表紙に戻る
MONO代表・土田英生のブログです

2017年07月29日

きゅうりの花、初日。

 「きゅうりの花」の初日が終わった。
 本当は今日も昼に通し稽古をしてから、本番を迎えるつもりだったが、すでに合計で13回も通しているので、今日は小返し(シーンの稽古)に切り替えた。
 演出助手のイーリーこと入倉さんが細かくチェックしてくれているので安心して稽古ができる。
 で、まあ、それなりに初日の緊張感を持って……なんとか無事に終わった。
 もちろんミスはたくさんあったし、まだまだ改善できることは山ほどあるけれど、逆に初日ならではの良さもあった。
 写真は開演前。
 配られたパンフレットに目を通す加藤啓、諏訪雅、神田聖司。
 
IMG_6745.jpg


 終演後、ロビーで乾杯をしてから帰った。
 そして帰り道は諏訪君と二人だった。

 ……突然だが、諏訪君はずっとダイエットをしている。
 低糖質ダイエットだ。
 そしてどうやら私はすっかり影響を受けてしまった。そして昨日から突然はじめてみた。
 私にとって諏訪雅は先生だ。
 差し入れなどのお菓子も、いちいち先生に聞いてから食べることにしている。

 で、今日の帰り。
 二人で下北沢で降りた。
 どちらからともなく、もう少し飲みたいねという話になって……二人で焼肉に行った。
 もちろん先生に聞きながら食べた。

IMG_6747.jpg


 そういえば、昔、諏訪君がMONOに出てくれた時、一緒に断食もした。
 あの時は、断食明けに諏訪君と二人で食べ過ぎてダイエットに失敗した。
 だから今回はかなりしつこく先生に質問をした。
 先生は言う。

「肉は大丈夫です」

 しかし……気になったのは途中で彼が放った一言だ。

「ま、今日は初日だし、いいんじゃないですか、食べても」
 
 どういうことだろう?
 もしかしたらまた失敗しているのかも知れない。

 ……ま、そんなこんなでとにかく初日が終わった。
 東京では6日までやっているので是非。

 →◉特設サイト
posted by 土田英生 at 02:05| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月26日

28日から!

 28日から「きゅうりの花」が始まる。

 24日が最後の稽古だった。
 通し稽古を2回やり終えると、スタッフの皆が稽古場に組まれていた仮セットを壊して行く。
 
IMG_6734.jpg


 壁に貼ってあった衣装デザイン。
 スタッフには本当に頭が下がる。

 この作品の初演は1998年。
 それまでMONOは関西でのみ公演をしていた。しかし、この時、利賀のフェスティバルに呼んでもらい、大阪と利賀村の2箇所で上演した。利賀の工房をそのまま使って上演したので、大阪公演の時は、今はなき扇町ミュージアムスクエアに利賀の工房を再現した。そういえば、金替君がMONOのメンバーになったのもこの公演からだね。

 評判が良かったので2002年に再演。東京、大阪、名古屋、宮崎の4箇所で公演をした。この頃は劇団にも勢いがあり、東京ではお客さんが入りきらず、本番が始まってから追加公演を決めたりした。SNSもなかったのに、どうやってお客さんは追加公演に集まってくれてたんだろうね。
 
 あれから15年経ち、今回、土田英生セレクションとして上演することになった。
 当時、新しいと思ったことも、今ではなんでもないことだったりする。
 だからとにかく、記憶を消し、今回集まったメンバーだけを見ながら演出の仕方を探った。

 けれど、人って考えることはあまり変わらないんだね。
 新しく思いついてアイデアを出しても、制作からは「15年前も同じことしてましたよ」と言われたりする。
 しかもだ。
 役者さんたちも、具体的にこうしてくれと言ってなくても、やっぱり収まるべきところに収まってくる。だから途中からは何も意識せずに、ただ作品に向かおうと思って稽古した。

 けれどそれでも最初は正直言ってかなり困った。
 演出のとっかかりが見つからない。
 昔の作品なので、私自身もどういうつもりで書いたのかは明確に覚えていないのだ。だから他人の作品のつもりで、メッセージを読み取ろうとした……けど、やっぱりわからないのだ。

 だから、前半は役者さんたちの交通整理しかできなかった。
 すると段々わかってきた。
 「きゅうりの花」は人の有様を眺める作品なのだ。何を訴えるとかではなく、過疎の町に暮らす7人の有様をそのまま見せればいいのだ。これと比べると、どうも最近の作品はメッセージがはっきりし過ぎてるのかも知れないねえ。

 だからこそ、役者さんたちが乗ってやってくれることが何より重要だ。

IMG_6653.jpg

 
 今日は劇場に舞台のチェックだけしに行った。
 舞台は出来上がっていた。

IMG_6742.jpg

 
 明日は場当たりと稽古。
 まだ、本番までに2日あるのだ。
 頑張ろ。

 皆様、劇場でお待ちしております!
 公演サイト→
 直前予約もここでできます。→
 前売りは3800円。学生さんは2000円、高校生までは1000円です。

 「きゅうりの花」告知動画→
posted by 土田英生 at 01:32| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

どうか舞台だけは。

 「きゅうりの花」の稽古も残り2日。
 MONO版とは違った面白さも出て来た。
 このまま本番をむかえても大丈夫だと思うけど、もうひとスパイスを入れたいと思って悩み中。
 このセレクションで公演した作品は、自分で演出するのは最後だと決めている。
 だから「─初恋」も「燕のいる駅」も「算段兄弟」も……そして、この「きゅうりの花」とも私は演出としてはお別れになる。そう思うと色々と欲が出てしまうのだ。
 
 けどねえ、役者の皆が本当にいいんだよね。
 加藤啓君もこれまで見たことのない感じだし、あんなに喋り倒している諏訪君も初めてな気がする。
 内田さんも最近はこういう芝居はしていないだろうし、千葉さんも今回はコメディエンヌというよりは艶のある演技を見せてくれている。
 金替君は安定感抜群だし、新人の神田君は……ホントに凄い成長振りだ。
 
 稽古と反比例するように、私の日常はなにかとうまくいかない。
 大きなものから小さなものまで、各種様々な悩みも抱えている。
 けれど、とにかく今は舞台さえうまく行ってくれればいいという気持ちだ。
 皆様、ぜひ、劇場へお越し下さいませー!
 →公演サイト

 人は結構たくましい。
 私も色々と悩んでいると言いながら、それでも楽しく稽古をしている。
 まあ、小さなことはたくさんあるけどね。

 今日は稽古の後、皆で飲みに行った。芝居の話をして楽しく過ごした。
 そして店を出て……諏訪君と二人でダーツバーに行った。
 明日も稽古があるので1ゲームだけやろうという話になっていた。
 勝った方がそこの店のお勘定を払うという約束をしてゲーム開始。
 得点が多い方が勝ちというゲームを選んだ。

 私は序盤調子が良かった。諏訪君は乱れている。
 しかし段々と差が詰まった。
 あ、ちなみに私も諏訪君もほとんど素人だ。

 そして……勝負はついた。
 私が302点、諏訪君が301点。
 一点差だが私の勝ちだ。

 しかし、私は言ってしまった。
「もう一回勝負するか?」

 当然、諏訪君も乗ってくる。そして次は501というゲームをやった。
 これは順番に投げて行き、入った得点が501から引かれて行く。で、ゼロになった方が勝ちだ。
 大差で負けた。
 一対一ということで、もう一回やることになった。
 ……また負けた。

 私は店の勘定を払った。そして駅に行ったら終電が出ていた。井の頭線は終電が早いのだ。

 ああ、あの一ゲームだけで終わっていたら……。
 私が勝って終電にも間に合ったのに。
 絶対にリベンジしてやる。

 稽古前にもモヤモヤした。
 立ち食いのそば屋さんに入った。腹ごしらえをして稽古に臨もうと思ったのだ。
 食券の券売機に並び、かき揚げそばとトッピングの玉子のボタンを押した。
 しかし……玉子のチケットを取るのを忘れてしまった。
 「あ」と思い振り返った時には、すでに長い列が出来ていた。

 私は玉子を諦め、かき揚げそばだけ受け取ってテーブルに座った。

 と、私の後ろに並んでいた人がカウンターで注文をしていた。
 店員さんの声が聞こえる。

「鴨つけそば、トッピングの玉子入ります!」

 ……疑ってはいけない。
 しかし、私はそのサラリーマンが気になって仕方なかった。
 あの玉子は私がごちそうした玉子かも知れないのだ。

 こうして書いてみると……毎日楽しそうだな、私は。
 
 とにかく今は「きゅうりの花」。
 いい舞台にしよう、ホント。

IMG_0101.jpg
posted by 土田英生 at 02:56| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

稽古は順調

 随分と更新を怠けた。

 「きゅうりの花」の稽古は着々と進んでいる。
 毎日三鷹に通っている。

IMG_6616.jpg


 芝居が本当にいい感じになってきた。すると宣伝したくなる。なので久しぶりに書こうと思った。
 ……なんだこれ?
 「着物をもらった。これは夏に着るものであろう。夏まで生きてみようと思った」みたいな感じだ。
 正確じゃないけど、太宰治の小説にこんなのあったよね。
 
 とにかく稽古はいい感じになって来た。

 私の創る芝居は、どうも役者さんを不自由にさせる。
 そのことは前々から分かっていたことだ。

 役者さんは誰だって自由に伸び伸び演技したいんだと思う。
 けれど、私が書く台詞はあるリズムを共有することで成り立つようにできている。意図的ではないけど、そういう風にしか書けないのだ。

 だから、面白くする為には全員でリズムを作らないといけない。
 当然、制限がかかる。不自由になる。
 一人でもそこで自由自在に演技してしまうと壊れてしまうのだ。
 これは自分の台本の弱点だとも思っている。
 
 MONOでやるときはその文法を皆が共有しているので問題はない。
 しかし、プロデュース公演などをすると、どうしてもそのすり合わせに時間がかかる。
 いくら素晴らしい役者さんたちが揃っても、シーンが成立しなかったりすることがある。

 で、とにかく最初はリズムを揃えることを求めた。
 それが出来上がってから、役者個々の魅力を引き出そうと思ったのだ。
 なので無理を承知で、形を作ることを急いだ。
 
 今回のメンバーはそれに付き合ってくれた。
 と……一昨日くらいから突然芝居が動き出した。
 リズムが出来てきただけではなく、個々の役者も光り出した。

 今日の通し稽古も良かった。

 神田くんはほぼ初舞台なので新鮮なのは当たり前だけど、諏訪雅くんも加藤啓くんも千葉雅子さんも内田淳子さんも……普段の演技と少し違って見える。
 まあ、金替と私は……どうしても新鮮さには欠けるけど、それは仕方ない。

 とにかく今、ここまで行けてたら大丈夫だ。
 あとは精度を高めながら、新しい工夫を入れて行こう。
 幸いにも全部で10回以上通し稽古ができる。
 15年ぶりに上演する「きゅうりの花」だが、うん、いい作品になると思う。
 
 みなさん、お待ちしています、心から。

 「きゅうりの花」特設サイト

IMG_0101.jpg


 あ、明日(19日)はトークイベントもします!
 こじんまりした会場(お店)で、のんびりとトークする予定ですので、お時間のある方はぜひ。
 フラッと来てくださっても大丈夫だと思います。諏訪くんと私で喋りますが、もしかしたら他の出演者も顔を出してくれるかも知れません。
 
 詳細はコチラから!

 やっぱり稽古が楽しいと自分自身も落ち着いてくるね。
 
 TwitterやFaceBookなどをスマホから抜いていた。
 少しだけネット上の社会生活に疲れを感じていたからだ。
 けれど、やっぱり不便だね。
 頑張って発信していかないとね。
posted by 土田英生 at 03:19| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月28日

捨てたり大事にしたり

 「きゅうりの花」の稽古が始まった。
 すでに2日目が終わった。
 初日は一度だけ通して読んで終わり。
 今日は1場と2場の本読み。
 私は普段、あまり本読みをじっくりやらない。台本を持ったままでも、すぐに動いてもらって形を作って行く方が好きだ。
 しかし、この戯曲はMONOで2回上演している。だからなんとなく形が頭の中に残ってしまっている。
 とにかくその印象から離れようと思い、本読みをしながら新しいイメージを膨らませている。
 舞台美術もちょっとしたことを変えてもらった。出入り口の位置とか。
 前と同じように創れないようにして、今回ならではの「きゅうりの花」を目指している。

 チケットは絶賛発売中ですー!
 サイトはこちらから。→
 
 京都で引きこもっていたが、先週末広島に向かった。
 毎年やらせてもらっているアステールプラザの演劇学校の講師をやる為だ。
 普段は15時に入り、16時から開始なのだが、この日は朝早くに新幹線に乗った。
 グンジョーブタイという劇団が、私の戯曲「相対的浮世絵」を上演していて、この日は11時開演の回があると分かったので観に行ったのだ。深海くんという役者さんがいて……座長なのかな……とにかく彼がやっている劇団だ。この劇団は旗揚げ公演も私の「燕のいる駅」だった。
 上演するのは難しい戯曲だと思うけど、よく出来ていて面白かった。急遽決まって、終演後のトークにも出してもらった。

 で、そこから二日間のワークショップ。
 終わってから松山の劇団unit out 「食卓心中」の広島公演を観た。作家である玉井さんは私の戯曲講座に来てくれたこともあったので観られて嬉しかった。

 最終の新幹線で東京へ移動。翌日から「きゅうりの花」の稽古だったのだ。
 品川駅に着く直前で箱庭円舞曲の古川くんと会った。同じ車両に乗っていたらしい。

 で……。
 下北沢の事務所に着き、スケジュールの確認をしようとしたら……スケジュール帳がない。
 どこを探してもない。
 お手製の革カバーがしてあり、さらにはお気に入りのペンが挿してあるはずのものだ。
 まあいいか……。
 いやいやいや。
 スケジュール帳もちょっと困るけど、あのペンは……なくなると困る。とても気に入っているものなのだ。
 プラチナのファンクションペンで銀の同軸。
 そんなに高価なものではないけど、一目惚れして買ったものだ。

 しばらく考えていると……ふと、私の脳裏には映像が浮かんだ。
 新幹線の座席についている網。
 その中に入っている手帳とペン。
 そうだ。あそこに入れていた。
 ということは……忘れてきたらしい。

 私はこういう時、すぐに諦める質だ。
 だから「もういいや」とも思ったが、こういうところから変えて行こうと考え直し、とりあえずJR東海のメールフォームから忘れ物届を出した。

 今日、18時に稽古が終わってから私はダッシュした。三鷹から下北沢まで30分で移動しようという作戦だった。18時半からMONO特別企画のワークショップをやることになっていた。
 公演は11月にやる予定で、とてもこじんまりした企画だ。けれど、こういうものこそ、きちんとやって行かないと自分自身が先細って行ってしまう。だから色々と試して行く必要がある。本来の意味でのワークショップだ。

 あ、サイトはこちらです。→

 三鷹駅のホームに着いた。
 空になったペットボトルとライターをなぜか握りしめていた。
 電車が入って来る。
 私はホームにあるゴミ箱にペットボトルを捨てた。
 ゴン。
 音がした。
 手をみると何もない。どうやらライターも一緒に投げ込んでしまったようだ。
 ロンドンで買ったジッポーのライター。
 なのでさすがに手を突っ込んで探した。
 ペットボトルを捨てるところの穴は小さい。そこに腕を入れてゴソゴソする。
 通り過ぎる女子高生たちが怪訝そうな表情で私を見ている。
 けれど構っていられない。
 電車は行ってしまった。そしてまだライターは見つからない。
 次の電車が入ってきた。
 ここにライターを捨てたら、それはそれでダメだしねえ。だからなんとかしようと必死だった。
 けれど、このままだとワークショップには遅刻してしまう。
 列車の発車を告げるアナウンス。
 ワークショップを取るのか、ジッポーを取るのか。
 ……ワークシップを取った。しかし遅刻した。
 
 ワークショップが終わってメールを見ると、JR東海からそれらしきものが見つかったという返信が来ていた。どうやら手帳とペンはあるようだ。
 明日、取りに行こう。
 
 捨てたり大事にしたり。
 忙しいね。
posted by 土田英生 at 03:51| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月19日

まもなく稽古開始

 「きゅうりの花」の稽古がまもなく始まる。
 やっと台本の改訂も終わった。
 キューカンバー(MONO)のサイトにも情報が出ているが、こっちの方が詳しいので、今はこのリンクを貼らせてもらおう。

 →エントレの記事
 
 もうすぐ公演用のサイトなどもできるそうなので、そうしたらまたここで書かせてもらいますー。
 一般前売りも始まるし、関西では記者発表もさせてもらう。
  
IMG_0101.jpg
 

 そして11月には若い俳優たちとMONO特別企画をすることも決まった。
 タイトルは「怠惰なマネキン」。
 この企画は来年のMONOの本公演と自分の中ではリンクしていて、いや、まだそれはいいか。
 今はまだTwitterしかないのでそれを貼っておきます。

 →MONO特別企画vol.6アカウント
 
 私は一人の時は、まるで潜水艦のように静かに海の底を漂うことになっている。
 単純に言えば沈む。
 ここ二ヶ月はまさにそうだった。
 昨年秋からあんなに忙しかったのにMONO「ハテノウタ」が終わって急に暇になったせいだと思う。それに加えて今の日本の状況に対する暗澹たる気分が重なり、さらには個人的な生活の変化があったことで……もうもう不安の塊だった。
 不安の塊は重い。
 まったく浮上する気配がない。
 もっと軽くならなければ。
 状況が変わらなくても、気分だけでもなんとかしないとと思った。
 海の底にばかりいたくない。
 光が見たい。
 よし。だったら軽くなろう。

 まず、iPhoneからSNS系のアプリを全部抜いた。
 これは友達から勧めてもらった。
 パソコンでは見られるので問題ない。電車に乗っている時などもいつも見てしまっていた。
 入っていたゲームもかなり削除したので、暇な時は代わりに本を読むことにした。昔はそうだったしね。

 これだけでずいぶんと楽になった。
 押し寄せてくる人々の感情や、様々な情報から隔離されるだけでこんなに気分が変わるとは思っていなかった。
 
 次に環境を変えようと思った。
 私はインテリアなどが好きだ。
 けど、今はそんなに大掛かりなことはできない。
 なのでドアの色を変えようと思った。

 ペンキを買いに行った。
 そのホームセンターは私が昔住んでいたアパートの近くにある。
 なので買い物が終わってから、ブラブラとそのアパートを見に行った。
 まだあった。
 ほとんど変わっていない。
 「おおおおおお……」
 眺めながら小さな声が出てしまった。

 21歳から29歳までそこに住んでいた。
 劇団を作った時、ここを事務所にしていたなあと思った。
 外から電話がかかってきて「代表の土田さんはいらっしゃいますか?」と聞かれ、「少々お待ちください」と言ってしまったことを思い出した。しばらくして「お待たせしました」と低い声を出してみたものの、向こうは微妙な感じだった。バレてたんだろうね。
 
 それにしても……本当、当時のままだ。
 写真を撮りたかったけど、私のiPhoneはカメラが壊れている。
 インカメラだけは時々動くのだが、気まぐれにしか写らない。
 やってみたけどやっぱりダメだった。

 テンションが上がった私は隣の駅まで歩いた。
 そこには昔、犬飼君が住んでいたマンションがあった。
 よくファミスタをする為に遊びに行ったねえ。いや、遊びに行ったというより、入り浸ってたね。
 私も水沼君も。
 
 そのマンションもまだあった。
 写真を……けどiPhoneは……。
 すると、なぜかインカメラが反応した。

IMG_0121.jpg

 
 撮れた。
 私は入る必要なかったのだが、インカメラにしてしまうとどうも自分を向けてしまうようだ。
 自分抜きでもう一枚撮ろうと思ったら、またカメラが動かなくなった。

 近所をぶらぶらした。
 なんか……なんか……懐かしくて。
 よく通った定食屋さんに入ってご飯を食べた。
 気分が高揚したのか、リュックにペンキを入れたまま、歩いて帰ることにした。
 
 桂川に出る。
 と……夕日が川面に反射し、とてもきれいだった。
 写真は無理だし。
 けど、一応、試してみよう。

IMG_0124.jpg


 撮れた。
 今度は最初から自分を入れずに撮った。
 しばらく河原に座ってぼうっとした。
 不思議なことに元気が出てきた。

 家に帰って、仕事をして、夜中にドアを塗った。
 終わったら朝になっていたが、私はずいぶんと海面近くにまで浮上したと思う。
 
 
P1030160.jpg

 
 週末は広島に行き、来週から「きゅうりの花」の稽古開始だ。
posted by 土田英生 at 04:02| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月10日

寝よう

 朝になったというのに眠れないので書いている。
 
 先月の25日に東京に移動してきて、また今日、舞台を1本観てから京都に戻るつもりなのだが、全くいろんなことが進んでいない。
 本当は書かなければいけないものもあるのに。
 なにより「きゅうりの花」の台本の改訂を急がないといけない。

 プライベートなことなので詳細を書くのを控えるけど、個人的な問題に区切りをつけたことで、新たな問題も浮上してきたりして……まあ、静かに大騒ぎという感じだ。人には「最近は引きこもってまして」と話したりしているのだが、それでも色々と舞台を観ていた。

 浦島りんこさんのライブ、木ノ下歌舞伎「東海道四谷怪談ー通し上演」、匿名劇壇「レモンキャンディ」、iaku「粛々と運針」、マームとジプシー・ひび「ひびの、ひび/3×3=6月。9月じゃなくて」、新感線「髑髏城の七人」、そして今日はFUKAIPRODUCE羽衣「愛死に」を観る。
 観たかったものはたくさんあったけど無理だった。イキウメ「天の敵」とか岩松さんの「少女のミウ」、いや、またまだ他にもあったけど……小説のトークイベントや劇作家協会の月一リーディングのゲストなどもやったし、秋にやる予定の芝居のミーティングなどもしていたし、友達ともたくさん会う約束もあったし。
 
 しかし、人の芝居を観ている場合ではない気がするな。
 他人の舞台などを観ていると色々とアイデアも浮かぶし、人の相談に乗っていると「こうしたら?」などと意見も言えるんだけど、頭の片隅で「お前はどうなんだ」という声がずっと聞こえているんだよねえ。
 いや、実は随分と前から気づいていたんだよね。
 自分の欠点というか、足りないものに。
 だけど目先の仕事などにかまけて見ないようにしていたのだと思う。
 しかし、逃げられないなという気がしてきた。

 この前、ケラさんとサシ飲みをする機会があった。
 先輩とゆっくり喋る機会はなかなかないので、色々と質問をした。

 それからもずっと考えている。
 こんな社会の中で、なにを創っていきたいと私は思っているのか。
 いや、そもそも創作のモチベーションをどこに置いているのかとか、果たして私はこのまま作品を創っていけるのかとか、一度、そのことも含めて見直した方がいいんじゃないかとか……。

 やりたいことは思いつくんだけど、それに自分の実力がついて行ってない気がするんだよね。
 ロマンチックな思いに酔っている場合じゃないけど、これまで持っていると信じていた何かが、気づいたら見当たらなかったような気分だ。
 本当にこのまま書いてていいのだろうか、と考えちゃうんだよね。
 「きゅうりの花」を書き直しが途中でちょっと止まっているのも、それが原因だ。
 昔、上演した時は評判もよかった。劇団の代表作だと言われたりもした。
 けど、その時の記憶だけでは作品は創れない。
 中途半端なことはしたくないし。

 いや、まずだ。
 何より、自信を取り戻さないといけない。
 もしも……いや、やめよう。
 考えるだけでぞっとするし。寝よう。
posted by 土田英生 at 06:10| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月08日

きゅうりの花

 また更新が滞ってしまった。
 しかし告知だけはしなければいけないね。

 間もなく稽古が始まる土田英生セレクションvol.4「きゅうりの花」。
 チケット発売ももうすぐです。
 みなさんよろしくお願いします。
 また、詳細は書きますが、とりあえず7/28〜8/6が東京、8/11〜13が大阪です。
 
IMG_0101.jpg
posted by 土田英生 at 06:22| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月23日

もう終わりだという気分

 私はエンターテイメントを創りたいし、これまでだってそうしてきたつもりでいる。
 当然ながら私自身の考えなども作品の中には入ったりしているだろうが、基本的には人の愚かさや哀しみ、楽しさを笑いを交えて描いているつもりだ。
 自分の創る芝居を観てくれた人には“人の有様”を感じてもらえればいい。
 
 本当のことを言えば、今はとんでもなくバカバカしいことを描きたい。
 人の卑小さを大笑いできるような、そんなくだらないものを書きたい。
 けれど……社会がここまで歪んでくると、創作のバランスを取ることすら難しくなってくる。正直言って心が折れそうになる。

 このブログだってそうだ。
 本来は日常の中で起きた面白いことをつらつらと書きたいから続けているのだ。
 実際、なんども書きかけた。
 そして途中でやめた。ニュースを見てそんな気分でなくなってしまうからだ。
 だから一ヶ月も空いてしまった。
 
 ……もうこの世の終わりだという気分になる。
 それほどこの国はおかしなことになってきてしまった。
 言葉の価値や基準も崩れ、もう何が正しいのかは問題ではないようだ。

 政権支持率が落ちないのが不思議だと皆はいう。
 閣僚の不祥事やおかしな答弁、首相自身の解明されていないスキャンダル、これだけのことがあれば、これまでなら大騒ぎになり支持率はとっくに落ちていたはずだからだ。

 しかし、そうはならない。
 これは多くの人が……今の政権の方向と自分自身を一体化させているからだと思う。
 もう内面化しちゃってるんだよね。

 社会が完全に閉じて興奮状態になっている。
 だからスキャンダルの事実がどうなのかよりも、問題にならずに済めばいいという感情なんだと思う。
 加計学園や森友学園のことに関して「説明責任を果たしていない」と思っている人が世論調査では多数を占めているのにさほど盛り上がらないのはそういうことだ。

 指摘されていることが虚偽なのであれば、それをきちんと証明すればいいだけなのにね。
 もし事実であれば責任を取る。
 本当は簡単なことだ。
 それをすることなく、なんとなく済ませられそうな感じになっているのは、「そんなこといいから、このまま行ってしまえ」と皆が容認しているからだ。
 事実なんてどうでもいいのだ。
 興奮に水を差すなという感じなのだと思う。

 この「空気」こそが最も私を憂鬱にさせる。

 興奮している人には何も伝わらない。
 そこには冷静な判断などない。
 自分たちを盛り上げてくれる意見に対しては喝采を送り、反対意見を言う人に対しては感情的に攻撃する。
 興奮している人たちは声が大きいしねえ。
 すると大多数の、いわゆる「サイレントマジョリティー」はさらに口をつぐむ。
 変に目立って攻撃されたくないしね。
 マスコミだって直接的な政府の圧力がどうこう以前に、そうした空気を敏感に察知して静かになって行くのだ。報道されなくなれば、興味のない人たちは問題意識を持たない。
 こうして、社会の中には、興奮状態の人たちの声ばかりが聞こえることになる。

 共謀罪はそれ自体がとんでもない法案だが、私が最も怖いのは、この空気の中で、そんな法案が通ったら、本当に歯止めがきかなくなることだ。

 気に入らない意見を言う人に対して、誰かが犯罪の可能性を密告する。
 嫌がらせでもなんでもいいのだ。
 と、警察や検察が動く。
 その人に罪がなかったとしても、例えば取り調べを受けるだけで人は凹む。
 と、よっぽど度胸のある人しか、物事を言わなくなる。
 なるべく静かにしていようとする。
 直接、国から圧力をかけなくても、人々はお互いに監視し合っておとなしくなる。
 
 本当、この法案が通ってしまったら……ああ、怖い。
 これはダメだ。

 太平洋戦争の時だって、最初から皆が黙っていた訳でなない。
 段階を踏んでとんでもなくなって行ったのだ。
 官憲に拷問されたり、思想弾圧されたりもした事実を引き合いに出すと、「今はそんなこと起きるはずない」と言われたりする。
 けれど、そうした局面にまで到達する前は、つまり最初は「なんとなく容認する空気」があっただけだ。
 その空気に後押しされてああなって行ったのだ。

 この空気を生み出している要因はなんなんだろうね。
 きっと、今、みんな個人に自信がないんだよね。
 自分自身の回復を「日本はすごい」みたいなことに託そうとしている。
 テレビだってそういう番組ばっかりだし。
 そういう下地の上に、今の流れが出来てしまっている。
 今、「日本のここがダメだ」という番組をやったら、すぐに終わるだろうね。
 昔は結構あったのに。
 社会に余裕があったんだよね。
 それくらいでいいのに。
  
 当たり前のことだけど、「日本」という国は、国民主権なので私たち個人がまず最初にある。
 その個々が集まった総体が国であって、皆で話し合って決めて行くのが民主主義だ。
 誰かに支配されている訳じゃない。
 だから文句を言っても、それは自分たちに対して言っている訳であって、それは反日でもなんでもない。
 当たり前のことだ。
 もちろんこれまでの歴史や文化はある。それを受け継いで大事にして行くのはいい。
 けど、今、現在、ここに暮らす私たちが生き生きすることが一番肝要なのだ。
 だから皆が好きなことを言える環境であって欲しいと願う。

 演劇になんか社会を変える力はない。
 けれど、演劇を含めた表現というものは、まあ、簡単に言ってしまえば天邪鬼な存在にならざるを得ない。 
 「道化」なのだ。
 権力を茶化したり、それを笑ってもらったりする。

 このままだとどんどんダメになって行くよねえ……。

 こうした「空気」って、動き出すともうどうしようもないのかなあ。

 演劇の現場でもそうだよね。
 時にはとんでもない演出家もいる。
 役者に暴言を吐いたりして威圧するやつ。
 私が大嫌いなタイプだ。
 役者やスタッフが彼について「変だよね」と言い合っている間はまだいい。
 けど、あまりに怖いと、なるべく怒鳴られないようにという方向に動き出す人たちが出てくる。
 すると真っ当な文句を言う人が「そんなこと言っちゃダメだよ」と周りから怒られたりする。
 と、どんどん現場はその体制になっていく。
 
 独裁国家だって、独裁者個人だけの問題じゃない。
 周りがその体制を作って行く。
 
 だいたい、私たちは民主主義の国に暮らしているのだ。

 こんなこと書きたいんじゃないんだよね。
 私自身、個人的な問題で今はかなり大変なのに。

 今は京都にいる。
 前回も京都にいたけど、あれから東京にいて、やっと戻ってきた。
 と言いながら、またすぐに東京だけど。

 少しでも楽しいことをしようと、リビングのコーヒーテーブルを自作した。
 ちょうどいい大きさの物が欲しいと思って探していたのだが、見つけたものがとても高額だったので諦めていたのだ。
 階段の手すり用の材と、残っていたモールディング材を使って作った。
 
IMG_6140.JPG


 今日は3年ぶりに歯医者にも行った。
 先生から「新聞で見ましたよ。小説出したんですね。買おうと思ってたら予約の電話があって驚きました」と言われ、色々と喋りたかったが、口を開けているのであまり話せなかった。
 歯の穴を塞いでもらったので、帰りに美味しい豚カツも食べた。一人だったので小さな声で「ああ、美味しい」とつぶやいてみた。
 そして気分を盛り上げようと思って一時間半歩いた。
 途中の公園で子供達に呼び止められ、なぜか一緒に遊ばされた。

 遊んでいたら泣けてきた。

 けど、けど。
 まあ、負けずにやらないとね。
 一緒にいてくれる仲間もいることだし。
 楽しいことを書きたい。
 私はやっぱりエンターテイメントを創りたい。
posted by 土田英生 at 04:19| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月18日

パソコン依存

す京都に戻っている。

今日は大阪で永田崇人君のトークライブにシークレットのゲストとして出ることになっていた。本人にも絶対に内緒でと言われていた。

そりゃそうだ。
彼のファンからすれば、私の名前を出したところで「お前、誰やねん」という感じだからだ。だから、だから、とにかく本人を驚かせることだけが私の使命だと思っていた。

午後の新幹線で大阪へ。
彼に「プログラム」を渡そうと思ったのだが、もう手元に余分はなかった。なので紀伊國屋書店に寄って自分の本を買った。誰も知るはずないのにレジでなんだか恥ずかしかった。

で、HEP HALLへ。
行くとスタッフが楽屋に通してくれる。
いやいや、ここは楽屋が2つしかないはずだ。
そっちに行ったら本人が……。
私は慌てた。
しかし、スタッフの口からは衝撃的な発言があった。

「崇人には土田さんが来ることバレてますから」


そうだったのか。
シークレットでもなんでもなくなってしまった。
ただのゲストだ。

それにしても……。
袖から登場した時のアウェー感はすごかったね。
むしろ快感を覚えた。若い女性で占められた客席はポカンとしている。

 けど、トークは楽しかった。

終わって京都に帰ってきた。
すごい雨。
私は傘をあまり持たない。東京では降ってなかったので、当然、今日も持ってなかった。しかし、電車を降りて空を眺めながら、さずがにこの中を歩くのは無理だと思った。
傘を買おうと思ったのだが……売り切れていた。

家に着いた時はずぶ濡れだった。
 私の現在の状況を表しているようだ。

着替えたのに落ち着かない。
なんでだろう?
コーヒーを淹れた。
違う。
そうだ。パソコンがないのだ。明日、京都で一件取材を受け、そのまま下北沢に戻るつもりなのでいらないと判断して持ってこなかった。
 不安だ。
パソコンを中心に生活している事実を思い知った。

私は2台のMacBookProを使っている。
 
その前に使っていたMacBookもバッテリー以外は正常に動くのだが、欲しいという人がいたのでこの前、東京に持って行った。なのでここにはない。

 ああ、パソコンが触りたい。
 一旦、そう思うと禁断症状のようにパソコンを求めた。なんでもいい。とにかくなにか字を打たしてくれ。

 そうだ。
 私は引き出しを開けた。
 そこにはさらに前のMacBookG4とG3が眠っていた。
引っ張り出してみる。
1つは起動しようとすると「?」マークが出る。そして……もう1つは電源のアダプタが合わなかった。
 
 だめだ。

 諦めて本を読み、映画を一本観た。

 それにしても、引き出しを開けると色々なものが出ている。デジカメも発見した。これは嬉しい。現在、私のiPhoneはカメラが壊れているのだ。だから最近は一眼レフをカバンに入れて持ち歩いているのだが……これはいい。これから使おう。
 
 ……下北沢の事務所も嵐山の自宅も、一度、徹底的に荷物を整理しないと。
 捨てるものは捨て、いらないものは処分して、スッキリしよう。

 フリーマーケットでも開きたい。

 結構、あるんだよね。昔集めてたものとか。
 アンティーク家具も好きで、家の中にイスは全部で10脚ある。けど、半分以上は座ることないしね。

 本当、荷物を整理して、自分自身もリセットしよう。
 
 ああ、やっぱりiPhoneだと書きにくい。
 もうやめよう。

 なんか載せたいけど、カメラロールにはろくな写真ががない。

9F2852C5-2E52-4EBB-9518-774261C6ACB5.jpg

 前回の「ハテノウタ」では、私の衣装は薄いセーターだった。乳首が目立つと皆から言われ、大阪公演ではインナーの胸の部分にガーゼを縫い付けられていた。しかし、観に来たお客さんから胸の辺りが不自然に膨らんでいると指摘され、結局、バンドエイドを貼るということに落ち着いたのだった。
 
で、楽屋で尾方君に撮ってもらった写真だ。
 
 お腹を引っ込めているのはご愛嬌だ。

 





posted by 土田英生 at 03:13| 東京 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月17日

空いてしまった

 毎日更新してやろうと思っていたのに、気がつけば随分と空いてしまった。
 前回を見ると京都のことが書いてある。
 あれから一週間以上経ったようだ。
 私がTwitterで「花見がしたかった」と書いたら、友達が誘ってくれた。
 けれど、待ち合わせたのが繁華街だったので……飲んだ。随分と飲んだよねえ。
 
IMG_5611.jpg


 翌日も嵐山で桜を眺め……もう充分だ。
 
IMG_5643.jpg


 この前からとにかくイギリスに行きたい熱が高まって仕方ない。
 気がつくと向こうのアンティークマーケットの情報などをネットで眺めている。
 春になると建物などに花がカゴで吊るされて……あれもキレイだよねえ。
 今は、もっとのんびりした所がいいかも。
 そうだ。カッスルクームに行きたいね。
 コッツウォルズにある村で、何度も訪れているお気に入りの場所だ。

Castle combe24.jpg


Castle combe27.jpg


 ……いや、しばらくは行けないんだよねえ。
 ま、これままた計画を立てよう。

 とにかく今は東京にいる。
 芝居を観たり、友人からの頼まれ事をしたり……それ以外は、下北沢に引きこもっていた。
 仕事をしている訳でもない。
 事務所にじっと座り考え、時々、近所を散歩しながら考え事をする。
 哲学者のような毎日だ。
 その癖、たいしたことも思いつかない。
  GTPの低い日々だ。
 ちなみにGTPとはGross Tsuchida's Productの略だ。日本語にすれば土田総生産だ。

 いや、何も生み出してない訳ではない。

 引きこもると私は何を作る癖がある。
 レザークラフトだったり、ちょっとした小物だったり。
 あまり強い動機もなく、なんとなく創る。

IMG_5890.jpg
 
 
 この万年筆立ては「ハテノウタ」の四日市公演の前、実家にいた時に作った。
 その前にある黒の四角は鉛筆削り、横の小さい箱はペン先を入れるケース。
 これは本当になんとなく作っていたようで、気がついたらできていた。

 今日もそうだった。
 事務所に散乱しているお酒のビンを眺めていて、気がついたら何やら始めていた。
 1時間後にはできていた。製作費は300円くらいだ。

IMG_5907.jpg
 

 ……また朝だ。
 今日は遠くまで行かなければいけない。
 だから寝よう。

 本当は不思議なライターの話を書こうと思っていたのに。
 次に書こう。
 今は写真だけ載せておく。

IMG_5869.JPG
posted by 土田英生 at 05:49| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

抜けてしまった

 連続で更新しようと思ったのに、昨日は忘れてしまった。
 考えなければいけないことがたくさんあって、そっちに頭を取られていた。

 何もしないで過ごすことは本当に久しぶりだ。
 それはいいんだけど、少しは身体を動かさないと。
 走るのも好きだし、泳ぐのも嫌いじゃないし、身体を鍛えたいと思うんだけど、どうもきっかけがつかめずにいるねえ。けど、やろう。動こう。

 今日はプラン9の公演にいった。
 ゴエ君が奮闘していた。
 尾方君は都合がつかなかったが、金替、私、水沼、奥村で並んで観劇した。
 「ハテノウタ」に出演してくれていたりんこちゃんや松原由希子ちゃんも来ていたので、終わってからみんなで飲みに行った。人の優しさに触れた。
 
 ま、いろいろとあるけど、嬉しい言葉をくれる人もいる。
 昨日、LINEをもらった時、ある文を読んでジーンとしてしまった。
 ちゃんと結果でお返しをしないとな。
 希望に満ちあふれている信じよう。

 ロンドンにも行かないと。

IMG_5498.jpg

  
 家のリビングにある棚。
 ロンドンに行く度に買っていたらバスだらけになってしまった。
 けど、「最近、全然増えてないしね。
 
 明後日に一度、東京に戻ろうと思っているので、明日はその準備をして、時間があれば花見でもしよう。
 
posted by 土田英生 at 04:31| 京都 🌁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

3日連続

 調子に乗って3日連続で更新している。
 京都に戻って来て、仕事部屋に引きこもっている私にとって、この更新が社会復帰の手段になっているようだ。こうなったら毎日書いてやろう。
 書かなくなった時にはきっと外を走り回るようになっているはずだ。

 今日は脚本を書かせてもらったドラマ『この世にたやすい仕事はない』第1話の放送日だった。
 完パケと呼ばれる出来上がりも観ていないので、オンタイムで観た。
 毎週木曜11時ですので、皆様、よろしくお願いします。

 ……引きこもっている場合ではないんだよねえ。
 ホント、どうなって行っちゃうんだろ?
 社会の進む方向を思いやると更に暗くなる。
 右とか左とかではなく、おかしなことはおかしい訳で、事実は突き止めるべきだ。
 しかし、見ていると事実など関係なくなってしまい、相手を負かすことだけに前のめりになっている。

 私が書いた戯曲に「少しはみ出て殴られた」という作品がある。線を巡る物語だ。
 軽犯罪者たちを収容している刑務所。
 ある時、国が分断された。その刑務所は国境線の上に建っていた。すると、最初は仲良かった囚人たちが、自分の国のアイデンティティに目覚め、争い出すという作品だ。

 今の日本はまさしくこれだ。
 敵か味方か。
 間に線を引き、自分達の言い分だけを正当化して相手を攻撃する。
 本来はそうではなく、これはいいのか悪いのか、それを皆で考えられるのが健全な社会なのに。それを許さない空気になっているのが怖い。

 もっとも怖いのは……この空気という代物だね。
 曖昧な空気はこれまで大丈夫だったものをタブーにし、個々が発言を控えることで、さらにその空気が濃度を増して行く。こうして言葉や表現は萎縮する。共謀罪が取沙汰されているけれど、この空気と無関係ではない。私たちのように、表現活動を軸にしている人間にとっては大問題なのだ。憂うつになる。

 その中で自分の進む道を考える。

 私は喜劇を創りたい。ずっと創っていたい。
 笑うという行為は、ある価値観を崩すことにつながる。
 集団化する時は笑いよりも、涙の方が有効だ。皆で感動し涙を流し、集団は一体化する。
 儀式などを想像してみれば分かる。
 ゲラゲラ笑っている儀式は効果がない。

 そして、一体化した集団は茶化すことを許さない。
 集団を笑うと反逆者にされてしまう。
 そのレッテルを貼られた人は皆から一斉に攻撃される。
 
 『日本』という国自体……どんどん閉じて集団化が強固にされて行っているよねえ。

 去年、ある人と話していた時だ。
 私が「『日本はすごい』という番組ばかりが目に付いてウンザリするね』と言ったら、『え? けど、やっぱ日本ってすごいんですよ。だって知ってます? ◯◯が××で、△△がフニャフニャで……』と、いきなりすごい勢いで力説し出したので、その様子に私は思わず笑ってしまった。
 すると、その人はムッとして真顔で私に聞いて来た。

「え? すごいと思わないんですか?」
 
 いやいや……。
 そりゃ、すごい所もたくさんあるんだろうけど、ダメな所だってあるしねえ。
 けど、他の国にだって羨ましいところもあれば、そうじゃない部分もあるし。
 もちろんね、私だって日本で生まれ育ったから、自分のアイデンティティーの中に「日本人であること」は存在するんだとは思うよ。日本のことが褒められれば悪い気はしないし、悪口を言われればちょっとは反論もしたくなるし。

 でも、極端は怖いし、本当に危険なことだ。

 イギリスに留学していた時のことを思い出す。
 向こうに住んでいる日本人で「やたら日本を褒めてイギリスをけなす人」と「イギリスを賛美して日本を貶める人」の両方によく出会った。
 どっちも苦手だった。
 大体、素敵な日本人もいれば、イヤな日本人も山のようにいる。イギリス人でも同じだ。

 まあ、私はイギリスのアンティーク家具が好きだし、中華料理も好きだし、ドイツの車も好きだし、インド映画も好きだし、チゲ鍋も好きだし、日本のお城も好きだし。これが私の答えだ。

 国が閉じて集団化されているというところまで戻ろう。

 日本礼賛の番組は、この集団化に一役買っていると思うけど、この先、ドラマや演劇などの表現にもそうしたものが増えて行く。悲劇や感動の物語の形を取り、涙を誘って「ああ、日本人って素晴らしい」と再確認するような作品だ。

 だからこそ、私はあくまで喜劇を創りたい。
 喜劇を創ることは、当然のように社会に対する批判も含まれる。
 茶化しているからだ。
 私は自分ではかなりの穏健派だと思っているが、社会を見て笑う感覚はなくしたくない。
 それがなくなったら何も書けない。
 ま、とにかく面白いものを書きたいだけだ。

 好きなことを書いて、友達と遊んで。
 ああ、素晴らしきかな、だ。
 
 本番中、ずっと劇団メンバーたちといたので、公演が終って一人になるのがとても寂しかった。
 終わった日の夜中、久しぶりな人から連絡があり、長電話をした。
 次の日、別の人が会いに来てくれた。
 その翌日、また別の人と下北沢で飲んだ。
 さらに一日置いて、別の人と一緒にご飯を食べながら、夜まで話した。
 この4人は全員同じ公演で出会った人だ。
 そのことに気づき、いい出会いだったんだなあと嬉しくなった。
 恵まれてるな、私は。

 前を向こうっと。
posted by 土田英生 at 05:00| 京都 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

小説『プログラム』

 昨日更新したので、調子に乗って今日も書く。
 小説の宣伝をしなくてはいけないのだ。

program.jpg


 賢太郎くんに書いてもらった帯のおかげで随分と助かっているとは思う。
 ああ、この前、「ハテノウタ」を観に来てくれた時、もっときちんとお礼を言えばよかった。カジャラを観に行った時に改めて感謝を伝えよう。

 タイトルは『プログラム』。

 このタイトルのせいで困ったこともあった。
 パンフレットのことをプログラムと呼ぶ人もいる。
 先日までの公演会場でも売っていたのだが、出演してくれていた高橋明日香さんのおばあさんが観に来てくれてパンフレットを買おうとしたらしい。

 「プログラムをください」

 ……当然のように小説を渡されたらしい。


 この『プログラム』は短編が集まって一つの話になるという構成だ。
 前にも書いたが、世界感は『燕のいる駅』がベースになっている。この台本は『相対的浮世絵』(論創社)の中に入っている。ついでに宣伝してみた。
 
 SFにジャンル分けされているみたいだけど、あまりそういうつもりはないんだけどね。
 MONOの芝居と同じで、日常でありながら少しだけ設定が変わっている。それだけだ。

 とにかく発売されて一ヶ月。
 雑誌でも取りあげてもらっているし、新聞などからも取材も入ってきている。しかし、売れ行きや評判がどうなのかは分からない。出版社に聞けば教えてくれるのかも知れないけど。
 
 『ー初恋/算段兄弟』、『相対的浮世絵』、またオンデマンドをメインにした二十一世紀文庫から『約三十の嘘』の戯曲を出してもらっているが、戯曲というものはそもそも売れないので比較にならない。
 映画になった時、ノベライズした『約三十の嘘』を角川書店から出版したが、これは映画原作ということでそこそこだったし、草𦿶剛君の朗読劇の脚本『ヴォイス』も同じく角川から出してもらったけど、まあ、草𦿶君が読んでいるCDが付いていたしねえ。今回とは違う。
 ぴあから『自家中毒』というエッセイ集を出してもらったこともあるけど……これは初版が全部売れるまでに8年もかかった。
 出した本が重版になったという経験はない。

 公演中、「これ売れるのかなあ」と呟いた私に、制作が教えてくれた。

「発売日はですね、Amazonで日本文学の中で、タ行の作家で、9位でしたよ」

 ……この微妙な報告に喜んでいいのかがっかりしたらいいのかの判断が出来なかった。
 とにかくみなさん、よろしくお願いします。
 Amazonのリンクを貼っておけばいいのかな?
 そうしよう。
 ついでに私の他の本も見えるようにしておこう。
 →
 
 ……今、リンクを貼る為にAmazonのページを検索したのだが、すでに中古が売られているのと、一件だけあったレビューが辛口だったことに、静かに落ち込んでいる。

 今日は久しぶりに買い物に出かけた。
 いや、買い物というほど大げさなものではない。
 買ったのは三つ。

IMG_5548.jpg

 
 左からまずはフラッシュエアというSDカード。
 これをカメラに入れておくと、撮った写真がそのままiPhoneなどに送れるのだ。カメラマンの友人から教えてもらい、ずっと使っていたのだが、気がついたらなくなっていたのだ。
 話はそれるが、東京・下北沢と京都・嵐山の二重生活をしていると頻繁に物がなくなる。
 ないと気づいた時、もう一方にあるんだと思い込んで探さないからだ。
 なくなったフラッシュエアも、京都にあるんだろうなと思い込んでいたのに。
 
 で、隣がカリグラフィー用のペン。
 手書きで、ちょっと小洒落た字が書けたりする。
 他にも何本か持っているのだが、筆記具マニアの私としては欲しかったのだ。
 一番右は、シガリロの「Black Stone」。まあ、タバコだね。
 嵐山には売っている店を知らないので、わざわざ買いに行かなくてはいけない。

 それにしても京都は変わっていた。
 一月から一ヶ月半いたのに、その時は稽古場と家の往復しかしていなかったからだ。
 烏丸で降りていつものタバコ専門店に行き、そこから河原町までブラブラと四条通を歩いたのだが、歩道が広くなっていて歩きやすい。

 
IMG_5520.jpg

 
 ……そうなのだ。
 この写真。歩道を撮ったのだが、まるで女性のお尻を狙ったようになってしまった。
 けど、歩きながらやっぱり京都はいいなあと思ったりした。
 まあ、慣れもあるんだろうけど。
 夕暮れの街並みを眺めて……なんだか、しみじみしちゃったね、私は。

IMG_5521.jpg


 あ、そうだ。
 帰りに嵐山の駅で降りたら……昨日は咲いてなかった桜が開いていた。

IMG_5532.jpg
posted by 土田英生 at 05:32| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月05日

公演終了。そしてこれからのこと。

 前回の更新を見たら「いざ北九州へ」となっている。
 MONO「ハテノウタ」大阪公演が終わって、用事があって東京にいた時だね。
 あれから随分と経った。
 北九州で公演を終え、愛知県の実家に戻り、そのまま四日市公演をして、東京での公演も終えて……。
 何度も更新を試みて書いたりしていたし、それ用に写真も撮ったりしていたのだが、アップしなかった。
 公演の時は宣伝を頑張らないといけないし。
 私のブログは愚痴がメインなので本番前には適さない。

 けれど、せっかく撮った写真だ。
 連続で載せよう。
 『北九州公演が終わってお疲れの私たち』
 『屋台的な飲み屋の焼うどん』
 『そして帰りのみんな』

IMG_4764.jpg


IMG_4786.jpg


IMG_4790.jpg


 ……本当はたくさんたくさん写真があるのだが……。
 北九州だけ載せたところで面倒になった。
 割愛しよう。

P4500764.jpg

 
 『ハテノウタ』の舞台セット。
 この一枚で済まそう。とにかくここで毎日芝居をしていた。

 MONOの公演が終わった。
 観に来てくださった方々はもちろん、その他、関わってくださった方々に感謝している。無事に終わったし、皆は頑張ってくれてたしね。
 台本を書く立場としては後悔も残っているんだけどね。
 何より出来上がりが遅くて皆にも迷惑をかけたし、自分はまだまだ未熟だと思い知らされた。
 これから頑張るしかない。

 さて、ここからダラダラと気の向くままに書いてみよう。
 更新しするのも久しぶりだからだ。
  
 ……最近、気分の上下が激しい。
 前向きになったと思えば、もう終わりだという気分に陥ったりする。
 アップダウンばかりで『エレベーター土田』と改名したいくらいだ。
 さらにハイな時とローの時の差が、砂漠の昼と夜の温度差並みに激しい。
 しかもスピードが早い。さっきまで元気だったのに、次の瞬間には落ち込む。
 『高層ビルの高速エレベーター土田』と呼ぶ方がふさわしいが、長すぎてこの名前はダメだ。
 
 去年の秋からとにかく忙しかったせいもあるね。
 自分の怠慢もあり、書くものが重なってしまったのだ。
 宮崎県立劇場プロデュース『板子乗降臨』、小説『プログラム』、MONO『ハテノウタ』、そしてNHK BSプレミアム『この世にたやすい仕事はない』の脚本。

 あ、ドラマは間もなくスタートです。皆様、よろしくお願いします。→NHKサイト


 まあ、休みなく書いてきた疲れもあって、最近は結構暗めだった。
 本番中だったのでなんとか保っている感じだった。
 会う人会う人に『Twitterなどでの呟きが暗いよ』と言われた。
 まあ、確かに落ち込み具合は大きかったね。そして予想していたことではあるけど、公演が終わってさらにひどくなった気もする。
 終わってから3日間、下北沢でじっとしていた。
 ただ、夜には人と会っていたので、そのことでかなり救われてた。

 で、昨日、ABCホールで『山村艦長』の定年を祝う会があったので出席ついでに関西に帰って来たのだ。
 
 山村さんには本当にお世話になった。まあ、これからも色々とお世話になると思うんだけど。
 とにかく艦長が皆から愛されていることを感じるいい会だった。
 知り合いだらけで嬉しかった。
 私もスピーチをさせてもらい、その時はもちろんハイテンションで喋った。

 そうなのだ。
 人の前では元気になってしまうのだ。そして一人になると必ずその反動がくる。

 ……京都の自宅で目が覚めた。
 朝から思った通りのローテンションだ。
 これではいけない。
 天気がよかったのでカメラを持って近所を散歩してみた。
 私の家は阪急嵐山駅の近くだ。

IMG_5487.jpg


 ……結構、人がいた。
 これはもしかしたら桜が満開という感じなのか……と、期待したけどまだまだだった。
 ところどころは咲いてるんだけどね。

IMG_5485.jpg

 
 散歩をしているうちに少し気分は上向いて来た。

 ✳︎ ✳︎ ✳︎

 と……ここまで書いていたのは昨日の夕方。

 訳あって中断した。
 ちょっとだけ面倒なことがあって、クタクタになった。
 
 どうしよう?
 ここでやめて削除しようと思ったけど、頑張って続きを書いてみよう。

 昨日の文章の最後は『気分は上向いて来た』で終わっている。
 そうだった。
 本当は上向いた時に思ったことを書こうと思っていたのだ。
 けれど……現在、エレベーター土田は地下7階くらいで止まったままだ。
 
 いや、エレベーターが止まっているなら、無理やり階段で上ろう。

 私が思いついたことをメモをしているノート。
 そこには30ほど作品のアイデアが書かれている。
 ある程度構想が固まっているものから、ただ一行の走り書きのものもある。
 中には『走っていることと寝転んでいることだけを芝居にする』という文章もある。これは自分でも思い出せず、意味不明だったりする。だから使えないものも多い。

 けれど、とにかく、まだまだ新しいものを創りたいという欲はある。
 そして、これまで結構書いて来ているのにもかかわらず、作品を創る時は、毎回初めての時のように苦労する。
 『ハテノウタ』は特にそうだった。
 作品が完成するとすら思えない時期があった。
 まあ、こんな風にしたら書けるよ……と、言い出したら終わりだしね。
 それはいいと思うのだが、私の問題は……そういう時に共に苦労してくれる人を求めてしまうことだ。
 幼児性なのか、そういう存在がいないと踏ん張りが効かない。

 自分で「この人だ」と思う人が常にいて、勝手に入れ込んでしまうのだ。

 MONOのメンバーはやめて行った人も含めて、全員、最初は私の片想いで、声をかけてメンバーになってもらって来た。

 とにかく最初は水沼くんだった。
 私が猛烈にアタックした。彼はうんざりしていたと思う。ちょっとだけならと出演してもらったのだが、すぐに次回公演の話を持ち出し、やめさせないようにした。そして、台本を書く時にはいつも彼を巻き込み、行動も共にしていた。途中で彼の方が嫌になったようで、劇団やめて東京に行ってしまったが、しつこい私は連れ戻しに行ったりもした。まるでストーカーだ。
 奥村くんと知り合った時も、しょっちゅう、一緒に遊んでやたら話した。彼も舞台美術をやり始めたばかりだったので、こんなことができたら面白いよねと盛り上がった。なんか今では想像できないね。
 同じ大学からできた劇団である『時空劇場』には金替くんがいた。彼と知り合った時も私は勝手に大好きになったが、他の劇団にいたので一緒にやろうとは言えなかった。やがて時空劇場が解散したので、すぐに声をかけた。
 久しぶりに後輩の芝居でも観ようと立命芸術劇場の公演に行った。主役をやっていたのが尾方くんで、私はすぐに気に入った。わざわざ部室まで行って彼に声をかけ、最初はMONOを手伝ってもらい、仲間に引き入れた。
 女優陣はやめてしまったが、彼らは今も私と一緒に活動してくれている。
 この前の『ハテノウタ』では一緒に下手な歌を唄った。
 
P4550227.jpg
 
 
 声をかけたことをどう思っているのかは知らないが、まだ活動が続いているということは、まあ、そういうことだと勝手に思っている。
 彼らも私も大人になり、基本的に公演の時しか会わない。それで十分だ。
 今でもずっと一緒にいたら気持ち悪いしね。
 ただ、少しだけ寂しい。

 ここ数年、若い人たちと出会う企画を立てて、その中の何人かとは付き合いが続き出した。
 誰がどのように残ってくれるのかはわからないけど、私のしつこさに耐えられる人が出てくるのを願っている。

 私もまだまだ「つぼみ」だしね。
 花はこれから咲かす。

IMG_5490.jpg

 
 散歩をしながらそんなことを考えていた。
 ま、いろんなことがある。
 けれど、好きな人たちと一緒に舞台が創れることほど幸せなことはない。

 エレベーターが地上に出てきた気がする。

 散歩しなら撮った家の裏の写真。
 
IMG_5493.jpg
 

 そしておまけに、角を曲がると突然現れていつも驚いてしまう犬の置物。

IMG_5492.jpg


 朝だし少し眠る。
 起きたら京都をぶらぶらしよう。
posted by 土田英生 at 07:20| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月10日

北九州へ!

 大阪公演が終わった。
 昨年からの疲れがたまっているな。結構フラフラだ。
 しかし、不思議と劇場にいると元気になる。やっぱりアドレナリン的なものが出てるんだろうね。
 最終日の公演が終わって、片付けが終ったのは22時くらい。

 そのまま帰ろうと思ったのだが、結局、ちょっとだけ飲むことになった。
 最終電車で京都へ帰った。
 翌日は……もう、必死で起きた。中学生が部活の朝練に行く時のような必死さで起きた。

 東京に移動しなければいけないのだ。
 「小松幹生さんを偲んで語ろう会」。
 私は発起人のくせに、準備も皆に任せっきりだったので、恐縮しながら参加する。
 篠原久美子さんと一緒に司会させてもらった。
 
 ……小松幹生さんには本当にお世話になった。
 前にも書いたが、私の最初の戯曲集「算段兄弟/ー初恋」を出版してくださったのも小松さんだ。
 物静かな方だった。出しゃばることもなく、いつも一歩引いて皆を眺めているようなところがあった。
 けれど、劇作家協会などのパーティーなどで、気がつくと横に立っていたりする。振り返ると「元気か」と声をかけてくれ、取り留めのない話をしては知らない間にいなくなっていた。夜中に突然、若い頃の思い出などが綴られたメールを送って来たりもした。
 亡くなる少し前、私がお見舞いに行った時にも、看護士さんは「小松さん、喋れるかなあ」と言っていたのに、私を見つけると元気に起き上がり、いろいろな話をしてくれた。

 会は無事に終了した。
 様々な人からのスピーチなどを聞くうちに、私は悲しくて悲しくて仕方なくなった。
 スタッフでの打ち上げ。
 途中、石原燃、瀬戸山美咲、長田育恵、私はくだらない話で妙に盛り上がった。
 「お喋り」は私のトレードマークなので、私も負けずに話していたとは思うのだが、時々、鼻がツンとする。三人を眺めながら、ああ、今、この人たちは生きてるんだなあと思った。私は泣きそうだった。やばいやばいと必死で涙を堪えた。
 
 下北沢の事務所に帰り、コーヒーを淹れた。日課になっているアーモンドとチョコレートも横にある。
 色んなことをぼんやり考えた。
 これまでのこと。
 これからのこと。

 そんなことをTweetしたら友達から連絡があった。
 下北沢にいるというので少し会って、再びくだらない話をした。
 また泣きそうだった。

 昨日。
 起きてから洗濯をして、ご飯を食べて、また眠った。
 起きて掃除をして、音楽を聴いていたら、また眠ってしまった。
 起きてサスペンスの再放送を見ていたら……また眠ってしまった。夢の中にテレビの音が入り混んできて、現実との境目が曖昧になる。
 次に目が覚めたのは夜だった。
 ……こんなに何もしない1日は去年の秋以来だ。

 スタッフは今日、劇場に入って舞台セットなどを立て込んでいる。
 私は午後の便で北九州に入る。
 本当はもっと早い便に変更しようと思って羽田に早く来てみたのだが無理だった。
 ま、調べもせずに行動するのが悪いんだけどね。
 なのでこれを書いている。

 MONO『ハテノウタ』。
 明日、明後日が北九州。
 その後、四日市、東京と続きます。
 みなさん、観に来てくださいね。→
 
posted by 土田英生 at 13:08| 東京 ☀| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月06日

笑顔

 MONO『ハテノウタ』。
 3日目4ステージが終わった。
 金曜日に幕が開いて、土曜日は昼と夜の2回、そして今日。
 これまでのTwitterでの感想はコチラです。→

 いやあ……まずは安堵した。
 無事に幕が開いたことに対してだ。
 これまでも危機はあったけれど、今回ばかりは駄目だと思った。
 逃げ出したいと考えたのも初めてだ。

 昨年秋から……宮崎の『板子乗降臨』、小説『プログラム』、ドラマ脚本、そしてMONO『ハテノウタ』という怒涛の連続執筆で自分の現在の限界を知った。

 まだまだ力が足りない。全然足りない。
 もっともっと勉強して、自分を鍛えないといけない。
 面白い作品を書きたいのだ。
 モチベーションは心配していない。やりたいこともたくさんあるし。
 ただ、もっと上手くなりたい。
 
 お客さんの前でやることで、やっと作品の全貌が見えてきた。
 なので……初日を迎えてからも、ちょこちょこと修正を加えている。
 みなさん。大阪公演は残り2ステージです。
 →特設サイト

 私はすぐに心が折れる。
 そして自分の状態は把握できている。
 本来ならダウンしているだろうなと思うけど、関わっているメンバーが楽しそうにしてくれているのだけが救いだ。かなり助かっている。
 終演後、役者やスタッフでロビーに残って喋ったりする時間。
 その時の皆の笑顔がとてもいい。
 人が笑っている顔は……やっぱり悪くないね。
 たとえそれが一瞬のことだったとしても。
 
 
IMG_4500.jpg

IMG_4440.jpg

IMG_4493.jpg

IMG_4403.jpg

IMG_4427.jpg

IMG_4398.jpg


 皆を眺めているとなんとか頑張れそうな気がする。
 劇場でお待ちしております!
posted by 土田英生 at 01:51| 京都 ☔| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月02日

間もなく!

 MONO『ハテノウタ』。
 今日は劇場入り。
 私は夕方にチェックの為に行った。
 素敵な舞台セットが立っていた。そして他のスタッフも黙々と準備をしている。
 本当に信用できる優秀なメンバーだ。本当にありがたい。
 
 本番前でナーバスになっていた私の気分は上向いた。
 明日は場当たりをして、細かい修正をする……そして明後日はいよいよ初日だ。

 ああ、怖い。
 いつものことだけど、本当に怖い。
 もう駄目だと毎回思う。そして……まあ、結果は何とかなる。
 けれど、いつもそうだから大丈夫だと安心してしまったら、本当になんとかならないことが起きるんじゃないかと怖くなり、やっぱり安心はできない。

 とにかく眠ろう。
 あ、チケットは絶賛発売中です。
 特設サイトはコチラ

 今回、稽古でお世話になったマイク。

 
IMG_4333.jpg


 そして好きなワンシーン。

IMG_4316.jpg

  
 さて、本当に眠ろう。
posted by 土田英生 at 02:28| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月01日

最後の稽古

 これまでにも「最後の稽古」というタイトルで何度も書いていると思う。
 そして今日はまさしく、その何度目かの最後の稽古だった。
 まだまだ課題は山積み。
 けれど、芝居はギリギリでやっと形になってきた。あとは本番に向けて微調整。
 あと、一週間は欲しいけど、これも自分のせいだしね。
 これまでのMONOでもあり、新鮮な部分もあり……あとは幕を開けてみないと分からない。
 きっと大丈夫。
 MONOの男優たちは苦しい状況の中でも照準を合わせてきてくれているし、女優陣もそれぞれの個性がどんどん尖って来ている。
 アンサンブルの中でそうした個が見えてくれば……。

 告知動画

 特設サイトはこちらです!→

 明日は劇場に入って仕込み。
 舞台セットをたてたり、照明を仕込んだり、音響のセッティングをしたり。
 役者はOFFで、私は夕方にセットなどの確認に行く。

 そんな中、私自身は個人的な問題も抱えている。
 公演で忙しく、悩みもあると……本当に社会の動きに疎くなる。
 これはやばいよねえ……。
 気がついた時には、世の中、変わってしまっていたりするし。
 リアルに物事を判断できない社会になってしまっている。
 言葉の力もどんどん後退している。
 全てから逃げたくなる。
 
 あ、今日、小説「プログラム」が発売になりました。
 なんかめちゃくちゃだ。
 
posted by 土田英生 at 01:44| 京都 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月24日

追い込み

 本当に今回は、いや、今回も、いや、今回は特に……皆にスケジュールで迷惑をかけた、いや、かけている。
 全ては私の至らなさが原因なのだが、初めて……そのなんというか……逃亡したいと思った。
 『これで完成です』と、台本を持って行ってから、結局は何回も書き直した。
 
 自分のスケジュールミスだ。
 先週宮崎で上演した『板子乗降臨』は本来は昨年の夏に書き上がる予定で、小説『プログラム』が秋には終わっているはずで、NHKのドラマ脚本を年内に、そして年明けからは全て「ハテノウタ」という心づもりだったのだ。

 それが……全て遅れた。

 最後になった「ハテノウタ」は……やっと形が見えてきた。
 いつもよりは四日くらい遅い気がするね。
 こんなに焦ったのは「うぶな雲は空で迷う」以来だ。
 あの時もラストが決まらず……苦しかった。
 
 今回、自分で書いた台本なのに……最初は理解できなかった。
 それが、やっと分かり始めてきた。もちろんまだ掴めていない部分も多い。
 これはいつものことだが、結局は幕が開けるまではわからないんだと思う。
 
 とにかく初日まで稽古で詰めて行き、輪郭をはっきりさせたい。
 劇作家には戻らない。演出に専念する。
 あ、劇作家には戻らないと書いて思い出したけど、今回、取材で「土田さん、もう新作を書くのはやめたんですよね」と聞かれた。私の周りの人が言ってましたというけれど、どこでそんなことになったんだろう?
 いやいや、やめてない。
 申し訳ないけど、まだまだ新人気分だし、これからもっといいものを書けるように勉強しようと思っている。
 役者、スタッフは頑張ってくれているしね。
 とにかく周りを信用し、私も応えらるよう頑張るのみだ。

5691081487288.LINE.jpg


 宮崎で初日を観た「板子乗降臨」も書き足りないなあという反省あったけど、永山さんの演出や役者の魅力でいい舞台に仕上がっていた。
 ドラマも脚本の遅れなどで迷惑をかけたけれど、制作は順調に進行しているようだ。
 小説も刷り上がり、あとは出版を待つだけだ。

 これは見本品。
 自分の本が並んでいるところに置いてみた。

 
IMG_4233.jpg

 
 だから残りは『ハテノウタ』だ。→特設サイト
 四日市公演の前売りは完売。北九州もチケットも残りわずかになっています。と言いながら始まるのは大阪から。土曜日は残席が少なくなってきているみたいですが、まだ大丈夫です。あんまり大丈夫でも困るんだけど。
 皆様、よろしくお願いします!
 
 それにしても心身両面がギリギリだ。
 今日は一日中、偏頭痛に苦しんだ。
 久しぶりにお酒を少し飲んだら、やららいだけど。
 ああ……ロンドンに行きたい。

IMG_4182.jpg

 
 それにしても世界中が閉じて行く。
 どこにも逃げ場がないような……そんな気分に陥る。
 いやいや、まだ、今から明日の稽古のことを考えないとね。

IMG_4227.jpg

 
 りんこさんからもらったローストカカオ。
 そしてウイスキーと葉巻。
 これが……すごく合う。
 残りの仕事をしよう。

 いい作品にしないと。
posted by 土田英生 at 01:43| 京都 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする