめよう。
 
 7日には香川に行ってカブフェスに出演、9日からは東京で打合せなどをしてから9月14日からは上田に滞在だ。
 やっぱりまたしばらく京都には戻って来られないね。

 けど、上田も環境がいいので健康になる気がする。
 涼しくなっているだろうし、きっと空がきれいだ。
 
 夏の空も東京や京都とは違ったし。
 サントミューゼから見上げる空もくっきりしていた。

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 久しぶりに夕方という時間帯を感じたりもした。
 
 
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 来年のMONOの新作タイトルを決めた。

 これまでの付け方を裏切ってみた。
 だからなのか、気に入ってはいるけど少しだけ気持ち悪い。
 
 けれど、意識的にそうしてみることにしたのだ。

 自分を制限してしまうのは怖いしね。
 考えてから動くとこれまでの自分の殻からは出られない。
 だから思い切って行動を変えるというのが、現在の私のテーマなのだ。
 どんな話なのかはメモをしたけど、実際に書くときには踏ん張って自分を裏切りたい。
 
 
 あ、その前に上田でやる『尼ヶ淵スケッチ』を書かないといけないけど。
 まずはここで普段書かないことを書いてみようと思っている。
posted by 土田英生 at 04:46| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月26日

「青い鳥たち、カゴから」終了。そして上田。

 テアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」が終わった。

 自分自身に対しては不満も残っているし、今になって「あそこはこう書けば良かった」などと気づいたりして後悔もわずかにあるが、劇団の皆は本当に気持ちのいい人たちだった。
 恥ずかしいので書かないけれど、打上げでも色々な話をして、涙もろい私は泣かされたりもした。

 打上げは6時間にも及び、その後、数人と朝まで卓球やボーリングをした。
 なんだか学生気分だ。
 
 翌日はさすがに抜け殻になったけど、終わってからもLINEなどでメッセージをもらったりしているので、完全に終わったという実感は薄いんだよね。これからジワジワくるのかもね。
 
 で……。
 すぐに長野県の上田市にやって来た。
 
 サントミューゼで上演する「尼ケ淵スケッチ」の創作準備の為だ。

 MONOのメンバーになった立川茜さんも出演するので、一緒に中に入ってもらって前回(5月)のワークショップの復習。
 続いて創作の為のネタ出し。
 今日で大体の方向性は見えた。

 けど、ここは本当に空気もいいし、周りには山があって気持ちいい。

 昨日も着いてすぐに長い時間散歩をした。
 暗くなった頃に上田城に行ったら、あまりにも月がきれいで、私たちは思わず見とれてしまった。
 外側には光輪がくっきりと出ていて、まるで「青い鳥たち、カゴから」に出てきた月のようだった。

 そして……やたら食べている。
 昨日は絶品のサムギョプサル、今日は焼き鳥屋さん。
 キャベツ揚げにはカルチャーショックを受けた。
 なんだ、あれ? 
 とても美味しいではないか。
 
 今日はホテルに帰って来てシャワーだけ浴びてすぐに眠ったのに、すぐ目が覚めてしまった。

 ……露天風呂に行ってきた。
 誰もいなかった。
 お湯に浸かって上を見ると、またしても月だ。
 それを眺めながら20分以上ゆったりした。
 様々な考えが頭の中を巡った。
 私の思考は、時折、月を隠す雲の動きと連動しているようだった。


 明日は昼に蕎麦を食べてから、いよいよ実際に作品を創って行く。

 3話のオムニバス。
 今考えているのは「祖父と孫」「二組の夫婦の事情」「母と息子たち」の3本。
 サザエさんの予告編のようなラインナップだ。
 MONOの立川茜は全話に絡む。
 けど、ちょっとだけ足りないんだよねえ。
 私も出れば解決するんだけど、出たがりみたいに思われるのも困るしね。
 
 とにかく3本の話を、何度も使っている手法で一本にまとめるつもりだ。
 詳しくは説明しずらいけど、同じ時間をいろんな方向から見るという構成で、私が『クルクルと回すやつ』と呼んでいるやつだ。
 『クルクルと回すやつ』という名前で特許を取りたいくらいだ。

 これ、何回目だろ?

 最初は演劇アドバンスドユニットという企画で書いた『感情珈琲』だったと思う。
 それからコンクールの賞品として私が伊丹西高校に書き下ろした『空と私のあいだ』、その進化系でAI・HALLのハイスクール・プロデュースでやった『空と私のあいだ』、さらに登場人物を大人にして、横山拓也君と共作したMONO特別企画『空と私のあいだ』、広島アステールの演劇学校の試演会『あの10分間、そしてそれからのこと』

 5回も『クルクル回すやつ』を使っている。
 きっとこれからもクルクル回すんだと思う。
 

 もうこんな時間だ。
 寝よ。
 
 
posted by 土田英生 at 02:57| 長野 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月16日

眠れないので。

 テアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」は絶賛上演中。
 最終日(22日)以外はまだまだ入れますので、皆様、ぜひお越しください。

 私は基本的に本番は観るようにしているのだけど、ここ2日は劇場に行けなかった。
 演出助手から本番がどんな様子だったのかという報告はもらっているけどやっぱり気になる。
 
 劇場には着到盤と呼ばれるものがあったりする。
 テアトルエコーのものは歴史を感じさせるバージョンだ。

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 今回は私の名札も作ってもらったし、舞台美術の奥村くんのもある。
 上の写真だと、奥村くんの名前は赤になっているので、この時は劇場に来ていないということだ。

 一昨日と昨日は私の名前も赤だったはずだ。

 その間、私はENBUゼミの講義。
 皆、とても熱心で好感を持った。
 10代から40代まで年齢はまちまちだけど、とても仲もよく雰囲気もいい。
 初日が終わったあとに誘ってくれたので飲みに行った。

 私の悪い癖だけど、ワークシップなどをしていると、ついつい情が湧いてしまう。
 全てを伝えたくなってしまい、あれもこれもという感じで詰め込もうとする。

 本当は愚直に同じことを繰り返さないとダメなんだけどね。

 もう一回残っているので、ちゃんと整理して行こう。

 ……昨日は全くお酒を飲まなかった。

 だから案の定眠れないまま朝を迎えてしまっている。
 ああ、今は夜が嫌いだ。
 少しは寝ないとね。
 
 今日は本番を観るし。
 
 
posted by 土田英生 at 07:41| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月09日

最後の稽古

台風が来ているので、いつもより早く通し稽古をやって帰ってきた。

思ったよりも早かったので渋谷で少しだけ一人でブラブラした。
考え事をしながら一人で飲んだ。
渋い感じでグラスを傾けているつもりだったけど、そのポーズだけでは全然時間が持たず、寂しくなったのですぐに帰った。

……立て続けに上演中止や公演延期の情報を知った。
私はその二つの団体と直接の面識もないし、個々については何も語るつもりはない。
ただ、両方とも台本の遅れが原因だと聞いて、色んなことを考えた。

もちろん明日は我が身だ。

私もこれまでだって何度も危ない橋は渡った。
台本を書く作業は厄介だ。
頑張れば進む訳じゃない。
何時間座っていても、一行も書けないこともある。
……とにかく苦しいしね、あの時間は。
また、書かなければいけない時、他のことで悩んでいてそれどころではない時もある。

それでも締切や期限はやってくる。
でも……。
書けない時には謝るしかないんだよね。
作家の思いや事情を斟酌してもらおうとするのは無理なことだ。
書けないことは美談でもなんでもないし、よりよい作品を創りたいとは誰もが思っているんだし。

何が言いたいのかというと……。

「書く行為」をあまりにも神聖化しちゃダメなんだよね。どんどんそれに甘えて行ってしまうから。これは自戒を込めて言ってるけどね。

色んな場所で喋ってるけど、私は「降りてこない」とかいう劇作家が嫌いだ。
イタコじゃないんだし。
降りてなんかこない。

そんな方法があるのなら、私もそれを習得したいよ。
私にはそんな才能はないので、とにかく泣きながら机に向っている。比喩でもなんでもなく書けないと泣く。
あれはなんだろ?
幼児退行するんだよね。
そうやって苦しんで考えていると、アイデアがふと出てきたりする。
ま、それを「降りてくる」と表現してるだけなんだろうけど、なんか書くことを特権化しているようで嫌だ。

今回の「青い鳥たち、カゴから」だって、随分と約束を破ってしまった。何度か泣いた。
稽古開始の2週間前には初稿を出しますと宣言していたけれど、「崖っぷちホテル!」を書き終わった時、締切までは一週間強しかなかった。
何より疲れていた。
それもあったし、色んなことが重なって稽古に入る前に個人的にメンタルをやられてしまい……なかなか集中出来なかった。

稽古をしながら続きを書き、読んでもらっては書き直すという繰り返しだった。
稽古していたのに、なくなったシーンも結構ある。

けどねえ。
だから芝居は救われるんだよね。
周りに人がいるから。
特に今回はそうだった。

役者さんたちは文句も言わずに一生懸命取り組んでくれた。
なんと言ったらいいのか、「こなす」というような人はなく、作品をよくしようと思っていることが伝わって来た。

だから私も書けたんだと思う。

形やリズムにこだわる私の演出にもきちんと取り組んでくれたしね。
この5日間、通し稽古のランタイムは毎回誤差1分以内だ。
これ、すごいことなんだよね。

脱稿したのは7月末。
だけど、通し稽古に入ってからも何度も改訂した。
今日ですら稽古しながら台詞を変更したしね。

明後日は初日だ。

枠に関しては出来ているので、あとはその枠の中に、役者さんたちの体重がどれだけ乗るかが勝負だ。
昨日、ぐっと良くなった。

面白くなるね。
私も最後まで気を抜かずに、しつこくやろう。

まだまだ上に行ける。
本番までには一日あるし十分だ。

明日はゲネプロ。
お客さんは入れずに、本番と同じように上演する。

しかしだ。
テアトル・エコーは劇団員も多く(役者だけで100人くらい!)いるので、ゲネプロにも多くの人が観にくるらしい。
だからプレビュー公演みたいなもんだよね。

ただ、役者さんたちからの要望で、明日の昼にも集まって一回通してみることになったので、そこで最後の調整はできるのだ。

劇場客席に作ってもらっていた演出席ともお別れだ。

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「餌」と呼ばれている、演出助手の小泉さんが出してくれるアーモンドとチョコレートともさよならだし、役者さんの似てない似顔絵を描く場所もなくなってしまう。
少しだけ寂しい。

ということで、皆さん、お待ちしています!

チケット申し込み
posted by 土田英生 at 02:38| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月06日

思春期の考え方

いよいよ10日からテアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」が幕をあける。

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↑クリックすると大きな画像が見られます。

チケットは絶賛発売中です。

劇団チケット取扱

初めて通し稽古をした時、私の気持ちは真っ暗だった。
「ああ、とても面白くないものを創ってしまったのかも知れない」と、不安に押しつぶされそうな思いだった。

幸いなことに、翌日は稽古が休みだった。
冷静に考えて、台本を直してみた。
そして二回目に通した時「あれ? 面白いかも」と気持ちが変化した。

そのまま通し稽古を続けた。
しかし、再び、しっくりこなくなった。
途中までは問題ない。
引っかかるのは、どうやらラスト前のシーンだった。
時間軸が変化し、役者たちが布をまとって群舞するような場所がある。その間に会話がランダムに入る抽象的な場面だ。

私は基本的にストレートプレイが好きで、抽象的なシーンや時間軸が変化するものはほとんど書かない。
そうしたシーンを描くはっきりとした動機があれば別だが、できれば会話だけで世界を描きたいと考えている。

今回の芝居の中でも、そのシーンだけが浮いていた。
前々から逃げている感じはしていた。
会話で描ききれないので、そういうシーンを入れているだけではないのか?

けれど、どうせやるのならちゃんとやろうと思ったので、振付の方にお願いして稽古を見てもらった。私なりの要望を伝え、数日後にその稽古の為の時間をとってもらった。

それで行くつもりでいた。
一昨日の稽古が始まる前だった。
役者さんの一人から「本当はあのシーンはいらないんじゃないですか」と聞かれた。なくてもいけるのではないかという提案だった。
私が迷っているのを感じてくれていたのかも知れない。「もちろん必要ならば問題ないんですけど」と、彼は付け加えてくれた。

その時は、振付もお願いしたあとだったのでそのまま行くつもりだった。

けれど……。
当たってたんだと思う。
稽古を見ていて思った。
やっぱり私は逃げているんだと。

なので……その日の稽古終わり、もう一度書き直させてくださいと皆にお願いした。

何度も通し稽古した後だ。
また、台詞も覚えてもらわないといけないし、書き直したところでうまく行く保証はない。

結果、そのシーンはなくなった。
振付を頼んだ人にも本当に申し訳ないことをした。
けれど、その方も稽古を見に来て「よくなりましたね」と言ってくれた。
ありがたい。

けど、本当によくなったのだ。
引っかかっていた最後の部分が解消されて、やっと台本がすっきり全部通ったと思った。
「青い鳥たち、カゴから」
こういう話なのか、と、自分でも改めて理解した。あとは稽古稽古稽古。
本番が楽しみになった。

……作品を創っていると、いつでもそうなんだよね。
何度も「もう終わりだ」と思う。
諦めかける。
「まあ、これでもそこそこは行くかなあ」といういい加減な気持ちになりかける。実際、ある程度の経験があれば、苦しまなくても一定のクオリティのものは創れたりする。だけどそこで諦めることで、基準はどんどん下がって行き、その創り手はダメになって行くんだよね。

けれど、我慢して踏ん張り、一つずつ問題を解決していくと突然道が拓ける。
そして、諦めなくて本当によかったと胸を撫で下ろすのだ。
今回も踏ん張ってよかった。
そして、それを指摘し、付き合ってくれる皆に心から感謝だ。
ま、諦めるようになったらやめないとね。

他のこともそう考えることに努力している。

なんというか、人生もね。

もちろん、自分だけではなんともならないこともある。
相手があることとか。
けれど、物語の結末には光が差すと信じて、できることはやっておくのだ。
そうじゃないと、うまく行くものもダメになる。

過程が見えなくて焦ったりもするけど、自分に自信を持って進むしかない。

思春期の考え方だな、これ。
……いくつだ、私は?
posted by 土田英生 at 04:28| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月29日

落差

 自分の落差に疲れる。

 初めて会った人からは元気だと言われるし、実際、自分自身でもそう思う。
 よく喋るし、落ち着きなく動く。
 小学生の頃から多動症で、授業中もまとも座っていることができなかったが、それが大人になった今も続いている。

 稽古場でもそうらしい。

 私は他の演出家がやっている稽古をあまり見る機会はないけれど、今回でも稽古見学に来てくれた人たちからは「いつもそんな張り切った感じなんですか?」と聞かれる。
 立ち上がって稽古を見ているし、ダメ出しの度に無意味に役者のそばに行くし、不必要なコメントも多いし。
 時々、頑張ってイスに座ってみるのだが、落ち着きがなくなり、目の前にある紙をくしゃくしゃにしていたりする。
 出されたアーモンドやチョコレートもすぐに食べ尽くす。
 
 反対に一人でいる時の暗さは相当だという自信がある。

 だいたい、身動きせずじっとしているね。
 蛾と同じくらい同じ場所にいる。
 あの人たちも結構すごいよね。前の晩と同じ位置にいたりするし。

 まあ、これはこれでいい。
 きっとそうやって自分のバランスを取っているんだと思う。

 ただ、気を許す人たちといると……人の前でも悩んでいることがばれてしまうことがある。
 今日の稽古場ではそうだったと深く反省している。

 今回のテアトル・エコーの役者さんたちは、なんというか、本当に優しい。
 皆、協力的で、自分でいうのも変だけど……信頼をしてくれているのが伝わってくる。

 で……。
 まずは昨日のことだ。

 昨日、粗いままだけど初めて通し稽古をしてみた。
 時間は1時間40分。
 予定通りだ。
 これまで小返しばかりしていたので、部分部分は面白くなっている。
 
 しかし……通してみるとおかしなところが結構あった。
 何より、台本が気になった。
 もう一つ要素が足りない。

 稽古が終わってから皆で飲んでいて、見学に来てくれていた人たちからの意見も聞いた。

 皆は役者さんのことを言っていたけど、私にはそう思えなかった。
 演技がおかしく見えるとしたら、それはやっぱり台本のせいだし、演出のせいなのだ。
 
 ……私は出演している役者のことを言われるのがとても辛い。
 辛いという言葉では言い表せないね。

 はっきり言ってしまえば、自分が文句を言われているとしか感じられないのだ。
 MONOの公演でも「本はよかったけど、誰々がもう一つでしたね」などと言われると猛烈に傷つく。その人は私を褒めているつもりなのかもしれないがどうしたってそうは思えない。
 役者の容姿などについて言われることも許せない。
 私がいいと思って選んでいる役者さんなのだ。
 どうやら私は自分のアイデンティティーを出ている役者にまで広げてしまうようだ。

 なんだろう?
 家族の悪口を言われるのに近いんだよね。
 まあ、それで色々と辛いこともあるんだけどね。
 線が引けないというか。
 これは私の欠点だと自覚してるんだけど……どうも変えられない。

 だけど……。

 いい格好をする訳ではないが、演出としてその座組みを仕切っている以上、やっぱり責任は全て演出家にあると思うんだよね。
 今回は外部から乗り込んでいる形だけど、一緒にやってる間はそれも関係ないし。
 キャスティングだって、時にはいろんな事情で決まったりするけど、自分がオッケーを出しているのだ。
 稽古に入れば、自分なりに設計図を書き、この役者さんはこんな感じで運ぼうと計画しながらダメ出しするし、台本だって役者に合わせて変えて行く。

 だからやっぱり芝居がダメだとすれば悪いのは私だ。
 
 ま、そんなこんなで……昨日、通し稽古と飲み会のあと私は悩んだ。
 代々木上原から歩いて帰りながら猛烈に暗くなった。
 下北沢でなく一つ手前の駅で降りたのも、少しパニック状態に陥って電車に乗ってられなくなったからだ。

 深呼吸を繰り返しながら歩いた。

 ……いろんなことあって、今はもともとそんなに元気ではない。
 プライドや自信を失っている状態だ。
 けど、最初に書いたように、人がいるとシャキッとする性格なので、それでなんとか保っていた。

 稽古をすることで随分と気も張っていたし、皆もいい人だったのでそれで支えられていたのだが、その肝心の芝居で悩んだ途端、最後の糸が切れてしまったようだ。

 歩いていると知り合いの店から電話があった。
 昔、私の台本をやってくれたことがあるという女優さんが来ていて、会いたいと言っているという。
 帰り道だったので顔を出した。

 自分の暗さに耐えられなかったので助かった。
 本当に不思議だけど、元気に喋るんだよねえ。
 初めましてという女優さんと、一時間半くらい話した。

 事務所に帰ると、落差がすごかった。
 水力発電だったら、結構な発電ができるくらいの落差だ。
 
 頼まれた作業などもあったので、それをやっていたら朝になった。

 やっとウトウトした……と、思ったら電話があった。
 ……14時だった。
 稽古の開始時刻。

 寝坊した。

 その罪悪感に加え、自分をコントロールする準備をせずに稽古場に行ったせいで、テンションがいつものように上がらない。
 これではまずいと思うのに、どうにもならない。
 休憩時間などに役者さんたちがそれぞれ「大丈夫ですか」と声をかけてくれたりする。
 バレている。

 やばいやばいやばい。

 これ以上、優しくされたら、自分の弱さが出てしまう。
 はっきり言って泣きそうだったのだ。
 それだけは絶対に困る。
 そんなことになったら、テアトル・エコーで「泣き虫演出家」として語り継がれてしまう。

 昔、フジテレビでドラマをやっていた時、同じような状態で泣き出してしまい、後々まで「泣き虫脚本家」と呼ばれていた。
 TBSでも泣いて会議室を飛び出してしまい売店に隠れていたことがある。
 あの時は30分くらいしてから、大学を出たばかりの若いAPの女の子に見つけられ、「私と一緒に戻りましょう」と手を引かれて猛烈に恥ずかしい思いをしたのだ。
 何年か後にその人に再会した時、やっぱり彼女はそのことを憶えていた。
 
 もうそんなのはごめんだ。
 
 夕方まではなんとか稽古した。
 けど、やっぱり稽古場は明るくならない。
 私の出すアイデアも陳腐で、説得力がないのを自分でも感じる。
 
 休憩後に再開しようとしたら……もう始められなかった。
 これ以上続けると、自分が崩れるなとはっきりとわかった。
 
 台本を少し直してきますと告げて、稽古を切り上げさせてもらった。
 
 再び自己嫌悪。

 しかも事務所に戻った頃、Twitterに私が暗いコメントを書いたら、役者さんたちからLINEが来た。
 皆、優しい言葉を書き連ねてくれていた。
 ああ、申し訳ない。

 今回の座組みと関係ない人たちも星座の占いを送ってくれたり、月の写真を送ってくれたり。
 中には「何があったか知らないけど元気出してね」というメッセージと共にタイ料理の写真を送ってくれた人もいたけど、あれはなんだろう?
 ガパオライスだよね、あれは。
 まあ、嫌いでないんだけどね。
 
 
 とにかく……こんな状態では本当にダメだ。
 三時間ほど、蛾のようにじっとしたあと、台本を頭から見直してみた。

 一箇所、ここだと思った場所を発見したので、それを書き直す。
 そこはよくなったと思うけど、まだ足りない。

 今日は稽古オフ。
 ただ、昼からは友人に頼まれたクローズドのワークショップがある。
 しかもコントのワークショップ。
 

 少し眠らないとね。
 で、今日の夜、もう一度台本を直そう。
 まだ時間はある。

 絶対に面白くしてやる。

 
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 写真はこの前行った焼き鳥屋さんで食べたつくね。
 とても美味しかった。
 この文章が暗いので載せてみる。

 ガパオライスの写真で元気づけてもらったので真似してみた。
posted by 土田英生 at 04:46| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月26日

最後にはうまく行く

 私はもともと感覚だけでいろんなことを済ませてきた。
 綿密な計画を立てたこともなく、台本を書く時もほとんどプロットを立てず、行き当たりばったりで様々なものを書いてきた。

 現在稽古中のテアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」も稽古初日までに半分くらいの台本を書き、あとは稽古を見ながら次のシーンを書いた。だからラストは想像していなかったものになったりしている。
 自分の劇団であるMONOでも同じ進め方だし、もっと言えばドラマを書く時だって最終回を決めずに書いている有様だ。

 ドラマ「斉藤さん2」を書いた時……ラストにしようと思っていたエピソードを9話で書いてしまい、最終回の10話を書く時に苦しんだ記憶もある。

 映画にもしてもらった「約三十の嘘」の舞台版を最初に劇団に書いた時もそうだった。
 これは詐欺師たちの話で、誰が裏切っているのかということがストーリーの軸になる。
 けれど犯人を決めずに書き始めてしまったので、ラストシーンの手前で大いに苦しんだ。
 部屋の中を「誰だよ、裏切っているのは」と叫びながら歩き回った。

 けれど、常に一つだけ言い聞かせていることは「最後はうまく行く」ということだ。
 
 この前まで書いていたドラマ「崖っぷちホテル!」でも決めていたことは「ラストにはホテルが再生していて、うまく行っている」ということだけだった。

 そんなこんなで自分の人生に戻る。

 ここでも私が欲しいのは「最後はうまく行く」という言葉だ。
 どうしてもその言葉だけは欲しくなってしまう。
 
 けれど、それに他人が関係してくる場合、その言葉は約束されない。
 嘘でもいいから、その言葉が欲しい。
 なのに……ゴールはないのだ。
 日々の積み重ねの先にしか道が見えないようだ。
 霧の中を進むしかない。

 そして……約束されないことで、焦ってしまい、どんどん悪循環に陥っていく。

 だから、いや、けれど自分に言い聞かす。

 『最後にはうまく行く』

 そうしないと、自信を持って立てないからだ。
posted by 土田英生 at 03:23| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月19日

テアトル・エコーは残り三週間、そしてMONOのこととか

 連日、テアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」の稽古。

 やっと自分でも作品世界が見えてきた気がする。
 本当に不思議だけど、日々の発見の中から、段々と視界がひらけてくるんだよねえ。

 初めての役者さんたちと稽古を重ねながら、どんどん作品は方向を変えていく。
 こういう役割にしようと考えて台本を書き始めたはずの登場人物が、すっかり今は違ったキャラクターになってしまったりしている。
 だから最初に思っていた着地点からは随分と離れてきた。
 まだラストシーンは作っていない。
 一体、どうなるんだろう?

 けど、それでいいと考えている。
 
 もちろんベースに自分の好みというか、「こういうことはやりたくない」とか、「ここだけはこうしたい」という部分もあるけど、今回私が心がけて試しているのは、役者を見ながら創って行くという方法だ。

 まあ、初心に戻ったといってもいいかも知れない。

 そもそも書く仕事など目指してなかった私は、MONOでの公演をする為に台本を書いていただけだった。やりたいモチーフを、役者に合わせてこねくり回している内に作品が出来上がるという感じだったのだ。

 だから劇作家だという意識もなかった。
 そういえば劇作家協会へ入会を勧められた時も「私は劇作家ではありません」などという手紙を書いたくらいだ。

 まあ、あの時は入会する為に払うお金もなかったけど。

 ここで話がそれるけど……。
 
 結局、劇作家協会には入ることになり、お金がなかった私は、母親からお金を借りようと愛知の実家に電話をした。

 「あんたは他のものに使うかも知れんで、私が直接振り込むわ。だで、口座番号を教えなさい」

 私は従ったのだが……翌日、母から悲壮な声で電話があった。
 
「英生、どうしよう? お母さん、キャッシュカードで振り込んだもんで、土田佳子の名前で入金しちゃったがね」

 当時は振り込みと同時に入会だった記憶がある。だから私の母は、私より先に劇作家協会に入ってしまったことになるね。
 まあ、後日、事務局に電話して訂正したけど。

 どうでもいいエピソードになってしまった。

 書きたかったのはいつの間にか、すっかり劇作家気分でいたけど、そもそも私はそんなスタートではなかったし、得意なことは、稽古場から何かを見つけることだと思い出した。

 だから今回はテアトル・エコーとコラボするつもりで作品を創っている。稽古場で書いている感覚だ。
 役者さんたちもとてもいい人で、あっち行ったりこっち戻ったりに付き合ってくれている。

 稽古は残り三週間。
 面白いものにしたい。

 そんな稽古場で、私の横に座り、冷静に導いてくれているのが演出助手の小泉さんだ。
 彼女もテアトル・エコーの役者で、「約三十の嘘」をやってくれたこともある人だ。

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 私は彼女を「先生」と呼んでいる。
 校正などをしていたこともあるらしく、台本の矛盾も正してくれるし、私が稽古中に喋る無駄なエピソードを制止してくれるし、毎日私にアーモンドとチョコレートも出してくれる。
 まあ、先生と呼んでいる理由は、むしろメガネ姿からの安易なイメージからな気もするけど。

 この前、彼女とメガネを外すのは恥ずかしいという話で一致した。
 そうなのだ。
 私はメガネを外すくらいなら、メガネをかけたまま全裸になった方がいい、というくらい素顔をさらすことには抵抗がある。

 やがて話している内に……こんなことじゃダメだよね、自分を変えないとね、その為には新しい冒険しないといけないよね、など発展していき……二人でメガネを外してみることになった。

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 とても小さな冒険だ。
 こんなことでは自分は変えられない。
 しかも、恥ずかしいので写真のサイズは小さくしてある。
 
 
 「青い鳥たち、カゴから」
 皆様、お待ちしております。

 →サイト

 今日は稽古場に立川茜さん、渡辺啓太くんが見学にきた。

 先日、MONOに4人のメンバーが正式に加入した。
 そのうちの二人だ。
 立川さんは今回の出演者であるエコーの山西愛子さんと、別のワークショップで一緒になったことがあるらしくて知り合いなのだ。だから一緒に写真を撮った。

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 私がメガネをかけているので、この写真のサイズは少し大きくしてある。
 
 7月14日にMONO新メンバー加入を発表した。→「新メンバー加入のお知らせ」

 これからも作品を創っていく為にも、新しい力が必要だと思ったのだ。
 
 いずれ発表になると思うけれど、来年は公演をたくさんやる。
 いろんな場所にも行く。

 少し違った風を吹かせたい。


 ……まあ、本当はこんなことを書いている余裕もない。
 さっきも書いたけど、初日まで三週間なのだ。

 なのに相変わらず、私は常に自分のことで悩む。
 稽古場では大はしゃぎするけど、部屋では仏像のようにじっとしているというサイクルだ。
 まるで笠地蔵だ。
 ……いや、全然違うな。書いていることが自分でもわからない。
 
 私はもともとプライドが高い。
 人から馬鹿にされたくないのだ。ま、それは誰でもそうだと思うけど、それを巧妙に隠しながらマウンティングするようなところがあった。

 現在はそれを投げ出してみている最中だ。
 人との関係を優位に保とうとしていた自分を捨てる実験中。
 怖いし、もう後戻りできなくなっている気がするけど、これは自分で決めたことだしね。
 
 きっと、その分、うまく進む。
 そう信じることにした。
 
 二場に挿入する台詞を考えよう。
posted by 土田英生 at 07:17| 福岡 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

意味不明な雑文

 テアトル・エコー『青い鳥たち、カゴから』も稽古開始から一週間経った。
 この劇団と組むのも初めてだし、これまで一度も一緒に仕事をしたことのないメンバー。
 けれど、皆、とても素直な態度で稽古に臨んでくれているので、これには本当に救われている。
 若い役者さんはもちろん、私より先輩である役者さんもきちんと話を聞いてくださるし。

 だから順番にニックネームをつけ、失礼な冗談も織り交ぜながら、いつものペースで稽古させてもらっている。
 毎日誰かが稽古見学に訪れるので張り切る。
 私はどんな状態だろうが、人前だと元気になれてしまうしね。

 ✴︎ ✴︎ ✴︎
 
 ただ……毎日、帰って来てからは大変だ。
 一時間以上全く動けなくなる。
 例えではなく、スイッチが切れたように本当にじっとしているみたいだ。
 外から眺めたら静止画のようになっていると思う。
 デッサンモデルになりたいくらいだ。動かないから描きやすいと思う。
 
 一時間くらい経ってから、やっと着替えて顔を洗ったりするけれど、今度は思考の時間に入ってしまう。
 テレビからワールドカップが流れる中、闇の中をさまよう。

 人の相談にはあんなに乗れるのに、自分のことだけはどうにもならない。

 今、社会はとんでもないことになりつつある。
 こんな大変な時に、私は自分のことを考えて、一体、何をしてるんだろ?
 
 ……毎日、気がつくと朝になっている。
 
 努力して2時間くらい眠ってから、稽古まで仕事をする。
 必死で出かけ、稽古場に着く前にスイッチを入れ、そこから5時間はフル回転。
 で、帰ってきて再びデッサンモデルのようになって……。

 このまま行ったらおかしな悟りでも開いてしまいそうだ。
 
 今日はワールドカップの試合がなかったので、この生活サイクルを断ち切ろうと思い、机に座ってこれを書いている。

 考えるしかないんだろうね。

 ……これまでも色んなことがあったけど、なんとかなってきた。
 だいたい、私はどんな問題や障害も、具体的なものはあまり苦にならない。
 解決すればいいだけだからだ。

 高くて絶対に登れないと思っていた壁は、後になって振り返れば大変なものではなかったと気づくことがほとんどだったし。
 
 ただ、生きていくのは選択の連続だ。

 目の前に二つの石があって、どちらかを手にすれば、どちらかは消える。
 そしてどちらを取っても、いいことばかりではない。

 両方をぼんやり置いておきたいと思うんだけど、不思議なことに、時間が来ると二つとも消えてしまう。
 そうやって両方失ったこともあったし、慌てて間違った方を手にしたこともあった。
 
 また、光る石を手にしたつもりが、すぐに輝きを失ってしまって驚いたこともある。
 選ばなかった方の石がいつまでも光っているのを遠くから眺めて後悔した。

 生活の中で全てがクリーンな状態で、全く傷を追わずに生きるなんてことは無理だと知っている。皆、どこかしこに、小さな、時には大きな悩みや問題を抱えつつ、それでも笑ったりして過ごしているだけだ。
 
 できることなら、スマホのゲームに熱中したり、絵を描いたり、革細工を一生懸命したり、それくらいの状態ではいたいね。
 
 
posted by 土田英生 at 04:42| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

「青い鳥たち、カゴから」稽古

 昨日は自分の中の暗いごちゃごちゃばかりを書いたので、今日は頑張って演劇のことを書く。
 今やっている「青い鳥たち、カゴから」の稽古についてだ。
 
 文章を書いていると、私は少しだけ落ち着くのだ。

 テアトル・エコーの役者さんと一緒に仕事をさせてもらうのは初めてなので、今はまだ読み合わせばかりしている。
 共通の文法をつくる為のすり合わせ作業。
 これをいい加減にやってしまうと、この先、共に創っている実感が持てなくなってしまうからだ。

 21歳から私より年上の役者さんまで幅広いけど、それは全く気にせず、フラットにやらせてもらっている。それぞれの癖を探り、合う方法を考える。嬉しいことに、皆、とても協力的に取り組んでくれている。

 昨日、ある役者さんに伝えたのは、「一回だけでいいから演出から言われた通りにやってみて」ということだった。

 役者は台本を読み、自分なりに内側で考えて演技をする。
 演出は外から眺めて考え、ダメ出しをする。
 最初、それは必ずと言っていい程ズレる。

 余裕のない役者さんは拒絶する。
 自分の考えていることと違うから「それは無理です」と言ったりする。こうなると、演出がダメ出しを諦めるか、もしくは高圧的に命令するしかなくなる。
 どっちにしてもいい結果は出ない。

 大事なのは結果だ。
 最終的に舞台でどう見えるかだ。
 役者が感じていることと、演出が外から見て判断したものが一致した時には最良の結果が出る。
 そういう幸福は時々しかないけど、日々、それを目指すしかない。
 
 その為にも一回は試してもらわないといけないのだ。
 役者さんの中で新しい発見があることもあれば、逆に演出が間違っていたと判明することもある。
 その繰り返しの中で、双方が満足し、一致した見解が生まれて行く。
 
 純粋に稽古のことを書いているつもりだが、結局、昨日書いていたことと重なって来た気がするのでこれ以上はやめよう。
 変なループに入るしね。
posted by 土田英生 at 04:16| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月01日

言い訳

 遅ればせながら『崖っぷちホテル!』が終わった。
 昨年の秋くらいから書き始め、途中、MONO特別企画『怠惰なマネキン』、MONO本公演『隣の芝生も』と重なりながらの執筆だった。
 自分の中では忸怩たる思いももちろん残り、様々な人たちに助けられながらだったけど、全10話終了してホッとしている。



 今は喜劇の老舗劇団であるテアトル・エコーへの書き下ろし新作『青い鳥たち、カゴから』の稽古をしている。
 
 役者さんもスタッフも、とても人間的に素直な人が多く、そういう意味でストレスフリーなので助かっている。
 稽古のあと、毎日、稽古場の片隅にミニバーのような席が設けられる。
 好きに帰って行く人、ちょっとだけ芝居の話をして行く人など様々だ。
 
 本来なら私はすぐに帰るべきなのだが、これにとても救われている。

 浮き沈みの激しい私だが、現在はどう考えても沈んでいる時期で、一人になるとやや辛いのだ。だから助かっている。

 ✴︎ ✴︎ ✴︎
 
 ここ数年の間に……20代の頃から『私が得意としてきたパターン』を手放してしまったんだと思う。

 「しまった」と書いたけれど、意識的に戻らないように頑張っている。
 戻れば一時的には楽になるだろうけど、もうそれは嫌なのだ。

 ……私はずっと他人からどう見られるかばかりを考える性格だった。いや、今だってそうだけれど、前は本当にそれのみが基準だった。

 作品を書いても評価が気になり、自分のポジションが気になり、他人の仕事が気になった。それで踏ん張れた側面もあると思っているけど、それでは最終的にどこにもいけないと悟った。

 私生活でも、辛い時には上手に他人に甘え、頼るだけ頼った挙句、自分が元気になるとその人を顧みなくなるような勝手なところがあったと思う。それで多くの人を傷つけたし、恨みも買った。
 
 私は小学校二年生で妹ができるまでは完全に一人っ子で、親からとても甘やかされて育った。
 困った時は、辛い顔をすればどんな時でも親が助けてくれた。

 その過程で自分のパターンを形成したんだと思う。

 ややフロイト的になってしまうけど、小さい頃の親との関係によって、人の生き方は大きく左右される。

 版画の原板ように人との付き合い方のパターンが作られて大人になる。
 成長した後も人は同じ版画を刷り続ける。
 自分の意志で変えたつもりでも、インクの色を変える程度で、実際に出来あがる版画は全く変わらなかったりする。

 だから人間関係でも、恋愛なども、基本的に似たようなことばかりが起こるのだ。
 けれど、本人にとっては親から作られた版画が世界が全てなので、どんなに考えても原因がわからない。
 これは下手をすると一生繰り返すことになる。
 だから負の連鎖にはまった人はなかなか抜けられないのだ。
 そこから抜けるには、原板を見つめ直し、今までと違ったことに挑戦するしかない。

 逆にうまく行く人はいい版画の原板を持っていたりするんだよね。
 
 私のパターンは、どんな場面でも人に頼るというものだった。
 親との関係の中で、甘える方法を会得しているので、それを簡単に駆使できた。

 だからこそ、さっき書いたように、何かあると他人の気を引いて楽になり、鬱陶しくなると他人を遠ざけるパターンを繰り返してきた。一見すると、自分にとっては都合のいいパターンだ。
 しかし、評価ばかりが気になることや、恋愛などでやたら気が多かったことも、全部根っこでつながっていると知った。

 私の作ってきたパターンでは、本当の安息は得られないと悟った。

 だからなのか、それを手放そうとしている。
 穏やかで、しかし前向きにこれからを歩く為に、私はこれまでと違った進み方をしたい。

 誤魔化せないので今は辛かったりするが、最終的にはこっちの方がいいと信じている。

 ま、簡単ではないけど。


 そんなことを考えながら……今日は渋谷から歩いて帰ってきた。
 今日のことはずっと覚えてると思う。

 歩いた記憶というものは、道の景色と共に不思議と残っている。

 今日のように一人で歩いた道も、人と楽しく喋りながら歩いた道も。


 道にはまだまだ先があると思いたい。
posted by 土田英生 at 05:01| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする