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MONO代表・土田英生のブログです

2018年07月26日

最後にはうまく行く

 私はもともと感覚だけでいろんなことを済ませてきた。
 綿密な計画を立てたこともなく、台本を書く時もほとんどプロットを立てず、行き当たりばったりで様々なものを書いてきた。

 現在稽古中のテアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」も稽古初日までに半分くらいの台本を書き、あとは稽古を見ながら次のシーンを書いた。だからラストは想像していなかったものになったりしている。
 自分の劇団であるMONOでも同じ進め方だし、もっと言えばドラマを書く時だって最終回を決めずに書いている有様だ。

 ドラマ「斉藤さん2」を書いた時……ラストにしようと思っていたエピソードを9話で書いてしまい、最終回の10話を書く時に苦しんだ記憶もある。

 映画にもしてもらった「約三十の嘘」の舞台版を最初に劇団に書いた時もそうだった。
 これは詐欺師たちの話で、誰が裏切っているのかということがストーリーの軸になる。
 けれど犯人を決めずに書き始めてしまったので、ラストシーンの手前で大いに苦しんだ。
 部屋の中を「誰だよ、裏切っているのは」と叫びながら歩き回った。

 けれど、常に一つだけ言い聞かせていることは「最後はうまく行く」ということだ。
 
 この前まで書いていたドラマ「崖っぷちホテル!」でも決めていたことは「ラストにはホテルが再生していて、うまく行っている」ということだけだった。

 そんなこんなで自分の人生に戻る。

 ここでも私が欲しいのは「最後はうまく行く」という言葉だ。
 どうしてもその言葉だけは欲しくなってしまう。
 
 けれど、それに他人が関係してくる場合、その言葉は約束されない。
 嘘でもいいから、その言葉が欲しい。
 なのに……ゴールはないのだ。
 日々の積み重ねの先にしか道が見えないようだ。
 霧の中を進むしかない。

 そして……約束されないことで、焦ってしまい、どんどん悪循環に陥っていく。

 だから、いや、けれど自分に言い聞かす。

 『最後にはうまく行く』

 そうしないと、自信を持って立てないからだ。
posted by 土田英生 at 03:23| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月19日

テアトル・エコーは残り三週間、そしてMONOのこととか

 連日、テアトル・エコー「青い鳥たち、カゴから」の稽古。

 やっと自分でも作品世界が見えてきた気がする。
 本当に不思議だけど、日々の発見の中から、段々と視界がひらけてくるんだよねえ。

 初めての役者さんたちと稽古を重ねながら、どんどん作品は方向を変えていく。
 こういう役割にしようと考えて台本を書き始めたはずの登場人物が、すっかり今は違ったキャラクターになってしまったりしている。
 だから最初に思っていた着地点からは随分と離れてきた。
 まだラストシーンは作っていない。
 一体、どうなるんだろう?

 けど、それでいいと考えている。
 
 もちろんベースに自分の好みというか、「こういうことはやりたくない」とか、「ここだけはこうしたい」という部分もあるけど、今回私が心がけて試しているのは、役者を見ながら創って行くという方法だ。

 まあ、初心に戻ったといってもいいかも知れない。

 そもそも書く仕事など目指してなかった私は、MONOでの公演をする為に台本を書いていただけだった。やりたいモチーフを、役者に合わせてこねくり回している内に作品が出来上がるという感じだったのだ。

 だから劇作家だという意識もなかった。
 そういえば劇作家協会へ入会を勧められた時も「私は劇作家ではありません」などという手紙を書いたくらいだ。

 まあ、あの時は入会する為に払うお金もなかったけど。

 ここで話がそれるけど……。
 
 結局、劇作家協会には入ることになり、お金がなかった私は、母親からお金を借りようと愛知の実家に電話をした。

 「あんたは他のものに使うかも知れんで、私が直接振り込むわ。だで、口座番号を教えなさい」

 私は従ったのだが……翌日、母から悲壮な声で電話があった。
 
「英生、どうしよう? お母さん、キャッシュカードで振り込んだもんで、土田佳子の名前で入金しちゃったがね」

 当時は振り込みと同時に入会だった記憶がある。だから私の母は、私より先に劇作家協会に入ってしまったことになるね。
 まあ、後日、事務局に電話して訂正したけど。

 どうでもいいエピソードになってしまった。

 書きたかったのはいつの間にか、すっかり劇作家気分でいたけど、そもそも私はそんなスタートではなかったし、得意なことは、稽古場から何かを見つけることだと思い出した。

 だから今回はテアトル・エコーとコラボするつもりで作品を創っている。稽古場で書いている感覚だ。
 役者さんたちもとてもいい人で、あっち行ったりこっち戻ったりに付き合ってくれている。

 稽古は残り三週間。
 面白いものにしたい。

 そんな稽古場で、私の横に座り、冷静に導いてくれているのが演出助手の小泉さんだ。
 彼女もテアトル・エコーの役者で、「約三十の嘘」をやってくれたこともある人だ。

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 私は彼女を「先生」と呼んでいる。
 校正などをしていたこともあるらしく、台本の矛盾も正してくれるし、私が稽古中に喋る無駄なエピソードを制止してくれるし、毎日私にアーモンドとチョコレートも出してくれる。
 まあ、先生と呼んでいる理由は、むしろメガネ姿からの安易なイメージからな気もするけど。

 この前、彼女とメガネを外すのは恥ずかしいという話で一致した。
 そうなのだ。
 私はメガネを外すくらいなら、メガネをかけたまま全裸になった方がいい、というくらい素顔をさらすことには抵抗がある。

 やがて話している内に……こんなことじゃダメだよね、自分を変えないとね、その為には新しい冒険しないといけないよね、など発展していき……二人でメガネを外してみることになった。

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 とても小さな冒険だ。
 こんなことでは自分は変えられない。
 しかも、恥ずかしいので写真のサイズは小さくしてある。
 
 
 「青い鳥たち、カゴから」
 皆様、お待ちしております。

 →サイト

 今日は稽古場に立川茜さん、渡辺啓太くんが見学にきた。

 先日、MONOに4人のメンバーが正式に加入した。
 そのうちの二人だ。
 立川さんは今回の出演者であるエコーの山西愛子さんと、別のワークショップで一緒になったことがあるらしくて知り合いなのだ。だから一緒に写真を撮った。

IMG_1544.jpg


 私がメガネをかけているので、この写真のサイズは少し大きくしてある。
 
 7月14日にMONO新メンバー加入を発表した。→「新メンバー加入のお知らせ」

 これからも作品を創っていく為にも、新しい力が必要だと思ったのだ。
 
 いずれ発表になると思うけれど、来年は公演をたくさんやる。
 いろんな場所にも行く。

 少し違った風を吹かせたい。


 ……まあ、本当はこんなことを書いている余裕もない。
 さっきも書いたけど、初日まで三週間なのだ。

 なのに相変わらず、私は常に自分のことで悩む。
 稽古場では大はしゃぎするけど、部屋では仏像のようにじっとしているというサイクルだ。
 まるで笠地蔵だ。
 ……いや、全然違うな。書いていることが自分でもわからない。
 
 私はもともとプライドが高い。
 人から馬鹿にされたくないのだ。ま、それは誰でもそうだと思うけど、それを巧妙に隠しながらマウンティングするようなところがあった。

 現在はそれを投げ出してみている最中だ。
 人との関係を優位に保とうとしていた自分を捨てる実験中。
 怖いし、もう後戻りできなくなっている気がするけど、これは自分で決めたことだしね。
 
 きっと、その分、うまく進む。
 そう信じることにした。
 
 二場に挿入する台詞を考えよう。
posted by 土田英生 at 07:17| 福岡 | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

意味不明な雑文

 テアトル・エコー『青い鳥たち、カゴから』も稽古開始から一週間経った。
 この劇団と組むのも初めてだし、これまで一度も一緒に仕事をしたことのないメンバー。
 けれど、皆、とても素直な態度で稽古に臨んでくれているので、これには本当に救われている。
 若い役者さんはもちろん、私より先輩である役者さんもきちんと話を聞いてくださるし。

 だから順番にニックネームをつけ、失礼な冗談も織り交ぜながら、いつものペースで稽古させてもらっている。
 毎日誰かが稽古見学に訪れるので張り切る。
 私はどんな状態だろうが、人前だと元気になれてしまうしね。

 ✴︎ ✴︎ ✴︎
 
 ただ……毎日、帰って来てからは大変だ。
 一時間以上全く動けなくなる。
 例えではなく、スイッチが切れたように本当にじっとしているみたいだ。
 外から眺めたら静止画のようになっていると思う。
 デッサンモデルになりたいくらいだ。動かないから描きやすいと思う。
 
 一時間くらい経ってから、やっと着替えて顔を洗ったりするけれど、今度は思考の時間に入ってしまう。
 テレビからワールドカップが流れる中、闇の中をさまよう。

 人の相談にはあんなに乗れるのに、自分のことだけはどうにもならない。

 今、社会はとんでもないことになりつつある。
 こんな大変な時に、私は自分のことを考えて、一体、何をしてるんだろ?
 
 ……毎日、気がつくと朝になっている。
 
 努力して2時間くらい眠ってから、稽古まで仕事をする。
 必死で出かけ、稽古場に着く前にスイッチを入れ、そこから5時間はフル回転。
 で、帰ってきて再びデッサンモデルのようになって……。

 このまま行ったらおかしな悟りでも開いてしまいそうだ。
 
 今日はワールドカップの試合がなかったので、この生活サイクルを断ち切ろうと思い、机に座ってこれを書いている。

 考えるしかないんだろうね。

 ……これまでも色んなことがあったけど、なんとかなってきた。
 だいたい、私はどんな問題や障害も、具体的なものはあまり苦にならない。
 解決すればいいだけだからだ。

 高くて絶対に登れないと思っていた壁は、後になって振り返れば大変なものではなかったと気づくことがほとんどだったし。
 
 ただ、生きていくのは選択の連続だ。

 目の前に二つの石があって、どちらかを手にすれば、どちらかは消える。
 そしてどちらを取っても、いいことばかりではない。

 両方をぼんやり置いておきたいと思うんだけど、不思議なことに、時間が来ると二つとも消えてしまう。
 そうやって両方失ったこともあったし、慌てて間違った方を手にしたこともあった。
 
 また、光る石を手にしたつもりが、すぐに輝きを失ってしまって驚いたこともある。
 選ばなかった方の石がいつまでも光っているのを遠くから眺めて後悔した。

 生活の中で全てがクリーンな状態で、全く傷を追わずに生きるなんてことは無理だと知っている。皆、どこかしこに、小さな、時には大きな悩みや問題を抱えつつ、それでも笑ったりして過ごしているだけだ。
 
 できることなら、スマホのゲームに熱中したり、絵を描いたり、革細工を一生懸命したり、それくらいの状態ではいたいね。
 
 
posted by 土田英生 at 04:42| 東京 ☁| 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする